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【転移45日目】 所持金1855億ウェン 「オマエのことなんか、ずっと知らずにいたかった!!!!!」
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朝。
医療用担架で運ばれようとした所、どうもしっくり来なかったので、いつもの戸板で運んで貰う。
マッカートニーが横について、色々と状況説明を行ってくれる。
「コリンズ社長。
見えますか?
あれが自由都市のゲートです。」
強引に上半身を起こしチラ見する。
『はい、見ました。 (バタン!)』
そしてすぐに臥せる。
これ、下半身が駄目というより身を起こす機能に異常をきたしているのではないだろうか?
日によって身体をよじれたり、それが出来なかったりの変動がある。
エリクサーの治癒能力にブレがあるのだろうか?
いや、そもそも論として異世界人の治癒をする為の薬剤が地球人の俺に有効なのだろうか?
周囲に聞く限り、エリクサーはかなり有用性が高い、との肯定的意見が100%を占める。
その証拠に護衛団は殉職者1名のみで、この長旅を戦い抜いて来ている。
《エリクサーには確かに完治機能があるが
地球人たるコリンズにまで適用を保証するものではない。》
この辺りが妥当な所ではないだろうか。
「コリンズ社長、あそこで手を振っているのが政治局のキース・ウェーバー局長です。」
『あ、はい。』
身体が痛いので見てないが見た事にする。
腹筋が慢性的な筋肉痛なのだ。
「コリンズ社長、ようこそ!
我々自由都市同盟市民一同は貴方を歓迎致します!」
一際よく通る声が聞こえてから、枕頭に人影が寄って来た。
ん?
今のがゲート?
俺は自由都市に辿り着いたのか?
ゴメン、実感がない。
「はじめまして!
政治局の局長を務めております、ウェーバーと申します!
お目に掛かれて光栄です!」
『コリンズです。
御丁寧な挨拶痛み入ります。』
満面の笑みで戸板を覗き込んできたウェーバーは、俺の顔を見た瞬間に「あ、ヤバい!」という表情になる。
彼は必死に笑顔を作り直そうとするも、額からダラダラ脂汗を流し始める。
あっ!
そうか、昨日便所の柱に頭をぶつけたんだったか…
そりゃあそうだよな。
収容者の受傷事故は責任問題になりかねないし、それが外国の閣僚であれば国際問題に発展する可能性も…
いや、可能性じゃすまないな。
『昨日、私の不注意で転倒してしまいまして。
管理局の皆様の御配慮で無事に治療を受ける事が出来ました。
皆様のお心遣いには感謝しております。』
他に言いようもないので、無難なコメントをしておく。
「…い、いえ。
はい、いえ!
コリンズ社長の治療に関しては、我が国から最高の医療チームを派遣致します。
何か不自由が御座いましたら、どのような事でも直ちに仰って下さい。」
ウェーバーにしたところで、他に言いようがないのだろう。
外交ってとことんアホらしいよね。
一切関知せずにあの歳までチャンバラごっこを楽しんでるミュラーは賢明なのだろうな。
==========================
自由都市にとって、俺は相当厄介な存在らしい。
まず、野蛮人の巣窟である連邦で役職に就いてしまっていること。
ミリタリーバランス上、俺の入国を拒絶出来ない。
それだけならまだいい。
経緯や本音はどうあれ。
俺はファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒である。
つまり神聖教団の超大口パトロン。
無論、こちらには信心もコネもない。
だが、金額はそれだけで政治性を帯びているのだ。
もはや俺の意志などどうでも良い。
俺の扱いを失敗すると神聖教団に難癖を付けられる可能性が出て来る。
しかも免罪符の署名人が、現在開催中の司教選挙のトップを独走しているロメオ・バルトロ上級司祭である。
「来ないで欲しかった。」
これが政治局の本音だろう。
俺が貴方でもそう思うよ。
==========================
ゲートを越えた先の広い施設。
キャラバンの仲間はそこに整列させられていた。
特に手錠や足枷を付けられている様子もなければ、周囲に武装した兵士は1人も居ない。
無知なる俺には、それが冷遇なのか礼遇なのかは検討もつかない。
俺の戸板を見つけたのか、職員の制止を振り切ってダグラスが駆けて来た。
ああ、この人ってこんな必死な表情するんだな。
そして俺の顔を見るなり激昂し周囲に咆哮した。
こんなに感情的になる人だとは知らなったよ。
迷惑ばっかりかけてゴメンなさい。
俺は握力の無い左手と腱鞘炎で痛む右手でダグラスの服を必死で掴み鎮静させようとする。
なあ落ち着けよ。
アンタみたいな大男が暴れたら、俺なんかじゃあ止められないんだからさw
でも俺の為に怒ってくれて嬉しいよ。
ありがとう。
貴方に逢えて本当に良かった。
やや遅れて、皆が走り寄って来る。
大袈裟だろ、ちょっと拘留されてただけじゃないか。
コレット、いつも心配させてすまない。
ヒルダ、アンタでも泣いたりするんだな。
護衛団のみんな、頼りない荷主の面倒を最後まで見てくれて感謝している。
==========================
【コリンズキャラバン移動記録】
「走行期間 計21日」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 (護衛団フルチューン)
↓
王国側国境検問所 (秋の愛国フェアに参加)
↓
非武装中立地帯 (死んだ。)
↓
連邦or首長国検問所 (連邦ルート選択)
↓
連邦アウグスブルグ侯爵領 (養母無双)
↓
連邦〇△ブルグ?爵領城下町 (寝てたら勝ってた)
↓
連邦ライナー侯爵領 (娼婦師団)
↓
連邦首都フライハイト (「国土論」を受領)
↓
自由都市側検問所 (ちょっとだけ拘留された)
↓
自由都市同盟に入国 ← GOAL!
殉職者1名 ハンス・ヴェルナー (グリーブ傭兵団所属 享年16)
重傷者1名 リン・コリンズ (荷主)
==========================
俺達の旅は終わった。
それぞれにとって新しい日常が始まる。
少しでも早く皆が新生活を快適に始めれる様に頑張らなくちゃな。
その為にも…
政治局のヒアリング(要は取り調べである)には慎重かつ誠実に応対しなくちゃな。
皆の未来が掛かっているんだから。
『ヒルダ!
全員を落ち着かせてくれ!
俺は無事だ!
拘留には納得しているし、応対には満足すらしている!
このキズも1人で俺が転んだだけだ!
ヒルダ!
黙らせてくれ!!』
周囲に静寂が戻る。
『ウェーバー局長。
貴国の法規に全面的に従う事を宣誓します。
ですので。
クルー全員に休息を指示する時間を私に下さい!』
==========================
まず、俺の財産権は全面的に保証される。
自由都市側はキャラバンが持ち込んだ財産全てに対して如何なる干渉も行わない。
また、特別区においての護衛団の補給・宿泊も承認する。
国営の無料宿泊所もあるが、民間の有料宿泊所を使用する事にも制限を掛けない。
新規に移民を希望するコリンズ・グランツの両家には、簡単な住民志望調査と甲種健康調査受診の義務が課せられる。
その2つが完了次第、住民登録申請が受け付けられる。
但し、リン・コリンズには市民権は付与されない。
連邦政府内にて閣僚ポストに就いている俺は、国際法上において準連邦人と見なされるからである。
なので、市民が当然の権利として得られる各種経済的支援を受ける事が出来ない。
また当然、被選挙権を取得できない。
まあ、そんなところだろう。
==========================
ウェーバーとの会談の要点は以下の通り。
・自由都市同盟はコリンズに、無人のまま放置されている連邦大使館の正常化を要求する。
・自由都市同盟はコリンズに、政治的及び宗教的発言の完全な自粛を要求する。
・コリンズは自由都市に対して今回同道してきた全キャラバンクルーの安全保障を要求する。
・コリンズは自由都市に対して、全面的な生活の匿名性を要求する。
『大使館、正常化の定義は?』
「今後は近辺の子供たちの肝試しスポットにならないように改善して下さい。」
『善処します。』
「後、匿名性の件ですが…」
『はい。』
「無論、我々は十二分に配慮しますが…
貴方が市民社会に溶け込むことは不可能だと思いますよ?」
『その…
容姿があまりにも異なる…』
「いえ、この国には様々な民族が集まっておりますので、容姿は問題ありません。
莫大な富はそれそのものが存在感となりますから。」
『慎ましく暮らすつもりでおります。』
「でも貴方のボディーガードが特殊な重病に罹って
治療費が10億ウェンだとしたら…
コリンズ社長はきっと支払われてしまうと思うんです。」
『まあ、多分。』
「では10名の部下が同時に罹患したら?
誰か1人のお気に入りにだけ治療費を出しますか?」
『いや、流石にそれは不公平でしょう。』
「そういうことです。
コリンズ社長はその場面で100億ウェンを支払ってしまうのです。
他にも似た場面があれば、似た支出をすることでしょう。
そんな人物が目立たない訳がありません。
新任の連邦大使でもあるコリンズ社長は、すぐに自由都市圏の有名人になりますよ。」
『匿名性難しいですかね?』
「我々は口が堅いです。
政府職員には厳格な守秘義務が課せられてますし
破った時のペナルティも重い。
ですがコリンズ社長は御自身の善性に対しては
進んでペナルティを支払ってしまわれるでしょう。」
…否定はしない。
何せこのザマだからな。
《350億ウェンの配当が支払われました。》
ウェーバーが習慣的に握手の手を差し出そうとして、慌てて引っ込めた。
両手が効かない相手との会談など滅多に無いケースなのだろう。
『局長!
握手をお願いさせて下さい!』
俺が両腕を同時に突き出すと、ウェーバーは救われたような表情で俺の両手を握った。
残念ながら感触は知覚出来なかったが、優しく包んでくれた事だけは理解出来た。
===============================
【護衛契約成功報酬 支払書控え】
「契約者氏名」
依頼者 リン・コリンズ
請負者 ケネス・グリーブ
「依頼目内容」
コリンズキャラバン(以下甲)の自由都市への移動護衛任務にグリーブ傭兵団(以下乙)は従事する。
「依頼報酬」
3000万ウェン
※前払金1000万ウェン、成功報酬2000万ウェン。
※違約金設定6000万ウェン。
※軍備に必要な経費は甲が負担する。
「特約事項」
1、甲から他者への戦闘を仕掛ける場合、乙は参戦の義務を負わない。
2、乙は契約地である王都への帰還義務を負わない。
3、甲は契約業務内における乙の死傷に対して一切の責任を負わない。
4、コリンズ家3名・キーン家1名の計4名が生存状態で自由都市に到達する事を任務成功の定義とする。
5、違約金の請求元は農業協同組合信託部とする。
※甲は乙が契約を満了した事を承認する。
※甲は殉職者遺族に対して弔慰金を支払う。
===============================
「コリンズ社長。
自分は…
とてもではありませんが、任務を全う出来たとは思えません。」
『そうでしょうか。
俺はグリーブさんが居たから、こんなにも遠くに来れたと思っています。』
「貴方にこんなに重いお怪我をさせてしまいました。
私は護衛失格です。」
『でも生きている。
俺は生きています。
貴方達が命を賭して護ってくれたから、今ここにおります。』
「いえ、お気遣い恐縮です。」
『ハンス氏には申し訳の無い事をしました。
俺の判断や準備がもっと的確であれば
誰も犠牲にならずに済んだのではないかと
未だに悔やんでおります。』
「コリンズ社長の責任ではありませんよ!
あれは本当に不運な厄災でした。
例え我々が死傷したとしても、それも含めて戦士としての在り方のうちです。
それに…
奴は…
ハンスはコリンズ社長にずっと感謝しておりました。
歳の近いコリンズ社長が活躍される様子を自分の事のように喜んでおりましたから。」
『いえ、私は馬車に籠りっきりで…
そんな風に想って下さる筋合はありませんよ。
せめて一声、ハンス氏が生きている間に、一声感謝の言葉を伝えるべきでした。』
「失礼。
何度かコリンズ社長はハンスに声を掛けておられます。
奴は最後までそれを名誉に思っておりました。」
『私が… ハンス氏と?』
「軍都で女郎宿を貸し切って下さった時
手を振って応えてやって下さったじゃないですか。
奴はあの後、女郎そっちのけで貴方の話ばかりしておりました。
きっと、貴方と直接言葉を交わせたのが余程嬉しかったのでしょう。」
『軍都?
───、 …あ。』
==========================
「コリンズさん!!
俺、3Pなんて初めてッスよ!!
夢だったんです!!」
『楽しんでくれてますかーーー!!!』
「最高でーーーーーーーーす!!!!」
==========================
なあ、ハンス。
何であの時俺に手を振った!?
どうしてそんなに余計なことをしたんだ!!
迷惑なんだよ!
笑顔なんて向けるなよ!
感謝なんてするなよ!
所詮、カネだけの関係だろ!!!
…あの時オマエがあんなに屈託のない笑顔を俺に向けさえしなければ。
俺はオマエの死をただの数字として、いつかは忘れる事が出来たのに!!
オマエの笑顔が数字に意味がある事を俺に教えてしまった…
折角、見ない様にしていたのに!!!
ずっと他人でいたかった!!!
何も知らずにいたかった!!
オマエのことなんか、ずっと知らずにいたかった!!!!!
医療用担架で運ばれようとした所、どうもしっくり来なかったので、いつもの戸板で運んで貰う。
マッカートニーが横について、色々と状況説明を行ってくれる。
「コリンズ社長。
見えますか?
あれが自由都市のゲートです。」
強引に上半身を起こしチラ見する。
『はい、見ました。 (バタン!)』
そしてすぐに臥せる。
これ、下半身が駄目というより身を起こす機能に異常をきたしているのではないだろうか?
日によって身体をよじれたり、それが出来なかったりの変動がある。
エリクサーの治癒能力にブレがあるのだろうか?
いや、そもそも論として異世界人の治癒をする為の薬剤が地球人の俺に有効なのだろうか?
周囲に聞く限り、エリクサーはかなり有用性が高い、との肯定的意見が100%を占める。
その証拠に護衛団は殉職者1名のみで、この長旅を戦い抜いて来ている。
《エリクサーには確かに完治機能があるが
地球人たるコリンズにまで適用を保証するものではない。》
この辺りが妥当な所ではないだろうか。
「コリンズ社長、あそこで手を振っているのが政治局のキース・ウェーバー局長です。」
『あ、はい。』
身体が痛いので見てないが見た事にする。
腹筋が慢性的な筋肉痛なのだ。
「コリンズ社長、ようこそ!
我々自由都市同盟市民一同は貴方を歓迎致します!」
一際よく通る声が聞こえてから、枕頭に人影が寄って来た。
ん?
今のがゲート?
俺は自由都市に辿り着いたのか?
ゴメン、実感がない。
「はじめまして!
政治局の局長を務めております、ウェーバーと申します!
お目に掛かれて光栄です!」
『コリンズです。
御丁寧な挨拶痛み入ります。』
満面の笑みで戸板を覗き込んできたウェーバーは、俺の顔を見た瞬間に「あ、ヤバい!」という表情になる。
彼は必死に笑顔を作り直そうとするも、額からダラダラ脂汗を流し始める。
あっ!
そうか、昨日便所の柱に頭をぶつけたんだったか…
そりゃあそうだよな。
収容者の受傷事故は責任問題になりかねないし、それが外国の閣僚であれば国際問題に発展する可能性も…
いや、可能性じゃすまないな。
『昨日、私の不注意で転倒してしまいまして。
管理局の皆様の御配慮で無事に治療を受ける事が出来ました。
皆様のお心遣いには感謝しております。』
他に言いようもないので、無難なコメントをしておく。
「…い、いえ。
はい、いえ!
コリンズ社長の治療に関しては、我が国から最高の医療チームを派遣致します。
何か不自由が御座いましたら、どのような事でも直ちに仰って下さい。」
ウェーバーにしたところで、他に言いようがないのだろう。
外交ってとことんアホらしいよね。
一切関知せずにあの歳までチャンバラごっこを楽しんでるミュラーは賢明なのだろうな。
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自由都市にとって、俺は相当厄介な存在らしい。
まず、野蛮人の巣窟である連邦で役職に就いてしまっていること。
ミリタリーバランス上、俺の入国を拒絶出来ない。
それだけならまだいい。
経緯や本音はどうあれ。
俺はファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒である。
つまり神聖教団の超大口パトロン。
無論、こちらには信心もコネもない。
だが、金額はそれだけで政治性を帯びているのだ。
もはや俺の意志などどうでも良い。
俺の扱いを失敗すると神聖教団に難癖を付けられる可能性が出て来る。
しかも免罪符の署名人が、現在開催中の司教選挙のトップを独走しているロメオ・バルトロ上級司祭である。
「来ないで欲しかった。」
これが政治局の本音だろう。
俺が貴方でもそう思うよ。
==========================
ゲートを越えた先の広い施設。
キャラバンの仲間はそこに整列させられていた。
特に手錠や足枷を付けられている様子もなければ、周囲に武装した兵士は1人も居ない。
無知なる俺には、それが冷遇なのか礼遇なのかは検討もつかない。
俺の戸板を見つけたのか、職員の制止を振り切ってダグラスが駆けて来た。
ああ、この人ってこんな必死な表情するんだな。
そして俺の顔を見るなり激昂し周囲に咆哮した。
こんなに感情的になる人だとは知らなったよ。
迷惑ばっかりかけてゴメンなさい。
俺は握力の無い左手と腱鞘炎で痛む右手でダグラスの服を必死で掴み鎮静させようとする。
なあ落ち着けよ。
アンタみたいな大男が暴れたら、俺なんかじゃあ止められないんだからさw
でも俺の為に怒ってくれて嬉しいよ。
ありがとう。
貴方に逢えて本当に良かった。
やや遅れて、皆が走り寄って来る。
大袈裟だろ、ちょっと拘留されてただけじゃないか。
コレット、いつも心配させてすまない。
ヒルダ、アンタでも泣いたりするんだな。
護衛団のみんな、頼りない荷主の面倒を最後まで見てくれて感謝している。
==========================
【コリンズキャラバン移動記録】
「走行期間 計21日」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 (護衛団フルチューン)
↓
王国側国境検問所 (秋の愛国フェアに参加)
↓
非武装中立地帯 (死んだ。)
↓
連邦or首長国検問所 (連邦ルート選択)
↓
連邦アウグスブルグ侯爵領 (養母無双)
↓
連邦〇△ブルグ?爵領城下町 (寝てたら勝ってた)
↓
連邦ライナー侯爵領 (娼婦師団)
↓
連邦首都フライハイト (「国土論」を受領)
↓
自由都市側検問所 (ちょっとだけ拘留された)
↓
自由都市同盟に入国 ← GOAL!
殉職者1名 ハンス・ヴェルナー (グリーブ傭兵団所属 享年16)
重傷者1名 リン・コリンズ (荷主)
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俺達の旅は終わった。
それぞれにとって新しい日常が始まる。
少しでも早く皆が新生活を快適に始めれる様に頑張らなくちゃな。
その為にも…
政治局のヒアリング(要は取り調べである)には慎重かつ誠実に応対しなくちゃな。
皆の未来が掛かっているんだから。
『ヒルダ!
全員を落ち着かせてくれ!
俺は無事だ!
拘留には納得しているし、応対には満足すらしている!
このキズも1人で俺が転んだだけだ!
ヒルダ!
黙らせてくれ!!』
周囲に静寂が戻る。
『ウェーバー局長。
貴国の法規に全面的に従う事を宣誓します。
ですので。
クルー全員に休息を指示する時間を私に下さい!』
==========================
まず、俺の財産権は全面的に保証される。
自由都市側はキャラバンが持ち込んだ財産全てに対して如何なる干渉も行わない。
また、特別区においての護衛団の補給・宿泊も承認する。
国営の無料宿泊所もあるが、民間の有料宿泊所を使用する事にも制限を掛けない。
新規に移民を希望するコリンズ・グランツの両家には、簡単な住民志望調査と甲種健康調査受診の義務が課せられる。
その2つが完了次第、住民登録申請が受け付けられる。
但し、リン・コリンズには市民権は付与されない。
連邦政府内にて閣僚ポストに就いている俺は、国際法上において準連邦人と見なされるからである。
なので、市民が当然の権利として得られる各種経済的支援を受ける事が出来ない。
また当然、被選挙権を取得できない。
まあ、そんなところだろう。
==========================
ウェーバーとの会談の要点は以下の通り。
・自由都市同盟はコリンズに、無人のまま放置されている連邦大使館の正常化を要求する。
・自由都市同盟はコリンズに、政治的及び宗教的発言の完全な自粛を要求する。
・コリンズは自由都市に対して今回同道してきた全キャラバンクルーの安全保障を要求する。
・コリンズは自由都市に対して、全面的な生活の匿名性を要求する。
『大使館、正常化の定義は?』
「今後は近辺の子供たちの肝試しスポットにならないように改善して下さい。」
『善処します。』
「後、匿名性の件ですが…」
『はい。』
「無論、我々は十二分に配慮しますが…
貴方が市民社会に溶け込むことは不可能だと思いますよ?」
『その…
容姿があまりにも異なる…』
「いえ、この国には様々な民族が集まっておりますので、容姿は問題ありません。
莫大な富はそれそのものが存在感となりますから。」
『慎ましく暮らすつもりでおります。』
「でも貴方のボディーガードが特殊な重病に罹って
治療費が10億ウェンだとしたら…
コリンズ社長はきっと支払われてしまうと思うんです。」
『まあ、多分。』
「では10名の部下が同時に罹患したら?
誰か1人のお気に入りにだけ治療費を出しますか?」
『いや、流石にそれは不公平でしょう。』
「そういうことです。
コリンズ社長はその場面で100億ウェンを支払ってしまうのです。
他にも似た場面があれば、似た支出をすることでしょう。
そんな人物が目立たない訳がありません。
新任の連邦大使でもあるコリンズ社長は、すぐに自由都市圏の有名人になりますよ。」
『匿名性難しいですかね?』
「我々は口が堅いです。
政府職員には厳格な守秘義務が課せられてますし
破った時のペナルティも重い。
ですがコリンズ社長は御自身の善性に対しては
進んでペナルティを支払ってしまわれるでしょう。」
…否定はしない。
何せこのザマだからな。
《350億ウェンの配当が支払われました。》
ウェーバーが習慣的に握手の手を差し出そうとして、慌てて引っ込めた。
両手が効かない相手との会談など滅多に無いケースなのだろう。
『局長!
握手をお願いさせて下さい!』
俺が両腕を同時に突き出すと、ウェーバーは救われたような表情で俺の両手を握った。
残念ながら感触は知覚出来なかったが、優しく包んでくれた事だけは理解出来た。
===============================
【護衛契約成功報酬 支払書控え】
「契約者氏名」
依頼者 リン・コリンズ
請負者 ケネス・グリーブ
「依頼目内容」
コリンズキャラバン(以下甲)の自由都市への移動護衛任務にグリーブ傭兵団(以下乙)は従事する。
「依頼報酬」
3000万ウェン
※前払金1000万ウェン、成功報酬2000万ウェン。
※違約金設定6000万ウェン。
※軍備に必要な経費は甲が負担する。
「特約事項」
1、甲から他者への戦闘を仕掛ける場合、乙は参戦の義務を負わない。
2、乙は契約地である王都への帰還義務を負わない。
3、甲は契約業務内における乙の死傷に対して一切の責任を負わない。
4、コリンズ家3名・キーン家1名の計4名が生存状態で自由都市に到達する事を任務成功の定義とする。
5、違約金の請求元は農業協同組合信託部とする。
※甲は乙が契約を満了した事を承認する。
※甲は殉職者遺族に対して弔慰金を支払う。
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「コリンズ社長。
自分は…
とてもではありませんが、任務を全う出来たとは思えません。」
『そうでしょうか。
俺はグリーブさんが居たから、こんなにも遠くに来れたと思っています。』
「貴方にこんなに重いお怪我をさせてしまいました。
私は護衛失格です。」
『でも生きている。
俺は生きています。
貴方達が命を賭して護ってくれたから、今ここにおります。』
「いえ、お気遣い恐縮です。」
『ハンス氏には申し訳の無い事をしました。
俺の判断や準備がもっと的確であれば
誰も犠牲にならずに済んだのではないかと
未だに悔やんでおります。』
「コリンズ社長の責任ではありませんよ!
あれは本当に不運な厄災でした。
例え我々が死傷したとしても、それも含めて戦士としての在り方のうちです。
それに…
奴は…
ハンスはコリンズ社長にずっと感謝しておりました。
歳の近いコリンズ社長が活躍される様子を自分の事のように喜んでおりましたから。」
『いえ、私は馬車に籠りっきりで…
そんな風に想って下さる筋合はありませんよ。
せめて一声、ハンス氏が生きている間に、一声感謝の言葉を伝えるべきでした。』
「失礼。
何度かコリンズ社長はハンスに声を掛けておられます。
奴は最後までそれを名誉に思っておりました。」
『私が… ハンス氏と?』
「軍都で女郎宿を貸し切って下さった時
手を振って応えてやって下さったじゃないですか。
奴はあの後、女郎そっちのけで貴方の話ばかりしておりました。
きっと、貴方と直接言葉を交わせたのが余程嬉しかったのでしょう。」
『軍都?
───、 …あ。』
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「コリンズさん!!
俺、3Pなんて初めてッスよ!!
夢だったんです!!」
『楽しんでくれてますかーーー!!!』
「最高でーーーーーーーーす!!!!」
==========================
なあ、ハンス。
何であの時俺に手を振った!?
どうしてそんなに余計なことをしたんだ!!
迷惑なんだよ!
笑顔なんて向けるなよ!
感謝なんてするなよ!
所詮、カネだけの関係だろ!!!
…あの時オマエがあんなに屈託のない笑顔を俺に向けさえしなければ。
俺はオマエの死をただの数字として、いつかは忘れる事が出来たのに!!
オマエの笑顔が数字に意味がある事を俺に教えてしまった…
折角、見ない様にしていたのに!!!
ずっと他人でいたかった!!!
何も知らずにいたかった!!
オマエのことなんか、ずっと知らずにいたかった!!!!!
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本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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の力で無双し敵をバッタバッタと倒し
解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに
巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、
時には面白く敵を倒して(笑える)いつの
間にか世界を救う話です。
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