85 / 86
向日葵の零れ話
出逢い・後編
しおりを挟む
「実は…っ…!!」
と、旦那様が土下座をしたまま話す言葉に、私は驚きの連続でした。
曰く、逢瀬を重ねていた相手は同じ男であると。自分は女は愛せないと。
曰く、今日お会いになられた鞠子様とは偽装結婚になると。
曰く、それは鞠子様も承知の事だと。それが鞠子様の望みだと。
曰く、鞠子様も女を愛せないのなら尚更都合が良いと笑われていたと。
曰く、偶然、鞠子様の両親の立ち話を聞いてしまい、それに怒りを覚えたと。
「えぇと…頭を上げて下さい。旦那様が下の者に頭を下げる物ではありませんよ」
取り敢えずは居心地が悪いので、頭を上げて貰う事にします。
恐る恐ると云う様に頭を上げる旦那様が、何故か私に怒られて丸い身体を縮こませる亡き主人と重なりました。いえ、年齢的に息子ですかね?
「そんな情けない顔をしないで下さい。双方ともに合意の上なら何の問題もありませんし、他人の気持ちにどうこう言う権利なんて私にはありませんからね。何故、結婚しないのか不思議に思っていましたが、成程、納得です。それで、家政婦に男をなんて注文を付けていたのですね。娘の言葉を借りる訳ではありませんが、時代は変わり、動く物です。異国では、同性同士の結婚が認められている処もあると云う話ですからね。まあ、娘に結婚を勧めていた私が言うのもあれかも知れませんけど。別に私は子を産めとは言ってませんし。女一人よりは、守ってくれる男が居た方が心強いと云うだけで…」
「…いや…その、気持ち悪くは無いのか?」
つらつらと何処までも言葉を続けそうな私に、旦那様が片手で顔を隠し、もう片方の手を上げて制して来ました。
おや、つい。
っと、気持ち悪いとは?
「何がですか? 人を想う気持ちに、ケチをつける気はありませんし、後ろ指を指す気もありません。旦那様にお仕えして二年ですよ。その人となりは理解しているつもりです。馬鹿が付く程に真面目で誠実で、もう少し肩の力を抜いても、極楽に居るご両親は怒ったりはしないと思いますけどね。まあ、私はこれまで通りにお仕えして行きますし、わざわざ言いふらす様な事もしません。逆に私をそう見ていたのなら心外ですし、それでしたら辞めさせて戴いても構いませんが」
「あ、いや、すまん! お妙さんに辞められたら困る! お妙さんの作る飯の味は懐かしくて、本当に美味いんだ!」
「だから、男が簡単に頭を下げない!」
また勢い良く頭を畳みに押し付けそうな旦那様に、私も声を大にして言いました。
「何故だ! お妙さんに不快な思いをさせたのだ! 謝るのは当然だろう!? それよりも、先に気になる言葉があったのだが、男の家政婦をとはどう云う事だろうか!?」
「職員が言っていたんですよ! 女嫌いだから、男の家政婦を寄越せと!」
「はあ!? 俺は真っ当な者ならば、男でも構わんと言っただけで、男が良いとは言ってはいない!!」
………あそこの職員には、しっかりとした教育が必要ですね……。
まあ、そんな遣り取りを経て、無事に鞠子様をお迎えしました。
自分が居ない時に、奥様に何かあったら私一人では大変だからと、旦那様が若手の方を雇って下さったのですがね…まあ、奥様のお相手ですから、当然女な訳ですが…はっきり言って良いでしょうかね? いや、言いますけどね。最悪ですと。同じ女として恥ずかしくないのかと、滾々と説教したくなります。いや、実際に説教したら旦那様に泣きついてしまいましたけど。まあ、そこは旦那様ですから、しっかりと公平に話を聞いて暇を言い渡していましたけどね。奥様は『私は気にしないのですけれど…お妙さんの負担が軽くなるのなら、それに越した事はありませんのに』と、笑っていましたけどね。奥様が良くても、私が良くないのです。奥様も本当にお優しくて良い方ですのに。何故、奥様を侮辱する様な言葉が出るのか理解不能です。大体、雇用主の奥様ですよ? 雇われていると云う自覚があるのですか? それとも、今の若い子は皆、ああなのですか? ああ、歳のせいにはしたくはないのですが、愚痴っぽくなってしまいますね。
まあ、そんな事が続きまして、結局は奥様に何かありましたら、旦那様の御友人であります相楽様へと連絡を入れる事になりました。相楽様は一家揃って医師でありますし、治療院を開いていますからね。距離も近いですし。快く承諾して下さった相楽様の姿を見て、最初からこうしていれば良かったのにと思ったのは内緒ですよ?
それから穏やかに日々は過ぎまして。時々旦那様から『夫婦らしく見えているだろうか』と相談されたりしまして『十分に仲睦まじく見えますよ』と答えたりしました。…まあ…事情を知っているだけに、夫婦と云うよりは…姉弟に見えてしまったりするのですけどね…これも内緒ですね。
そうして、雪緒と云う可愛い孫が出来まして。
本当に、楽しく幸せで賑やかな日々でしたね。
◇
「あら。あらあら?」
「どうされました? 奥様?」
茶の間にて奥様とお茶を飲んでいた時の事でした。
今、雪緒坊ちゃんは買い物へと出掛けています。
奥様が文通相手から届いた文を読んでいたのですが、突然発せられた驚きの声に私は首を傾げました。
「ああ、ごめんなさいね、いきなり。いえね、私ったら無意識に文にゆき君の事をお嫁さんと書いていたらしいの。お嫁さんとはゆき君の事かと書かれていまして…あらあら」
あらあらって…そんな嬉しそうに頬を緩めて…。
まあ、そんな奥様を見て居たら、私も自然と口元が緩んでしまうのですけどね。
以前、奥様が口にされた様に、私も雪緒坊ちゃんがここから居なくなるのは寂しいと思っていますから。
居なくなる私が言うのもなんですけどね…。
ですけれど…本当にそうなれば良いと思ってしまうのですよ。
それを願うのは夢物語のようですけれどね。
旦那様と奥様と雪緒坊ちゃんと、三人で幸せになって欲しいと思うのです。
本当の家族以上に、家族であって欲しいと願ってしまうのです。
運命の赤い糸と、思った事がありましたか。
旦那様と奥様、雪緒坊ちゃん。三人は出逢うべくして出逢った…そう思うのです。
沢山の複雑に絡み合った糸を丁寧に解いて手繰り寄せて、そうして結ばれるべくして結ばれた縁。
三人を見ていると、そう思ってしまうのですよね。
そこに加わる事が出来た私は幸せ者だと。
こう思うのは、私がやはり歳だから…ですかね?
まあ、良いでしょう。
こうして夢を見るのは自由ですからね。
頬を緩ませたまま文を読み進める奥様に、私もまた微笑んで、少し温くなったお茶を口に含んだのでした。
刻一刻と近付いて来る別れの日までは、家族の一員として過ごさせて下さいねと思いながら。
去るその日には、笑顔でと胸に刻んで。
――――――――――――――――――――――――――――――――
それから○年後(『~それから~【雪】もう一度』参照)、夢が現実になる、と(笑)
と、旦那様が土下座をしたまま話す言葉に、私は驚きの連続でした。
曰く、逢瀬を重ねていた相手は同じ男であると。自分は女は愛せないと。
曰く、今日お会いになられた鞠子様とは偽装結婚になると。
曰く、それは鞠子様も承知の事だと。それが鞠子様の望みだと。
曰く、鞠子様も女を愛せないのなら尚更都合が良いと笑われていたと。
曰く、偶然、鞠子様の両親の立ち話を聞いてしまい、それに怒りを覚えたと。
「えぇと…頭を上げて下さい。旦那様が下の者に頭を下げる物ではありませんよ」
取り敢えずは居心地が悪いので、頭を上げて貰う事にします。
恐る恐ると云う様に頭を上げる旦那様が、何故か私に怒られて丸い身体を縮こませる亡き主人と重なりました。いえ、年齢的に息子ですかね?
「そんな情けない顔をしないで下さい。双方ともに合意の上なら何の問題もありませんし、他人の気持ちにどうこう言う権利なんて私にはありませんからね。何故、結婚しないのか不思議に思っていましたが、成程、納得です。それで、家政婦に男をなんて注文を付けていたのですね。娘の言葉を借りる訳ではありませんが、時代は変わり、動く物です。異国では、同性同士の結婚が認められている処もあると云う話ですからね。まあ、娘に結婚を勧めていた私が言うのもあれかも知れませんけど。別に私は子を産めとは言ってませんし。女一人よりは、守ってくれる男が居た方が心強いと云うだけで…」
「…いや…その、気持ち悪くは無いのか?」
つらつらと何処までも言葉を続けそうな私に、旦那様が片手で顔を隠し、もう片方の手を上げて制して来ました。
おや、つい。
っと、気持ち悪いとは?
「何がですか? 人を想う気持ちに、ケチをつける気はありませんし、後ろ指を指す気もありません。旦那様にお仕えして二年ですよ。その人となりは理解しているつもりです。馬鹿が付く程に真面目で誠実で、もう少し肩の力を抜いても、極楽に居るご両親は怒ったりはしないと思いますけどね。まあ、私はこれまで通りにお仕えして行きますし、わざわざ言いふらす様な事もしません。逆に私をそう見ていたのなら心外ですし、それでしたら辞めさせて戴いても構いませんが」
「あ、いや、すまん! お妙さんに辞められたら困る! お妙さんの作る飯の味は懐かしくて、本当に美味いんだ!」
「だから、男が簡単に頭を下げない!」
また勢い良く頭を畳みに押し付けそうな旦那様に、私も声を大にして言いました。
「何故だ! お妙さんに不快な思いをさせたのだ! 謝るのは当然だろう!? それよりも、先に気になる言葉があったのだが、男の家政婦をとはどう云う事だろうか!?」
「職員が言っていたんですよ! 女嫌いだから、男の家政婦を寄越せと!」
「はあ!? 俺は真っ当な者ならば、男でも構わんと言っただけで、男が良いとは言ってはいない!!」
………あそこの職員には、しっかりとした教育が必要ですね……。
まあ、そんな遣り取りを経て、無事に鞠子様をお迎えしました。
自分が居ない時に、奥様に何かあったら私一人では大変だからと、旦那様が若手の方を雇って下さったのですがね…まあ、奥様のお相手ですから、当然女な訳ですが…はっきり言って良いでしょうかね? いや、言いますけどね。最悪ですと。同じ女として恥ずかしくないのかと、滾々と説教したくなります。いや、実際に説教したら旦那様に泣きついてしまいましたけど。まあ、そこは旦那様ですから、しっかりと公平に話を聞いて暇を言い渡していましたけどね。奥様は『私は気にしないのですけれど…お妙さんの負担が軽くなるのなら、それに越した事はありませんのに』と、笑っていましたけどね。奥様が良くても、私が良くないのです。奥様も本当にお優しくて良い方ですのに。何故、奥様を侮辱する様な言葉が出るのか理解不能です。大体、雇用主の奥様ですよ? 雇われていると云う自覚があるのですか? それとも、今の若い子は皆、ああなのですか? ああ、歳のせいにはしたくはないのですが、愚痴っぽくなってしまいますね。
まあ、そんな事が続きまして、結局は奥様に何かありましたら、旦那様の御友人であります相楽様へと連絡を入れる事になりました。相楽様は一家揃って医師でありますし、治療院を開いていますからね。距離も近いですし。快く承諾して下さった相楽様の姿を見て、最初からこうしていれば良かったのにと思ったのは内緒ですよ?
それから穏やかに日々は過ぎまして。時々旦那様から『夫婦らしく見えているだろうか』と相談されたりしまして『十分に仲睦まじく見えますよ』と答えたりしました。…まあ…事情を知っているだけに、夫婦と云うよりは…姉弟に見えてしまったりするのですけどね…これも内緒ですね。
そうして、雪緒と云う可愛い孫が出来まして。
本当に、楽しく幸せで賑やかな日々でしたね。
◇
「あら。あらあら?」
「どうされました? 奥様?」
茶の間にて奥様とお茶を飲んでいた時の事でした。
今、雪緒坊ちゃんは買い物へと出掛けています。
奥様が文通相手から届いた文を読んでいたのですが、突然発せられた驚きの声に私は首を傾げました。
「ああ、ごめんなさいね、いきなり。いえね、私ったら無意識に文にゆき君の事をお嫁さんと書いていたらしいの。お嫁さんとはゆき君の事かと書かれていまして…あらあら」
あらあらって…そんな嬉しそうに頬を緩めて…。
まあ、そんな奥様を見て居たら、私も自然と口元が緩んでしまうのですけどね。
以前、奥様が口にされた様に、私も雪緒坊ちゃんがここから居なくなるのは寂しいと思っていますから。
居なくなる私が言うのもなんですけどね…。
ですけれど…本当にそうなれば良いと思ってしまうのですよ。
それを願うのは夢物語のようですけれどね。
旦那様と奥様と雪緒坊ちゃんと、三人で幸せになって欲しいと思うのです。
本当の家族以上に、家族であって欲しいと願ってしまうのです。
運命の赤い糸と、思った事がありましたか。
旦那様と奥様、雪緒坊ちゃん。三人は出逢うべくして出逢った…そう思うのです。
沢山の複雑に絡み合った糸を丁寧に解いて手繰り寄せて、そうして結ばれるべくして結ばれた縁。
三人を見ていると、そう思ってしまうのですよね。
そこに加わる事が出来た私は幸せ者だと。
こう思うのは、私がやはり歳だから…ですかね?
まあ、良いでしょう。
こうして夢を見るのは自由ですからね。
頬を緩ませたまま文を読み進める奥様に、私もまた微笑んで、少し温くなったお茶を口に含んだのでした。
刻一刻と近付いて来る別れの日までは、家族の一員として過ごさせて下さいねと思いながら。
去るその日には、笑顔でと胸に刻んで。
――――――――――――――――――――――――――――――――
それから○年後(『~それから~【雪】もう一度』参照)、夢が現実になる、と(笑)
21
あなたにおすすめの小説
星降る夜に ~これは大人の純愛なのか。臆病者の足踏みか。~
大波小波
BL
鳴滝 和正(なるたき かずまさ)は、イベント会社に勤めるサラリーマンだ。
彼はある日、打ち合わせ先の空き時間を過ごしたプラネタリウムで、寝入ってしまう。
和正を優しく起こしてくれたのは、そこのナレーターを務める青年・清水 祐也(しみず ゆうや)だった。
祐也を気に入った和正は、頻繁にプラネタリウムに通うようになる。
夕食も共にするほど、親しくなった二人。
しかし祐也は夜のバイトが忙しく、なかなかデートの時間が取れなかった。
それでも彼と過ごした後は、心が晴れる和正だ。
浮かれ気分のまま、彼はボーイズ・バーに立ち寄った。
そしてスタッフメニューの中に、祐也の姿を見つけてしまう。
彼の夜の顔は、風俗店で働く男娼だったのだ……。
【完結】君の穿ったインソムニア
古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。
純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。
「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」
陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。
前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています
泡にはならない/泡にはさせない
玲
BL
――やっと見つけた、オレの『運命』……のはずなのに秒でフラれました。――
明るくてお調子者、だけど憎めない。そんなアルファの大学生・加原 夏樹(かはらなつき)が、ふとした瞬間に嗅いだ香り。今までに経験したことのない、心の奥底をかき乱す“それ”に導かれるまま、出会ったのは——まるで人魚のようなスイマーだった。白磁の肌、滴る水、鋭く澄んだ瞳、そしてフェロモンが、理性を吹き飛ばす。出会った瞬間、確信した。
「『運命だ』!オレと『番』になってくれ!」
衝動のままに告げた愛の言葉。けれど……。
「運命論者は、間に合ってますんで。」
返ってきたのは、冷たい拒絶……。
これは、『運命』に憧れる一途なアルファと、『運命』なんて信じない冷静なオメガの、正反対なふたりが織りなす、もどかしくて、熱くて、ちょっと切ない恋のはじまり。
オメガバースという世界の中で、「個」として「愛」を選び取るための物語。
彼が彼を選ぶまで。彼が彼を認めるまで。
——『運命』が、ただの言葉ではなくなるその日まで。
あなたのいちばんすきなひと
名衛 澄
BL
亜食有誠(あじきゆうせい)は幼なじみの与木実晴(よぎみはる)に好意を寄せている。
ある日、有誠が冗談のつもりで実晴に付き合おうかと提案したところ、まさかのOKをもらってしまった。
有誠が混乱している間にお付き合いが始まってしまうが、実晴の態度はいつもと変わらない。
俺のことを好きでもないくせに、なぜ付き合う気になったんだ。
実晴の考えていることがわからず、不安に苛まれる有誠。
そんなとき、実晴の元カノから実晴との復縁に協力してほしいと相談を受ける。
また友人に、幼なじみに戻ったとしても、実晴のとなりにいたい。
自分の気持ちを隠して実晴との"恋人ごっこ"の関係を続ける有誠は――
隠れ執着攻め×不器用一生懸命受けの、学園青春ストーリー。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
【完結】好きじゃないけど、付き合ってみる?
海野雫
BL
大学3年の直人(なおと)は、恋愛経験ゼロ。人付き合いは苦手ではないが、誰かを「好きになる」感情がよくわからない。付き合ってる友人たちを見ても、自分には縁のない話だと思っていた。
ある日、部活の後輩である健(けん)が「一緒にルームシェアしませんか?」と持ちかけてくる。引っ越しを考えていた直人は、悪くない条件にOKを出し、ふたりの同居生活が始まる。
快適すぎる日々。健は料理も掃除もできて、適度に距離を保ってくれる最高のルームメイト。
しかしある夜、健がポツリと呟く。
「……元カレ、まだ忘れられないんです」
「ねえ先輩。付き合ってみませんか?――“好きじゃなくてもいいから”」
からかわれていると思いながらも、冗談めかして了承してしまう直人。
それが、まさかの擬似恋人生活の始まりだった。
恋人ごっこなのに手をつないだり、映画を観に行ったり、肩を貸したり。
最初はただの遊びだったのに、直人はだんだん健が笑うと嬉しくて、泣くと苦しいと感じるようになっていく。
一方、健は「直人に本気になってはいけない」と自分に言い聞かせていたが、直人の優しさや真面目さに、次第に惹かれ始める。
擬似恋人から始まった関係は、本物の「好き」に変わるのか?
本気になったとき、ふたりはどう答えを出すのか――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる