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本編
急激展開
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「山城様、この度は小姓様に怪我を負わせ又ご迷惑をお掛けし大変申し訳ございませんでした」
メイドさんに洗面所まで案内して貰った僕は、顔を洗って頬に湿布を貼って貰うと、用意された服に着替え髪を整えてからリビングに戻った。
ふわもこの服はルームウェアだから、客を迎えるのには向かない。
今着ているのは、柔らかな素材のシャツの上にざっくりと編まれたクリーム色のセーターに焦げ茶色のスキニーパンツだ。ストレッチが効いているからか凄く動きやすい。
どれもこれも、素材がいいのが分かる。
僕だって裕福な伯爵家に生まれてそれなりの服を用意されていたというのに、今まで着ていた物と比べ物にならないと分かるって凄い。
そんな高級な服がウォークインクローゼットに沢山用意されている。
さっきは素直に喜んじゃったけれど、雅がどれだけ僕の為にお金を使ったのか、想像できないのが怖い。
「千晴様中へどうぞ」
「うん」
ドアを薄く開いて聞こえてきた声に入るのを躊躇していたら、メイドさんに中へ入るよう促され恐る恐る中へ進む。
そして、ちょっと逃げ出したくなった。
なんなの、この光景。
ソファーに足を組んで座る雅と、雅が座るソファーの反対側のソファーの脇の床で土下座している大林君の姿。
壁際にはメイドさんが三人控えている。
「雅」
「ハル、おいで」
額を床に付けたままの大林君を無視したまま、雅は僕を手招きする。
「大林君、頭を上げて」
小姓としてよくない行動なのかもしれないけれど、クラスの人の中では比較的仲良しの大林君を謝らせたままなのは気が引けて、ついつい側に寄ってしまった。
「ハル」
「雅、お願い」
「全く。いいよ大林、謝罪を受ける。話しにくいから座ってくれ」
大袈裟なため息をついた後、雅は大林君に声を掛けてから立ち上がって僕の手を引きソファーへと戻った。
ぴったりと体を寄せて座る必要はどこにあるんだろう、疑問を感じ、ついでに腰に回された雅の腕をどうしようと戸惑ってしまう。
いくら小姓の手続きが終わったとはいえ、これって大胆すぎないかな。
「千晴様、お顔のお怪我は如何でしょうか」
「少し腫れているけれど、痛みはそんなにないんだ。心配掛けてごめんね」
「いいえ、本来私が受ける筈でしたのに本当に申し訳ございません」
言われて、そう言えば僕は大林君を庇って打たれたんだったと思い出した。
谷崎様に打たれたショックや、その後の諸々の印象が強くて忘れていたな。
「僕が勝手に前に出ちゃったんだし、そもそも大林君は僕が木村君に絡まれていたのを庇ってくれたから谷崎様が怒り始めたわけだし、原因は僕だよ」
打たれた理由を思い出して、僕はしょんぼりと落ち込んでしまう。
雅が守ってくれるのは分かってるけれど、ただでさえ仲良くない雅と谷崎様が僕のせいで更に険悪になるのかと思うと落ち込むしかない。
小姓って旦那様の癒しにならないといけないのに、問題起こしてちゃ駄目だよね。
「いいえ、あの様に理性を無くし手を上げるなどあってはなりません。彼は次期当主には相応しくない」
「え、そうかもしれないけどそんなの僕達がどうこう出来る話じゃないし」
「それがそうでもないんだ」
「どういうこと?」
谷崎様は公爵家、雅は侯爵家、僕と大林君は伯爵家、打たれたとはいえ不敬が理由だと言われたら抗議だって出来ない筈だ。
あの人の保証人になっている川島伯爵家に抗議したのと訳が違うんじゃないのかな?
「彼は当主には向かないでしょう、あの性格では彼が当主になった途端家が傾きかねません」
どうして大林君がこんなにキッパリと判断出来るんだろう、それに雅も否定しない。
状況が分からずに首を捻っていたら、大林君が理由を教えてくれた。
「私は谷崎公爵家の長男として、あれを退学させます。それが今回のケジメです。退学させた後は領地で謹慎させ二度と外には出しません。勿論あれの母親もその責により一緒に謹慎させます」
谷崎公爵家の長男? 大林君が? え、じゃあなんで。
戸惑う僕に大林君はただ微笑むだけだったんだ。
メイドさんに洗面所まで案内して貰った僕は、顔を洗って頬に湿布を貼って貰うと、用意された服に着替え髪を整えてからリビングに戻った。
ふわもこの服はルームウェアだから、客を迎えるのには向かない。
今着ているのは、柔らかな素材のシャツの上にざっくりと編まれたクリーム色のセーターに焦げ茶色のスキニーパンツだ。ストレッチが効いているからか凄く動きやすい。
どれもこれも、素材がいいのが分かる。
僕だって裕福な伯爵家に生まれてそれなりの服を用意されていたというのに、今まで着ていた物と比べ物にならないと分かるって凄い。
そんな高級な服がウォークインクローゼットに沢山用意されている。
さっきは素直に喜んじゃったけれど、雅がどれだけ僕の為にお金を使ったのか、想像できないのが怖い。
「千晴様中へどうぞ」
「うん」
ドアを薄く開いて聞こえてきた声に入るのを躊躇していたら、メイドさんに中へ入るよう促され恐る恐る中へ進む。
そして、ちょっと逃げ出したくなった。
なんなの、この光景。
ソファーに足を組んで座る雅と、雅が座るソファーの反対側のソファーの脇の床で土下座している大林君の姿。
壁際にはメイドさんが三人控えている。
「雅」
「ハル、おいで」
額を床に付けたままの大林君を無視したまま、雅は僕を手招きする。
「大林君、頭を上げて」
小姓としてよくない行動なのかもしれないけれど、クラスの人の中では比較的仲良しの大林君を謝らせたままなのは気が引けて、ついつい側に寄ってしまった。
「ハル」
「雅、お願い」
「全く。いいよ大林、謝罪を受ける。話しにくいから座ってくれ」
大袈裟なため息をついた後、雅は大林君に声を掛けてから立ち上がって僕の手を引きソファーへと戻った。
ぴったりと体を寄せて座る必要はどこにあるんだろう、疑問を感じ、ついでに腰に回された雅の腕をどうしようと戸惑ってしまう。
いくら小姓の手続きが終わったとはいえ、これって大胆すぎないかな。
「千晴様、お顔のお怪我は如何でしょうか」
「少し腫れているけれど、痛みはそんなにないんだ。心配掛けてごめんね」
「いいえ、本来私が受ける筈でしたのに本当に申し訳ございません」
言われて、そう言えば僕は大林君を庇って打たれたんだったと思い出した。
谷崎様に打たれたショックや、その後の諸々の印象が強くて忘れていたな。
「僕が勝手に前に出ちゃったんだし、そもそも大林君は僕が木村君に絡まれていたのを庇ってくれたから谷崎様が怒り始めたわけだし、原因は僕だよ」
打たれた理由を思い出して、僕はしょんぼりと落ち込んでしまう。
雅が守ってくれるのは分かってるけれど、ただでさえ仲良くない雅と谷崎様が僕のせいで更に険悪になるのかと思うと落ち込むしかない。
小姓って旦那様の癒しにならないといけないのに、問題起こしてちゃ駄目だよね。
「いいえ、あの様に理性を無くし手を上げるなどあってはなりません。彼は次期当主には相応しくない」
「え、そうかもしれないけどそんなの僕達がどうこう出来る話じゃないし」
「それがそうでもないんだ」
「どういうこと?」
谷崎様は公爵家、雅は侯爵家、僕と大林君は伯爵家、打たれたとはいえ不敬が理由だと言われたら抗議だって出来ない筈だ。
あの人の保証人になっている川島伯爵家に抗議したのと訳が違うんじゃないのかな?
「彼は当主には向かないでしょう、あの性格では彼が当主になった途端家が傾きかねません」
どうして大林君がこんなにキッパリと判断出来るんだろう、それに雅も否定しない。
状況が分からずに首を捻っていたら、大林君が理由を教えてくれた。
「私は谷崎公爵家の長男として、あれを退学させます。それが今回のケジメです。退学させた後は領地で謹慎させ二度と外には出しません。勿論あれの母親もその責により一緒に謹慎させます」
谷崎公爵家の長男? 大林君が? え、じゃあなんで。
戸惑う僕に大林君はただ微笑むだけだったんだ。
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