嫌いなところが多すぎるなら婚約を破棄しましょう

第９話

　婚約破棄が決まり、私は魔法学園の授業をうけている。
　睡眠不足が解消されたこともあり、実技の授業で活躍することができた。

　そして昼休みになり、私はこれから婚約者となるマルク王子の席に向かう。
　一緒に昼食をとれるのが嬉しかったけど、それを邪魔する人がいた。

「ミリスは王家から強化された杖を貰い成績がよくなっている！　恥ずかしいとは思わないのか！！」

　昼休みがはじまってすぐに元婚約者のジノザが叫び、注目を浴びている。
　どうやら私の活躍を認めたくないようで、王家によるものと思わせたいらしい。

「ジノザ様は何を言っているのですか？」

「事実だ！　強化した杖を使っているとミリスは認めろ！」

「王家はミリスに何もしていない。これは本来の実力で、今まで杖を強化していたのはジノザの方だろう」

「ぐっっ……」

　ジノザがマルク様の発言に怯んだのは、それが事実だからだ。

　今までとは違い、ジノザは強化した杖を使わなくなったから実技の成績が下がっている。

　ジノザが私の魔法で強化した杖を使わない理由は、使い続けると壊れることを知ったからと推測できる。
　今までなら私に命令すればすぐ新しい杖が手に入ったけど、それが無理となり使うことを躊躇っているようだ。

　ジノザとしては、午前中の授業で私が結果を出していると認めたくないらしい。
　私達の発言に言い返すことができず、マルク様の発言を聞き更に後悔することとなる。