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第二章
第128話 【学生大会・1】
しおりを挟む短い期間の訓練期間を経て、遂に大会の日となった。
学生だけが出場できる大会だが、かなりの見物人が朝から学園に集まっていた。
「生徒の数も凄いけど、それ以上に大会を見に来た人達も多いね」
「うん。大会で将来有望な人を探したり出来るからね。一応、あれでも学園側が入場券を用意して人数を制限してるんだよ」
「そうなの? えっ、てことは生徒の保護者とかも入場券を買わないと入れないの?」
「ううん。在校生の生徒を持つ家庭には、事前に入場許可証が渡されるから心配はいらないよ。それ以外の人達に関しては、学園が一ヵ月前から入場券を売りに出してるからそれを手に入れるしかないんだよ。まあ、招待される人も中には居るけどね」
大会について知らなかった事をレインにそう教わった。
その後、暫く教室で待機していると先生が教室にやって来て、大会出場者は移動するように言われた。
移動する先は、大会用に作られた会場の待合室で既にかなりの生徒が待機していた。
大会には生徒の8割は参加すると聞いていたが、その言葉通りかなりの数の生徒が大会に参加するみたいだ。
「アルフ君と一緒だったら、集団戦は楽に行けそうだよね。アルフ君の魔法なら、一瞬だろうし」
「それをしたとして、皆は評価されないかもだけど大丈夫?」
「集団戦はほぼ評価出来ないから、個人戦に上がれるんなら僕は良いと思う。リサ達もそうだよね?」
レインがそうリサとアリスに聞くと、アリス達は頷いた。
「集団戦はまだ苦手だし、アルフ君に頼りっぱなしになるけど、それが出来るならしたいかな……」
「私も同じかな、それに魔法使いの私達からしたら集団戦は距離も取りにくいからね……」
「そっか、なら一緒になったらその時は俺が皆の分も闘うよ」
そう皆と約束をして少し待っていると、集団戦の組み分けが行われる事になった。
参加生徒が今年は多い為か、集団戦は全4試合行われて各試合から4名が個人戦へと勝ち上がる形式となっている。
「組み分け何処だった? 俺は一番だけど」
「あ~、残念。僕は三番だ」
「私もレインと同じで三番」
「私はアルフ君と一緒の一番だった」
組み分けでは四つの玉から一つ手に取り、その玉に書かれてる数字が自分の組み分けされるというやり方だった。
俺とアリスは同じ一番を引き、レインとリサは三番を引いた。
「全員バラバラじゃない分、まだ良かったね」
「それに別れるなら一番いい組み合わせで別れたからね。リサ、後ろは任せたよ」
「うん! レインも前衛よろしくね!」
それから組み合わせが終わると、第一試合の生徒は移動するように言われたので俺はアリスと一緒に会場の方へと向かった。
そうして会場に移動すると、観客席には沢山の人が居た。
「あっ、エルドさん達だ」
「えっ、何処に居るの?」
「ほらっ、あそこだよ」
エルドさん達を先に見つけた俺は、キョロキョロと見渡したアリスをエルドさん達が居る方を教えてやった。
すると、アリスと俺が少し立ち止まったせいか、後ろの生徒に背中を押されてしまった。
「あっ、ごめんなさい」
「……商人科の奴は遊び気分で参加するなよな」
直ぐに謝罪をしたが俺達の後ろに居た魔法科の生徒は、俺達が商人科と分かると嫌そうな顔をしてそう言うと先に行ってしまった。
まあ、今のは俺達も悪かったけど、あそこまで言われる必要はあったか?
「普通に暮らしてたら分からなかったけど、商人科ってかなり下に見られてるみたいだな、こんな事をアリス達にもしされたら……」
「アルフ君、なんだか怖い顔だけど何か悪い事を考えてるの?」
「いや、そんな事は無いよ? ただちゃんと大会は本気でやろうかなって、考えていただけだよ」
ここに来るまで、叩き潰しても良いと言われても同じ学園の生徒だからな……という思いが少なからずあった。
しかし、今の様な対応をアリス達も受ける可能性があると考えた俺は、商人科の地位を上げる為にも全力で挑もうと考えを改めた。
取り合えず、さっきぶつかった相手の顔と魔力は完全に覚えたから、後できっちりとお返しをしようと俺は考えた。
その後、会場に出場する生徒が揃うと大会の進行役をしてる学園の先生が、ルールの説明を始めた。
「皆さん、会場に来る前に渡された腕輪は装着していますか? そちらは受けた攻撃を肩代わりしてくれる魔道具となっており、そちらの魔道具に付いてる魔石が砕けた時点で敗北となります。もし万が一、砕けた状態でも戦いを続行するのであれば、その時は学園側は一切の責任を負いませんのでご了承ください。また敗北の条件として、そちらの魔石が砕けるかの他に場外に落ちた場合も敗北となりますのでご注意ください」
そうルールを伝えると、先生は全体を見渡して「それでは第一試合を始めようと思います」と言うと、カウントダウンを始めた。
「ご~、よ~ん、さ~ん、に~」
そのカウントダウンに合わせて、生徒達は武器を手に取った。
「い~ち、ゼロッ!」
そしてカウントダウンが「ゼロ」になった瞬間、生徒達は一斉に戦闘を始めようとした。
しかし、俺は試合開始早々に【風属性魔法】で暴風を発生させ、会場に居た生徒の8割を場外へと飛ばした。
「「えっ?」」
一瞬の出来事に試合を見ていた観客、飛ばされて場外から俺を見上げてる生徒達は驚いた表情をしていた。
しかし、一部俺の事を知ってるルクリア家の人達は「アルフ君、カッコいいよ!」と声援を送ってくれた。
「さてと、さっきはよくも謝罪したのに侮辱してくれたね?」
そうして俺は、先程俺に対して見下すような視線で見て、侮辱してきた生徒に対してそう言った。
相手の生徒は俺の力を目の当たりにして、ガタガタと足が震えていた。
俺はそんな相手に全力を出してもしょうがないと思い、剣を抜いて一瞬で間合いを詰めた。
「今後は、勉強してる科目で人を比べない事だね」
そう俺はその生徒に対して助言を伝え、場外へと吹き飛ばした。
その後、残った生徒達はようやく我に返り、俺とアリスに戦いを挑むのか思ったがそんな事は無く、残った生徒同士で戦いを始めた。
そして残り2人まで生徒同士の戦いは続き、無事に俺達は個人戦へと勝ち上がる事になった。
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