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大団円
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ナーシャの今までにない強い治癒は足だけでなく腕の傷も同時に治していた。
実は疲れた馬も癒やしていたほどだった。
それでも毒は治らなかった。
痺れが残って動けないままだ。
「やっぱり毒は無理か…」
「そんな…レバンス…ごめんなさい。力不足でごめん…」
泣くナーシャにレバンスは改めて気持ちを告げることにした。
毒で動けないのだ。
死ぬかもしれない。
そう思うと後悔したくなかった。
「ナーシャ、好きだ。このまま俺と結婚を前提に過ごして欲しかった…」
「! レバンス…私も好きなの…なのにもう過去形なの?」
「本当に!?なら…この毒を乗り越えられたら…」
「結婚、受けるから乗り越えて!」
切ない表情のレバンスに涙がボロボロと溢れるナーシャ。
もう心は老婆だと、やり直しなど面倒で永眠したいのだと思っていた。
それが後悔になっている。
レバンスと生きたい、聖女なのなら何とか毒を無毒化出来ないのかと祈る自分がいる。
「レバンス殿…ナーシャ様…」
言いにくそうにラーウェイが口を開く。
「ラーウェイ…万が一の時には領主様に…新国王陛下に…」
独立を認める書類の隠されたナイフを渡さねば、そう思うも体が痺れてナイフを取れない。
しかし
「万が一は、ない」
ラーウェイは言い切った。
「「へ?」」
二人とも思わずポカンとしてしまう。
「なんか…盛り上がってたから言いにくいんだけど多分これは痺れだけの毒で…騎士団でも保管してる毒だ…」
カッと顔が赤くなる。
万が一には毒で死んでしまう、そういうテンションで話していた。
「二人とも真っ赤に…まぁ、うん…安心していいと思うよ」
「間違い…ないのか…?」
レバンスの確認にラーウェイはしっかりと頷いた。
「毒の症状は力が入らず全身が痺れたようになる、だろ?それにこいつの手からする独特の酸っぱい臭いはその毒の特徴的な臭いだ。ナイフに塗るときに着いたんだろうな。魔物を生け捕りにするときに弓に塗って使うんだよ。小一時間で抜けてくるよ」
「動けないだけ…?」
「動けないだけですね」
沈黙が下りる。
「クッ…はははっ!ナーシャ!約束したからな?」
いたたまれない空気だったがそれを割ったのはレバンスの笑い声だった。
改めて思い返すと恥ずかしい。
それでも今までに感じたことのない幸福感が胸を満たしていく。
「私、レバンスのお嫁さんになるね!」
こうして無事、神様の巻き戻しは成功したのだった。
実は疲れた馬も癒やしていたほどだった。
それでも毒は治らなかった。
痺れが残って動けないままだ。
「やっぱり毒は無理か…」
「そんな…レバンス…ごめんなさい。力不足でごめん…」
泣くナーシャにレバンスは改めて気持ちを告げることにした。
毒で動けないのだ。
死ぬかもしれない。
そう思うと後悔したくなかった。
「ナーシャ、好きだ。このまま俺と結婚を前提に過ごして欲しかった…」
「! レバンス…私も好きなの…なのにもう過去形なの?」
「本当に!?なら…この毒を乗り越えられたら…」
「結婚、受けるから乗り越えて!」
切ない表情のレバンスに涙がボロボロと溢れるナーシャ。
もう心は老婆だと、やり直しなど面倒で永眠したいのだと思っていた。
それが後悔になっている。
レバンスと生きたい、聖女なのなら何とか毒を無毒化出来ないのかと祈る自分がいる。
「レバンス殿…ナーシャ様…」
言いにくそうにラーウェイが口を開く。
「ラーウェイ…万が一の時には領主様に…新国王陛下に…」
独立を認める書類の隠されたナイフを渡さねば、そう思うも体が痺れてナイフを取れない。
しかし
「万が一は、ない」
ラーウェイは言い切った。
「「へ?」」
二人とも思わずポカンとしてしまう。
「なんか…盛り上がってたから言いにくいんだけど多分これは痺れだけの毒で…騎士団でも保管してる毒だ…」
カッと顔が赤くなる。
万が一には毒で死んでしまう、そういうテンションで話していた。
「二人とも真っ赤に…まぁ、うん…安心していいと思うよ」
「間違い…ないのか…?」
レバンスの確認にラーウェイはしっかりと頷いた。
「毒の症状は力が入らず全身が痺れたようになる、だろ?それにこいつの手からする独特の酸っぱい臭いはその毒の特徴的な臭いだ。ナイフに塗るときに着いたんだろうな。魔物を生け捕りにするときに弓に塗って使うんだよ。小一時間で抜けてくるよ」
「動けないだけ…?」
「動けないだけですね」
沈黙が下りる。
「クッ…はははっ!ナーシャ!約束したからな?」
いたたまれない空気だったがそれを割ったのはレバンスの笑い声だった。
改めて思い返すと恥ずかしい。
それでも今までに感じたことのない幸福感が胸を満たしていく。
「私、レバンスのお嫁さんになるね!」
こうして無事、神様の巻き戻しは成功したのだった。
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