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10章 海は広くて冒険いっぱい
377.お買い物続きです
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思いがけずシークレットミッションを見つけられたし、シークレットエリアのマップも気になるし、このまま流れに乗ってみよう。
「というわけで、海精霊に案内してもらった後は、宮殿に行こうねー」
「きゅぃ(わかったー)」
いい子なお返事をしてくれたスラリンだけでなく、ヒスイたちも異論はなさそうだ。
その後もふらふらーとお店を覗きながら歩く。他で見たことのないアイテムがいろいろあって楽しい。海関連のものが多いのは予想通りだ。
海守りの強化に使えるアイテム【海硝子】を見つけた時は、たくさん買っちゃった。いろんな色のガラスの欠片みたいな感じで綺麗なんだよー。
後で海守りと錬金して強化しよう。
そこでは店員の海エルフさん——名前は長くて覚えきれなかったけど、愛称はルフさん——からちょっとした情報を入手した。
「街中はモンスター避けがされてるから、正規のルートで来た者しか入れないんだよ。でも、モンスター避けされてないところもあるから気をつけてね。その海守りがあれば大丈夫だと思うけど……というか、それ、俺に売ってほしいなぁ」
僕が「可愛いでしょー」と見せた【もふもふの海守り(ウサギ)】に、ルフさんが物欲しそうな目を向ける。でも、あげないよー。僕もこれ気に入ってるんだから。
「だめだめ。これ、作れる数が限られてるんだよ」
「……だよなー。あ、普通の海守りは街の外れにある藤花貝を使って作れるぞ。錬金術士なら、それで海守りを作って売ってくれてもいいからな!」
ニコニコと、ちょっと圧を感じる笑みで言われた。そんなに欲しいんだ? 自分たちじゃ作れないのかな?
ちょっぴり不思議だけど、「作ったら持ってくるねー」と約束しておく。藤花貝がどんなものかわからないけど、がんばって入手しよう。
〈ミッション【藤の海守り作製・納品】が開始しました〉
——————
ミッション【藤の海守り作製・納品】
海守りが足りず、危機的状況だ!
海守りを作製し納品してあげよう。
〈クリア条件〉
藤の海守り作製・納品 十個
〈クリア報酬〉
海のエルフに伝わる錬金術レシピ(初級)
*このミッションは職業【錬金術士】とその関連職業の者のみ達成可能です。
——————
これもミッションだったんだ? シークレットではないみたいだけど……達成できる職業が限定されてるミッションは初めて見たかも。各職業に違うミッションが用意されてるのかな。
海のエルフに伝わる錬金術レシピは気になるし、このミッションもクリア目指してがんばろーっと。
そうとなれば藤花貝を探さないとね。
「藤花貝が採れるのはどこだろう?」
『これから行くところの近くよ』
「あ、そうなんだ。じゃあ、ちょうどよかったねー」
海精霊が僕たちを連れて行こうとしてる場所は、街の外れにあるらしい。藤花貝がある場所にも案内してくれるらしいので、ルンルンとついていく。
最初に海精霊と出会えてラッキーだったな。
プレイヤーがたくさん街中を歩くようになったけど、僕みたいに海精霊をつれてる人は一人もいない。
もしかして、初めて海底都市リュウグウに来たプレイヤー限定で仲良くなれるイベントなのかな?
「ねぇねぇ、今更だけど、海精霊さんのお名前はなぁに?」
『本当に今更ねぇ……』
ちょっと呆れた感じで見られた。タイミングを逃して聞き忘れてたんだよ。
「僕はモモだよー」
『……私はメーアよ。他の海精霊には基本的に名前がないから、遭遇しても聞く必要はないわ』
おっと、やっぱり特別な海精霊っぽい。名前を持ってる精霊は少ないんだね。
他の……と周囲を探してみると、空をふわーっと飛んでいく海精霊の姿に気づいた。探そうと意識しないと見つけられないくらい気配が希薄だ。
僕の視線に気づいて、ニコッと笑って手を振ってくれるから、僕も「こんにちはー」と手を振り返す。
近くにいるプレイヤーが僕の視線を追って、「……うわっ!? なんか妖精っぽいのが飛んでる!?」と初めて気づいた感じで驚いてた。見つけられてよかったねー。
海精霊は個体によって微妙に色が違って、性別もあるみたいだ。男の子の海精霊はシュッとした感じでクール。
ふわふわな雰囲気の女の子は僕を見て興味津々な顔をしてるけど、メーアの視線に気づいてすぐにバイバイと去ってしまった。
……メーアって、やっぱり特別な立場? 偉い精霊だったりする?
僕が海精霊たちとメーアを見比べていると、メーアが何も言わずにニコッと笑った。これは教えてくれない感じだね。
まぁ、いいけど。知れるものなら、いつかわかるでしょ。
〈海精霊を十体発見しました。スキル【精霊視】を習得しました〉
——————
スキル【精霊視】
精霊を発見しやすくなる。パッシブスキル
精霊と仲良くなりやすい……かもしれない
——————
「ふぁっ!? え、そういうスキル習得方法もあるんだ……?」
突然過ぎてビックリしちゃったよ。
目をパチパチしながら見上げたら、さっきまでよりもはっきりと海精霊の姿が見えるようになった。
仲良くなれるかはわからないけど、持ってて損はないね。パッシブスキルだから忘れても大丈夫だし! ……これ、忘れっぽい僕にとっては一番重要なんだよ。
『ほらほら、早く行くわよ。目的地はもうすぐだから』
「はーい」
メーアのオススメの場所ってどんなところだろうねー?
「というわけで、海精霊に案内してもらった後は、宮殿に行こうねー」
「きゅぃ(わかったー)」
いい子なお返事をしてくれたスラリンだけでなく、ヒスイたちも異論はなさそうだ。
その後もふらふらーとお店を覗きながら歩く。他で見たことのないアイテムがいろいろあって楽しい。海関連のものが多いのは予想通りだ。
海守りの強化に使えるアイテム【海硝子】を見つけた時は、たくさん買っちゃった。いろんな色のガラスの欠片みたいな感じで綺麗なんだよー。
後で海守りと錬金して強化しよう。
そこでは店員の海エルフさん——名前は長くて覚えきれなかったけど、愛称はルフさん——からちょっとした情報を入手した。
「街中はモンスター避けがされてるから、正規のルートで来た者しか入れないんだよ。でも、モンスター避けされてないところもあるから気をつけてね。その海守りがあれば大丈夫だと思うけど……というか、それ、俺に売ってほしいなぁ」
僕が「可愛いでしょー」と見せた【もふもふの海守り(ウサギ)】に、ルフさんが物欲しそうな目を向ける。でも、あげないよー。僕もこれ気に入ってるんだから。
「だめだめ。これ、作れる数が限られてるんだよ」
「……だよなー。あ、普通の海守りは街の外れにある藤花貝を使って作れるぞ。錬金術士なら、それで海守りを作って売ってくれてもいいからな!」
ニコニコと、ちょっと圧を感じる笑みで言われた。そんなに欲しいんだ? 自分たちじゃ作れないのかな?
ちょっぴり不思議だけど、「作ったら持ってくるねー」と約束しておく。藤花貝がどんなものかわからないけど、がんばって入手しよう。
〈ミッション【藤の海守り作製・納品】が開始しました〉
——————
ミッション【藤の海守り作製・納品】
海守りが足りず、危機的状況だ!
海守りを作製し納品してあげよう。
〈クリア条件〉
藤の海守り作製・納品 十個
〈クリア報酬〉
海のエルフに伝わる錬金術レシピ(初級)
*このミッションは職業【錬金術士】とその関連職業の者のみ達成可能です。
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これもミッションだったんだ? シークレットではないみたいだけど……達成できる職業が限定されてるミッションは初めて見たかも。各職業に違うミッションが用意されてるのかな。
海のエルフに伝わる錬金術レシピは気になるし、このミッションもクリア目指してがんばろーっと。
そうとなれば藤花貝を探さないとね。
「藤花貝が採れるのはどこだろう?」
『これから行くところの近くよ』
「あ、そうなんだ。じゃあ、ちょうどよかったねー」
海精霊が僕たちを連れて行こうとしてる場所は、街の外れにあるらしい。藤花貝がある場所にも案内してくれるらしいので、ルンルンとついていく。
最初に海精霊と出会えてラッキーだったな。
プレイヤーがたくさん街中を歩くようになったけど、僕みたいに海精霊をつれてる人は一人もいない。
もしかして、初めて海底都市リュウグウに来たプレイヤー限定で仲良くなれるイベントなのかな?
「ねぇねぇ、今更だけど、海精霊さんのお名前はなぁに?」
『本当に今更ねぇ……』
ちょっと呆れた感じで見られた。タイミングを逃して聞き忘れてたんだよ。
「僕はモモだよー」
『……私はメーアよ。他の海精霊には基本的に名前がないから、遭遇しても聞く必要はないわ』
おっと、やっぱり特別な海精霊っぽい。名前を持ってる精霊は少ないんだね。
他の……と周囲を探してみると、空をふわーっと飛んでいく海精霊の姿に気づいた。探そうと意識しないと見つけられないくらい気配が希薄だ。
僕の視線に気づいて、ニコッと笑って手を振ってくれるから、僕も「こんにちはー」と手を振り返す。
近くにいるプレイヤーが僕の視線を追って、「……うわっ!? なんか妖精っぽいのが飛んでる!?」と初めて気づいた感じで驚いてた。見つけられてよかったねー。
海精霊は個体によって微妙に色が違って、性別もあるみたいだ。男の子の海精霊はシュッとした感じでクール。
ふわふわな雰囲気の女の子は僕を見て興味津々な顔をしてるけど、メーアの視線に気づいてすぐにバイバイと去ってしまった。
……メーアって、やっぱり特別な立場? 偉い精霊だったりする?
僕が海精霊たちとメーアを見比べていると、メーアが何も言わずにニコッと笑った。これは教えてくれない感じだね。
まぁ、いいけど。知れるものなら、いつかわかるでしょ。
〈海精霊を十体発見しました。スキル【精霊視】を習得しました〉
——————
スキル【精霊視】
精霊を発見しやすくなる。パッシブスキル
精霊と仲良くなりやすい……かもしれない
——————
「ふぁっ!? え、そういうスキル習得方法もあるんだ……?」
突然過ぎてビックリしちゃったよ。
目をパチパチしながら見上げたら、さっきまでよりもはっきりと海精霊の姿が見えるようになった。
仲良くなれるかはわからないけど、持ってて損はないね。パッシブスキルだから忘れても大丈夫だし! ……これ、忘れっぽい僕にとっては一番重要なんだよ。
『ほらほら、早く行くわよ。目的地はもうすぐだから』
「はーい」
メーアのオススメの場所ってどんなところだろうねー?
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