5 / 73
お勉強をしてるんです
しおりを挟む
「リスターだけが名前で呼ばれるのはズルい。私もラントと呼ばれたい。」
とーさまのにーさまが帰るまでずっと言い続けていたから、私はとーさまのにーさまのことを「ラントおじさま」と呼ぶことにした。
ラントおじさまは、リスターにすごく冷たい目で見られてたけど。
とーさまが
「あんなにご機嫌な兄上を見たのは何年振りかな。」
と言っていたけど、ラントおじさまは帰るまでずっと無表情だったから、私には全然分からなかった。さすが兄弟だね!
リスターは初めて会った日から、週に一回は家に来てとーさまに剣を習っている。
剣の練習後は、私に絵本を読んでくれたり、話し相手になってくれたりするからとっても嬉しい!
リスターはいろんな話しをしてくれた。
リスターは侯爵家の次男で、6歳上にお兄さんがいること。
お兄さんは王太子の側近候補で、最近はお城へ通って側近になる為の勉強をしていること。
この前、家に来たときお兄さんはお城へ行っていたんだって。いつか会えるかな?
リスターは、とーさまみたいな騎士になりたいんだって。とーさまはかっこいいもんね!
リスターも絶対かっこいい騎士になれるよ!って言ったら、すっごく嬉しそうに笑って私の頭を撫でてくれた。
ちなみにとーさまは伯爵らしい。
伯爵家の一人娘だったかーさまと大恋愛をして、伯爵家に婿養子として入ったんだって。とーさまとかーさまは今もラブラブだもんね。
今日もリスターと手を繋いでお庭を散歩しながらお喋りしていると、門の方から腰に剣を差した男の人が2人、こちらに向かって歩いて来た。
「あー、ダナンさん、カールさん!」
また2人に会えた私は嬉しくなって思わず2人に駆け寄った。
今日は鎧を着けてないけど、騎士団の制服?に剣を差した姿もいいね!
やっぱりこの世界はイケメン率が高い気がするよ。
「アヤナ元気か?今日も変わらず可愛いな。」
「こんにちは。団長は家にいるかい?」
ダナンさんが私を抱き上げ、カールさんが私の頭をポンポンと撫でる。
「こんにちは!あやな、げんきよ。とーさま、へや、いる。とーさま、よぶ?」
「ああ、いいよ。俺が行くから。じゃあ、アヤナ、また後でね。」
カールさんはそう言って家の中へと消えていった。
「アヤナ、その人は?」
リスターが近づいて声をかけると、ダナンさんはリスターを見下ろしてニヤリと笑った。
「俺はロイス団長の部下のダナンだ。デートの邪魔して悪かったな。」
「なっ……!」
リスターは顔を真っ赤にして動揺している。
「デート、ちがう。べんきょう、してた。リスター、やさしい。あやな、てつだう。ね?」
私は慌ててダナンさんに言った。だって優しいリスターが変に誤解されちゃうのはイヤだもんね!
「うっ……うん。」
「ははっ。そうか、勉強してたんだな。えらいぞー、アヤナ。」
ダナンさんは大きく笑うと私の頭をクシャッと撫でた。
ダナンさんはとーさまと違ってワイルド系のイケメンで、それもまた男らしくてかっこいい。
「ありがとう。ダナンさん、きょう、よろい、ない?」
「鎧?ああ、あれは討伐とかよっぽどの事がないと装着しないんだ。」
「よろい、ない。でも、これ、かっこいい!」
「これ?騎士団の制服のことか?」
そう、それよ!かっこいいね!
私はコクンと頷く。
「ありがとなー。おい、リスター、そんなに睨むなよ。」
「僕だって、いつか絶対騎士になるんだ!負けないよ!」
「あははっ!そうか、そうか。待ってるぜ。」
ダナンさんは私を下ろすと、私とリスターの頭をグリグリ撫でた。
リスターが私の横で不服そうにしていたから、私はリスターの耳に顔を近づけて内緒話しをするみたいに小声でリスターに言った。
「リスター、いつも、かっこいい。ぜったい、かっこいい、きし、なれる。ね?」
リスターがいつも沢山頑張ってるの、私は知ってるからね!
私が言ってからニッコリ笑うと、リスターは顔を赤くしながら嬉しそうに笑い返してくれた。
リスター頑張れー!!私も頑張る!!
とーさまのにーさまが帰るまでずっと言い続けていたから、私はとーさまのにーさまのことを「ラントおじさま」と呼ぶことにした。
ラントおじさまは、リスターにすごく冷たい目で見られてたけど。
とーさまが
「あんなにご機嫌な兄上を見たのは何年振りかな。」
と言っていたけど、ラントおじさまは帰るまでずっと無表情だったから、私には全然分からなかった。さすが兄弟だね!
リスターは初めて会った日から、週に一回は家に来てとーさまに剣を習っている。
剣の練習後は、私に絵本を読んでくれたり、話し相手になってくれたりするからとっても嬉しい!
リスターはいろんな話しをしてくれた。
リスターは侯爵家の次男で、6歳上にお兄さんがいること。
お兄さんは王太子の側近候補で、最近はお城へ通って側近になる為の勉強をしていること。
この前、家に来たときお兄さんはお城へ行っていたんだって。いつか会えるかな?
リスターは、とーさまみたいな騎士になりたいんだって。とーさまはかっこいいもんね!
リスターも絶対かっこいい騎士になれるよ!って言ったら、すっごく嬉しそうに笑って私の頭を撫でてくれた。
ちなみにとーさまは伯爵らしい。
伯爵家の一人娘だったかーさまと大恋愛をして、伯爵家に婿養子として入ったんだって。とーさまとかーさまは今もラブラブだもんね。
今日もリスターと手を繋いでお庭を散歩しながらお喋りしていると、門の方から腰に剣を差した男の人が2人、こちらに向かって歩いて来た。
「あー、ダナンさん、カールさん!」
また2人に会えた私は嬉しくなって思わず2人に駆け寄った。
今日は鎧を着けてないけど、騎士団の制服?に剣を差した姿もいいね!
やっぱりこの世界はイケメン率が高い気がするよ。
「アヤナ元気か?今日も変わらず可愛いな。」
「こんにちは。団長は家にいるかい?」
ダナンさんが私を抱き上げ、カールさんが私の頭をポンポンと撫でる。
「こんにちは!あやな、げんきよ。とーさま、へや、いる。とーさま、よぶ?」
「ああ、いいよ。俺が行くから。じゃあ、アヤナ、また後でね。」
カールさんはそう言って家の中へと消えていった。
「アヤナ、その人は?」
リスターが近づいて声をかけると、ダナンさんはリスターを見下ろしてニヤリと笑った。
「俺はロイス団長の部下のダナンだ。デートの邪魔して悪かったな。」
「なっ……!」
リスターは顔を真っ赤にして動揺している。
「デート、ちがう。べんきょう、してた。リスター、やさしい。あやな、てつだう。ね?」
私は慌ててダナンさんに言った。だって優しいリスターが変に誤解されちゃうのはイヤだもんね!
「うっ……うん。」
「ははっ。そうか、勉強してたんだな。えらいぞー、アヤナ。」
ダナンさんは大きく笑うと私の頭をクシャッと撫でた。
ダナンさんはとーさまと違ってワイルド系のイケメンで、それもまた男らしくてかっこいい。
「ありがとう。ダナンさん、きょう、よろい、ない?」
「鎧?ああ、あれは討伐とかよっぽどの事がないと装着しないんだ。」
「よろい、ない。でも、これ、かっこいい!」
「これ?騎士団の制服のことか?」
そう、それよ!かっこいいね!
私はコクンと頷く。
「ありがとなー。おい、リスター、そんなに睨むなよ。」
「僕だって、いつか絶対騎士になるんだ!負けないよ!」
「あははっ!そうか、そうか。待ってるぜ。」
ダナンさんは私を下ろすと、私とリスターの頭をグリグリ撫でた。
リスターが私の横で不服そうにしていたから、私はリスターの耳に顔を近づけて内緒話しをするみたいに小声でリスターに言った。
「リスター、いつも、かっこいい。ぜったい、かっこいい、きし、なれる。ね?」
リスターがいつも沢山頑張ってるの、私は知ってるからね!
私が言ってからニッコリ笑うと、リスターは顔を赤くしながら嬉しそうに笑い返してくれた。
リスター頑張れー!!私も頑張る!!
132
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
騎士団の繕い係
あかね
ファンタジー
クレアは城のお針子だ。そこそこ腕はあると自負しているが、ある日やらかしてしまった。その結果の罰則として針子部屋を出て色々なところの繕い物をすることになった。あちこちをめぐって最終的に行きついたのは騎士団。花形を譲って久しいが消えることもないもの。クレアはそこで繕い物をしている人に出会うのだが。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる