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拓サイド
おまけ2 浮かれ気分で過ごす夜 中編
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「なんで謝る? 俺だって食う奴買ってきたんだから蛍が謝る必要ないだろ?」
「そうなんだけど、今回米家の番だったからさ。母さんに言うの忘れてたんだよ、だからごめんな。今日送ったって言ってたから明日着くはず」
米はそれぞれの実家から、交互に送って貰っている。
どちらも兼業農家で米や野菜を作っているから、米の他旬の野菜を送って来る。
生産者あるあるで、白菜もキャベツも一玉まるごと、キュウリや人参なんて売るのか? という量だ。
男二人とはいえ、蛍は小食だから消費するのは結構大変だったりする。
「俺も米の残り忘れてたからおあいこだよ」
靴を玄関の隅に置き、スリッパを履きながらエコバックを蛍に渡す。
「ありがと、明日お弁当サンドイッチでも大丈夫かな」
「え、いいのか? サンドイッチ結構好きだから嬉しいよ。今日の弁当も美味かった。ありがとな」
蛍は自分が自宅勤務だからと、朝ご飯を作るついでにいつも俺の弁当を作ってくれる。
蛍自身は、俺の弁当作ったあまりを皿に盛って置いて冷蔵庫に置いておいて昼はそれを食っているらしいけれど、冷食は一品とかで後は全部蛍作なのが凄いんだ。
「へへ、お礼言われる程じゃないよ。俺の昼準備も必要だし、ついでだし」
照れてるけれど、蛍だけなら弁当向きじゃないものだって食べられるのに、朝忙しい時間帯に作ってくれるんだから有難い以外の言葉なんて浮かばない。
「卵焼き俺の好きなツナとチーズ入りだし、ほうれん草の海苔巻きも俺の好きなもんだし。蛍俺の好み良く分かってるよなあ」
今日の弁当はツナとチーズ入り卵焼きに茹でたほうれん草の海苔巻き、豚肉とアスパラの炒め物、ピーマンの肉詰めにブロッコリーとトマトのサラダ、それにおかかと梅干入りのおむすびが二つだった。
俺の好きな物だけらけの弁当に、蛍からの愛情を感じてしまうってのは俺のうぬぼれだろうか。
「え、あの……いいだろ。ほうれん草は食べた方が良いんだよ。それにピーマンの奴は昨日の夕飯に作った奴のあまりだろ」
あまりというか、あれは弁当用に大目に作ってるんだって、鈍い俺だって気が付いてる。
冷凍できそうな献立の時、蛍は大目に作って置いて冷凍保存していて弁当や忙しい時の夕飯用にしてるんだ。
冷凍庫にやたら総菜っぽいのが入ってるなと思って最初は不思議だったんだけど、刻んだネギとか玉ねぎとかキノコとかの他にそういうもの使ってパパパっと料理を蛍が作るの見て、すげえって感動したのは一度や二度じゃない。
「いいから、早く着替えて来いよ。腹空いてるだろ、パンはトーストで良い……あれ、これ?」
「あ、ケーキは蛍。俺はヨーグルトな」
キッチンに向かいつつエコバックから食パンを取り出そうとしてケーキに気が付いたらしい蛍が、足を止めた。
「え、ケーキ? 俺に?」
「うん。食パン取ってレジに行こうとしたら目に入ってさ。コンビニってケーキとか沢山売ってるんだな」
弁当とかの側にスィーツコーナーがあることが殆どだと思うけど、弁当を買ったりしても今まで甘いものに興味が全く無かったから立ち止まって見ることすら今まで無かったんだよなあ。
高校時代、蛍と一緒にコンビニ入ったことなんて一度や二度じゃないのに、蛍が買ってるのも見たことがない。
「え、凄い苺沢山のってる。美味しそうっ」
蛍はケーキを取り出して、四方八方からケーキを眺めている。
はしゃいでいる蛍が可愛すぎるんだが、ワンコイン以下の値段でこんなに喜んでくれるなんて、なんで俺は今まで蛍の好きなものを知らなかったんだろう。
「蛍の好みにあって良かったよ。色々あったから今度一緒に買いに行こうよ」
「え、うん。色々?」
「うん、ラズベリージャムと生クリームたっぷりのせて食べようシフォンケーキとか、ザクザク食感シュークリームとか名前覚えるのが大変そうなのが沢山あった」
「へええそうなんだ。俺シュークリームもシフォンケーキも好きっ」
うろ覚えの名前を言うと、蛍の目が嬉しそうに輝く。
本気で好きなんだなあ、こんな喜ぶなんて、毎日でも買って来たくなっちゃうな。
「そうなんだけど、今回米家の番だったからさ。母さんに言うの忘れてたんだよ、だからごめんな。今日送ったって言ってたから明日着くはず」
米はそれぞれの実家から、交互に送って貰っている。
どちらも兼業農家で米や野菜を作っているから、米の他旬の野菜を送って来る。
生産者あるあるで、白菜もキャベツも一玉まるごと、キュウリや人参なんて売るのか? という量だ。
男二人とはいえ、蛍は小食だから消費するのは結構大変だったりする。
「俺も米の残り忘れてたからおあいこだよ」
靴を玄関の隅に置き、スリッパを履きながらエコバックを蛍に渡す。
「ありがと、明日お弁当サンドイッチでも大丈夫かな」
「え、いいのか? サンドイッチ結構好きだから嬉しいよ。今日の弁当も美味かった。ありがとな」
蛍は自分が自宅勤務だからと、朝ご飯を作るついでにいつも俺の弁当を作ってくれる。
蛍自身は、俺の弁当作ったあまりを皿に盛って置いて冷蔵庫に置いておいて昼はそれを食っているらしいけれど、冷食は一品とかで後は全部蛍作なのが凄いんだ。
「へへ、お礼言われる程じゃないよ。俺の昼準備も必要だし、ついでだし」
照れてるけれど、蛍だけなら弁当向きじゃないものだって食べられるのに、朝忙しい時間帯に作ってくれるんだから有難い以外の言葉なんて浮かばない。
「卵焼き俺の好きなツナとチーズ入りだし、ほうれん草の海苔巻きも俺の好きなもんだし。蛍俺の好み良く分かってるよなあ」
今日の弁当はツナとチーズ入り卵焼きに茹でたほうれん草の海苔巻き、豚肉とアスパラの炒め物、ピーマンの肉詰めにブロッコリーとトマトのサラダ、それにおかかと梅干入りのおむすびが二つだった。
俺の好きな物だけらけの弁当に、蛍からの愛情を感じてしまうってのは俺のうぬぼれだろうか。
「え、あの……いいだろ。ほうれん草は食べた方が良いんだよ。それにピーマンの奴は昨日の夕飯に作った奴のあまりだろ」
あまりというか、あれは弁当用に大目に作ってるんだって、鈍い俺だって気が付いてる。
冷凍できそうな献立の時、蛍は大目に作って置いて冷凍保存していて弁当や忙しい時の夕飯用にしてるんだ。
冷凍庫にやたら総菜っぽいのが入ってるなと思って最初は不思議だったんだけど、刻んだネギとか玉ねぎとかキノコとかの他にそういうもの使ってパパパっと料理を蛍が作るの見て、すげえって感動したのは一度や二度じゃない。
「いいから、早く着替えて来いよ。腹空いてるだろ、パンはトーストで良い……あれ、これ?」
「あ、ケーキは蛍。俺はヨーグルトな」
キッチンに向かいつつエコバックから食パンを取り出そうとしてケーキに気が付いたらしい蛍が、足を止めた。
「え、ケーキ? 俺に?」
「うん。食パン取ってレジに行こうとしたら目に入ってさ。コンビニってケーキとか沢山売ってるんだな」
弁当とかの側にスィーツコーナーがあることが殆どだと思うけど、弁当を買ったりしても今まで甘いものに興味が全く無かったから立ち止まって見ることすら今まで無かったんだよなあ。
高校時代、蛍と一緒にコンビニ入ったことなんて一度や二度じゃないのに、蛍が買ってるのも見たことがない。
「え、凄い苺沢山のってる。美味しそうっ」
蛍はケーキを取り出して、四方八方からケーキを眺めている。
はしゃいでいる蛍が可愛すぎるんだが、ワンコイン以下の値段でこんなに喜んでくれるなんて、なんで俺は今まで蛍の好きなものを知らなかったんだろう。
「蛍の好みにあって良かったよ。色々あったから今度一緒に買いに行こうよ」
「え、うん。色々?」
「うん、ラズベリージャムと生クリームたっぷりのせて食べようシフォンケーキとか、ザクザク食感シュークリームとか名前覚えるのが大変そうなのが沢山あった」
「へええそうなんだ。俺シュークリームもシフォンケーキも好きっ」
うろ覚えの名前を言うと、蛍の目が嬉しそうに輝く。
本気で好きなんだなあ、こんな喜ぶなんて、毎日でも買って来たくなっちゃうな。
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