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11章 夏の海ではしゃいじゃお
421.力を合わせてがんばるぞー
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ルトたちと転移スキルを使ってリュウグウに到着!
すぐさま屋敷に残してきたヒスイとスラリン、ユキマル、ペタを召喚した。
とりあえず、ダンジョンに辿り着くまで二つのパーティで分かれて進むことにしたから、このメンバーなんだよー。
「ビアン、楽しそうだな」
「キュルルン」
ルトもビアンをリュウグウの外側──海の中に召喚して微笑んでる。
ビアンはスイスイと泳いで楽しそうだ。
リリは「ルトと白イルカのセットって、微笑ましいね~」とニコニコしていた。その気持ち、僕もわかる。
見た目クールな青年と可愛い白イルカのコンビって、ギャップがあっていいよね!
「くるる(僕も泳ぐ)」
ペタがビアンにつられた様子で泳ぎ始めた。
ビアンと連れ添って泳ぐ姿は楽しそうで、僕も嬉しい。
ビーバーと白イルカって、実際の世界だと一緒にいる姿を見ることがないから、ちょっぴり不思議な気分になるけどね。
「にゃ(水中って変な感じだにゃー)」
「きゅぃ(動き方に慣れないとね)」
「ぴぅ(水を吐き出して進めば、移動速度が上がると思うよ)」
ヒスイとスラリン、ユキマルはダンジョンでのバトルに向けて真剣に話し合い、動き方の確認に余念がない。真面目だなぁ。
「僕、水中でモンスターとバトルしたことないんだけど、やっぱり大変?」
とりあえず、ルトたちに聞いてみる。
二人はすでに体験しているらしく、息を揃えて「「大変」」と返ってきた。
そんなに大変なのか……。
「動き方がなぁ、陸上とは全然違うんだよ。素早さのマイナス補正の影響が尋常じゃねぇから」
ルトがげっそりとした表情で言う。リリは苦笑しながら頷いていた。
「まぁ、ビアンがいるおかげで、多少はバトルしやすくなったんじゃない?」
「そうだな。ビアンも結構強くなったし、ダンジョンでも活躍してくれるだろ」
リリの言葉にルトが頷き、ペタと楽しそうに泳いでいるビアンに視線を向ける。信頼感に満ちた眼差しだ。
そっか。生まれたばかりのビアンも、ルトと一緒にバトルして、強くなってるのか。
先輩テイマーとして、僕も負けてられないな!
「って、あれ? ルトってまだテイマーじゃないよね?」
「だぞ。だから、ビアンをこっち側には召喚できない」
リュウグウ内を指しながらルトが答える。
僕も頷きながら「それなら──」とビアンに視線を向けた。
「テイマーじゃない場合って、召喚可能時間に制限があるよね? 今召喚していて大丈夫?」
「召喚スキルのレベルが6だから、わりと大丈夫。召喚可能時間一時間で、再召喚可能になるまで三十分だぞ」
「僕より召喚スキルのレベルが高い!?」
驚きの事実を知って固まっちゃった。
僕の召喚スキルのレベルは4だよ? 召喚スキルを使ってる回数は、ルトより僕の方が多いはずなのに、なんでだろー?
ルトは肩をすくめつつ口を開く。
「テイマーじゃない方が、召喚スキルのレベルは上がりやすいっぽいぞ。レベルが上がる恩恵って、テイマー以外の方が大きいからじゃないか?」
「言われてみると、そうかも?」
テイマーになると、召喚可能時間の制限がなくなるから、召喚スキルのレベルを上げる必要性が薄れるんだよねぇ。
僕もルトに言われるまで召喚スキルのレベルを気にしなかったし。
「ルトは暇を見つけてはちょっとだけでもログインして、ビアンを召喚して触れ合ってたから、召喚スキルが上がりやすかった、っていうのも理由としてあると思うよ?」
リリがからかうようにフフッと微笑みながら言った。ルトは目を逸らし「うっせー、ほっとけ」と照れ隠しな感じで呟いている。
なるほど? ルトは再召喚可能になる度に召喚してたのか。それなら、召喚スキルのレベルがすぐに上がったのも納得だね。
ルトがビアンをすっごく可愛がってるのが伝わってきて微笑ましいなー。
「……ニヤニヤ笑いやめろ、キモイ」
「キモイはやめて!」
ルトにボソッと言われて、反射的にスネを叩いて抗議する。
僕はいつだってもふもふプリティだよ! キモくないよ!
ルトは僕の抗議を「はいはい」と受け流しながら、海の方へ視線を向けた。
全然こたえてない感じがムカつくー!
「ここにいつまでもいたってどうしようもないだろ。海中窟ダンジョン目指すぞ」
「シャボリンと海守りは用意してあるよ」
ルトに続いてリリがそう言い、アイテムボックスから二つのアイテムを取り出した。
それを見て、僕は首を傾げる。
「あれ? 強化シャボリンじゃないの?」
「強化シャボリン?」
「なんだそれ?」
ルトとリリがきょとんと目を瞬かせた。
僕、この情報を共有してなかったっけ? というか、僕以外が入手してない情報なの? 僕は海精霊の女王メーアに教えてもらったんだけど。
「シャボリンに強真珠と赤珊瑚を錬金したら、強化シャボリンになるんだよ。水中を進める時間が三十分になるんだー」
「三十分!? それ、すげーアイテムじゃん!」
ルトが目を見開いて驚いた。
普通のシャボリンは五分間しか使えないことを考えたら、確かに大きな差があるよね。
二人が羨ましそうにしてたから、ササッと錬金して強化シャボリンを作ってあげた。
強化に必要な素材をたくさん採っておいてよかったー。これでみんな安心して海中を進めるね!
「これ、素材費と作業料な」
「私からも」
「え、気にしなくていいのにー」
お金を渡されて一回は断ったけど、ルトに「今は所持金に余裕あるし、ちゃんと受け取れ」と言われ、リリに「お金のやり取りを妥協して曖昧に済ませてたらダメなんだよ。友だちだからこそ!」と訴えられたから大人しく受け取る。
こういうのも仲良しであり続けるためには必要なのかもね。
まぁ、それはさておき──
「じゃあ、準備完了ってことで、出発しよう! ──がんばるぞー、えいえいおー!」
僕が拳を掲げて気合いを入れたら、スラリンたちが合わせて「きゅぃ!」などとやる気いっぱいの声を上げた。
リリも「えいえいおー」と可愛くポーズしてる。
ルトは「……おー」と仕方なさそうにしながらも呟いてた。クールを気取ってるけど、こういうところで多少はノッてくれるのがルトのいいところ!
すぐさま屋敷に残してきたヒスイとスラリン、ユキマル、ペタを召喚した。
とりあえず、ダンジョンに辿り着くまで二つのパーティで分かれて進むことにしたから、このメンバーなんだよー。
「ビアン、楽しそうだな」
「キュルルン」
ルトもビアンをリュウグウの外側──海の中に召喚して微笑んでる。
ビアンはスイスイと泳いで楽しそうだ。
リリは「ルトと白イルカのセットって、微笑ましいね~」とニコニコしていた。その気持ち、僕もわかる。
見た目クールな青年と可愛い白イルカのコンビって、ギャップがあっていいよね!
「くるる(僕も泳ぐ)」
ペタがビアンにつられた様子で泳ぎ始めた。
ビアンと連れ添って泳ぐ姿は楽しそうで、僕も嬉しい。
ビーバーと白イルカって、実際の世界だと一緒にいる姿を見ることがないから、ちょっぴり不思議な気分になるけどね。
「にゃ(水中って変な感じだにゃー)」
「きゅぃ(動き方に慣れないとね)」
「ぴぅ(水を吐き出して進めば、移動速度が上がると思うよ)」
ヒスイとスラリン、ユキマルはダンジョンでのバトルに向けて真剣に話し合い、動き方の確認に余念がない。真面目だなぁ。
「僕、水中でモンスターとバトルしたことないんだけど、やっぱり大変?」
とりあえず、ルトたちに聞いてみる。
二人はすでに体験しているらしく、息を揃えて「「大変」」と返ってきた。
そんなに大変なのか……。
「動き方がなぁ、陸上とは全然違うんだよ。素早さのマイナス補正の影響が尋常じゃねぇから」
ルトがげっそりとした表情で言う。リリは苦笑しながら頷いていた。
「まぁ、ビアンがいるおかげで、多少はバトルしやすくなったんじゃない?」
「そうだな。ビアンも結構強くなったし、ダンジョンでも活躍してくれるだろ」
リリの言葉にルトが頷き、ペタと楽しそうに泳いでいるビアンに視線を向ける。信頼感に満ちた眼差しだ。
そっか。生まれたばかりのビアンも、ルトと一緒にバトルして、強くなってるのか。
先輩テイマーとして、僕も負けてられないな!
「って、あれ? ルトってまだテイマーじゃないよね?」
「だぞ。だから、ビアンをこっち側には召喚できない」
リュウグウ内を指しながらルトが答える。
僕も頷きながら「それなら──」とビアンに視線を向けた。
「テイマーじゃない場合って、召喚可能時間に制限があるよね? 今召喚していて大丈夫?」
「召喚スキルのレベルが6だから、わりと大丈夫。召喚可能時間一時間で、再召喚可能になるまで三十分だぞ」
「僕より召喚スキルのレベルが高い!?」
驚きの事実を知って固まっちゃった。
僕の召喚スキルのレベルは4だよ? 召喚スキルを使ってる回数は、ルトより僕の方が多いはずなのに、なんでだろー?
ルトは肩をすくめつつ口を開く。
「テイマーじゃない方が、召喚スキルのレベルは上がりやすいっぽいぞ。レベルが上がる恩恵って、テイマー以外の方が大きいからじゃないか?」
「言われてみると、そうかも?」
テイマーになると、召喚可能時間の制限がなくなるから、召喚スキルのレベルを上げる必要性が薄れるんだよねぇ。
僕もルトに言われるまで召喚スキルのレベルを気にしなかったし。
「ルトは暇を見つけてはちょっとだけでもログインして、ビアンを召喚して触れ合ってたから、召喚スキルが上がりやすかった、っていうのも理由としてあると思うよ?」
リリがからかうようにフフッと微笑みながら言った。ルトは目を逸らし「うっせー、ほっとけ」と照れ隠しな感じで呟いている。
なるほど? ルトは再召喚可能になる度に召喚してたのか。それなら、召喚スキルのレベルがすぐに上がったのも納得だね。
ルトがビアンをすっごく可愛がってるのが伝わってきて微笑ましいなー。
「……ニヤニヤ笑いやめろ、キモイ」
「キモイはやめて!」
ルトにボソッと言われて、反射的にスネを叩いて抗議する。
僕はいつだってもふもふプリティだよ! キモくないよ!
ルトは僕の抗議を「はいはい」と受け流しながら、海の方へ視線を向けた。
全然こたえてない感じがムカつくー!
「ここにいつまでもいたってどうしようもないだろ。海中窟ダンジョン目指すぞ」
「シャボリンと海守りは用意してあるよ」
ルトに続いてリリがそう言い、アイテムボックスから二つのアイテムを取り出した。
それを見て、僕は首を傾げる。
「あれ? 強化シャボリンじゃないの?」
「強化シャボリン?」
「なんだそれ?」
ルトとリリがきょとんと目を瞬かせた。
僕、この情報を共有してなかったっけ? というか、僕以外が入手してない情報なの? 僕は海精霊の女王メーアに教えてもらったんだけど。
「シャボリンに強真珠と赤珊瑚を錬金したら、強化シャボリンになるんだよ。水中を進める時間が三十分になるんだー」
「三十分!? それ、すげーアイテムじゃん!」
ルトが目を見開いて驚いた。
普通のシャボリンは五分間しか使えないことを考えたら、確かに大きな差があるよね。
二人が羨ましそうにしてたから、ササッと錬金して強化シャボリンを作ってあげた。
強化に必要な素材をたくさん採っておいてよかったー。これでみんな安心して海中を進めるね!
「これ、素材費と作業料な」
「私からも」
「え、気にしなくていいのにー」
お金を渡されて一回は断ったけど、ルトに「今は所持金に余裕あるし、ちゃんと受け取れ」と言われ、リリに「お金のやり取りを妥協して曖昧に済ませてたらダメなんだよ。友だちだからこそ!」と訴えられたから大人しく受け取る。
こういうのも仲良しであり続けるためには必要なのかもね。
まぁ、それはさておき──
「じゃあ、準備完了ってことで、出発しよう! ──がんばるぞー、えいえいおー!」
僕が拳を掲げて気合いを入れたら、スラリンたちが合わせて「きゅぃ!」などとやる気いっぱいの声を上げた。
リリも「えいえいおー」と可愛くポーズしてる。
ルトは「……おー」と仕方なさそうにしながらも呟いてた。クールを気取ってるけど、こういうところで多少はノッてくれるのがルトのいいところ!
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