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9 本性
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(う・・・うぅ・・・気持ち悪い・・・)
食事を終えた私は何とも言えない気持ちになっていた。私が全て食べきったことを確認するとあの侍女は空になった食器を持って部屋から出て行った。だから今部屋には私一人しかいない。
私は一人になった部屋でハァとため息をついた。
(あの女は本当にこれを毎日食べていたというのか・・・)
私が思っていた王妃の生活と違いすぎる。王妃も国王と同じで立派な王族である。だから私は普段の私の生活と大して変わらないものだと思っていた。しかしそうではなかった。これなら平民の方がよほど良いものを食べているだろう。
明日もこの食事が出るのかと思うと気が重くなった。あれは食べ物ではない。
「・・・」
そう思うと同時に、レアに対する疑いを深めている自分がいることに気が付いた。
私だって愛した女であるレアのことを信じたかった。しかし、王妃の部屋に食事を持ってきたあの侍女は間違いなくいつもレアの傍にいた侍女だ。誰よりも彼女の近くにいた私がそれを見間違えるはずがない。
(・・・・・散歩でもするか)
結局私は考えるのに疲れてしまい、気分転換に少し外へ出ることにした。
私はそのまま部屋から出て、王宮の廊下を歩いた。
(・・・・・・あの女は今何をしているだろうか)
そのときの私の頭に浮かんだのはそんなことだった。何故大嫌いなあいつのことが出てきたのか自分でも分からない。
いつもなら私の頭の中を占めているのはレアだった。それなのに、今日は違った。自分でもよく分からない。何だか私じゃないみたいだ。
頭の良いあの女のことだからきっと王として上手くやれているのだろうとは思うが、私の体でどのようなことをしているのかが気になった。あいつが変なことをしていないか不安になったというわけではない。ただ単に、気になっただけだ。
(こんなことを考えるだなんて、私らしくないな・・・)
そんなことを考えながら王宮の廊下を歩き続けていたそのときだった―
「うわっ!!!」
一瞬何が起きたのか分からなかった。
私は歩いている途中につまずいて前に倒れ込んでしまったのだ。
(うっ・・・痛てて・・・)
体に鈍い痛みが走ってしばらくの間そこから動けなくなった。
そんな私の頭上から突然声がした。
「キャハハ、いい気味ね」
それは、よく聞き覚えのある声だった。聞き間違えるはずがない。
(この声は・・・!)
私はおそるおそる声のした方を見た。
(レア・・・!)
私の予想通り、そこにいたのはレアだった。彼女は馬鹿にするような笑みを浮かべて私を見下ろしていた。
その顔はとても醜悪だった。少なくとも、いつもの愛らしい彼女では無かった。
「・・・」
そこで私はようやく気が付いた。おそらくレアに足を引っ掛けられたのだ。
「陛下の愛も得られないくせにいつまでもその椅子に座り続けるからこうなるのよ!自業自得ね!」
レアはそう吐き捨てると足早にこの場を立ち去って行った。
「・・・」
そんなレアの姿を見て私はようやく目が覚めたような気分になった。
(レアは・・・きっと・・・私が思っているような女性ではなかったんだな・・・)
私は今まで彼女の何を見てきたのだろう。何故こんなにも醜い本性に気付かなかったのだろう。
そのとき、私の目から涙が零れ落ちた。
あぁ、愛する者に裏切られるというのは、こんなにも辛いんだな―
食事を終えた私は何とも言えない気持ちになっていた。私が全て食べきったことを確認するとあの侍女は空になった食器を持って部屋から出て行った。だから今部屋には私一人しかいない。
私は一人になった部屋でハァとため息をついた。
(あの女は本当にこれを毎日食べていたというのか・・・)
私が思っていた王妃の生活と違いすぎる。王妃も国王と同じで立派な王族である。だから私は普段の私の生活と大して変わらないものだと思っていた。しかしそうではなかった。これなら平民の方がよほど良いものを食べているだろう。
明日もこの食事が出るのかと思うと気が重くなった。あれは食べ物ではない。
「・・・」
そう思うと同時に、レアに対する疑いを深めている自分がいることに気が付いた。
私だって愛した女であるレアのことを信じたかった。しかし、王妃の部屋に食事を持ってきたあの侍女は間違いなくいつもレアの傍にいた侍女だ。誰よりも彼女の近くにいた私がそれを見間違えるはずがない。
(・・・・・散歩でもするか)
結局私は考えるのに疲れてしまい、気分転換に少し外へ出ることにした。
私はそのまま部屋から出て、王宮の廊下を歩いた。
(・・・・・・あの女は今何をしているだろうか)
そのときの私の頭に浮かんだのはそんなことだった。何故大嫌いなあいつのことが出てきたのか自分でも分からない。
いつもなら私の頭の中を占めているのはレアだった。それなのに、今日は違った。自分でもよく分からない。何だか私じゃないみたいだ。
頭の良いあの女のことだからきっと王として上手くやれているのだろうとは思うが、私の体でどのようなことをしているのかが気になった。あいつが変なことをしていないか不安になったというわけではない。ただ単に、気になっただけだ。
(こんなことを考えるだなんて、私らしくないな・・・)
そんなことを考えながら王宮の廊下を歩き続けていたそのときだった―
「うわっ!!!」
一瞬何が起きたのか分からなかった。
私は歩いている途中につまずいて前に倒れ込んでしまったのだ。
(うっ・・・痛てて・・・)
体に鈍い痛みが走ってしばらくの間そこから動けなくなった。
そんな私の頭上から突然声がした。
「キャハハ、いい気味ね」
それは、よく聞き覚えのある声だった。聞き間違えるはずがない。
(この声は・・・!)
私はおそるおそる声のした方を見た。
(レア・・・!)
私の予想通り、そこにいたのはレアだった。彼女は馬鹿にするような笑みを浮かべて私を見下ろしていた。
その顔はとても醜悪だった。少なくとも、いつもの愛らしい彼女では無かった。
「・・・」
そこで私はようやく気が付いた。おそらくレアに足を引っ掛けられたのだ。
「陛下の愛も得られないくせにいつまでもその椅子に座り続けるからこうなるのよ!自業自得ね!」
レアはそう吐き捨てると足早にこの場を立ち去って行った。
「・・・」
そんなレアの姿を見て私はようやく目が覚めたような気分になった。
(レアは・・・きっと・・・私が思っているような女性ではなかったんだな・・・)
私は今まで彼女の何を見てきたのだろう。何故こんなにも醜い本性に気付かなかったのだろう。
そのとき、私の目から涙が零れ落ちた。
あぁ、愛する者に裏切られるというのは、こんなにも辛いんだな―
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