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11章 夏の海ではしゃいじゃお
438.ついに誕生!
レナードさんの工房に到着。
いろんな素材があって興味をそそられるんだけど……今は我慢。早く卵ちゃんが安心して誕生できる環境を整えなきゃ。
「なんでランドまでついてきたんだ」
レナードさんが鬱陶しそうにランドさんを見て文句を言う。
でも、ランドさんは「モモが持ってる卵からどんな子が生まれるか気になったから。そんな邪険にするなよ」と笑っていて気にした素振りはない。
普段からこういう遠慮のないやり取りをしてるんだろうね。
「そんなことより、早く簡易水槽ください!」
「……ああ、これだ」
僕がレナードさんの腕を掴んで揺さぶりねだると、駄々っ子を見るような目をされた。
ちょっぴり不満だけど、すぐに簡易水槽を用意してくれたから許してあげるよ。
簡易水槽は家庭用のビニールプールみたいな感じだった。
レナードさんがストレージから取り出した時から、しっかり水が入ってる。
僕なら泳げそうなサイズだなぁ。
「それじゃあ、卵を出しまーす」
「この中央に置くといい」
指示された通りに、取り出した卵を簡易水槽の中央に置く。
卵は三分の二くらい水に浸かった状態だ。これなら生まれてすぐに水に飛び込めるね。
「わくわく♪ わくわく♪ どんな子生まれるかな~♪」
即興で歌を口ずさみながら体を揺らす。
楽しみすぎてじっとしていられないよ。
そんな僕を見て、ランドさんは「あははっ、まるで弟妹が生まれるみたいだな!」と笑った。
レナードさんも微笑ましげに目を細めてる。
ランドさんの言葉は間違ってない気がする。
僕にとってテイムモンスターは、友だちで仲間で家族みたいなものだから。
「──あっ、ヒビが大きくなったよ! もうすぐ生まれるかな」
卵の様子の変化を見守る。
少しずつ殻が割れていき、一際大きくパキッと音がしたかと思うと、パアッとまばゆい光が溢れた。
「ふぎゃっ」
凝視してたから、光を直視しちゃったよ。悲鳴をこぼしながら、咄嗟に目を瞑る。
生まれる瞬間を目に焼き付けようと思ってたのに、我慢できなかったよぉ。
「らぴゅ」
……可愛い声がした。
ハッと目を開く。光はいつの間にかおさまってた。
簡易水槽の中央、消え行く割れた卵の殻の中央に、一体のモンスターがいる。
ふわふわの毛は真っ白。ラッコの赤ちゃんみたいな見た目で、あどけなくて可愛らしい。
サイズは僕よりちょっと大きいけど。
ちょこんと立ち上がって、水槽内をぴょこぴょこと跳ねるように動き回ってる──と思ったら、脇のあたりにズボッと手を突っ込み、白い貝のようなものと石を取り出した。
「え、それ、どうするの?」
「らぴゅ」
水の中で寝そべって、お腹の上に載せた貝を石でコンコンと叩いたかと思うと、貝殻が割れて中から真珠のようなものが出てきた。
その子はそれをパクリと食べる。
「えっ、それ、食べられるの!?」
「らぴゅ~♡」
とても嬉しそうに飴玉のように口の中で転がしてる。
たぶん大丈夫なんだよね? ほっぺた押さえて味わってる感じが可愛いー。
生まれてすぐに自分でご飯を食べ始めるとは予想してなかったから驚いたけど、嬉しそうだからいっか。
大人しく食べてる間に、とりあえず鑑定しちゃおう。
——————
【水獺竜】
水・嵐・光属性モンスター
非常に希少な種で目撃例が少ない
竜の仲間だと言われることがあるが、真偽は不明
見た目はラッコに近く、飛ぶ際には小さな翼が現れる
脇のあたりに異次元ポケットを持っていて、様々なものを収納できる
生まれてすぐに食べたもので、ステータスが変動するらしい
——————
……いろいろ気になる言葉があるね?
「え、君、竜の仲間なの?」
「らぴゅ?」
首を傾げる水獺竜を見つめる。
本獣に自覚はなさそう。
まぁ、驚いただけで、この子が竜だろうとなかろうと、僕はどっちでもいいんだけど。それより重要なことがあるし。
「ねぇ、さっき食べたのは何!? ステータス、どう変化したの!?」
僕が何か上げる前に、自主的に食べた場合はどうなるの?
いろいろと尋ねてみるけど、水獺竜は「らぴゅ~?」と首を傾げるばかりだ。その仕草、すごく可愛いね!
〈【海獣の卵】から【水獺竜】が誕生しました。誕生ボーナスにより【光珠貝】を獲得しました〉
〈【水獺竜】が【光珠貝】を割り、【光珠】を獲得しました。水獺竜が光珠にスキル【頬張る】を使用し、【光属性】とスキル【光輪】を獲得しました〉
〈水獺竜に名前を付けますか?〉
——————
システム【誕生ボーナス】
卵からモンスターが生まれる際に、極稀に発生する
生まれたモンスターにレアアイテムやスキルが贈られる
【光珠貝】レア度☆☆☆☆☆
光属性の魔力を纏った貝
中に光属性の宝石が入っているが、何が出てくるかはランダム
【光珠】レア度☆☆☆☆☆
光属性の宝石。見た目は真珠に似ている
非常に希少
使用すると光属性スキル【光輪】を獲得できる
スキル【頬張る】
モンスターの無属性スキル
食用でないものでも食べることができる
どのような効果が生じるかは、使ってみないとわからない
スキル【光輪】
光属性のスキル
光の輪で範囲内の敵全員を拘束して三十秒間動きを止め、固定ダメージ50を与える
クールタイム:五分
——————
怒濤の勢いでアナウンスがあったんだけど!
混乱しながらも、とりあえず最後の質問に答えることにした。
名前、なまえ……どうしよう? 生まれてから考えようと思ってたけど、僕、名前をつけるの得意じゃないんだよねぇ。
「──ラッタン、でどう?」
ラッコたん、って呼ぶのはそのまますぎるから短縮してみたよ。
尋ねてみたら、水獺竜──ラッタンは目をパチパチと瞬かせてから、『いいよ~』という感じでニコッと笑って手を上げた。
「か、かわいいっ……!」
あどけない笑み、可愛さ満点だね。
これはすぐにファンを獲得すること間違いなしだ。僕もメロメロになっちゃったもん。
「モモがすげぇデロデロに甘やかしそうな顔してるぞ」
「……珍しい種類のモンスターだから、というより、見た目にやられたみたいだな」
ランドさんとレナードさんに呆れた感じで見られてる気がするけど、スルーします。
ラッタン、可愛い~♡
いろんな素材があって興味をそそられるんだけど……今は我慢。早く卵ちゃんが安心して誕生できる環境を整えなきゃ。
「なんでランドまでついてきたんだ」
レナードさんが鬱陶しそうにランドさんを見て文句を言う。
でも、ランドさんは「モモが持ってる卵からどんな子が生まれるか気になったから。そんな邪険にするなよ」と笑っていて気にした素振りはない。
普段からこういう遠慮のないやり取りをしてるんだろうね。
「そんなことより、早く簡易水槽ください!」
「……ああ、これだ」
僕がレナードさんの腕を掴んで揺さぶりねだると、駄々っ子を見るような目をされた。
ちょっぴり不満だけど、すぐに簡易水槽を用意してくれたから許してあげるよ。
簡易水槽は家庭用のビニールプールみたいな感じだった。
レナードさんがストレージから取り出した時から、しっかり水が入ってる。
僕なら泳げそうなサイズだなぁ。
「それじゃあ、卵を出しまーす」
「この中央に置くといい」
指示された通りに、取り出した卵を簡易水槽の中央に置く。
卵は三分の二くらい水に浸かった状態だ。これなら生まれてすぐに水に飛び込めるね。
「わくわく♪ わくわく♪ どんな子生まれるかな~♪」
即興で歌を口ずさみながら体を揺らす。
楽しみすぎてじっとしていられないよ。
そんな僕を見て、ランドさんは「あははっ、まるで弟妹が生まれるみたいだな!」と笑った。
レナードさんも微笑ましげに目を細めてる。
ランドさんの言葉は間違ってない気がする。
僕にとってテイムモンスターは、友だちで仲間で家族みたいなものだから。
「──あっ、ヒビが大きくなったよ! もうすぐ生まれるかな」
卵の様子の変化を見守る。
少しずつ殻が割れていき、一際大きくパキッと音がしたかと思うと、パアッとまばゆい光が溢れた。
「ふぎゃっ」
凝視してたから、光を直視しちゃったよ。悲鳴をこぼしながら、咄嗟に目を瞑る。
生まれる瞬間を目に焼き付けようと思ってたのに、我慢できなかったよぉ。
「らぴゅ」
……可愛い声がした。
ハッと目を開く。光はいつの間にかおさまってた。
簡易水槽の中央、消え行く割れた卵の殻の中央に、一体のモンスターがいる。
ふわふわの毛は真っ白。ラッコの赤ちゃんみたいな見た目で、あどけなくて可愛らしい。
サイズは僕よりちょっと大きいけど。
ちょこんと立ち上がって、水槽内をぴょこぴょこと跳ねるように動き回ってる──と思ったら、脇のあたりにズボッと手を突っ込み、白い貝のようなものと石を取り出した。
「え、それ、どうするの?」
「らぴゅ」
水の中で寝そべって、お腹の上に載せた貝を石でコンコンと叩いたかと思うと、貝殻が割れて中から真珠のようなものが出てきた。
その子はそれをパクリと食べる。
「えっ、それ、食べられるの!?」
「らぴゅ~♡」
とても嬉しそうに飴玉のように口の中で転がしてる。
たぶん大丈夫なんだよね? ほっぺた押さえて味わってる感じが可愛いー。
生まれてすぐに自分でご飯を食べ始めるとは予想してなかったから驚いたけど、嬉しそうだからいっか。
大人しく食べてる間に、とりあえず鑑定しちゃおう。
——————
【水獺竜】
水・嵐・光属性モンスター
非常に希少な種で目撃例が少ない
竜の仲間だと言われることがあるが、真偽は不明
見た目はラッコに近く、飛ぶ際には小さな翼が現れる
脇のあたりに異次元ポケットを持っていて、様々なものを収納できる
生まれてすぐに食べたもので、ステータスが変動するらしい
——————
……いろいろ気になる言葉があるね?
「え、君、竜の仲間なの?」
「らぴゅ?」
首を傾げる水獺竜を見つめる。
本獣に自覚はなさそう。
まぁ、驚いただけで、この子が竜だろうとなかろうと、僕はどっちでもいいんだけど。それより重要なことがあるし。
「ねぇ、さっき食べたのは何!? ステータス、どう変化したの!?」
僕が何か上げる前に、自主的に食べた場合はどうなるの?
いろいろと尋ねてみるけど、水獺竜は「らぴゅ~?」と首を傾げるばかりだ。その仕草、すごく可愛いね!
〈【海獣の卵】から【水獺竜】が誕生しました。誕生ボーナスにより【光珠貝】を獲得しました〉
〈【水獺竜】が【光珠貝】を割り、【光珠】を獲得しました。水獺竜が光珠にスキル【頬張る】を使用し、【光属性】とスキル【光輪】を獲得しました〉
〈水獺竜に名前を付けますか?〉
——————
システム【誕生ボーナス】
卵からモンスターが生まれる際に、極稀に発生する
生まれたモンスターにレアアイテムやスキルが贈られる
【光珠貝】レア度☆☆☆☆☆
光属性の魔力を纏った貝
中に光属性の宝石が入っているが、何が出てくるかはランダム
【光珠】レア度☆☆☆☆☆
光属性の宝石。見た目は真珠に似ている
非常に希少
使用すると光属性スキル【光輪】を獲得できる
スキル【頬張る】
モンスターの無属性スキル
食用でないものでも食べることができる
どのような効果が生じるかは、使ってみないとわからない
スキル【光輪】
光属性のスキル
光の輪で範囲内の敵全員を拘束して三十秒間動きを止め、固定ダメージ50を与える
クールタイム:五分
——————
怒濤の勢いでアナウンスがあったんだけど!
混乱しながらも、とりあえず最後の質問に答えることにした。
名前、なまえ……どうしよう? 生まれてから考えようと思ってたけど、僕、名前をつけるの得意じゃないんだよねぇ。
「──ラッタン、でどう?」
ラッコたん、って呼ぶのはそのまますぎるから短縮してみたよ。
尋ねてみたら、水獺竜──ラッタンは目をパチパチと瞬かせてから、『いいよ~』という感じでニコッと笑って手を上げた。
「か、かわいいっ……!」
あどけない笑み、可愛さ満点だね。
これはすぐにファンを獲得すること間違いなしだ。僕もメロメロになっちゃったもん。
「モモがすげぇデロデロに甘やかしそうな顔してるぞ」
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【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】