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第8話
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2日間の休日が終わり、私は魔法学園に登校している。
今日は馬車が迎えに来てくれて、私はマルク王子と一緒に学園へ向かっていた。
「マルク様が迎えに来てくれるなんて、恐れ多いです」
「私はミリスの婚約者だから気にしなくていい。家族と挨拶できてよかった」
休日の2日間はほとんど眠っていた私と違い、マルク様は婚約の手続きを進めていたらしい。
ジノザとの婚約破棄が正式に決まり、これから婚約の手続きをしているようだ。
馬車が学園に向かっている時間で、私はマルク様に聞いておきたいことがある。
「あの、マルク様の家族は、国王様は納得したのでしょうか?」
「ああ。ようやく私が婚約者を選んだと喜んでいた。数日後には正式に私との婚約が決まるだろう」
「それは、良いことですが……正直今でも、これからが不安です」
心配しなくていいと言われたけど、今日から私はマルク様の婚約者と周囲に思われる。
今の気持ちを話しておくべきで、失望されてしまうのではないかと不安になってしまう。
発言を聞いても、マルク様は笑顔で私に言う。
「今日の授業から、ミリスは本来の実力を発揮できる」
「……えっ?」
「そうすれば、ジノザの発言が嘘だったと知ってもらうことができそうだ」
「それは――そうですね!」
王子の婚約者になったことばかり考えていたけど、先にジノザを後悔させたい。
マルク様の発言を聞き、私は全力で授業を受けると決意することができていた。
今日は馬車が迎えに来てくれて、私はマルク王子と一緒に学園へ向かっていた。
「マルク様が迎えに来てくれるなんて、恐れ多いです」
「私はミリスの婚約者だから気にしなくていい。家族と挨拶できてよかった」
休日の2日間はほとんど眠っていた私と違い、マルク様は婚約の手続きを進めていたらしい。
ジノザとの婚約破棄が正式に決まり、これから婚約の手続きをしているようだ。
馬車が学園に向かっている時間で、私はマルク様に聞いておきたいことがある。
「あの、マルク様の家族は、国王様は納得したのでしょうか?」
「ああ。ようやく私が婚約者を選んだと喜んでいた。数日後には正式に私との婚約が決まるだろう」
「それは、良いことですが……正直今でも、これからが不安です」
心配しなくていいと言われたけど、今日から私はマルク様の婚約者と周囲に思われる。
今の気持ちを話しておくべきで、失望されてしまうのではないかと不安になってしまう。
発言を聞いても、マルク様は笑顔で私に言う。
「今日の授業から、ミリスは本来の実力を発揮できる」
「……えっ?」
「そうすれば、ジノザの発言が嘘だったと知ってもらうことができそうだ」
「それは――そうですね!」
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マルク様の発言を聞き、私は全力で授業を受けると決意することができていた。
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