神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです

珂里

文字の大きさ
6 / 73

お城に招かれました

しおりを挟む
ダナンさんと話していると、とーさまとカールさんが庭へ出て来た。

「とーさま!」

私が駆け寄ると、とーさまはひょいっと私を抱き上げてほっぺにキスをした。

「おや、ダナンもいたのか。2人揃って私の休日を邪魔しに来るなんて酷いね。」

「すみません。王命なのもで。」

とーさまが冷たい眼差しをダナンさんに向けると、ダナンさんは肩を竦めて謝った。

「おうめい!」

すごいね!本当に王様っているんだ! 
王様ってどんな人かな?絵本に出てくるみたいな、髭もじゃのお腹でっぷりなおじさんかな?

私が目を輝かせて王様の想像を膨らませていると、とーさまが笑いながら私のほっぺに何度もキスをしてくる。

「本当にうちの子は可愛いね。王様に会ってみたいかい?」

「おうさま!あえる?」

「ああ。どこかのお馬鹿な宰相が、我が子のようにアヤナの可愛い自慢を国王にしちゃったものだから、国王と王妃がアヤナに会いたがってるんだって。」

「……父上ですね。ご迷惑をお掛けしてすみません。」

リスターが申し訳なさそうに頭を下げてる。

「ラントおじさま、さいしょう!」

なんだか分からないけど、ラントおじさまはすごい人っぽい!王様と普通に話せるんだもんね!

私の興奮してる様子を、とーさまと同じくダナンさんとカールさんも目を細めて見ていた。

「断ってもよかったんだけど、アヤナが国王を見たいならお城に行ってみるかな?国王が明日、会う時間を作ったからアヤナを連れて来いって言ってるらしいんだ。」

あれ?とーさま、なんか国王に対する扱いが雑だよ?大丈夫なの?

「おしろ!いく!いきたい!」

「ふふっ。ではダナン、カール。明日行くから、そのように伝えて。」

「「わかりました。」」

2人はまた明日ね、と私の頭を撫でて帰っていった。

明日、本物の王様に会えるんだ。緊張する!
私はとーさまの抱っこから降りて、とーさまの足にギュッとしがみ付いた。

「ん?どうした?」

「あやな、ひとり、あう?」

なんだか急に不安になってとーさまを見上げる。

「1人じゃないよ。私は側にいるから。それに、兄上もきっといるだろうしね。」

大丈夫だよと、とーさまは私の頭を優しく撫でる。

「父上がごめんね。」

その横ではリスターが眉尻を下げて私の頭を撫でていた。



「ア、アヤナ!?」

「こら、アヤナ!!そんなにくっ付いたら駄目じゃないか!離れなさい!!」

気付いたら私はリスターに抱き付いていたみたいで、とーさまが必死に離そうとしてくる。

「リスター、いっしょいく。あやな、リスター、いる、あんしん。」

私はリスターに抱き付いたままとーさまに言う。
リスターが側にいてくれると、とっても安心するんだもん。お願い、リスター!一緒について来て!

「リスター、おねがい。ね?」

私はリスターを見上げてお願いする。なんなら必死過ぎて涙目なくらいだ。

「アヤナ!そんな可愛い顔で男の子を見つめちゃいけません!リスターもアヤナを見つめないで!ほら、目を逸らしなさい!!」

「うぅっ……。そんなウルウルした目で見つめてくるとか……可愛過ぎでしょ!」

私に抱き付かれて苦しいらしく、リスターは顔を真っ赤にして何かブツブツ呟いていた。
私が手を離すと、リスターになんとか了承の返事をもらえた。よかった!
苦しくしてごめんね?
リスターが一緒に行ってくれるなら、明日がまた楽しみになってきたよ!

私がルンルンと楽しそうにしている横で、リスターがとーさまの氷点下の眼差しに震えながら耐えていたことなんて、全然知らなかった。






「アヤナはまだまだ渡さないからね。」

「…………はぃ。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。 悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。

【完結】断罪された悪役令嬢は、本気で生きることにした

きゅちゃん
ファンタジー
帝国随一の名門、ロゼンクロイツ家の令嬢ベルティア・フォン・ロゼンクロイツは、突如として公の場で婚約者であるクレイン王太子から一方的に婚約破棄を宣告される。その理由は、彼女が平民出身の少女エリーゼをいじめていたという濡れ衣。真実はエリーゼこそが王太子の心を奪うために画策した罠だったにも関わらず、ベルティアは悪役令嬢として断罪され、社交界からの追放と学院退学の処分を受ける。 全てを失ったベルティアだが、彼女は諦めない。これまで家の期待に応えるため「完璧な令嬢」として生きてきた彼女だが、今度は自分自身のために生きると決意する。軍事貴族の嫡男ヴァルター・フォン・クリムゾンをはじめとする協力者たちと共に、彼女は自らの名誉回復と真実の解明に挑む。 その過程で、ベルティアは王太子の裏の顔や、エリーゼの正体、そして帝国に忍び寄る陰謀に気づいていく。かつては社交界のスキルだけを磨いてきた彼女だが、今度は魔法や剣術など実戦的な力も身につけながら、自らの道を切り開いていく。 失われた名誉、隠された真実、そして予期せぬ恋。断罪された「悪役令嬢」が、自分の物語を自らの手で紡いでいく、爽快復讐ファンタジー。

【完結90万pt感謝】大募集! 王太子妃候補! 貴女が未来の国母かもしれないっ!

宇水涼麻
ファンタジー
ゼルアナート王国の王都にある貴族学園の玄関前には朝から人集りができていた。 女子生徒たちが色めき立って、男子生徒たちが興味津々に見ている掲示物は、求人広告だ。 なんと求人されているのは『王太子妃候補者』 見目麗しい王太子の婚約者になれるかもしれないというのだ。 だが、王太子には眉目秀麗才色兼備の婚約者がいることは誰もが知っている。 学園全体が浮足立った状態のまま昼休みになった。 王太子であるレンエールが婚約者に詰め寄った。 求人広告の真意は?広告主は? 中世ヨーロッパ風の婚約破棄ものです。 お陰様で完結いたしました。 外伝は書いていくつもりでおります。 これからもよろしくお願いします。 表紙を変えました。お友達に描いていただいたラビオナ嬢です。 彼女が涙したシーンを思い浮かべ萌えてますwww

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました

言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。 貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。 「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」 それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。 だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。 それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。 それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。 気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。 「これは……一体どういうことだ?」 「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」 いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。 ――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【コミカライズ決定】愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
【コミカライズ決定の情報が解禁されました】 ※レーベル名、漫画家様はのちほどお知らせいたします。 ※配信後は引き下げとなりますので、ご注意くださいませ。 愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

処理中です...