もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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11章 夏の海ではしゃいじゃお

439.能力を確認しましょ♪

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 僕がラッタンにメロメロになっていると、再びアナウンスが聞こえてきた。

〈【水獺竜アクアラッコーリュ】の個体名を【ラッタン】に設定しました。【海の水槽】に空きがあります。水獺竜アクアラッコーリュ【ラッタン】を入れますか?〉

 お、いつもの流れー。
 どうぞ入れてください! モンスター空間に入れたら召喚しやすくなるもんね。

 僕がそう念じると、ラッタンが「らぴゅ」と鳴いて、光の粒になって消えていった。海の水槽に入ったようだ。

 改めて、メニューのフレンド欄からモンスタータブを選び、ラッタンのステータス詳細を確認してみる。

——————
名前:ラッタン
種族:水獺竜アクアラッコーリュ(1)
属性:水、嵐、光

体力:35 魔力:41
物理攻撃力:20
魔力攻撃力:25
防御力:42 器用さ:20
精神力:18 素早さ:15
幸運値:20

〈スキル〉
空翔ソアー叩き割りスマッシュー、頭突き、水矢アクアロー翼撃ウィングインパクト、頬張る、波乗り、収納、お手伝い、光輪キラリング
——————

 ……僕がレベル1だった時より、確実に強いよね? 持ってるスキルも多いし。
 さすがドラゴン種疑いのあるモンスターだ。

 感心しながら、スキルの詳細も確認してみる。

——————
空翔ソアー
 無属性スキル
 翼を使って空を翔ける
 素早さが10上がる

叩き割りスマッシュー
 無属性スキル
 アイテムを使って殴り、敵一体に物理的ダメージを与える

【頭突き】
 無属性スキル
 敵一体に頭からぶつかり、物理的ダメージを与える

水矢アクアロー
 水属性スキル
 水でできた矢を放ち、魔力的ダメージを与える

翼撃ウィングインパクト
 嵐属性スキル
 翼を羽ばたかせて衝撃波を放ち、敵全体にダメージを与える
 敵全体の素早さを5低下させる

【波乗り】
 水属性スキル
 水流を操作し、水中で味方全体の素早さを10上げる

【収納】
 無属性スキル
 入手したアイテムを異次元ポケットに収納する
 収納可能量は気分で変わる

【お手伝い】
 無属性スキル
 テイマーの生産活動を真似て、アイテム作製を手伝う
 友好度が高いと、自ら用意した素材を使ってアイテムを作製してくれることがある
——————

 おー、なんか凄い!
 これに加えて、さっき確認したスキル【頬張る】と【光輪キラリング】があるわけで……めちゃくちゃバトルで活躍してくれそうだね?

 それだけじゃなくて、生産活動を手伝ってくれるのが嬉しい!
 一緒に錬金術でアイテム作製できるのかな?

 今後ラッタンと遊ぶのが楽しみでルンルンとしてたら、ランドさんとレナードさんの会話が聞こえてきた。

水獺竜アクアラッコーリュってことは、簡易水槽は別にいらなかったよな?」
「備えあれば憂いなし、だろう」
「まぁそーだけど。にしても、水・嵐属性の希少種を引き当てるなんて、モモはついてるなー」
「そうだな。確か、攻撃力が高いタイプだったはずだが──」

 思わず「誕生ボーナスのおかげで光属性がついてるし、一番高いステータスは防御力みたいだよー」と口を挟む。
 あまり情報がない種族みたいだから、教えた方がいいかなって思って。

 すると、二人はポカンとした顔になり、しばらく無言で僕を見下ろした。

「な、なに……? そんなに見られたらちょっと怖いよー?」

 怯えたフリをして簡易水槽の陰に隠れてみる。普通に上から見えてるだろうけど。

「……誕生ボーナスってあれか? テイマーの中で半信半疑な感じで流れてる噂の」

 ランドさんが遠くを見つめた。ちょっと虚無感が漂った表情だ。
 レナードさんはこめかみを押さえながら眉間にシワを寄せ目を瞑ってる。

「……そうだろうな。まさかテイマーでもない俺が実際に見聞きすることになるとは思わなかったが」
「だよなー……はは、さすがモモ……」

 乾いた笑みを浮かべるランドさんの足を、僕はポンポンと叩いて慰める。

 誕生ボーナスは極稀に生じる、っていう説明だったから驚くのは当然だ。
 幸運値のおかげか、僕はこういうことが度々あるから、ランドさんたちにも慣れてもらいたいけど。

「えへん、僕さすがでしょ!」
「……うん、これがモモだな」

 胸を張って言ってみたら、ランドさんになんとも言えない表情で見下された。
 ありゃりゃ? ツッコミが来なかったなぁ。ルトなら即座に何か言ってくれそうなんだけど。

「光属性か……となると、防御力が高いのはその結果かもしれないな」

 レナードさんが顎に指を当て、考え込みながら呟く。
 どういうこと?
 きょとんとする僕を見て、レナードさんは肩をすくめる。

「光属性持ちのモンスターは防御力が高い傾向があるらしい。モモだって、防御力が高いだろう?」
「……はっ、僕、光属性の種族だったね!」

 指摘されて思い出した。
 天兎アンジュラパは光属性モンスターなんだよ。
 僕はプレイヤー特典で属性に関係なくスキルを覚えられるし、なんなら光属性魔術を持ってないから光タイプの自覚が薄いけど。

「忘れてたのか!?」

 ランドさんがツッコミを入れた。
 おー、いい勢いだったね!

「てへぺろ」

 舌をペロッと出して頭をコツンと叩くポーズ。

 タマモだったら一発で悩殺できそうだけど、ランドさんとレナードさんには効果が薄いようだ。呆れた顔で見下ろされてる。
 そういう反応をされると、ちょっと恥ずかしいよぉ。

 白けた空気を誤魔化すために、「あっ」と言いながら手をポンッと叩いた。

「ラッタン──水獺竜アクアラッコーリュの名前なんだけど、その子、【お手伝い】っていうスキルを覚えてるみたいなんだ。テイムモンスターと一緒に生産活動をするコツとかないかな~?」

 ちょうどいいから、錬金術の師匠に聞いてみる。
 すると、レナードさんは目を瞬かせた後、「一緒に錬金術を使ってみればいいと思うが……気になるなら、ここでやってみるか?」と提案してくれた。

 お、いいね、いいね。
 レナードさんがいれば百人力! ラッタンも早く錬金術を使えるようになるかも。

「お願いしまーす!」

 ペコリと頭を下げる。
 ラッタンと初めての共同作業するぞ~♪

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