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286 あまり出ないとしても見せ場があっていいじゃないか
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‥‥‥ひゅぉぉぉっっと、夏なのに冷たい風が周囲を駆け巡る。
向かい合うのは、武闘家として構え、せめてもの武器にと手斧を持ったバルン。
そして一方では、周囲に猛威を振るったと思われるモンスター。
「詳しい事は分からねぇが…‥‥見た感じ、虫の中でも、切り裂くのに特化したカマキリのような奴か‥‥‥」
向かい合うと相手も構えを取り、そこから感じ取れる猛者の気配に冷や汗を流しつつも、一挙一挙の挙動を見逃さないようにして、バルンはそうつぶやく。
そう、対峙しているモンスターの姿は、カマキリのようなもの。
だがしかし、ただ単純に巨大化したカマキリという訳でもないようで、その鎌は金属光沢を放っており、鎌の数が2本ではなく4本。
カマキリは例外もあるかもしれないが、大抵6本の足の内、後ろ2本が足として支え、残った4本すべてを武器に回したのだろうか?
上側の2本はギザギザしているような刃であり、もう2本の鎌はギザギザが無い鋭い刃。
そしてそれらを何時振るおうかと言うように動かし、ゆらりゆらりと体を揺らしながら迫って来た。
「ギャゲギャギャギャゲェェ!!」
揺れ動く動きから、ある程度の距離になったところで突然声を張り上げて翼を広げ、カマキリのようなモンスターが瞬時に距離を詰めるかのように飛び掛かり、その鎌を振り下ろす。
「そう簡単に切られてたまるか!!」
バルンの動きもさるもので、できるだけ近寄らせたところで体をかがめ、姿勢を低くして回避。
そして、鎌を動かしたがゆえに無防備に見える腹をめがけて拳を突き出したが‥‥‥
ガギィンッ!!
「っと!?」
「ギャゲガギャギャギャ!!」
目にもとまらぬ速さで、振り下ろしたままであったはずの鎌が目の前でクロスし、拳を防いだ。
切られる前にばっと後方へ後ずさり、バルンは今の動きを頭で考える。
(…‥‥確かに今、避けられないはずの一撃だったが‥‥‥反応速度が速いのか)
振りかぶった鎌を直ぐに防御に回すことは難しい。
しかも4本全部を使っており、2本残して防いだとかではなく、攻撃して空振りを予感した途端に、素早く動かして防御に回したようだ。
「素早い動きが厄介だな…‥‥こりゃ、一筋縄ではいかないな」
周囲で倒れている大人たちの動きも、これで納得は出来た。
ここの大人たちも職業で戦えるのを持っていたりするのだが、それでも対応できなかったのは、この素早い攻守の判断とそれについていける肉体の動きがあったのだろう。
しかも、ひょろひょろとしている細い印象を受ける姿ではあるが、今の防御を見る限り中身はそうではない。
中身がぎっしりと筋肉で詰まっているかのように、見た目に寄らず力もかなりあるように見受けられる。
「なんというか、ディーの召喚獣たちみたいだな…‥‥見た目によらずパワーがある奴を知っていて助かったぜ」
常人であれば動揺したかもしれないが、これでもディーの悪友とも言える友人。
見た目に寄らない滅茶苦茶差を持った召喚獣たちを知っているからこそ、逆にこの攻守の動き方に動揺することはなく、落ち着いて対応が可能となる。
こういう時ばかりは友人であって良かったとは思うのだが…‥‥それと同時に、このまま相手をしていても、自分がやられるのが目に見えてしまう。
「知っているやつがいるからこそ、自分の実力がどの程度か把握できるが…‥‥こりゃ不味いな」
今の攻守一体の攻撃、同じように隙を見つけて攻撃しようにも、今度は防がれる可能性が高い。
ゆらゆらと相手は動き始め、同じような攻撃を見せようとしているようだが…‥‥先ほどとは違う事をすると彼は予感した。
「ギャギャギャギャゲェェェ!!」
っと、今度は叫びながら、相手は鎌を持ち上げ…‥‥彼へ向かって、振り下ろした。
「っと!?」
その動作に嫌な物を感じ取り、バルンはとっさに横に避けた。
すると、先ほどまで彼がいた場所を、何か風が取り抜けるような感覚がして…‥‥
ズッバァァァン!!
「…‥‥はぁっ!?」
背後の方にあった木々がぶった切れたのを見て、バルンは思わずそう叫んだ。
どうやら今、鎌を振り下ろしただけのように見せかけ…‥‥見えない刃を飛ばしてきたらしい。
剣技を極めた者が軌跡を伴った刃を飛ばすようなことがあることぐらいは知っているのだが、それを目の前で見せつけられ、バルンは冷や汗を流す。
「おいおい、これ完全に殺害する気満々じゃねーか!?」
だが、そこでバルンはふと気が付いた。
こんなことができるのであれば、何故奴はすぐに使わなかったのか。
抵抗されたくなければ、不意を打ってやればいいはずなのだが、それをやらない。
しかも見れば、かなり殺傷能力の高い攻撃をしているというのに…‥‥倒れている者たちを見る限り、命は失われていない。
「命を奪うのが目的、って訳でないか。とはいえ、生け捕りにして保存食にというのが近いようだが‥‥‥まさか」
…‥‥おそらくは、狩りをしているつもりなのだろう。
命を奪って捕食ではなく、保存食のようにするために。
しかも、それがただ気絶させるような手段ではなく…‥‥しっかりと恐怖を与えてから生け捕りにするかのような、趣味の悪さが見えたのだ。今の攻撃も、その恐怖を与えるためのものだろう。
「ギャギャギャッギュェイ!!」
バルンがその可能性を考えた途端に、肯定するかのようにカマキリのようなモンスターは鳴いた。
そしてその表情は、今まさに考えていることが大当たりだというかのように、醜悪な目に変わる。
「虫なのに、こんな趣味の悪い事を考えるとか…‥‥ふざけてんのかテメェは!!」
ぐっとこぶしを握ってそう叫ぶも、残念ながらこの実力差を実感してしまった以上、まともに抵抗するのは難しい。
おそらくは目一杯恐怖を与えるために攻撃をしてくるだろうし、そのためにはある程度の傷がついても構わないのかもしれない。
「だったらそれはそれで、こっちにも考えがある!!」
そう叫び、バルンは持っていた手斧をカマキリのモンスターめがけてぶん投げた。
「ギュゲイィ!!」
そんな物は効かんと言うように、鎌でばしっとカマキリが払う。
だが、その払っている間はその場から動かないようで…‥‥それを隙とみて、バルンはくるんっと翻り、駆け抜け始めた。
「ギャギャゲェェェェ!!」
逃げる獲物を追いかけるかのように、相手は動き始めた。
足の4本を鎌に回しているので、残った2本の足で駆け抜けているようだが、生憎この辺りの地理はバルンの方が土地勘がある。
「村へ逃げるよりも、まずはここで迷わせてやらぁ!!」
できれば倒れている者たちを先に救出したいのだが、如何せん人手不足。
それに、こんな凶悪な野郎をそのまま野放しにするのもしゃくだが、少しは獲物探しのために迷ってほしいので時間稼ぎを行うことにする。
「ああ、出来ればディーたちを呼びたいが、ダンジョン攻略中のようだしな!!攻略が済むまで、逃げ回ってやるぞぉぉぉぉ!!」
いつまでも一人の獲物に執着するとは思えないが、それはそれでいい。
なんとか自分を囮にして時間を稼がば、多少は村の被害を抑えるのに役立つはずだとバルンは考える。
「さぁさぁさぁさぁ!!俺一人捕らえられないようなウスノロクズよ、ここまで来てみやがれぇぇぇ!!」
「ギャギャギュゲガァァ!!」
ことばを完全に理解しているのかというところも疑問だが、少なくとも今の挑発ぐらいは分かったらしい。
そしてあえてのっているかのようにも見えるのだが、それで良いのだ。
バルンは必死に駆け抜け、わずかな時にしかならなくとも、時間を稼ぐのであった‥‥‥‥
‥‥‥村の外での命がけの鬼ごっこが行われている丁度その頃。
そんな事も知らずに、ディーたちはダンジョン内を進んでいた。
「‥‥‥思ったより早くスコールも過ぎたし、次の対応策がとれるようになったとはいえ…‥」
「シャゲェェェ!!」
「隙ありでありんす」
ドスッ
「ジャゲェ!?」
リザが素早く動き、素早く手で襲ってきた蛇のモンスターの眉間を突くと、相手は麻痺したかのように動かなくなった。
「んー、やっぱり細かい部分では違うとはいえ、蛇のモンスター相手は良い気がしないでありんすな。まぁ、その分狩りやすいし、対応できるでありんすね」
「では、凍らせて、保存食」
ぴくぴくと痙攣して動けなくった蛇相手に、アナスタシアがそっと触れると瞬時に凍結した。
「『ゴブゥラパイソン』ですネ。毒を持った蛇のモンスターの一種ですが、食材になる類のようデス」
「なんというか、蛇のモンスターが多いなぁ‥‥‥‥」
ダンジョンは階層構造になっているようだが、この階層は蛇のモンスターが多いようで、先ほどからどんどん襲われている。
だがしかし、そのすべてが対処可能であり…‥‥なおかつ、ノインいわく全部調理可能な食材になるらしい。
「というか、これはこれで珍しいですネ。この密林の植物や、襲ってくるモンスターの傾向を見る限り、全部食すことが可能なようデス」
「食べれるダンジョンって訳か…‥‥いや、そうでもないのか?」
要は食材が溢れている環境のようだが、ここはまだ最初の階層部分。
なので、奥へ進めばまた変わっているのだろうが…‥‥この様子だと、ゲテモノ料理になりそうな類がいるような気がしてならない。
まぁ、ノインが調理すればどんなものでも激ウマな奴になるけどな。何故かキラキラのエフェクトが付くのが変わっていないが…‥‥それでも、食糧確保できるのであればそれはそれでありがたい。
カトレアの力で果物とか野菜なども採取できるが、やっぱり肉なども欲しくなるし、こういうところで確実に得られるのであれば得ておいた方が良いしね。
何にしても、まだまだ襲ってくるモンスターを各自で対応しながら、食料保存のためにアナスタシアに冷凍してもらいつつ、リリスの箱の中へ運ぶ作業を進めていくのであった…‥‥
向かい合うのは、武闘家として構え、せめてもの武器にと手斧を持ったバルン。
そして一方では、周囲に猛威を振るったと思われるモンスター。
「詳しい事は分からねぇが…‥‥見た感じ、虫の中でも、切り裂くのに特化したカマキリのような奴か‥‥‥」
向かい合うと相手も構えを取り、そこから感じ取れる猛者の気配に冷や汗を流しつつも、一挙一挙の挙動を見逃さないようにして、バルンはそうつぶやく。
そう、対峙しているモンスターの姿は、カマキリのようなもの。
だがしかし、ただ単純に巨大化したカマキリという訳でもないようで、その鎌は金属光沢を放っており、鎌の数が2本ではなく4本。
カマキリは例外もあるかもしれないが、大抵6本の足の内、後ろ2本が足として支え、残った4本すべてを武器に回したのだろうか?
上側の2本はギザギザしているような刃であり、もう2本の鎌はギザギザが無い鋭い刃。
そしてそれらを何時振るおうかと言うように動かし、ゆらりゆらりと体を揺らしながら迫って来た。
「ギャゲギャギャギャゲェェ!!」
揺れ動く動きから、ある程度の距離になったところで突然声を張り上げて翼を広げ、カマキリのようなモンスターが瞬時に距離を詰めるかのように飛び掛かり、その鎌を振り下ろす。
「そう簡単に切られてたまるか!!」
バルンの動きもさるもので、できるだけ近寄らせたところで体をかがめ、姿勢を低くして回避。
そして、鎌を動かしたがゆえに無防備に見える腹をめがけて拳を突き出したが‥‥‥
ガギィンッ!!
「っと!?」
「ギャゲガギャギャギャ!!」
目にもとまらぬ速さで、振り下ろしたままであったはずの鎌が目の前でクロスし、拳を防いだ。
切られる前にばっと後方へ後ずさり、バルンは今の動きを頭で考える。
(…‥‥確かに今、避けられないはずの一撃だったが‥‥‥反応速度が速いのか)
振りかぶった鎌を直ぐに防御に回すことは難しい。
しかも4本全部を使っており、2本残して防いだとかではなく、攻撃して空振りを予感した途端に、素早く動かして防御に回したようだ。
「素早い動きが厄介だな…‥‥こりゃ、一筋縄ではいかないな」
周囲で倒れている大人たちの動きも、これで納得は出来た。
ここの大人たちも職業で戦えるのを持っていたりするのだが、それでも対応できなかったのは、この素早い攻守の判断とそれについていける肉体の動きがあったのだろう。
しかも、ひょろひょろとしている細い印象を受ける姿ではあるが、今の防御を見る限り中身はそうではない。
中身がぎっしりと筋肉で詰まっているかのように、見た目に寄らず力もかなりあるように見受けられる。
「なんというか、ディーの召喚獣たちみたいだな…‥‥見た目によらずパワーがある奴を知っていて助かったぜ」
常人であれば動揺したかもしれないが、これでもディーの悪友とも言える友人。
見た目に寄らない滅茶苦茶差を持った召喚獣たちを知っているからこそ、逆にこの攻守の動き方に動揺することはなく、落ち着いて対応が可能となる。
こういう時ばかりは友人であって良かったとは思うのだが…‥‥それと同時に、このまま相手をしていても、自分がやられるのが目に見えてしまう。
「知っているやつがいるからこそ、自分の実力がどの程度か把握できるが…‥‥こりゃ不味いな」
今の攻守一体の攻撃、同じように隙を見つけて攻撃しようにも、今度は防がれる可能性が高い。
ゆらゆらと相手は動き始め、同じような攻撃を見せようとしているようだが…‥‥先ほどとは違う事をすると彼は予感した。
「ギャギャギャギャゲェェェ!!」
っと、今度は叫びながら、相手は鎌を持ち上げ…‥‥彼へ向かって、振り下ろした。
「っと!?」
その動作に嫌な物を感じ取り、バルンはとっさに横に避けた。
すると、先ほどまで彼がいた場所を、何か風が取り抜けるような感覚がして…‥‥
ズッバァァァン!!
「…‥‥はぁっ!?」
背後の方にあった木々がぶった切れたのを見て、バルンは思わずそう叫んだ。
どうやら今、鎌を振り下ろしただけのように見せかけ…‥‥見えない刃を飛ばしてきたらしい。
剣技を極めた者が軌跡を伴った刃を飛ばすようなことがあることぐらいは知っているのだが、それを目の前で見せつけられ、バルンは冷や汗を流す。
「おいおい、これ完全に殺害する気満々じゃねーか!?」
だが、そこでバルンはふと気が付いた。
こんなことができるのであれば、何故奴はすぐに使わなかったのか。
抵抗されたくなければ、不意を打ってやればいいはずなのだが、それをやらない。
しかも見れば、かなり殺傷能力の高い攻撃をしているというのに…‥‥倒れている者たちを見る限り、命は失われていない。
「命を奪うのが目的、って訳でないか。とはいえ、生け捕りにして保存食にというのが近いようだが‥‥‥まさか」
…‥‥おそらくは、狩りをしているつもりなのだろう。
命を奪って捕食ではなく、保存食のようにするために。
しかも、それがただ気絶させるような手段ではなく…‥‥しっかりと恐怖を与えてから生け捕りにするかのような、趣味の悪さが見えたのだ。今の攻撃も、その恐怖を与えるためのものだろう。
「ギャギャギャッギュェイ!!」
バルンがその可能性を考えた途端に、肯定するかのようにカマキリのようなモンスターは鳴いた。
そしてその表情は、今まさに考えていることが大当たりだというかのように、醜悪な目に変わる。
「虫なのに、こんな趣味の悪い事を考えるとか…‥‥ふざけてんのかテメェは!!」
ぐっとこぶしを握ってそう叫ぶも、残念ながらこの実力差を実感してしまった以上、まともに抵抗するのは難しい。
おそらくは目一杯恐怖を与えるために攻撃をしてくるだろうし、そのためにはある程度の傷がついても構わないのかもしれない。
「だったらそれはそれで、こっちにも考えがある!!」
そう叫び、バルンは持っていた手斧をカマキリのモンスターめがけてぶん投げた。
「ギュゲイィ!!」
そんな物は効かんと言うように、鎌でばしっとカマキリが払う。
だが、その払っている間はその場から動かないようで…‥‥それを隙とみて、バルンはくるんっと翻り、駆け抜け始めた。
「ギャギャゲェェェェ!!」
逃げる獲物を追いかけるかのように、相手は動き始めた。
足の4本を鎌に回しているので、残った2本の足で駆け抜けているようだが、生憎この辺りの地理はバルンの方が土地勘がある。
「村へ逃げるよりも、まずはここで迷わせてやらぁ!!」
できれば倒れている者たちを先に救出したいのだが、如何せん人手不足。
それに、こんな凶悪な野郎をそのまま野放しにするのもしゃくだが、少しは獲物探しのために迷ってほしいので時間稼ぎを行うことにする。
「ああ、出来ればディーたちを呼びたいが、ダンジョン攻略中のようだしな!!攻略が済むまで、逃げ回ってやるぞぉぉぉぉ!!」
いつまでも一人の獲物に執着するとは思えないが、それはそれでいい。
なんとか自分を囮にして時間を稼がば、多少は村の被害を抑えるのに役立つはずだとバルンは考える。
「さぁさぁさぁさぁ!!俺一人捕らえられないようなウスノロクズよ、ここまで来てみやがれぇぇぇ!!」
「ギャギャギュゲガァァ!!」
ことばを完全に理解しているのかというところも疑問だが、少なくとも今の挑発ぐらいは分かったらしい。
そしてあえてのっているかのようにも見えるのだが、それで良いのだ。
バルンは必死に駆け抜け、わずかな時にしかならなくとも、時間を稼ぐのであった‥‥‥‥
‥‥‥村の外での命がけの鬼ごっこが行われている丁度その頃。
そんな事も知らずに、ディーたちはダンジョン内を進んでいた。
「‥‥‥思ったより早くスコールも過ぎたし、次の対応策がとれるようになったとはいえ…‥」
「シャゲェェェ!!」
「隙ありでありんす」
ドスッ
「ジャゲェ!?」
リザが素早く動き、素早く手で襲ってきた蛇のモンスターの眉間を突くと、相手は麻痺したかのように動かなくなった。
「んー、やっぱり細かい部分では違うとはいえ、蛇のモンスター相手は良い気がしないでありんすな。まぁ、その分狩りやすいし、対応できるでありんすね」
「では、凍らせて、保存食」
ぴくぴくと痙攣して動けなくった蛇相手に、アナスタシアがそっと触れると瞬時に凍結した。
「『ゴブゥラパイソン』ですネ。毒を持った蛇のモンスターの一種ですが、食材になる類のようデス」
「なんというか、蛇のモンスターが多いなぁ‥‥‥‥」
ダンジョンは階層構造になっているようだが、この階層は蛇のモンスターが多いようで、先ほどからどんどん襲われている。
だがしかし、そのすべてが対処可能であり…‥‥なおかつ、ノインいわく全部調理可能な食材になるらしい。
「というか、これはこれで珍しいですネ。この密林の植物や、襲ってくるモンスターの傾向を見る限り、全部食すことが可能なようデス」
「食べれるダンジョンって訳か…‥‥いや、そうでもないのか?」
要は食材が溢れている環境のようだが、ここはまだ最初の階層部分。
なので、奥へ進めばまた変わっているのだろうが…‥‥この様子だと、ゲテモノ料理になりそうな類がいるような気がしてならない。
まぁ、ノインが調理すればどんなものでも激ウマな奴になるけどな。何故かキラキラのエフェクトが付くのが変わっていないが…‥‥それでも、食糧確保できるのであればそれはそれでありがたい。
カトレアの力で果物とか野菜なども採取できるが、やっぱり肉なども欲しくなるし、こういうところで確実に得られるのであれば得ておいた方が良いしね。
何にしても、まだまだ襲ってくるモンスターを各自で対応しながら、食料保存のためにアナスタシアに冷凍してもらいつつ、リリスの箱の中へ運ぶ作業を進めていくのであった…‥‥
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