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オズワルドvs先代公爵夫人
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「――オズワルド!!!」
部屋の扉を勢いよく開けて入って来たのはエリザベータだった。
「お義母様……!」
「母上……」
鬼気迫った表情のエリザベータを見てオズワルドは顔をしかめた。
せっかくの家族の時間を邪魔されたのだから無理もない。
しかし彼女はそんな息子の様子など気にも留めず、ツカツカと三人の元へと歩み寄った。
「オズワルド!!!貴方自分が何をしたか分かっているの!?」
「……何のお話でしょうか?」
「ライアスを追い出したんですって!?あの子はベルクォーツ公爵家のたった一人の後継者なのに、一体何を考えているの!」
「ハッ……後継者……」
エリザベータの言葉に対してオズワルドが見せたのは冷たい笑み。
それを見たエリザベータの顔がさらに険しくなった。
「何よ!何がおかしいのよ!」
「母上は随分と勘違いをしていらっしゃる」
「……勘違いですって?」
何を言っているのかという表情のエリザベータに、オズワルドはハッキリと告げた。
「ベルクォーツ公爵家の後継者はライアスでは無い。ここにいるリデルだ」
「なッ……!?」
エリザベータの目が驚愕に見開かれた。
(お父様……!)
オズワルドの隣に控えていたシルフィーラも彼の言葉に対して無言で頷いており、既にこの場ではリデルが後継者であるということは確定しているようなものだった。
しかし、そんな中でエリザベータだけは違う反応を見せた。
「何を言っているのよ!!!」
彼女はフルフルと体を震わせながら顔を真っ赤にしてオズワルドを怒鳴り付けた。
「その子供が後継者ですって!?そんなの認めないわ!ベルクォーツ公爵家の後継者はライアスただ一人よ!」
「……ライアスは私の子供ではありません」
「ええ、そうよ!ライアスは貴方の子供じゃないわ!何の取り柄も無いしがない侯爵令息の血ではなく、この国で最も尊いヴォルシュタイン王家の血が入ってるんだから!」
「母上……」
それを聞いたオズワルドの血管が浮き出た。
エリザベータが母親でなければおそらくこの場で殴り飛ばしていただろう。
父親を侮辱されて、今彼はかなり頭に来ているはずだ。
(この人……実の息子に対して何てことを言うの……!)
「お祖母様、今のはいくら何でも……」
「お義母様、言っていいことと悪いことが……」
リデルとシルフィーラが反論しようとしたそのとき、オズワルドが二人を手で制した。
「お父様……?」
「旦那様……」
リデルには父のその背中が、以前と違ってとても逞しく見えた。
大丈夫だ、俺に任せろと言っているようで。
「――言いたいことはそれだけですか?」
「……何ですって?」
「そのことを言いに来たのではあれば、今すぐお引き取り願えませんか?」
オズワルドはエリザベータを氷のように冷たい目で見下ろした。
それはとてもじゃないが、実の母親に向けるものではなかった。
エリザベータは一瞬ビクリとしたものの、すぐに反論した。
「母親に対して何て口の利き方を!一体誰に似たというの!?」
「逆にお聞きしますが、貴方は一体何なのですか?」
「え……?」
エリザベータは固まって目をパチクリさせた。
「今の公爵家の当主はこの私です。たしかに以前は公爵夫人だったかもしれませんが……この際ハッキリ言っておきます。――貴方が公爵家のことに口出し出来る時代は、もうとっくに終わっているんですよ」
「な……!?」
その言葉に余程衝撃を受けたのか、彼女の体は後ろによろめいた。
(当然よ……今まであれほど好き勝手やってきたんだから……)
しかしそんな彼女を見ても、同情する者は誰もいなかった。
「私は……認めないわ……」
「母上、これは当主である私の決定です。覆ることはありません」
「ハッ、平民の子供を、しかも女を後継者にするだなんて育て方を間違えたわね」
エリザベータは憎々し気にオズワルドを見た。
女だからという理由で当主になれなかった恨みを彼にぶつけているようだった。
「私は貴方に育てられた覚えはありませんが」
「な、何ですって!?貴方、自分が何を言ってるか分かっているの!?」
冷たく言い放ったオズワルドに、エリザベータは信じられないと言ったような顔をした。
「私をここまで育ててくれたのは父上で、貴方ではない」
「……あんな無能な男に育てられたですって?だからこんなにも愚かで浅はかな考え方をするのね……!オースウェルとは大違いだわ!」
声高々とそう言った彼女に、オズワルドはハァとため息をついた。
「母上、貴方は知らないでしょうがオースウェル兄上があのような愚行に走ってしまった原因は紛れもなく貴方なのですよ」
「え……それは一体……どういう……」
「母上は、兄上があまり家に帰ってこなくなった理由をご存知ですか?」
「い、いいえ……あの子は最後まで何も言ってくれなかったわ……」
そこでオズワルドはエリザベータに突き刺すような鋭い視線を向けた。
「――兄上にとって、公爵邸が居心地の悪い場所になっていたからですよ。貴方のせいでね」
「わ、私のせいで……?」
エリザベータはショックを受けたような顔になった。
「兄上は幼少期からずっと貴方の期待を一身に背負っていました。ですが、当の本人からしたらそれはただの足枷に過ぎずついに兄上はプレッシャーに耐えられなくなってしまった」
「ま、まさかそれで……」
「兄上はそのことが原因で、度重なるストレスを発散させるために夜遊びをするようになってしまったのです」
「そ、そんな……!」
それを聞いたエリザベータは床に膝を着いてガックリと項垂れた。
溺愛していた息子がまさかそのようなことを考えていたとは思いもしなかったのだろう。
彼女は酷く傷付いた顔をしていた。
(叔父さんにも色々あったんだなぁ……)
愛されて育ったからといって必ずしも幸せなわけではない。
オズワルドの兄オースウェルはその典型的な例だったのかもしれない。
俯くエリザベータを見下ろしていたオズワルドは、部屋の外に控えていた執事に短く命令をした。
「おい、母上がお帰りだ。エントランスまでお連れしろ」
「はい、旦那様」
執事がエリザベータの体を支えて部屋の外へと連れて行く。
抵抗する気力すら残っていなかった彼女は、完全にされるがままだった。
エリザベータが部屋から出て行くと、オズワルドが後ろにいたリデルとシルフィーラの方を向いた。
そして突然、二人に向かって深々と頭を下げた。
「お、お父様!?」
「旦那様!?どうかなさったのですか!?」
驚く二人に、彼は震える声で言葉を紡いだ。
「二人とも……本当にすまなかった……母上の件で色々と迷惑をかけたな……」
オズワルドは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
自身の不在の隙を狙ってエリザベータが本邸へ来ていたことを知り、いたたまれなくなっていたのだ。
「――旦那様、顔を上げてください」
シルフィーラの声でオズワルドが顔を上げた。
「もう良いのです。ついさっき私たちを守ってくださったではありませんか」
「そうです、お父様!さっきのお父様とってもカッコよかったです!」
エリザベータに酷いことをされてきたのは事実だが、リデルとシルフィーラはもちろんそれをオズワルドのせいなどとは思っていない。
「シルフィーラ……リデル……」
二人の言葉にオズワルドが涙目になった。
それから彼は無言で二人に向かって腕を広げた。
「「……!」」
オズワルドの行動の意味が分かったリデルとシルフィーラは顔を見合わせてクスリと笑った。
「お父様!」
「旦那様!」
そして、二人同時にオズワルドの胸に飛び込んだ。
そんなリデルとシルフィーラを彼はしっかりと抱き締め返した。
「二人とも……本当にありがとう……!」
そう口にしたオズワルドが嬉し涙を流していることに、彼の胸に抱かれている二人は気付いていながらも気付かないフリをした。
部屋の扉を勢いよく開けて入って来たのはエリザベータだった。
「お義母様……!」
「母上……」
鬼気迫った表情のエリザベータを見てオズワルドは顔をしかめた。
せっかくの家族の時間を邪魔されたのだから無理もない。
しかし彼女はそんな息子の様子など気にも留めず、ツカツカと三人の元へと歩み寄った。
「オズワルド!!!貴方自分が何をしたか分かっているの!?」
「……何のお話でしょうか?」
「ライアスを追い出したんですって!?あの子はベルクォーツ公爵家のたった一人の後継者なのに、一体何を考えているの!」
「ハッ……後継者……」
エリザベータの言葉に対してオズワルドが見せたのは冷たい笑み。
それを見たエリザベータの顔がさらに険しくなった。
「何よ!何がおかしいのよ!」
「母上は随分と勘違いをしていらっしゃる」
「……勘違いですって?」
何を言っているのかという表情のエリザベータに、オズワルドはハッキリと告げた。
「ベルクォーツ公爵家の後継者はライアスでは無い。ここにいるリデルだ」
「なッ……!?」
エリザベータの目が驚愕に見開かれた。
(お父様……!)
オズワルドの隣に控えていたシルフィーラも彼の言葉に対して無言で頷いており、既にこの場ではリデルが後継者であるということは確定しているようなものだった。
しかし、そんな中でエリザベータだけは違う反応を見せた。
「何を言っているのよ!!!」
彼女はフルフルと体を震わせながら顔を真っ赤にしてオズワルドを怒鳴り付けた。
「その子供が後継者ですって!?そんなの認めないわ!ベルクォーツ公爵家の後継者はライアスただ一人よ!」
「……ライアスは私の子供ではありません」
「ええ、そうよ!ライアスは貴方の子供じゃないわ!何の取り柄も無いしがない侯爵令息の血ではなく、この国で最も尊いヴォルシュタイン王家の血が入ってるんだから!」
「母上……」
それを聞いたオズワルドの血管が浮き出た。
エリザベータが母親でなければおそらくこの場で殴り飛ばしていただろう。
父親を侮辱されて、今彼はかなり頭に来ているはずだ。
(この人……実の息子に対して何てことを言うの……!)
「お祖母様、今のはいくら何でも……」
「お義母様、言っていいことと悪いことが……」
リデルとシルフィーラが反論しようとしたそのとき、オズワルドが二人を手で制した。
「お父様……?」
「旦那様……」
リデルには父のその背中が、以前と違ってとても逞しく見えた。
大丈夫だ、俺に任せろと言っているようで。
「――言いたいことはそれだけですか?」
「……何ですって?」
「そのことを言いに来たのではあれば、今すぐお引き取り願えませんか?」
オズワルドはエリザベータを氷のように冷たい目で見下ろした。
それはとてもじゃないが、実の母親に向けるものではなかった。
エリザベータは一瞬ビクリとしたものの、すぐに反論した。
「母親に対して何て口の利き方を!一体誰に似たというの!?」
「逆にお聞きしますが、貴方は一体何なのですか?」
「え……?」
エリザベータは固まって目をパチクリさせた。
「今の公爵家の当主はこの私です。たしかに以前は公爵夫人だったかもしれませんが……この際ハッキリ言っておきます。――貴方が公爵家のことに口出し出来る時代は、もうとっくに終わっているんですよ」
「な……!?」
その言葉に余程衝撃を受けたのか、彼女の体は後ろによろめいた。
(当然よ……今まであれほど好き勝手やってきたんだから……)
しかしそんな彼女を見ても、同情する者は誰もいなかった。
「私は……認めないわ……」
「母上、これは当主である私の決定です。覆ることはありません」
「ハッ、平民の子供を、しかも女を後継者にするだなんて育て方を間違えたわね」
エリザベータは憎々し気にオズワルドを見た。
女だからという理由で当主になれなかった恨みを彼にぶつけているようだった。
「私は貴方に育てられた覚えはありませんが」
「な、何ですって!?貴方、自分が何を言ってるか分かっているの!?」
冷たく言い放ったオズワルドに、エリザベータは信じられないと言ったような顔をした。
「私をここまで育ててくれたのは父上で、貴方ではない」
「……あんな無能な男に育てられたですって?だからこんなにも愚かで浅はかな考え方をするのね……!オースウェルとは大違いだわ!」
声高々とそう言った彼女に、オズワルドはハァとため息をついた。
「母上、貴方は知らないでしょうがオースウェル兄上があのような愚行に走ってしまった原因は紛れもなく貴方なのですよ」
「え……それは一体……どういう……」
「母上は、兄上があまり家に帰ってこなくなった理由をご存知ですか?」
「い、いいえ……あの子は最後まで何も言ってくれなかったわ……」
そこでオズワルドはエリザベータに突き刺すような鋭い視線を向けた。
「――兄上にとって、公爵邸が居心地の悪い場所になっていたからですよ。貴方のせいでね」
「わ、私のせいで……?」
エリザベータはショックを受けたような顔になった。
「兄上は幼少期からずっと貴方の期待を一身に背負っていました。ですが、当の本人からしたらそれはただの足枷に過ぎずついに兄上はプレッシャーに耐えられなくなってしまった」
「ま、まさかそれで……」
「兄上はそのことが原因で、度重なるストレスを発散させるために夜遊びをするようになってしまったのです」
「そ、そんな……!」
それを聞いたエリザベータは床に膝を着いてガックリと項垂れた。
溺愛していた息子がまさかそのようなことを考えていたとは思いもしなかったのだろう。
彼女は酷く傷付いた顔をしていた。
(叔父さんにも色々あったんだなぁ……)
愛されて育ったからといって必ずしも幸せなわけではない。
オズワルドの兄オースウェルはその典型的な例だったのかもしれない。
俯くエリザベータを見下ろしていたオズワルドは、部屋の外に控えていた執事に短く命令をした。
「おい、母上がお帰りだ。エントランスまでお連れしろ」
「はい、旦那様」
執事がエリザベータの体を支えて部屋の外へと連れて行く。
抵抗する気力すら残っていなかった彼女は、完全にされるがままだった。
エリザベータが部屋から出て行くと、オズワルドが後ろにいたリデルとシルフィーラの方を向いた。
そして突然、二人に向かって深々と頭を下げた。
「お、お父様!?」
「旦那様!?どうかなさったのですか!?」
驚く二人に、彼は震える声で言葉を紡いだ。
「二人とも……本当にすまなかった……母上の件で色々と迷惑をかけたな……」
オズワルドは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
自身の不在の隙を狙ってエリザベータが本邸へ来ていたことを知り、いたたまれなくなっていたのだ。
「――旦那様、顔を上げてください」
シルフィーラの声でオズワルドが顔を上げた。
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「そうです、お父様!さっきのお父様とってもカッコよかったです!」
エリザベータに酷いことをされてきたのは事実だが、リデルとシルフィーラはもちろんそれをオズワルドのせいなどとは思っていない。
「シルフィーラ……リデル……」
二人の言葉にオズワルドが涙目になった。
それから彼は無言で二人に向かって腕を広げた。
「「……!」」
オズワルドの行動の意味が分かったリデルとシルフィーラは顔を見合わせてクスリと笑った。
「お父様!」
「旦那様!」
そして、二人同時にオズワルドの胸に飛び込んだ。
そんなリデルとシルフィーラを彼はしっかりと抱き締め返した。
「二人とも……本当にありがとう……!」
そう口にしたオズワルドが嬉し涙を流していることに、彼の胸に抱かれている二人は気付いていながらも気付かないフリをした。
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