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後日談と言う名のおまけ
その後の俺たちは2(蛍視点)
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「拓、ビール飲む?」
拓と入れ替わりに風呂に入った俺がバスタオルで頭を拭きつつリビングに戻ると、拓はソファーに膝を抱えて座っていた。
「拓ーーっ、ビールじゃなく麦茶の方がいい?」
俺は牛乳飲もうかな、まだ背が伸びる可能性を信じてる。もう社会人三年目だけど。
拓の返事が無いのを気にしつつ、キッチンに向かい頭にバスタオルを被せながら冷蔵庫のドアを開くと、いつの間にかやって来た拓が俺の背中に手を置いて俺の肩越しに冷蔵庫の中を覗き込んだ。
ビッ、ビックリ。
こういうのって前からよくあったけど、それって付き合う前だし、友達の距離感で触れ合いとかじゃないし。
「ビールと、そういえば貰いもんのワインもある」
動揺してるのを気が付かれないように、そう言うと「ビールかな」と返事が返ってくる。
「蛍は?」
「沢山は飲めないからなぁ。飲みながら映画見てたら寝る自信しかない」
顔が赤くなってないだろうか、拓から俺と同じシャンプーのシトラスミントの匂いがして、なんで自分じゃなく拓の匂いって分かるんだよって、目茶苦茶動揺してるのバレてないだろうかと焦りまくる。
バスタオル頭に被せてて良かった。
絶対俺の顔、今赤いと思う。
「俺のから飲めば、一口で満足するんだろ?」
「……そうしよっかな。つまみどうする? 何か作ろうか」
「そんなに腹減ってないし、チーズとサラミのセット先週買ったよな、それどう?」
買い出し行った時、俺の好きな色々なチーズとサラミがセットになっている奴を買ったんだ。
あれ、ちょっと高いけどオイルに漬かった奴が良いんだよなあ。
「じゃあそれで、あ、でもトマト食べたいかも」
チーズとサラミだけだと口の中脂っぽくなるなと考えて、野菜室からトマトとセロリを取り出す。
「じゃあグラス持ってく、麦茶もか?」
「うん、よろしく」
トマトとセロリを洗い始めた俺を残し、拓は大きめのグラスに氷をいれ麦茶を注ぎ、トレイにビール用のグラスと麦茶のグラスとビールの缶を載せリビングに向かった。
「……暑っ」
顔が火照って困るのは、風呂上がりのせいだと思いたい。
洗ったトマトを薄切りに、セロリは食べやすく斜めに切った。
小さなココット皿にマヨネーズと明太子チューブを絞って軽く混ぜ、大きめの皿を出して真ん中にココット皿を載せぐるりとチーズとサラミとトマトとセロリを盛り付けてから、クラッカーも欲しいかと箱を取り出して皿と一緒にリビングに運ぶ。
「あれ、小皿出してくれたんだ。ありがと」
リビングのテーブルにグラスと共に小皿と箸が並べて、そこにこそっとのり塩味のポテチの袋が開いているのを見つけてつい頬が緩む。
拓はコンソメ派のくせに、二人で食べる時は俺の好きなのり塩にしてくれるんだよなあ。
こんな些細なことに幸せ感じる俺って、単純なのか、拓が優しすぎるのか悩むところだ。
「そっちこそ、なんかおしゃれに盛り付けてくれてありがと、これマヨネーズ? なんか美味そうなんだが」
拓ってこんな簡単な、料理とも言えないものでも喜んでくれるとこ、いい奴だよなあ。
「えへへ、じゃあ取り敢えず乾杯ってことで」
「「かんぱーいっ!」」
ソファーに隣同士に座り、拓はビール、俺は麦茶のグラスを持って軽く合わせる。
こういう週末の過ごし方って、何か今まで数え切れないくらい拓とやってきたけど、俺たち恋人なんだよなあって思うと、ニヤニヤ笑いが止まらない。
さっきは、怖いなあって怯えちゃったけどさ、ちょっとくらい拓に甘えてみたい気持ちもあるから、雰囲気良くなったらいつもみたいに逃げずに頑張ってみようかな。
男は度胸、だよね。
「あーっ、ビール美味いっ。蛍冷えてるうちに飲んじゃえよ」
「あ、うん。いただこうかな」
一口ぐびりと飲んで、炭酸の刺激と久々のビールの味にもう酔いそうな気持ちになりながら、問題は恐怖心なのだから酒の力を借りると言う手もあるのかと考える。
「よし、観よう観よう」
テレビに繋いでるネットのサイト画面から、観たいと言っていた映画を選択していく拓を横目にポテチを取りつつさりげなく拓との間の距離を詰める。
勇気出せ俺、自分を鼓舞しつつ逃げずに甘えようとしていたのに、その夜の拓はなんの反応もしないまま映画を見終え、テーブルを片付け、歯を磨き、それぞれの部屋でいつもの様に眠りについたんだ。
拓と入れ替わりに風呂に入った俺がバスタオルで頭を拭きつつリビングに戻ると、拓はソファーに膝を抱えて座っていた。
「拓ーーっ、ビールじゃなく麦茶の方がいい?」
俺は牛乳飲もうかな、まだ背が伸びる可能性を信じてる。もう社会人三年目だけど。
拓の返事が無いのを気にしつつ、キッチンに向かい頭にバスタオルを被せながら冷蔵庫のドアを開くと、いつの間にかやって来た拓が俺の背中に手を置いて俺の肩越しに冷蔵庫の中を覗き込んだ。
ビッ、ビックリ。
こういうのって前からよくあったけど、それって付き合う前だし、友達の距離感で触れ合いとかじゃないし。
「ビールと、そういえば貰いもんのワインもある」
動揺してるのを気が付かれないように、そう言うと「ビールかな」と返事が返ってくる。
「蛍は?」
「沢山は飲めないからなぁ。飲みながら映画見てたら寝る自信しかない」
顔が赤くなってないだろうか、拓から俺と同じシャンプーのシトラスミントの匂いがして、なんで自分じゃなく拓の匂いって分かるんだよって、目茶苦茶動揺してるのバレてないだろうかと焦りまくる。
バスタオル頭に被せてて良かった。
絶対俺の顔、今赤いと思う。
「俺のから飲めば、一口で満足するんだろ?」
「……そうしよっかな。つまみどうする? 何か作ろうか」
「そんなに腹減ってないし、チーズとサラミのセット先週買ったよな、それどう?」
買い出し行った時、俺の好きな色々なチーズとサラミがセットになっている奴を買ったんだ。
あれ、ちょっと高いけどオイルに漬かった奴が良いんだよなあ。
「じゃあそれで、あ、でもトマト食べたいかも」
チーズとサラミだけだと口の中脂っぽくなるなと考えて、野菜室からトマトとセロリを取り出す。
「じゃあグラス持ってく、麦茶もか?」
「うん、よろしく」
トマトとセロリを洗い始めた俺を残し、拓は大きめのグラスに氷をいれ麦茶を注ぎ、トレイにビール用のグラスと麦茶のグラスとビールの缶を載せリビングに向かった。
「……暑っ」
顔が火照って困るのは、風呂上がりのせいだと思いたい。
洗ったトマトを薄切りに、セロリは食べやすく斜めに切った。
小さなココット皿にマヨネーズと明太子チューブを絞って軽く混ぜ、大きめの皿を出して真ん中にココット皿を載せぐるりとチーズとサラミとトマトとセロリを盛り付けてから、クラッカーも欲しいかと箱を取り出して皿と一緒にリビングに運ぶ。
「あれ、小皿出してくれたんだ。ありがと」
リビングのテーブルにグラスと共に小皿と箸が並べて、そこにこそっとのり塩味のポテチの袋が開いているのを見つけてつい頬が緩む。
拓はコンソメ派のくせに、二人で食べる時は俺の好きなのり塩にしてくれるんだよなあ。
こんな些細なことに幸せ感じる俺って、単純なのか、拓が優しすぎるのか悩むところだ。
「そっちこそ、なんかおしゃれに盛り付けてくれてありがと、これマヨネーズ? なんか美味そうなんだが」
拓ってこんな簡単な、料理とも言えないものでも喜んでくれるとこ、いい奴だよなあ。
「えへへ、じゃあ取り敢えず乾杯ってことで」
「「かんぱーいっ!」」
ソファーに隣同士に座り、拓はビール、俺は麦茶のグラスを持って軽く合わせる。
こういう週末の過ごし方って、何か今まで数え切れないくらい拓とやってきたけど、俺たち恋人なんだよなあって思うと、ニヤニヤ笑いが止まらない。
さっきは、怖いなあって怯えちゃったけどさ、ちょっとくらい拓に甘えてみたい気持ちもあるから、雰囲気良くなったらいつもみたいに逃げずに頑張ってみようかな。
男は度胸、だよね。
「あーっ、ビール美味いっ。蛍冷えてるうちに飲んじゃえよ」
「あ、うん。いただこうかな」
一口ぐびりと飲んで、炭酸の刺激と久々のビールの味にもう酔いそうな気持ちになりながら、問題は恐怖心なのだから酒の力を借りると言う手もあるのかと考える。
「よし、観よう観よう」
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勇気出せ俺、自分を鼓舞しつつ逃げずに甘えようとしていたのに、その夜の拓はなんの反応もしないまま映画を見終え、テーブルを片付け、歯を磨き、それぞれの部屋でいつもの様に眠りについたんだ。
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