時空の迷い子〜異世界恋愛はラノベだけで十分です〜

いろは

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65.キャラ変

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困った!帰るかもまだ決めてないのに… 黙り込むと
「春香…」

声をかけて柔らかく抱きしめてくるアレックスさん。耳元で溜息をついて

「はぁ…自覚して告げたら心が楽になった。自覚するまでお前が殿下やミハイル殿と親くするのを見る度に、イライラし理解できない感情に戸惑っていた。お前に答えて欲しい訳でもないし、ここに縛るつもりもない。春香の答えは全で受け入れる。だから俺の想いは負担に思うな」
「うん。でもびっくりだよ」
「出会いは最悪だったからな」
「そう!初め私嫌いな人ランキング暫定1位だったし」
「そこまでか⁉︎」

腕を緩め悲しい顔をするアレックスさん。

「うん!酷かった!」
「自業自得だが今聞くとショックだ」

あからさまに落ち込むのが可愛く感じて

「今は信頼出来る人ランキングに入っているから!」
「それは良かった。光栄だ」 

顔を合わせて笑い合う。まだ時間がたっぷりあるから買い物をする為に広場に戻ると、沢山の領民に声をかけられる。その殆どは”若様頑張れ”と”若様にしときな”で、声をかけられる度にアレックスさんは律儀に手をあげて答えている。ずっと屋敷で分からなかったけど、領民の皆さんいい人ばかりで領主のケイン様の人柄が分かる。シュナイダー領の様に居心地がいい。

お土産は悩んだがレイモンド父様には柄に飾り彫がされているペーパーナイフと、アビー様にはレース編みされた小物入れを。ジョシュさんには綺麗な組紐の鞘飾りを買った。
ミハイルさんとローランド殿下には瞳の色のガラスペンにした。赤色と若葉色のガラスペンを選んでいたらアレックスさんが寂しそうに見ている。
ふと見る淡いレモン色のガラスペンが目に入る。手に取り店主に渡して別々に包装してもらい、黄色いリボンの箱をアレックスさんに渡した。

「俺にも⁈」
「お世話なってるから…」
「嬉しい…大切にする」

はにかみながら箱を懐に入れた。その表情は何故か可愛く感じ私まで照れる。
店を出ると香ばしい香りがして辿って行くと焼き栗?が売っている。味見に屋台のおばさんが1つくれた。美味しくて屋敷の皆さんに沢山買いお土産にした。この焼き栗?は翌日料理長がケーキにリメイクし皆んなで美味しくいただいた。

帰りの馬車ではアレックスさんがずっと横に座り手を握っている。初めは恥ずかしかったが屋敷に着く頃にはアレックスさんの手の温もりに慣れてうたた寝してしまう。アレックスさんは解禁と言わんばかりに思いっきり溺愛してくる。屋敷の皆んなが行きと全く違うアレックスさんに戸惑い、マニュラ様だけが興奮気味に色々聞いてくる。暫くは注目される事を覚悟した。

街ぶらで疲れ早く就寝しようとしたら部屋にアレックスさんが来た。

「何かありましたか?」
「あぁ…忘れ物だ」
「何?」

アレックスさんは優しく抱きしめ頬に口付けて

「おやすみいい夢を…」
「へ?あっはい。お休みなさい」

微笑み足早に戻って行った。部屋に入り扉前でへたり込んだ。

「アレックスさん。キャラ変激しすぎ!」

激甘なアレックスさんに只管戸惑う。こんな調子で私は王都に戻って大丈夫だろうか…
とりあえず今日は寝よう!
余計な事を考え無いようにベッドに潜り込んだ。


翌朝、今日はグリフの森に行く。朝食の席ではマニュラ様が最高の笑顔で迎えてくれる。その笑顔怖い… てっきりアレックスさんも一緒だと思っていたら、明日の準備があるらしく屋敷で仕事だ。

「兄貴。ハルカは俺が守るから安心しろ」
「必ず昼までに戻れ。春香もあまり無理はするなよ」
「はぃ!」

恐らくグリフとはお別れになるからいっぱいもふもふしよう! 朝食後にすぐに用意をしてエントランスに向かう。グリフの森にはエリックさんと騎士さんが6名同行してくれる。お別れになるから時間を沢山取ってくれている。子供達といっばい戯れよう!
屋敷の皆さんは明日の準備で忙しいようで、エントランスにはエリックさんと騎士さんと執事さんがいた。直ぐに騎乗し森に向かう。道中エリックさんにアレックスさんの事を根掘り葉掘り聞かれて赤面する。そしてエリックさんは真面目な顔をして

「あんな穏やかな兄貴は初めて見たよ。俺は春香が姉上になるなら嬉しい。やっぱり明日帰るのか?」
「うん。ヴェルディアに行かないといけないから。それにアレックスさんの想いはいただいたけど、返事はして無いし未だ帰りたい気持ちもあるから…」
「ヴェルディアから帰り落ち着いたら、また来ればいいし兄貴の事もゆっくり考えればいい」
「ありがとう」

目的地に着く沢山のグリフが迎えてくれ癒しの時間を楽しむ。エリックさんの言っていた通り子供達は少しなら飛べるようになっていて、その様子をランが優しい眼差しで見ている。次来る時はランの子供に会えるだろう!できれば早く帰ってきたいな…

グリフに癒されお昼過ぎ屋敷に戻り、明日の準備をしコールマン家の皆さんと最後の夕食を頂く。
当初の予定では10日の滞在が1ヶ月近くまで延び、町屋敷の様にここは居心地がいい場所になった。正直言って明日でお別れは寂しい。来るのに1日半かかるから気楽に行き来出来ない。しんみりしていたらケイン様が

「ここは春香の家だ。いつでも帰っておいで。娘でもいいし嫁でもいいからね」
「ありがとうございます。皆さんには良くしていただいて感謝しています」
「父上も母上もそんなにしんみりしたら、春香が帰り辛くなります。今生の別れでは無いんだ」

アレックスさんが助け舟をだしてくれ、いつも通りの雰囲気になりほっとする。こうして最後の食事を終えてアレックスさんと部屋に戻ると、扉前でまたお休みのキスをするアレックスさん。
慣れなくて自分で顔が赤くなるのがわかる。
それにしてもこんなに変わったアレックスさんを見たら殿下は驚くかもしれない。
殿下も私に求婚しているから、告白したアレックスさんと殿下はライバルになるの? 幼馴染だから仲違いはしてほしく無いなぁ…っとこの時は思っていた。

明日は朝一に帰るから早めに就寝する。さぁ!王都に戻るぞ!
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