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その頃パスタリアンは失ったものに気が付く
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‥‥‥パスタリアン王国は現在、悲しみに包まれていたはずであった。
国王が急死し、その葬儀で本来は国中が喪に服して、1ヶ月ほどは痛むはずなのである。
だがしかし、その葬儀は1ヶ月も絶たず、たった3日で終わり、新しく国王になった者を讃えよとかいう馬鹿げたことに変わってしまった。
その原因が、新国王ズービク・フォン・パスタリン…‥いや、なぜか改名して「天才的たる神秘の神から愛される娘でありつつ(以下略)」の長い名前になった馬鹿である。
余りにも長い名前に改名した上に、省略して馬鹿王とされた者がその名前を言うたびに、毎回変わっていることからおそらく覚えきれていないからごまかしているのだろうというのが、周囲の見解であった。
崩御した前国王にはその馬鹿王しか息子がおらず、自動的に彼が国王になったとはいえ‥‥‥その死には不審点しか見つからなかった。
まず、前国王は少々メタボリック気味だったとはいえ、健康に今すぐ異常が出るほどのものではなく、そんな急に死ぬなんて考えられないほどタフだったらしいこと。
そして、死因が全く伝えられておらず、国民の前に葬儀で出たのは、棺桶に入っており、まるで中身が見せられないかのようなことになっていたのである。
あまりにも怪しすぎる突然の前国王の死に、疑問を抱く者は少なくなかった。
ただ、真相を究明しようとした者たちがいたのだが‥‥‥なぜか皆、行方不明になったりして、迂闊に踏み込めないような問題となったのである。
とにもかくにも、国王が代替わりして、その馬鹿王が政治を取ったのだが‥‥‥酷い有様であった。
全く真面目に政治を行う気がない。
賄賂?買収?貢物?なんでもありますぜぇダンナ様の汚職まみれ。
贅沢に溺れ、色欲に溺れ、食欲に溺れ、たまに城下街を歩いているときに、新たに王妃になったらしいズーバッレ・フォン・アーチビィ改め馬鹿王と同じように長い名前に改名しているので皆には腐れ王妃と呼ばれている女が、宝石店から宝石を買い占め、厚化粧をして似合わないほど着飾り捲る。
もうはっきり言って、悲惨というか、歯止めが効いていない、誰も止めようがないほどの悲惨さである。
しかも、どうやら馬鹿王が王座に就くと同時に、責任を感じたのか、それとも使える意味もないと見限ったのか、憤怒の将軍デストロイ、叡智の宰相ケジャン、豊穣の財務大臣スビーエ、爆炎氷結の魔導士オーチャンなど、この国にとって有能で必要な人たちが去っていき、その代わりの座に馬鹿王の学生時代からの取りまきたちが居座った。
‥‥‥ただし、その取りまきにいたはずの魔導士ギースだけは、父親のオーチャンと共に去っていたので、その座にはまた別の予備軍とも言える取りまきが座ったようである。
有能な人が次々に出て行き、代わりに無能でおべっかで、馬鹿王に媚びる者たちが次々と重要な役職についてしまい、もはや国の機能は半壊しているも同然であった。
歴史上、類を見ないほどの荒れ果てまくったその光景に、近隣諸国からも呆れの声しか出ないのである。
馬鹿王たちが贅沢をするために、税金が引き上げられたりして、都市部からも離れた農業地域も大打撃を受けていた。
‥‥‥そんな中、まだまともであった貴族のうち、誰かがふと思い出した。
あんな馬鹿王がついたら国が崩壊するのではないかと、学生時代から言われていた。
その為、ストッパーとしてある令嬢がいたはずなのだが‥‥‥卒業式会場の場で、断罪され国外追放となったことを。
改めて、馬鹿王の所業にあきれ果てた者たちは、そのことについて調べ始めた。
すると、その婚約破棄及び国外追放された令嬢の冤罪を示す証拠が山のようにあふれ出たのである。
杜撰すぎるし、少し調べればむしろ馬鹿王たちの所業もまとめて出てきてしまっていた。
あまりのひどさに、調べた者たちはあきれ果てた。
そして、そのうちある事が次々に判明していった。
まず、そのいなくなった令嬢だが、どうも隣国にいるらしく、そこで喫茶店を営んだり、スラムや孤児院で教育を施したりして、皆に慕われているらしいという事。
その行為はどうやらパスタリアン王国内でも同様の事を行っていたようで、国内にあった孤児院では突然いなくなったその令嬢のことを悲しんでいるらしいという事。
馬鹿王は学生時代色々と成績をごまかしたりしていて、実際の学力は全校生徒で最下位であったこと。
そのセットの腐れ王妃は、今いる取りまきたちと肉体関係を持っていて、学生時代から爛れていた生活を送っていた事。
そして、その本来の容姿はどうやらごまかしであり、国際的に禁止されているはずの違法な魔道具によって変化した姿であり、その真の姿はおぞましい事。
‥‥‥そして何よりも、そのおぞましい腐れ王妃、実は準男爵家の娘でもなんでもなく、どうやら他人に成りすましていた人物だったという事である。
準男爵家自体はあったのだが、どうやら元々娘とかはいなかったようだ。
そこに、いつの頃かその腐れ王妃がはいり込み‥‥‥準男爵家の令嬢に成りすましていたようなのだ。
考えてみれば明らかに不自然なのに、誰も疑問に思っていなかったその不振さ。
そもそも、そんな人物が禁止されているような魔道具を持っていること自体がおかしいのである。
そのあまりの怪しさに、調べていく者たち。
国王の死の真相を探ろうとしたら、なぜか皆行方不明になったりするので、そうならないように注意しつつ、真実を求めていく。
‥‥‥そして、その腐れ王妃に関しての真実が判明した時、皆慌てて国外へと逃げた。
その真実のおぞましさに、犠牲になるのを恐れて国から出て行き、どんどん国は荒れ果てていく。
一方、その現実を見ないまま、なぜか金が滞って来たので何とかしようと馬鹿王は考え、そして大馬鹿をやらかす。
隣国であるミストリアンに宣戦布告したのは、まともな者たちが何とか全員逃げ延びた頃であった‥‥‥
国王が急死し、その葬儀で本来は国中が喪に服して、1ヶ月ほどは痛むはずなのである。
だがしかし、その葬儀は1ヶ月も絶たず、たった3日で終わり、新しく国王になった者を讃えよとかいう馬鹿げたことに変わってしまった。
その原因が、新国王ズービク・フォン・パスタリン…‥いや、なぜか改名して「天才的たる神秘の神から愛される娘でありつつ(以下略)」の長い名前になった馬鹿である。
余りにも長い名前に改名した上に、省略して馬鹿王とされた者がその名前を言うたびに、毎回変わっていることからおそらく覚えきれていないからごまかしているのだろうというのが、周囲の見解であった。
崩御した前国王にはその馬鹿王しか息子がおらず、自動的に彼が国王になったとはいえ‥‥‥その死には不審点しか見つからなかった。
まず、前国王は少々メタボリック気味だったとはいえ、健康に今すぐ異常が出るほどのものではなく、そんな急に死ぬなんて考えられないほどタフだったらしいこと。
そして、死因が全く伝えられておらず、国民の前に葬儀で出たのは、棺桶に入っており、まるで中身が見せられないかのようなことになっていたのである。
あまりにも怪しすぎる突然の前国王の死に、疑問を抱く者は少なくなかった。
ただ、真相を究明しようとした者たちがいたのだが‥‥‥なぜか皆、行方不明になったりして、迂闊に踏み込めないような問題となったのである。
とにもかくにも、国王が代替わりして、その馬鹿王が政治を取ったのだが‥‥‥酷い有様であった。
全く真面目に政治を行う気がない。
賄賂?買収?貢物?なんでもありますぜぇダンナ様の汚職まみれ。
贅沢に溺れ、色欲に溺れ、食欲に溺れ、たまに城下街を歩いているときに、新たに王妃になったらしいズーバッレ・フォン・アーチビィ改め馬鹿王と同じように長い名前に改名しているので皆には腐れ王妃と呼ばれている女が、宝石店から宝石を買い占め、厚化粧をして似合わないほど着飾り捲る。
もうはっきり言って、悲惨というか、歯止めが効いていない、誰も止めようがないほどの悲惨さである。
しかも、どうやら馬鹿王が王座に就くと同時に、責任を感じたのか、それとも使える意味もないと見限ったのか、憤怒の将軍デストロイ、叡智の宰相ケジャン、豊穣の財務大臣スビーエ、爆炎氷結の魔導士オーチャンなど、この国にとって有能で必要な人たちが去っていき、その代わりの座に馬鹿王の学生時代からの取りまきたちが居座った。
‥‥‥ただし、その取りまきにいたはずの魔導士ギースだけは、父親のオーチャンと共に去っていたので、その座にはまた別の予備軍とも言える取りまきが座ったようである。
有能な人が次々に出て行き、代わりに無能でおべっかで、馬鹿王に媚びる者たちが次々と重要な役職についてしまい、もはや国の機能は半壊しているも同然であった。
歴史上、類を見ないほどの荒れ果てまくったその光景に、近隣諸国からも呆れの声しか出ないのである。
馬鹿王たちが贅沢をするために、税金が引き上げられたりして、都市部からも離れた農業地域も大打撃を受けていた。
‥‥‥そんな中、まだまともであった貴族のうち、誰かがふと思い出した。
あんな馬鹿王がついたら国が崩壊するのではないかと、学生時代から言われていた。
その為、ストッパーとしてある令嬢がいたはずなのだが‥‥‥卒業式会場の場で、断罪され国外追放となったことを。
改めて、馬鹿王の所業にあきれ果てた者たちは、そのことについて調べ始めた。
すると、その婚約破棄及び国外追放された令嬢の冤罪を示す証拠が山のようにあふれ出たのである。
杜撰すぎるし、少し調べればむしろ馬鹿王たちの所業もまとめて出てきてしまっていた。
あまりのひどさに、調べた者たちはあきれ果てた。
そして、そのうちある事が次々に判明していった。
まず、そのいなくなった令嬢だが、どうも隣国にいるらしく、そこで喫茶店を営んだり、スラムや孤児院で教育を施したりして、皆に慕われているらしいという事。
その行為はどうやらパスタリアン王国内でも同様の事を行っていたようで、国内にあった孤児院では突然いなくなったその令嬢のことを悲しんでいるらしいという事。
馬鹿王は学生時代色々と成績をごまかしたりしていて、実際の学力は全校生徒で最下位であったこと。
そのセットの腐れ王妃は、今いる取りまきたちと肉体関係を持っていて、学生時代から爛れていた生活を送っていた事。
そして、その本来の容姿はどうやらごまかしであり、国際的に禁止されているはずの違法な魔道具によって変化した姿であり、その真の姿はおぞましい事。
‥‥‥そして何よりも、そのおぞましい腐れ王妃、実は準男爵家の娘でもなんでもなく、どうやら他人に成りすましていた人物だったという事である。
準男爵家自体はあったのだが、どうやら元々娘とかはいなかったようだ。
そこに、いつの頃かその腐れ王妃がはいり込み‥‥‥準男爵家の令嬢に成りすましていたようなのだ。
考えてみれば明らかに不自然なのに、誰も疑問に思っていなかったその不振さ。
そもそも、そんな人物が禁止されているような魔道具を持っていること自体がおかしいのである。
そのあまりの怪しさに、調べていく者たち。
国王の死の真相を探ろうとしたら、なぜか皆行方不明になったりするので、そうならないように注意しつつ、真実を求めていく。
‥‥‥そして、その腐れ王妃に関しての真実が判明した時、皆慌てて国外へと逃げた。
その真実のおぞましさに、犠牲になるのを恐れて国から出て行き、どんどん国は荒れ果てていく。
一方、その現実を見ないまま、なぜか金が滞って来たので何とかしようと馬鹿王は考え、そして大馬鹿をやらかす。
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