286 / 555
8章 新たな地へ
285.海上イベント?
しおりを挟む
フルリーさんに、ディナータイムに歌を歌ってほしいと頼まれたので、「いいよー」と快諾しておいた。
たくさんの人の前で歌うの好きです。演奏は神殿楽士団がしてくれるんだって。豪華。
早速みんなで練習すると言うフルリーさんと別れ、甲板に出た。海を見ながら日差しを浴びたかったんだ。
「ペタも喚んじゃおう」
プールを見て、ペタを召喚。一緒に泳ぎたい。
「くるる(海……じゃないー?)」
「プールだよ。じゃぶーん」
飛び込んで泳ぐ僕に続いて、スラリンとユキマルもプールにぷかーっと浮いてる。ナッティは濡れたくないって言って、プールサイドのデッキチェアに座ってる。
「くるる(海の上にプールを作る意味がわからないー)」
そんなことを言いながら、ペタもプールに入ってくる。気持ちよさそうに泳いでるじゃん。
日差しでキラキラと輝く水面にパシャパシャと波を起こしながら、みんなでワイワイと遊んだ。楽しい!
「きゅーきゅい(毛が乱れるわよ)」
「毛繕いすればいいもーん」
ナッティに答えながら、一旦プールサイドへ上がる。
タオルで体を拭いた後に、毛繕いスキルを使った。
「もっふもふ!」
お日様の香りのするふわふわボディだよ。
「くるる(モモはいつももふもふだよー)」
「そうだねー。ペタももふもふにしてやるー!」
プールから上がってきたペタにも毛繕いスキルを使う。輝きが増したもふもふになった気がする。アイテムもゲットだー。
ナッティにも毛繕いスキルを使ったら、嬉しそうに尻尾を揺らしてた。
綺麗になるのって嬉しいよねー。
「きゅぃ(僕たちは?)」
「拭いてあげるね」
スラリンとユキマルも布で拭いて、しっかりとアイテムをゲット。
なんとなく、みんなを綺麗にしたい気分だったので、ショコラとオギンも喚んでみた。
毛繕い祭りじゃー!
「くまま?」
「キュオ……」
二体とも不思議そうにしながらも、おとなしく毛繕いさせてくれた。アイテムがもらえなくなるまで毛繕いスキルを繰り返して満足です。
途中でナッティと交代してピアも喚び出し、毛繕いしたよ。
「ぴぅ(他になにするの?)」
ユキマルに問いかけられて、「うぅん……」と考える。
この船にはショッピングエリアもあるらしいから、行ってみるのも楽しそうだけど——
「せっかくディナーで歌を歌うんだし、ちょっとエンターテインメント性を高めてみたいかなぁ」
「キュオ(エンターテインメント……?)」
不思議そうに呟いたオギンが、近くにいたショコラとなにかを話し合ってる。
普段が十分エンターテインメント性に富んでるよね、って話してるらしい。
でも、エンターテインメントに限界はないので! たぶん!
最近、運営さんがお遊びで用意してる感じのスキルを発見してないなぁ、と思って、ちょっと練習したくなったんだ。
「——とはいえ、どんなことをしたら、エンターテインメントなスキルを覚えられるかなぁ?」
こてり、と首を傾げる。
目が合ったペタが、僕と同じように首を傾げた。なんとなく、どっちがより頭を傾けられるか競争しちゃう。
「もふもふが戯れてる……! 遊び方意味わかんないけど、可愛いっ!」
どっかから、もふもふ教みたいな声が聞こえた。
振り向くと、騎士服を纏った女性がいた。こんにちはー。
「お姉さん、ここで何してるの?」
「あ、その……海上の見張りです」
「見張りが必要なの?」
スッと海を指し示される。
なんだろう? と思いながら指された方を見ると、遠くの方で何かがジャンプした。バシャーンッ、と大きな波が起きる。小さな船だったら、転覆しちゃいそうだ。
「あのようなモンスターがいるので。それに、たまに船を襲おうとしてくる個体もいるので、即座に対処できるように控えています」
「ほーう、大変だね」
船を襲われるなんて、こわーい。
でも、騎士さんが守ってくれるなら安全なのかな。
「申し遅れましたが、私は魔術騎士団所属のマチルダです。よろしくお願いいたします」
「僕はモモです。よろしくー」
続けてスラリンたちも紹介する。マチルダさんは律儀に一体ずつに挨拶を返していた。
「もう外洋に出ましたので、海賊が襲ってくる可能性もありますが、私たちがお守りしますのでご心配なさらず」
ビシッと敬礼したマチルダさんの言葉に、
僕は「え」と声を漏らす。
この海、海賊がいるんです?
「海賊って、何するの?」
「船を襲って、荷物と……を奪います」
すっごく濁されて聞こえなかったんだけど、もしや人とかも荷物扱いされて奪われちゃったりする? 怖っ!
「海賊、多いの?」
「一時ほどではないですね。昔はたくさんの船が襲われた結果、外洋の航路を使用できなくなったくらいでしたが」
船着き場が閑散としてた理由ってそれなのかな。海賊に襲われるんじゃ、船を出すこと事態、したがらなくなるだろうからねぇ。
まさか、この船が海賊に襲われるなんてイベントは起きないよね……?
ちょっぴり不安がよぎったところで、どこかからカンカンカンッとけたたましい音が聞こえてきた。
マチルダさんがハッと海へと視線を向ける。
「なに!?」
「国旗を掲げていない違法船を発見したようです。海賊の可能性があります。モモさんは船内にどうぞ!」
え、どうしよう?
海賊なら、僕も一緒に戦った方がいいのでは?
スラリンたちと顔を見合わせる。
〈船上イベント【海賊との交戦】が開始しました。参加しますか?〉
やっぱりイベントだったー!
もしかして、マチルダさんと話すのがトリガーになってた?
うーん、せっかくだし——
「僕たちも一緒に戦う!」
初の海上戦だー!
たくさんの人の前で歌うの好きです。演奏は神殿楽士団がしてくれるんだって。豪華。
早速みんなで練習すると言うフルリーさんと別れ、甲板に出た。海を見ながら日差しを浴びたかったんだ。
「ペタも喚んじゃおう」
プールを見て、ペタを召喚。一緒に泳ぎたい。
「くるる(海……じゃないー?)」
「プールだよ。じゃぶーん」
飛び込んで泳ぐ僕に続いて、スラリンとユキマルもプールにぷかーっと浮いてる。ナッティは濡れたくないって言って、プールサイドのデッキチェアに座ってる。
「くるる(海の上にプールを作る意味がわからないー)」
そんなことを言いながら、ペタもプールに入ってくる。気持ちよさそうに泳いでるじゃん。
日差しでキラキラと輝く水面にパシャパシャと波を起こしながら、みんなでワイワイと遊んだ。楽しい!
「きゅーきゅい(毛が乱れるわよ)」
「毛繕いすればいいもーん」
ナッティに答えながら、一旦プールサイドへ上がる。
タオルで体を拭いた後に、毛繕いスキルを使った。
「もっふもふ!」
お日様の香りのするふわふわボディだよ。
「くるる(モモはいつももふもふだよー)」
「そうだねー。ペタももふもふにしてやるー!」
プールから上がってきたペタにも毛繕いスキルを使う。輝きが増したもふもふになった気がする。アイテムもゲットだー。
ナッティにも毛繕いスキルを使ったら、嬉しそうに尻尾を揺らしてた。
綺麗になるのって嬉しいよねー。
「きゅぃ(僕たちは?)」
「拭いてあげるね」
スラリンとユキマルも布で拭いて、しっかりとアイテムをゲット。
なんとなく、みんなを綺麗にしたい気分だったので、ショコラとオギンも喚んでみた。
毛繕い祭りじゃー!
「くまま?」
「キュオ……」
二体とも不思議そうにしながらも、おとなしく毛繕いさせてくれた。アイテムがもらえなくなるまで毛繕いスキルを繰り返して満足です。
途中でナッティと交代してピアも喚び出し、毛繕いしたよ。
「ぴぅ(他になにするの?)」
ユキマルに問いかけられて、「うぅん……」と考える。
この船にはショッピングエリアもあるらしいから、行ってみるのも楽しそうだけど——
「せっかくディナーで歌を歌うんだし、ちょっとエンターテインメント性を高めてみたいかなぁ」
「キュオ(エンターテインメント……?)」
不思議そうに呟いたオギンが、近くにいたショコラとなにかを話し合ってる。
普段が十分エンターテインメント性に富んでるよね、って話してるらしい。
でも、エンターテインメントに限界はないので! たぶん!
最近、運営さんがお遊びで用意してる感じのスキルを発見してないなぁ、と思って、ちょっと練習したくなったんだ。
「——とはいえ、どんなことをしたら、エンターテインメントなスキルを覚えられるかなぁ?」
こてり、と首を傾げる。
目が合ったペタが、僕と同じように首を傾げた。なんとなく、どっちがより頭を傾けられるか競争しちゃう。
「もふもふが戯れてる……! 遊び方意味わかんないけど、可愛いっ!」
どっかから、もふもふ教みたいな声が聞こえた。
振り向くと、騎士服を纏った女性がいた。こんにちはー。
「お姉さん、ここで何してるの?」
「あ、その……海上の見張りです」
「見張りが必要なの?」
スッと海を指し示される。
なんだろう? と思いながら指された方を見ると、遠くの方で何かがジャンプした。バシャーンッ、と大きな波が起きる。小さな船だったら、転覆しちゃいそうだ。
「あのようなモンスターがいるので。それに、たまに船を襲おうとしてくる個体もいるので、即座に対処できるように控えています」
「ほーう、大変だね」
船を襲われるなんて、こわーい。
でも、騎士さんが守ってくれるなら安全なのかな。
「申し遅れましたが、私は魔術騎士団所属のマチルダです。よろしくお願いいたします」
「僕はモモです。よろしくー」
続けてスラリンたちも紹介する。マチルダさんは律儀に一体ずつに挨拶を返していた。
「もう外洋に出ましたので、海賊が襲ってくる可能性もありますが、私たちがお守りしますのでご心配なさらず」
ビシッと敬礼したマチルダさんの言葉に、
僕は「え」と声を漏らす。
この海、海賊がいるんです?
「海賊って、何するの?」
「船を襲って、荷物と……を奪います」
すっごく濁されて聞こえなかったんだけど、もしや人とかも荷物扱いされて奪われちゃったりする? 怖っ!
「海賊、多いの?」
「一時ほどではないですね。昔はたくさんの船が襲われた結果、外洋の航路を使用できなくなったくらいでしたが」
船着き場が閑散としてた理由ってそれなのかな。海賊に襲われるんじゃ、船を出すこと事態、したがらなくなるだろうからねぇ。
まさか、この船が海賊に襲われるなんてイベントは起きないよね……?
ちょっぴり不安がよぎったところで、どこかからカンカンカンッとけたたましい音が聞こえてきた。
マチルダさんがハッと海へと視線を向ける。
「なに!?」
「国旗を掲げていない違法船を発見したようです。海賊の可能性があります。モモさんは船内にどうぞ!」
え、どうしよう?
海賊なら、僕も一緒に戦った方がいいのでは?
スラリンたちと顔を見合わせる。
〈船上イベント【海賊との交戦】が開始しました。参加しますか?〉
やっぱりイベントだったー!
もしかして、マチルダさんと話すのがトリガーになってた?
うーん、せっかくだし——
「僕たちも一緒に戦う!」
初の海上戦だー!
1,397
あなたにおすすめの小説
もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜
きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。
遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。
作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓――
今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!?
ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。
癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。
子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。
マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。
その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。
当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。
そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。
マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。
焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。
やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。
HOTランキング1位になることができました!
皆さま、ありがとうございます。
他社の投稿サイトにも掲載しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。