【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら

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95.信頼の大浴場(2)

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人獣じんじゅうたちにうつられないよう、車輪しゃりんを付けます」

と、ミンリンさんは荷運にはこやぐら構想こうそうを熱く語り始めた。

――むにゅう(上)。

背中ですべやわらかな感触かんしょくと、構造物こうぞうぶつ設計せっけいするのが好きで好きでたまらないといった風情ふぜいかたくちとのギャップで脳がバグりそうになる。けど、ミンリンさんは止まらない。

「三段に組み、それぞれの段にたくわえ、上に上にと上げて行けば、今よりもはるかに効率こうりつよく荷を上げられるはずです」

――むにゅう(下)。

「また、わくで固定したかごで上げ下げすれば、体力的にも負担ふたんを減らせるのではないかと」

に、荷物用にもつようのエレベーターを付けるってことね。

――むにゅう(上)。

「まだ計算中ですが、1台で城壁1面をカバーすることが出来るようにと考えております」

それは、スゴイ……。

――むにゅう(下)。

今晩こんばん初陣ういじんむかえたばかりの短弓たんきゅう隊ですが、いずれは東西南北、全面に展開てんかいすることをお考えですよね……?」

「そ、それはそうです……」

――むにゅうぅ(上)。

「そうすると4台あれば、四方しほう、全面の荷運びに必要な人員じんいん大幅おおはばに減らすことが出来ると考えました」

「それは、相当そうとうに助かりますね」

――むにゅうぅぅぅぅぅ(下)。

あ。嬉しかったんだ。

今の編成へんせいでは、各小隊しょうたいに4人ずつの荷運び担当たんとうを付けている。2人が城壁の上、2人が下だ。ロープろし、下で結びつけて引っ張り上げている。

城壁両端りょうたんにあるやぐらの階段で運ぶことも考えたけど、戦況せんきょうを見ながらの補充ほじゅうむずかしそうで、今の形に行きいた。

荷運びを担当してもらった人たちも、槍の訓練くんれんには参加している。その人員を戦闘員せんとういんに回すことが出来たら、理想的りそうてきな小隊数の編成に一歩近づく。

「ミンリンさん。短弓たんきゅう隊の闘いぶりを一目見ただけで、すごいですね」

「いえ……、そんな……」

――むにゅ(上)。

あ。照れたんだ。

「シ、シーシが……」

――むにゅう(下)。

「……マレビト様のお役に立っているさま拝見はいけんし、わ、私にも何か出来ることはないかと……、思っておりました……」

「それは、とてもうれしいです! ありがとうございます!」

――むにゅうぅ(上)。

「木材の備蓄びちく心許こころもとなくなっていることも、おうかがいしております……」

「ええ、そうなんです」

――むにゅう(下)。

「ですから、最小限さいしょうげんの木材で、充分じゅうぶんな強度をたもてる設計せっけいをと、シーシの助言じょげんももらいながら、今、検討けんとうかさねております……」

「あ、ありがとうございます!」

――むにゅうぅぅぅ(上)。

……し、(2回目)が、こんなにくさい気持ちにさせるものだとは、思いもよらなかった。

いつかれるものだとばかり思ってたけど、前のときの「むにゅう」も記憶きおくまされる感じで……。

前のときも思った。

ゆっくり動くのエロいな!

――むにゅうぅ(下)。

前のときは、何か話でもしてないと照れ臭くてたまらなくなって、秀吉ひでよし墨俣一夜城すのまたいちやじょうの話とかしたっけ……。

――むにゅうぅぅ(上)。

やわらかではずむような感触かんしょくと記憶が一緒にくるんでくるみたいな感じで、「この知ってる! 知ってる!」ってなる、自分が気恥ずかしくてたまらない!

――むにゅうぅぅぅぅぅぅ(下)。

「私は、マレビト様を信じております……」

「えっ……?」
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