見た目を変えろと命令したのに婚約破棄ですか。それなら元に戻るだけです

天宮有

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第30話

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 ラーミカが処罰を受けてから、数日が経っている。

「俺はラーミカに騙されていただけなんだ! 元の関係に戻ってくれぇぇっっ!!」

 私はパーティ会場で、アシェルの発言に驚くしかなかった。

 屋敷に行きたいと領主経由で頼んだみたいだけど、婚約破棄の出来事から拒むことができたようだ。
 どうやらお父様が、慰謝料を貰う時に約束させていたらしい。
 それによって屋敷に行くことを諦めて、アシェルはパーティ会場で私を説得しようとしている。

「アシェル様は、何を仰っているのですか?」

「さっき説明した通りだ! ラーミカに見た目を変える魔法薬を飲ませろと、俺は脅されていた!」

 脅されていたと言うけど、恐らく唆されたのだと推測できる。
 パーティ会場の人達の心証をよくしようとしているけど、行動が最悪だ。

 マルクスが傍にいて行動しようとしたけど、私は手で制した。
 この状況で、婚約破棄の出来事をパーティ会場にいる人達は知っている。
 それなら――何も問題なく、私はアシェルの提案を拒もう。

「元の関係に戻るわけがありません――アシェル様は、ラーミカ様と幸せになってください」

「そ、そんな……幸せになれるわけないだろう!?」
 
 数日前に魔法学園で処罰を受けたから、今日ラーミカはパーティ会場にいない。
 そこで私と元の関係に戻りたかったようだけど、そんなの拒むに決まっている。
 
 全てを白状したから、アシェルとラーミカが幸せになれるとは思えない。
 私が拒むことは予想外だったようで、アシェルは叫び呆然と立ち尽くしていた。
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