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優しい従兄弟ができました
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「明日、兄上がこちらに来るそうだ。」
ある日の夕方、いつも通りにとーさまをお出迎えして抱っこをされていると、とーさまが顔を顰めて言った。
「あら、お義兄様が?また急ですわね。」
「何処からかアヤナの事がバレたんだろう。兄上には会わせたくなかったのに。」
「とーさまの、にーさま?おうち、くる?あやな、だめ?きらい?」
私を会わせたくないなんて、もしかしてとーさまの子どもになったことを反対されているのかな?怒ってるの?
「あぁ、違うんだよ!!アヤナはダメなんかじゃない!最高に可愛いよ!!ダメなのは兄上の方だから!」
「とーさまの、にーさま、だめ?」
はて?どういう意味だろう?
私が首をこてんと傾げると、とーさまは私の頬に自分の頬を押し付けてスリスリしてきた。
「アヤナ!それ可愛いから兄上の前で絶対にしちゃダメだよ!!」
「ふふっ。お義兄様は可愛いものがお好きですものね。私も少し心配だわ。」
「とーさま。いたい……。」
とーさまのスリスリが止まらない。
とーさまのにーさまってどんな人なんだろう。
「はじめまして。あやな、と、もうします。よろしく、おねがいします。」
私は今、昨日かーさまに教えてもらった挨拶の言葉とカーテシーを目の前にいるとーさまのにーさまに披露している。
うん。噛まずに言えたし間違えなかったはず。顔を上げてとーさまのにーさまを見ると、何故か固まっていた。
とーさまのにーさまは、とーさまより背が高いけど、ほっそりしているイケメンさんだ。
イケメンだけど顔が怖い。とーさまはいつもニコニコして優しい感じだけど、とーさまのにーさまは無表情で何を考えているのかサッパリ分からなくて怖い。
やばい、目が合っちゃった。とりあえず笑っとこ。
にこっ。私が笑うと、とーさまのにーさまの顔がますます怖くなってしまった。
「おいロイス。これはどういう事だ?なんでこんな可愛い生き物がここにいる。可愛過ぎるだろう。今、私に笑ったよな?抱っこか?私に抱っこして欲しいのか?そうなんだな。よし、ほーら、こちらにおいで。抱っこしてあげよう。」
とーさまのにーさまは無表情のまま両手を広げて私に近づいてくる。私は怖くなってかーさまの後ろに慌てて隠れた。
「兄上、アヤナを怖がらせないで下さい。」
とーさまがガシッと肩を掴んで私に近づくのを止めてくれた。
「叔父上ごめんなさい。……父上、あまり暴走し過ぎると母上に報告しますからね?」
とーさまのにーさまの後ろから声がする。緊張していて全然気づかなかった。誰だろう?
私がピョコッとかーさまの後ろから顔を出すと、目の前に金髪碧眼の美少年が立っていた。
とーさまの家系は美人さん揃いなのかな?みんなイケメンだし。でもかーさまも綺麗だしなぁ。あ、あれか?美人の周りには美形が集まるっていうやつなのかな?
私が美少年をじっと見ながらそんなことを考えていると、美少年は頬を赤くして私から目を逸らした。
「……本当に可愛い。」
ぼそっと呟かれた声は聞こえなかったけど、すぐにまた私を見て微笑んでくれた。
「はじめまして、僕はリスター。7歳だよ。よろしくね。」
こっちに来て初めて会った年の近い男の子だ!
差し出された手を、私は嬉しくて両手でギュッと握った。
「リスター!わたし、あやな。よろしく!」
私が笑顔で、握ったリスターの手をブンブンと振っていると、リスターの顔が見る見るうちに赤くなる。
「……リスターがアヤナに落ちたぞ。」
「落ちましたね。」
「兄上、リスターをアヤナの婿に下さい。そうしたらアヤナはずっとここに居られますから。」
「からかわないで下さい!!」
温かい目で見守りながら大人達が話しているのを、リスターが顔を真っ赤にしたまま止めている。
「リスター、おこってる?アヤナ、わるい?」
私、何か悪かったかな?心配でリスターを覗き込むと、リスターは「うっ」と呻いて後ずさり、更に顔を真っ赤にさせた。
「アヤナ、リスターにお庭を案内してあげて頂戴。綺麗に咲いているお花を見せてあげて?」
「はい、かーさま。リスター、いこ!」
「う、うん。」
私が握ったままだったリスターの手を引っ張って歩き出すと、リスターは素直について来てくれた。良かった。怒ってるんじゃないんだね!
「リスター、これ、アマリネ。きれい。」
「うん、綺麗だね。」
この前かーさまに教えてもらったお花を見ながらリスターと手を繋いで歩いていた。
柔らかく笑いかけてくれるリスターはどこから見てもイケメンで、ちょっとドキドキする。
「アヤナは花が好き?」
「すき!リスターも、すき!リスター、やさしい、かっこいい。あやな、どきどき、する。」
私がニコニコ笑って言うと、リスターがヘニャヘニャと座り込んでしまった。
「リスター、どしたの?いたい?あし?いたい?」
私はびっくりしてリスターの横にペタンと座ってリスターを見た。
リスターは顔を伏せていて私を見てくれないが耳まで真っ赤になっているのが分かる。
「どうしよう。アヤナが可愛過ぎる。」
「リスター?」
私が名前を呼ぶと、リスターは今度はちゃんと私を見てくれた。
そして少しハニカミながら私の手を再び握り、その手にチュッとキスをする。
「ありがとう。僕もアヤナが好きだよ。
これから沢山頑張って、アヤナを守れるような強い男になるからね。」
「リスター、つよい、がんばる?」
「うん。叔父上みたいに強くなってみせるよ。」
「リスター、がんばる。あやなも、がんばる!」
私も頑張って言葉をマスターするぞ!
私は意気込んでリスターの手を力強く握り返した。
リスターは優しく私の頭を撫でると、ウットリするくらい綺麗な顔で微笑みながら言った。
「うん。一緒に頑張ろう。これからよろしくね。僕の可愛いお姫様。」
今日、私に優しくてかっこいい従兄弟ができました。
ある日の夕方、いつも通りにとーさまをお出迎えして抱っこをされていると、とーさまが顔を顰めて言った。
「あら、お義兄様が?また急ですわね。」
「何処からかアヤナの事がバレたんだろう。兄上には会わせたくなかったのに。」
「とーさまの、にーさま?おうち、くる?あやな、だめ?きらい?」
私を会わせたくないなんて、もしかしてとーさまの子どもになったことを反対されているのかな?怒ってるの?
「あぁ、違うんだよ!!アヤナはダメなんかじゃない!最高に可愛いよ!!ダメなのは兄上の方だから!」
「とーさまの、にーさま、だめ?」
はて?どういう意味だろう?
私が首をこてんと傾げると、とーさまは私の頬に自分の頬を押し付けてスリスリしてきた。
「アヤナ!それ可愛いから兄上の前で絶対にしちゃダメだよ!!」
「ふふっ。お義兄様は可愛いものがお好きですものね。私も少し心配だわ。」
「とーさま。いたい……。」
とーさまのスリスリが止まらない。
とーさまのにーさまってどんな人なんだろう。
「はじめまして。あやな、と、もうします。よろしく、おねがいします。」
私は今、昨日かーさまに教えてもらった挨拶の言葉とカーテシーを目の前にいるとーさまのにーさまに披露している。
うん。噛まずに言えたし間違えなかったはず。顔を上げてとーさまのにーさまを見ると、何故か固まっていた。
とーさまのにーさまは、とーさまより背が高いけど、ほっそりしているイケメンさんだ。
イケメンだけど顔が怖い。とーさまはいつもニコニコして優しい感じだけど、とーさまのにーさまは無表情で何を考えているのかサッパリ分からなくて怖い。
やばい、目が合っちゃった。とりあえず笑っとこ。
にこっ。私が笑うと、とーさまのにーさまの顔がますます怖くなってしまった。
「おいロイス。これはどういう事だ?なんでこんな可愛い生き物がここにいる。可愛過ぎるだろう。今、私に笑ったよな?抱っこか?私に抱っこして欲しいのか?そうなんだな。よし、ほーら、こちらにおいで。抱っこしてあげよう。」
とーさまのにーさまは無表情のまま両手を広げて私に近づいてくる。私は怖くなってかーさまの後ろに慌てて隠れた。
「兄上、アヤナを怖がらせないで下さい。」
とーさまがガシッと肩を掴んで私に近づくのを止めてくれた。
「叔父上ごめんなさい。……父上、あまり暴走し過ぎると母上に報告しますからね?」
とーさまのにーさまの後ろから声がする。緊張していて全然気づかなかった。誰だろう?
私がピョコッとかーさまの後ろから顔を出すと、目の前に金髪碧眼の美少年が立っていた。
とーさまの家系は美人さん揃いなのかな?みんなイケメンだし。でもかーさまも綺麗だしなぁ。あ、あれか?美人の周りには美形が集まるっていうやつなのかな?
私が美少年をじっと見ながらそんなことを考えていると、美少年は頬を赤くして私から目を逸らした。
「……本当に可愛い。」
ぼそっと呟かれた声は聞こえなかったけど、すぐにまた私を見て微笑んでくれた。
「はじめまして、僕はリスター。7歳だよ。よろしくね。」
こっちに来て初めて会った年の近い男の子だ!
差し出された手を、私は嬉しくて両手でギュッと握った。
「リスター!わたし、あやな。よろしく!」
私が笑顔で、握ったリスターの手をブンブンと振っていると、リスターの顔が見る見るうちに赤くなる。
「……リスターがアヤナに落ちたぞ。」
「落ちましたね。」
「兄上、リスターをアヤナの婿に下さい。そうしたらアヤナはずっとここに居られますから。」
「からかわないで下さい!!」
温かい目で見守りながら大人達が話しているのを、リスターが顔を真っ赤にしたまま止めている。
「リスター、おこってる?アヤナ、わるい?」
私、何か悪かったかな?心配でリスターを覗き込むと、リスターは「うっ」と呻いて後ずさり、更に顔を真っ赤にさせた。
「アヤナ、リスターにお庭を案内してあげて頂戴。綺麗に咲いているお花を見せてあげて?」
「はい、かーさま。リスター、いこ!」
「う、うん。」
私が握ったままだったリスターの手を引っ張って歩き出すと、リスターは素直について来てくれた。良かった。怒ってるんじゃないんだね!
「リスター、これ、アマリネ。きれい。」
「うん、綺麗だね。」
この前かーさまに教えてもらったお花を見ながらリスターと手を繋いで歩いていた。
柔らかく笑いかけてくれるリスターはどこから見てもイケメンで、ちょっとドキドキする。
「アヤナは花が好き?」
「すき!リスターも、すき!リスター、やさしい、かっこいい。あやな、どきどき、する。」
私がニコニコ笑って言うと、リスターがヘニャヘニャと座り込んでしまった。
「リスター、どしたの?いたい?あし?いたい?」
私はびっくりしてリスターの横にペタンと座ってリスターを見た。
リスターは顔を伏せていて私を見てくれないが耳まで真っ赤になっているのが分かる。
「どうしよう。アヤナが可愛過ぎる。」
「リスター?」
私が名前を呼ぶと、リスターは今度はちゃんと私を見てくれた。
そして少しハニカミながら私の手を再び握り、その手にチュッとキスをする。
「ありがとう。僕もアヤナが好きだよ。
これから沢山頑張って、アヤナを守れるような強い男になるからね。」
「リスター、つよい、がんばる?」
「うん。叔父上みたいに強くなってみせるよ。」
「リスター、がんばる。あやなも、がんばる!」
私も頑張って言葉をマスターするぞ!
私は意気込んでリスターの手を力強く握り返した。
リスターは優しく私の頭を撫でると、ウットリするくらい綺麗な顔で微笑みながら言った。
「うん。一緒に頑張ろう。これからよろしくね。僕の可愛いお姫様。」
今日、私に優しくてかっこいい従兄弟ができました。
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