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2章
2ー4
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でも男だろうと女だろうと、自分を好きだと言ってくれる人がいるのは純粋に嬉しかった。その気持ちに応えるかどうかは、また別問題だけど。
告白された直後、北村からすぐに答えを求められたらどうしようと戸惑った。でも叶太に困惑が生まれることは、北村の中では想定の範囲内だったらしい。
――いきなりこんなことを言われても、叶太先輩を困らせてしまうんじゃないかって思ってました。でも、先輩の受験が忙しくなる前に、どうしても気持ちを伝えたくて。こんな僕でよければ友達……いや、ただの先輩後輩でもいいんです。少しでも僕のことを知ってから、お返事をいただけませんか。
と、北村は自身の気持ちを伝え、今後の流れまで提案してくれた。まっすぐな気持ちとこちらを思いやる言葉、そしてその情熱。正直に言おう。北村の真摯な態度に、叶太はちょっと心が動かされてしまった。
かといって、北村のことを好きかと聞かれると返答に困る。向こうは自分のことを以前から知っていたようだけれど、こちらは北村のことをつい最近認識したばかりなのだ。
「もしオレも好きですって言ったら、どうなるんだろ」
付き合うのだろうか。男と……北村と?
「いや、ねえわ」
瞬時に口から出た正直な気持ち。まだ北村のことを知らない段階だからナシだと思うのか、知ったあとならアリだと思えるようになるのか。
さすがに現時点でわからない。とりあえずただの先輩後輩として接してくれていいと向こうは言っていた。お試し期間を設けてくれたわけだ。
自分でも北村のことを好きになれるかわからないのだから、一旦提案を受け入れてもいいのかなぁ。ぐるぐると北村との今後を考えていた、そのときだ。
部屋のドアがノックもなしにガチャッと開いた。
「入るぞ」
ドアの向こうから入ってきたのは、叶太の家の真向かいに住む青だ。一応断り文句を口にしているが、まるで自分の部屋のように入ってくる。親戚の家よろしく青が椿家へと遊びに来るのは日常茶飯事なので、叶太も特に驚きはしなかった。
「あれ、鍵は?」
「開いてた。叶太、不用心すぎ。千佳子さんに告げ口しとくわ」
千佳子というのは叶太の母親だ。
「告げ口報告すんなや」
手元の枕を投げつけると、青は易々と片手でそれを受け止めた。バスケのパスを繰り出すみたいに、両手を外側に向けて枕を投げ返してくる。
「つーか何しに来たんだよ」
一人で考えたかったのに邪魔された気分だ。投げ返された枕をぎゅっと抱きしめながら、叶太は青に聞いた。
「これの続き、借りに来た」
そう言って青が片手を上げて見せる。青の大きな手が持っているのは、先日叶太が貸した漫画だ。
「ああそれ。どうだった?」
「面白かった。てか二巻の表紙の美女がラスボス?」
「えっ、や……それは、うーんと……ネタバレになるからオレからは言えないというか」
目を左右にキョロキョロさせると、本棚の前に立った青が呆れるように笑った。
「いやもう、その反応がネタバレ」
「だってそんなピンポイントで聞いてこられたら、答えづらいんですけど⁉」
「ま、いいや。オレべつにネタバレ食らっても大丈夫な人間だし」
淡々と言うと、青は借りていた一冊を本棚へと戻し、次巻の一冊をスッと抜き取った。
告白された直後、北村からすぐに答えを求められたらどうしようと戸惑った。でも叶太に困惑が生まれることは、北村の中では想定の範囲内だったらしい。
――いきなりこんなことを言われても、叶太先輩を困らせてしまうんじゃないかって思ってました。でも、先輩の受験が忙しくなる前に、どうしても気持ちを伝えたくて。こんな僕でよければ友達……いや、ただの先輩後輩でもいいんです。少しでも僕のことを知ってから、お返事をいただけませんか。
と、北村は自身の気持ちを伝え、今後の流れまで提案してくれた。まっすぐな気持ちとこちらを思いやる言葉、そしてその情熱。正直に言おう。北村の真摯な態度に、叶太はちょっと心が動かされてしまった。
かといって、北村のことを好きかと聞かれると返答に困る。向こうは自分のことを以前から知っていたようだけれど、こちらは北村のことをつい最近認識したばかりなのだ。
「もしオレも好きですって言ったら、どうなるんだろ」
付き合うのだろうか。男と……北村と?
「いや、ねえわ」
瞬時に口から出た正直な気持ち。まだ北村のことを知らない段階だからナシだと思うのか、知ったあとならアリだと思えるようになるのか。
さすがに現時点でわからない。とりあえずただの先輩後輩として接してくれていいと向こうは言っていた。お試し期間を設けてくれたわけだ。
自分でも北村のことを好きになれるかわからないのだから、一旦提案を受け入れてもいいのかなぁ。ぐるぐると北村との今後を考えていた、そのときだ。
部屋のドアがノックもなしにガチャッと開いた。
「入るぞ」
ドアの向こうから入ってきたのは、叶太の家の真向かいに住む青だ。一応断り文句を口にしているが、まるで自分の部屋のように入ってくる。親戚の家よろしく青が椿家へと遊びに来るのは日常茶飯事なので、叶太も特に驚きはしなかった。
「あれ、鍵は?」
「開いてた。叶太、不用心すぎ。千佳子さんに告げ口しとくわ」
千佳子というのは叶太の母親だ。
「告げ口報告すんなや」
手元の枕を投げつけると、青は易々と片手でそれを受け止めた。バスケのパスを繰り出すみたいに、両手を外側に向けて枕を投げ返してくる。
「つーか何しに来たんだよ」
一人で考えたかったのに邪魔された気分だ。投げ返された枕をぎゅっと抱きしめながら、叶太は青に聞いた。
「これの続き、借りに来た」
そう言って青が片手を上げて見せる。青の大きな手が持っているのは、先日叶太が貸した漫画だ。
「ああそれ。どうだった?」
「面白かった。てか二巻の表紙の美女がラスボス?」
「えっ、や……それは、うーんと……ネタバレになるからオレからは言えないというか」
目を左右にキョロキョロさせると、本棚の前に立った青が呆れるように笑った。
「いやもう、その反応がネタバレ」
「だってそんなピンポイントで聞いてこられたら、答えづらいんですけど⁉」
「ま、いいや。オレべつにネタバレ食らっても大丈夫な人間だし」
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