もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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7章 世界が広がっていくよ

262.一番乗り?

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 破壊してできた穴は五分で埋まってしまうので、さっさと中に入って石の欠片(?)らしきものを回収することにした。
 というか、なんで『?』が付いてたんだろう? 鑑定しよ!

——————
【赤魔宝】レア度☆☆☆☆
 ガーネットのような赤い石。火属性の魔力を内包している。『火の封印』を解くために使用できる。
——————

 火の封印?
 そんな言葉は初めて見たよ。

「どっかに封印されてるものがあるってこと?」

 首を傾げながら、赤魔宝を手に取る。キラキラしてて綺麗! 錬金術にも使えそうだな~。

「きゅーきゅい(早く出た方が良さそうよ!)」
「え……わわっ!?」

 ナッティに促されたすぐ後に、足下がグラグラと揺らいだ。地震みたいだ!
 慌てて穴から出る。

 ——ガラガラッ!

「地面が崩壊した!?」

 さっきまで僕が立っていたところが崩れ、縦穴ができていた。
 ナッティの注意がなかったら、僕、穴の底に落ちてたのでは? これ、罠だよね。こわっ。

「ナッティ、ありがとーっ」
「きゅーきゅい(どういたしまして)」

 ぺこりとお辞儀し合ってから、改めて穴の方を観察する。でも、赤魔宝以外に成果はなさそう。もう閉じかけだし。

「他の掘れる場所も調査してみるべき?」
「くまま(マップ完成させようよー。ここ、飽きたー)」
「んー……そうだね。封印されてるところがあるかも確かめたいし」

 ショコラに言われて、とりあえずこの場所を踏破することにした。
 火の封印ってどんなものか想像もできないんだけど。鑑定したらわかるかなぁ。

「ぴぅ(まだ行ってないのはこっちだよ)」

 ユキマルに先導されて、ダンジョン探索を再開した。
 相変わらず出てくるモンスターと戦いながら、ナッティが報告してくるトラップをマップのメモに残したり、たまに壁を破壊して赤魔宝をゲットしたりする。

 埋まってるのは全部赤魔宝だった。赤色の扉から入ったからだろうな。

「きゅーきゅい(あら……?)」

 不意にナッティが立ち止まった。
 マップはちょうど100%になったところだ。階層ボスらしきものには出会えてない。ここにはいないのかな。

「どうしたの?」
「きゅーきゅい(ここもなんかありそうなんだけど……ちょっと嫌な感じがするわ)」

 ナッティが行き止まりになった壁を指す。
 とりあえず鑑定してみよう。

——————
【火の封印】
 なにかが封印されている。赤魔宝を使用すると封印を解くことができる。
——————

 おお、やっぱり封印あった!
 でも、普通の岩の壁にしか見えない。火魔宝をどう使うんだろう? ナッティが嫌な感じって言ってるのも気になるなぁ。それ、罠があるってことじゃない?

「うーん……最大限警戒! とりあえず赤魔宝を近づけてみるけど、なにが起きるかわからないよ」
「きゅぃ(りょーかい!)」

 スラリンたちがピリッと緊張感を漂わせる。僕もドキドキしながら赤魔宝を取り出した。

「どーか、怖い罠じゃありませんよーに……」

 願いながら赤魔宝を壁に近づける。途端に、ブワッと圧が襲ってきた気がした。

「ぬわっ!?」

 慌てて飛び退る。手の中で赤魔宝が粉々になって消えていった。
 
 ——ボワッ!

 壁が赤い炎を纏った。不思議と近くに立っていても熱を感じない。

「ぴぅ(強い気配を感じるよ!)」

 ユキマルが警戒色の光を放つ。
 もしかして、この封印は強いモンスターを封じてた?

 炎は少しずつ鳥居のような形になり、壁があったところが黒い闇になっている。

「くるる(炎の門ができたー。水で消火する?)」
「いや、たぶん、それはダメだと思うよ?」

 息を呑んで眺めてたけど、ペタの緊張感のない言葉で力が抜けた。
 確かに燃えてる門を見たら消火したくなる気持ちはわかるけどさぁ。結構凝った演出だと思うから、台無しにしないであげよう?

「きゅーきゅい(ここ潜り抜けられるみたいよ? 落とし穴とかの罠にはなってないと思うわ)」
「お、良い情報ありがと」

 通り抜けた先にモンスターがいる可能性は高いけど、道中でひどい目にあう可能性は低そう。

 モンスターとの戦いがある可能性を考えて、準備を整えておこう。
 ——回復薬は十分ある。ナッティが少し体力を消耗してたから、回復させておいた。
 みんなの魔力は僕のスキルでほぼ回復してるから問題ないでしょ。

「ボムとかの攻撃アイテムもあるし……このまま進んでも大丈夫そうだね」
「きゅぃ(進む?)」
「うん、行こう!」
「くまま(じゃあ、ぼくが先頭になるよー)」

 スラリンに答えたら、ショコラがのんびりとした口調で言った。
 罠はなさそうだし、ショコラのステータスの高さを考えたら、それが一番安全かも。

「ショコラ、よろしくね」
「くまま(任せてー)」

 ショコラが気負いしない感じでそう言うと、あっさりと炎の門の中へと進んだ。闇に飲み込まれるようにして消えていく。

 この先になにが待ってるんだろう?
 ドキドキワクワクしながら、僕とスラリンたちもショコラの後に続いて炎の門を通る。

 なにも見えなくなった。

〈東の鉱山ダンジョン【火のボス空間】に接続します。この先に進むと引き返すことができません。このまま進みますか?〉

 お、やっぱり強いモンスターがいるんだね? 準備はオッケーだから、進むよ。

 意思表示をした瞬間、一気に視界が開けた。

 ——ボス戦がんばるぞー!

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