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4.受理される筈のない離縁状
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「とりあえず、名前を伺えるか?」
キースがにっこりと柔和な表情で訊ねる。しかし、目は笑っていない。
「誰だお前は!?」
名前を訊ねられたヘンドリックは答えることなく、キースを睨みつけて噛みつくように言った。
「おや? シェーラの夫なのに、お義兄様の名前も知らないのか?」
キースが嘲笑するように矛盾を突く。
最初から会話が噛み合っていないのだから、いい加減自身の思い込みに気づいてもいいのだが、ヘンドリックは頑なだった。
「義兄? そうか、義兄上か! 丁度いい。貴方も妹に離縁状に署名するよう説得してくれ」
「そもそもうちの大事な妹を、お前のようなおかしい男に嫁にやった覚えはないが?」
声音に変化はないが、キースの目は今にもヘンドリックを絞め殺してやりたいと言わんばかりに血走っていた。
その様子を見て、ヘンドリックとまともに会話するのは無理だと判断したシェーラが、脇から兄に言った。
「ヘンドリック・エドゥーラというそうです」
「エドゥーラ?」
「ご存知なのですか?」
「ああ。確かようやく三代目くらいの新参の伯爵家だったはず。特に可も不可もない──あまり話を聞かないから、よく知らないけど」
ずっと社交の場に出ていないために、有力貴族やアルトゥニス侯爵家と所縁ある家の家名くらいしか知らないシェーラと違い、次期侯爵であるキースは多くの貴族の家名や名前、家族構成などを把握している。
そんなキースですら、そのような感想しか出ないのであれば、エドゥーラ伯爵家とは随分目立たない家のようだ。
「まぁいい。名前さえ分かれば。後日、エドゥーラ伯爵家には正式に抗議させて貰う。せいぜい覚悟しておけ」
「このままお引き取りいただいても?」
「ああ。このままうちに留めても意味ないからな。さっさと摘まみ出してくれ。景観を損ねるし、シェーラの目に悪い」
守衛の問い掛けに冷淡に答えると、キースは余所者を追い払うように手を振った。
「分かりました──けど、こいつ無駄に踏ん張る力があって──」
「放せ! 何でもいいから署名を──」
「おおーい! 大丈夫かー?」
「先パーイ! 遅いですよ! どんだけトイレ長いんですか!?」
駆け寄ってくるもう一人の守衛に、ヘンドリックと格闘している守衛が言った。
「悪い悪い──って、キース様! シェーラ様!」
先輩守衛はシェーラとキースの姿を認めると、ピシッと真っ直ぐに気を付けをした。
「いいから。早く手伝ってやれ」
「はっ!」
キースに促され、先輩守衛も参戦し、二対一でようやくヘンドリックはずるずると移動させられる。
「くそっ、ふざけるな! こんな真似をしてただで済むと思っているのか!? おい、シェーラ! 助けろ!」
「貴方にファーストネームで呼ばれる筋合いはないわ」
助けを求められるが、当然助ける気など微塵もない。
「俺の妻だろう!」
「違うって言ってるでしょーが! 少しは話を聞いたらどうなの!? 何で、私が貴方の妻なのよ!? 貴方の両親に会ったこともないし、指輪を交換したこともないし、結婚式を挙げてもいないでしょ!?」
「だから何だ? アミーカが言ってたんだぞ!」
「誰よアミーカ」
よく知らん奴に知らない名前を出された。
誰でもいいから、どういうことか説明して欲しい。けれど、世界一の探偵と言えど、今シェーラが知っている情報から真実を究明するのは不可能だろう。
「いいから署名をしろ!」
ずるずるずるずる。地面に引き摺った後を残して遠ざかりつつも、ヘンドリックは徹頭徹尾同じ台詞を繰り返す。
(この調子じゃまた押し掛けて来そうだわ)
もう二度とアルトゥニス侯爵家の守衛がヘンドリックを通すことはないだろうが、このような人物に家の周りをうろつかれると思うだけで、シェーラはぞっとした。
「はぁ~。キースお兄様、ペンある?」
「え? ああ、うん」
キースは言われるがままに、シェーラに胸ポケットに差してしたペンを手渡した。
それを受け取ると、シェーラはヘンドリックにつかつかと近づき、離縁状をひったくると、左手を下敷きにして、離縁の合意を示す妻の欄にシェーラ・アルトゥニスの名を書き込んだ。
手のひらの上で書いたにしては、流麗な自分の名前を書いた離縁状をヘンドリックの鼻先に突きつける。
「はい、これでいいんでしょ? 名前を書いたんだから、これで貴方と私は赤の他人よ。まぁ、元からだけど──満足したなら、二度と現れないで」
(元々婚約届が出されてないんだから、離縁状に署名してもこっちは痛くも痒くもないしね)
ヘンドリックは離縁状を受け取ると、喜色満面に笑み、さっきとは打って変わって大人しくなった。
「最初から素直に署名すれば良かったんだ。ああ、これでエリザベスと一緒になれる!」
「誰よエリザベス」
結局、最初から最後まで訳の分からないまま、シェーラはヘンドリックを見送った。
二度と会いたくないと思いつつ、シェーラは兄に訊ねた。
「お兄様」
「何?」
「外の人って皆ああなの?」
「──シェーラ、流石にそれは色んな人に失礼だよ」
* * * * *
何はともあれ、これでもう変なことは起こらないだろうと胸を撫で下ろした後日。
シェーラはヘンドリックに踏まれなかった薔薇を綺麗に洗って作った薔薇の砂糖漬けを紅茶に浮かべ、ティータイムを嗜んでいた。
そこへ、リサが一通の手紙を持って来た。
「お嬢様、役所からお手紙が」
「手紙──リサ、悪いけれど読み上げてくれるかしら?」
「かしこまりました」
昨日の出来事のせいで、手紙に軽いトラウマの出来たシェーラはリサに代読を頼んだ。
リサは手紙の封を切ると、その内容を読み上げる。
(ていうか、役所から? 何かあったっけ?)
首を傾げつつ、紅茶を口に含む。ふっと薔薇の花弁が唇に触れ、僅な芳香が鼻腔をくすぐった。
「では、読みます。
『シェーラ・アルトゥニス様
先日提出された離縁状の署名と婚姻届の署名の筆跡が一致しませんでした。
至急、確認のためにご連絡ください。』だそうです。・・・・・・え?」
お役所らしい短く簡潔な文章を読み上げ、その内容に呆然とするリサの隣には、紅茶の雨によって作り出さされた小さな虹の橋が架かっていた。
キースがにっこりと柔和な表情で訊ねる。しかし、目は笑っていない。
「誰だお前は!?」
名前を訊ねられたヘンドリックは答えることなく、キースを睨みつけて噛みつくように言った。
「おや? シェーラの夫なのに、お義兄様の名前も知らないのか?」
キースが嘲笑するように矛盾を突く。
最初から会話が噛み合っていないのだから、いい加減自身の思い込みに気づいてもいいのだが、ヘンドリックは頑なだった。
「義兄? そうか、義兄上か! 丁度いい。貴方も妹に離縁状に署名するよう説得してくれ」
「そもそもうちの大事な妹を、お前のようなおかしい男に嫁にやった覚えはないが?」
声音に変化はないが、キースの目は今にもヘンドリックを絞め殺してやりたいと言わんばかりに血走っていた。
その様子を見て、ヘンドリックとまともに会話するのは無理だと判断したシェーラが、脇から兄に言った。
「ヘンドリック・エドゥーラというそうです」
「エドゥーラ?」
「ご存知なのですか?」
「ああ。確かようやく三代目くらいの新参の伯爵家だったはず。特に可も不可もない──あまり話を聞かないから、よく知らないけど」
ずっと社交の場に出ていないために、有力貴族やアルトゥニス侯爵家と所縁ある家の家名くらいしか知らないシェーラと違い、次期侯爵であるキースは多くの貴族の家名や名前、家族構成などを把握している。
そんなキースですら、そのような感想しか出ないのであれば、エドゥーラ伯爵家とは随分目立たない家のようだ。
「まぁいい。名前さえ分かれば。後日、エドゥーラ伯爵家には正式に抗議させて貰う。せいぜい覚悟しておけ」
「このままお引き取りいただいても?」
「ああ。このままうちに留めても意味ないからな。さっさと摘まみ出してくれ。景観を損ねるし、シェーラの目に悪い」
守衛の問い掛けに冷淡に答えると、キースは余所者を追い払うように手を振った。
「分かりました──けど、こいつ無駄に踏ん張る力があって──」
「放せ! 何でもいいから署名を──」
「おおーい! 大丈夫かー?」
「先パーイ! 遅いですよ! どんだけトイレ長いんですか!?」
駆け寄ってくるもう一人の守衛に、ヘンドリックと格闘している守衛が言った。
「悪い悪い──って、キース様! シェーラ様!」
先輩守衛はシェーラとキースの姿を認めると、ピシッと真っ直ぐに気を付けをした。
「いいから。早く手伝ってやれ」
「はっ!」
キースに促され、先輩守衛も参戦し、二対一でようやくヘンドリックはずるずると移動させられる。
「くそっ、ふざけるな! こんな真似をしてただで済むと思っているのか!? おい、シェーラ! 助けろ!」
「貴方にファーストネームで呼ばれる筋合いはないわ」
助けを求められるが、当然助ける気など微塵もない。
「俺の妻だろう!」
「違うって言ってるでしょーが! 少しは話を聞いたらどうなの!? 何で、私が貴方の妻なのよ!? 貴方の両親に会ったこともないし、指輪を交換したこともないし、結婚式を挙げてもいないでしょ!?」
「だから何だ? アミーカが言ってたんだぞ!」
「誰よアミーカ」
よく知らん奴に知らない名前を出された。
誰でもいいから、どういうことか説明して欲しい。けれど、世界一の探偵と言えど、今シェーラが知っている情報から真実を究明するのは不可能だろう。
「いいから署名をしろ!」
ずるずるずるずる。地面に引き摺った後を残して遠ざかりつつも、ヘンドリックは徹頭徹尾同じ台詞を繰り返す。
(この調子じゃまた押し掛けて来そうだわ)
もう二度とアルトゥニス侯爵家の守衛がヘンドリックを通すことはないだろうが、このような人物に家の周りをうろつかれると思うだけで、シェーラはぞっとした。
「はぁ~。キースお兄様、ペンある?」
「え? ああ、うん」
キースは言われるがままに、シェーラに胸ポケットに差してしたペンを手渡した。
それを受け取ると、シェーラはヘンドリックにつかつかと近づき、離縁状をひったくると、左手を下敷きにして、離縁の合意を示す妻の欄にシェーラ・アルトゥニスの名を書き込んだ。
手のひらの上で書いたにしては、流麗な自分の名前を書いた離縁状をヘンドリックの鼻先に突きつける。
「はい、これでいいんでしょ? 名前を書いたんだから、これで貴方と私は赤の他人よ。まぁ、元からだけど──満足したなら、二度と現れないで」
(元々婚約届が出されてないんだから、離縁状に署名してもこっちは痛くも痒くもないしね)
ヘンドリックは離縁状を受け取ると、喜色満面に笑み、さっきとは打って変わって大人しくなった。
「最初から素直に署名すれば良かったんだ。ああ、これでエリザベスと一緒になれる!」
「誰よエリザベス」
結局、最初から最後まで訳の分からないまま、シェーラはヘンドリックを見送った。
二度と会いたくないと思いつつ、シェーラは兄に訊ねた。
「お兄様」
「何?」
「外の人って皆ああなの?」
「──シェーラ、流石にそれは色んな人に失礼だよ」
* * * * *
何はともあれ、これでもう変なことは起こらないだろうと胸を撫で下ろした後日。
シェーラはヘンドリックに踏まれなかった薔薇を綺麗に洗って作った薔薇の砂糖漬けを紅茶に浮かべ、ティータイムを嗜んでいた。
そこへ、リサが一通の手紙を持って来た。
「お嬢様、役所からお手紙が」
「手紙──リサ、悪いけれど読み上げてくれるかしら?」
「かしこまりました」
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リサは手紙の封を切ると、その内容を読み上げる。
(ていうか、役所から? 何かあったっけ?)
首を傾げつつ、紅茶を口に含む。ふっと薔薇の花弁が唇に触れ、僅な芳香が鼻腔をくすぐった。
「では、読みます。
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