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2章
2ー5
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「オレ最新刊まで読んだから、何冊か一気に持っていけば?」
そんな一冊ずつ借りなくても、その大きな手で五冊分ぐらいゴソッと借りていけばいいのにと思った。
「何回もオレの部屋まで来るのだるくない?」
青は今回借りる巻をペラペラとめくりながら、「べつに」と答えた。
「ふーん、変なやつ」
叶太は両手を広げ、再びベッドにゴロンと横になった。
もし自分が青に漫画を借りるなら、絶対何冊かまとめて借りたい派だ。外から聞こえる蝉の声も、以前より多くなってきた気がする。外はどんどん暑くなってきているし、いちいち一冊ずつ借りにくるなんてダルくないのかな。
漫画を読んでいる青の背中をぼんやり見ているうちに、ふと聞いてみたくなった。
「なあ」
「ん?」
「北村ってどんなやつ?」
「北村?」
「うん、おまえの友達にいるだろ。優しそうっていうか、おとなしそうっていうか、そんな感じのやつ」
「……まあ、いるけど」
青はボソッと答えた。いつの間にか漫画のページをめくる手は止まっていた。
「やっぱり友達から見てもいいやつだなって思う?」
青はパタンと漫画を綴じ、ベッドがある斜め後ろへと目が合わない程度に顔を向けた。この話題にちょっと興味を持っているようだった。
「いいやつだよ。オレが女子に呼び出されても、北村だけはいつも茶化したりしてこない」
青の北村への評価は上々のようだ。友達からの評価が高い人間に、悪いやつはいないはずだ。青の返答を聞いて、北村にかかっていたフィルターが一枚取れた。
とりあえず先輩と後輩という立場でなら、付き合っても問題なさそうな感じかな。叶太が「そっか」と相づちを打つと、青の頭が本格的にこちらを向いた。
「なんでそんなこと聞いてくんの」
青と目が合う。硬い表情だ。自分が変なことを聞いたんじゃないかと錯覚してしまうぐらい、その顔は強張っていた。
告白されるかもしれない、という段階では、誰かに聞いてほしくてたまらなかった。でも告白されたあとになった今は、こういうことをベラベラと周りに言うもんじゃないなと考え直した。
特に北村は男に惹かれることが多いと言っていた。つまりゲイ……いやバイということなのか? どちらにせよ、もしかしたら周りにそのことを隠しているかもしれない。むやみに男の自分が告白されたなんて言ったら、北村が秘密にしていることを暴露することになってしまう。
だから青に話すつもりはなかったのに、ヒリヒリした青の態度に触れると、言わなくちゃいけないんじゃないかという気持ちになってしまう。
どうするべきか答えを出せずにいると、「ねえ、なんで?」と青の方から詰め寄ってきた。
「い、いや……実は今日、仲良くしてください的なこと言われてさ」
ぽりぽりと首の後ろを掻きながら、叶太は今日の出来事をオブラートに包んで打ち明けた。
「は?」
「あー、まあ先輩後輩としてな? 深い意味はないんだけど」
「告白されたってこと?」
核心を突く返しに、叶太は思わず「おい!」とツッコんだ。せっかく人が厳重にオブラートで包んでいるのに、まるでバリバリと引っぺがすような真似をされてイラッとした。
そんな一冊ずつ借りなくても、その大きな手で五冊分ぐらいゴソッと借りていけばいいのにと思った。
「何回もオレの部屋まで来るのだるくない?」
青は今回借りる巻をペラペラとめくりながら、「べつに」と答えた。
「ふーん、変なやつ」
叶太は両手を広げ、再びベッドにゴロンと横になった。
もし自分が青に漫画を借りるなら、絶対何冊かまとめて借りたい派だ。外から聞こえる蝉の声も、以前より多くなってきた気がする。外はどんどん暑くなってきているし、いちいち一冊ずつ借りにくるなんてダルくないのかな。
漫画を読んでいる青の背中をぼんやり見ているうちに、ふと聞いてみたくなった。
「なあ」
「ん?」
「北村ってどんなやつ?」
「北村?」
「うん、おまえの友達にいるだろ。優しそうっていうか、おとなしそうっていうか、そんな感じのやつ」
「……まあ、いるけど」
青はボソッと答えた。いつの間にか漫画のページをめくる手は止まっていた。
「やっぱり友達から見てもいいやつだなって思う?」
青はパタンと漫画を綴じ、ベッドがある斜め後ろへと目が合わない程度に顔を向けた。この話題にちょっと興味を持っているようだった。
「いいやつだよ。オレが女子に呼び出されても、北村だけはいつも茶化したりしてこない」
青の北村への評価は上々のようだ。友達からの評価が高い人間に、悪いやつはいないはずだ。青の返答を聞いて、北村にかかっていたフィルターが一枚取れた。
とりあえず先輩と後輩という立場でなら、付き合っても問題なさそうな感じかな。叶太が「そっか」と相づちを打つと、青の頭が本格的にこちらを向いた。
「なんでそんなこと聞いてくんの」
青と目が合う。硬い表情だ。自分が変なことを聞いたんじゃないかと錯覚してしまうぐらい、その顔は強張っていた。
告白されるかもしれない、という段階では、誰かに聞いてほしくてたまらなかった。でも告白されたあとになった今は、こういうことをベラベラと周りに言うもんじゃないなと考え直した。
特に北村は男に惹かれることが多いと言っていた。つまりゲイ……いやバイということなのか? どちらにせよ、もしかしたら周りにそのことを隠しているかもしれない。むやみに男の自分が告白されたなんて言ったら、北村が秘密にしていることを暴露することになってしまう。
だから青に話すつもりはなかったのに、ヒリヒリした青の態度に触れると、言わなくちゃいけないんじゃないかという気持ちになってしまう。
どうするべきか答えを出せずにいると、「ねえ、なんで?」と青の方から詰め寄ってきた。
「い、いや……実は今日、仲良くしてください的なこと言われてさ」
ぽりぽりと首の後ろを掻きながら、叶太は今日の出来事をオブラートに包んで打ち明けた。
「は?」
「あー、まあ先輩後輩としてな? 深い意味はないんだけど」
「告白されたってこと?」
核心を突く返しに、叶太は思わず「おい!」とツッコんだ。せっかく人が厳重にオブラートで包んでいるのに、まるでバリバリと引っぺがすような真似をされてイラッとした。
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