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1章
1A-召喚
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「――ここは……?」
突然周りが光ったかと思うと、目の前には先程までと全く異なる景色が広がっていた。
床は大理石が敷き詰められ、至るところに黄金の装飾が施されている。
壁や柱は中世ヨーロッパを思わせ、白く仰々しい。
中でも際立つのは祭壇。いや、祭壇らしきものと呼ぶべきか。
天井は鮮やかなステンドグラスが張られ、神や天使的な存在が描かれている。
だがその下には高尚なパイプオルガンや、黒く輝くグランドピアノが置かれ、一本幾らするのかも想像つかないような弦楽器が立ち並び、その他様々な楽器が配置され、一級のクラシックホールさながらの様相が異彩を放っている。
「――おおっ。」
気が付けば周囲を囲っていた群衆が、奏太を見て感嘆の声を挙げた。
いや、どうやら"奏太達"のようだ。
群衆が囲うようにして出来た円の中心に、奏太以外にも3人の人間がいる。
3人は皆一様にポカン、とした顔をしている。その様子から奏太と同じ状況であると見て良さそうだ。
「よくぞ参った、4人の才ある若者達よ。」
一人の男が奏太達に向けて声を放った。どうやら相当身分の高そうな、というより王様だろうか。銀髪に小さな丸眼鏡、頭には王冠を乗せ、いかにも高級そうな椅子に鎮座している。
「余は、ここヴィシュガルド王国の国王である。そなたらは我が王国の新たな英雄となるべく召喚された――」
この国王と名乗る男は一体何を言っているんだ?
召喚? さっき光ったやつか? ゲームとかで聞いたことはあるが……。
「ウヒョオ! 異世界召喚キター!」
突然隣にいた男がいやに甲高い声で叫んだ。よく見るとアニメキャラクターのTシャツを着ている。
どこからどう見てもオタクだ。それにしても――
「なんだこりゃ!?」
オタクの周りには50本を優に越えそうな数のギターやベースが転がっていた。その種類もフライングVやレスポール、ストラトキャスターなど多岐にわたる。しかもその殆どにアニメキャラクターのステッカーが貼られていた。
本人の姿は、眼鏡をかけ、ロン毛にバンダナを巻き、パッと見た感じは昔のヘヴィメタギタリストのような風貌だが、いかんせんアニメTシャツが異様な雰囲気を漂わせている。
よく見ると自分も先程まで弾いていたギターを肩からぶら下げており、足元には投げ捨てた荷物が転がっている。
「――あのぉ……。」
奏太がオタクや自分の身の回りに気を取られていると、横から女性の声が聞こえる――
「――どうして突然このような所に連れてこられたでしょうか……。そして何故私なんですか……?」
声の方に目をやると、そこには優しげな声に相応しくも麗しい美女がいた。
着物を羽織り、手には三味線を持っている。黒く長い髪が腰程に垂れ、大きな瞳が不安げに国王を見つめる。
――ヤバい……正直ドストライクだ。
「我がヴィシュガルド王国は音楽が最も価値ある芸術である。音楽は民の心を癒し、兵士の士気を高める。
ゆえに我が国においては、音楽に秀でし者が最も優れた存在であり、新たな名曲を世にもたらす者を、異世界より招いておる。
そなたらは音楽の神、ミューサ神により選ばれし、栄えある召喚者なのだ。」
「つまり俺達は音楽の才能を持つものとして異世界から召喚されたと。」
――マジかよ。
とうとう俺の才能が認められてこんな所まで呼び寄せられちまったのか……。
きっと俺の才能が埋もれるのを見かねた神様が俺に相応しい新天地へといざなってくれたんだな!
ミューサ様ありがとう!
奏太が歓喜していると、横から怪訝そうな声が飛んでくる――。
「元の世界へ戻して貰えますか?
僕は今からレッスンがありますので。」
そう無愛想に答えた小太りの男は、どうやらドラムをやっているらしい。
恐らく丸ごと転送されたであろう彼の周辺には、ドラムセットが置かれ、両手にはドラムスティックが握られている。
随分お高く止まった、如何にも金持ちのボンボン風な身なりの男だが、ドラムスティックを握りながら喋っていると中々間抜けに見える。
まるで太鼓を叩く小猿のオモチャだな。いや、太鼓を叩く子豚か。
そんな事を考えながら笑いを堪えていると、小太りの男がそれに気付いて睨みを飛ばしてきたので、慌てて顔を隠した。
「いや、それは残念ながら我々には不可能である――」
奏太達のやり取りを全く意に介す様子もなく、国王は淡々と答えた――
突然周りが光ったかと思うと、目の前には先程までと全く異なる景色が広がっていた。
床は大理石が敷き詰められ、至るところに黄金の装飾が施されている。
壁や柱は中世ヨーロッパを思わせ、白く仰々しい。
中でも際立つのは祭壇。いや、祭壇らしきものと呼ぶべきか。
天井は鮮やかなステンドグラスが張られ、神や天使的な存在が描かれている。
だがその下には高尚なパイプオルガンや、黒く輝くグランドピアノが置かれ、一本幾らするのかも想像つかないような弦楽器が立ち並び、その他様々な楽器が配置され、一級のクラシックホールさながらの様相が異彩を放っている。
「――おおっ。」
気が付けば周囲を囲っていた群衆が、奏太を見て感嘆の声を挙げた。
いや、どうやら"奏太達"のようだ。
群衆が囲うようにして出来た円の中心に、奏太以外にも3人の人間がいる。
3人は皆一様にポカン、とした顔をしている。その様子から奏太と同じ状況であると見て良さそうだ。
「よくぞ参った、4人の才ある若者達よ。」
一人の男が奏太達に向けて声を放った。どうやら相当身分の高そうな、というより王様だろうか。銀髪に小さな丸眼鏡、頭には王冠を乗せ、いかにも高級そうな椅子に鎮座している。
「余は、ここヴィシュガルド王国の国王である。そなたらは我が王国の新たな英雄となるべく召喚された――」
この国王と名乗る男は一体何を言っているんだ?
召喚? さっき光ったやつか? ゲームとかで聞いたことはあるが……。
「ウヒョオ! 異世界召喚キター!」
突然隣にいた男がいやに甲高い声で叫んだ。よく見るとアニメキャラクターのTシャツを着ている。
どこからどう見てもオタクだ。それにしても――
「なんだこりゃ!?」
オタクの周りには50本を優に越えそうな数のギターやベースが転がっていた。その種類もフライングVやレスポール、ストラトキャスターなど多岐にわたる。しかもその殆どにアニメキャラクターのステッカーが貼られていた。
本人の姿は、眼鏡をかけ、ロン毛にバンダナを巻き、パッと見た感じは昔のヘヴィメタギタリストのような風貌だが、いかんせんアニメTシャツが異様な雰囲気を漂わせている。
よく見ると自分も先程まで弾いていたギターを肩からぶら下げており、足元には投げ捨てた荷物が転がっている。
「――あのぉ……。」
奏太がオタクや自分の身の回りに気を取られていると、横から女性の声が聞こえる――
「――どうして突然このような所に連れてこられたでしょうか……。そして何故私なんですか……?」
声の方に目をやると、そこには優しげな声に相応しくも麗しい美女がいた。
着物を羽織り、手には三味線を持っている。黒く長い髪が腰程に垂れ、大きな瞳が不安げに国王を見つめる。
――ヤバい……正直ドストライクだ。
「我がヴィシュガルド王国は音楽が最も価値ある芸術である。音楽は民の心を癒し、兵士の士気を高める。
ゆえに我が国においては、音楽に秀でし者が最も優れた存在であり、新たな名曲を世にもたらす者を、異世界より招いておる。
そなたらは音楽の神、ミューサ神により選ばれし、栄えある召喚者なのだ。」
「つまり俺達は音楽の才能を持つものとして異世界から召喚されたと。」
――マジかよ。
とうとう俺の才能が認められてこんな所まで呼び寄せられちまったのか……。
きっと俺の才能が埋もれるのを見かねた神様が俺に相応しい新天地へといざなってくれたんだな!
ミューサ様ありがとう!
奏太が歓喜していると、横から怪訝そうな声が飛んでくる――。
「元の世界へ戻して貰えますか?
僕は今からレッスンがありますので。」
そう無愛想に答えた小太りの男は、どうやらドラムをやっているらしい。
恐らく丸ごと転送されたであろう彼の周辺には、ドラムセットが置かれ、両手にはドラムスティックが握られている。
随分お高く止まった、如何にも金持ちのボンボン風な身なりの男だが、ドラムスティックを握りながら喋っていると中々間抜けに見える。
まるで太鼓を叩く小猿のオモチャだな。いや、太鼓を叩く子豚か。
そんな事を考えながら笑いを堪えていると、小太りの男がそれに気付いて睨みを飛ばしてきたので、慌てて顔を隠した。
「いや、それは残念ながら我々には不可能である――」
奏太達のやり取りを全く意に介す様子もなく、国王は淡々と答えた――
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