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ステージ 1 〈高校編〉
11. ぶちかませ!
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18時、定刻通りに開演した。
夕焼けのオレンジ色は、燃える炎のように空を染め上げ、会場全体を包み込んでいた。
西の空を背にした巨大ステージは、まだ夜を迎える手前の茜色を背景に、光と音で脈打っている。
――ドンッ。
爆音が響いた瞬間、観客の大歓声が耳をつんざいた。地面が震えるほどの熱気に包まれ、肌がひりつく。心臓が大きく高鳴り、胸の奥まで音が響き渡る。
これまでも、先輩たちのバックダンサーとして舞台に立った経験はある。でも、こんなにも広い野外ステージで、こんなにも多くの人の視線を浴びるのは初めてだった。
「……すげぇ」
気づけば、隣に立つカイリも呆然と空気を吸い込んでいた。彼の頬は紅潮し、緊張と興奮が入り混じった笑みが浮かんでいる。
「こんなの、二度と経験できないかもな」
カイリがぽつりとこぼした。オレは深く息を吸い、首を横に振る。
「いいや。これよりもっと、でかい景色を見るために、がんばるんだろ。まだ、夢の途中だよ」
「はは!言うな、ツバサ!」
巨大スクリーンにTOMARIGIのロゴが映し出され、爆発のように会場のボルテージが跳ね上がった。ペンライトの光が波のように揺れ、夕闇へと飲み込まれていく。
始まったのは、TOMARIGIの代表曲。疾走感のあるメロディに合わせ、オレとカイリはステージへと踏み出す。
彼らの完璧なパフォーマンスに、思わず息を呑む。どんなに激しく踊っても、その声は一切ぶれない。大空を羽ばたく鳥のように自由で、観客を魅了する。
負けていられない。
ステージの光がオレを射抜く。音楽に合わせて、オレとカイリは息の合ったダンスを披露する。練習で何度も繰り返した、キレのあるステップ、そして全身を使った力強いムーブ。
最高潮の中、突然聞こえた声ーーーー
『ツバサ、ぶちかませ!』
イヤモニから、蒼真先輩の声が飛び込んできた。
瞬間、体の奥から熱が爆発する。
オレは広いステージを駆け抜け、思いきり宙へと身を投げた。
バク転は完璧に決まる。そのときだけは、スポットライトがオレを照らし出した。轟音のような歓声が耳を突き抜けた。
恐怖も、不安も、消えた。
何千もの声が重なり、会場そのものがひとつの生き物になったかのようだ。オレもそのリズムに飲み込まれ、気づけば声を張り上げていた。
ステージ上にいるのに、観客と同じ熱狂を共有している。そんな錯覚さえする。
夕焼けはいつの間にか群青色へと変わり、夜の帳が空を覆う。
何万ものペンライトの光が、満天の星のように輝きく。
夕焼けのオレンジ色は、燃える炎のように空を染め上げ、会場全体を包み込んでいた。
西の空を背にした巨大ステージは、まだ夜を迎える手前の茜色を背景に、光と音で脈打っている。
――ドンッ。
爆音が響いた瞬間、観客の大歓声が耳をつんざいた。地面が震えるほどの熱気に包まれ、肌がひりつく。心臓が大きく高鳴り、胸の奥まで音が響き渡る。
これまでも、先輩たちのバックダンサーとして舞台に立った経験はある。でも、こんなにも広い野外ステージで、こんなにも多くの人の視線を浴びるのは初めてだった。
「……すげぇ」
気づけば、隣に立つカイリも呆然と空気を吸い込んでいた。彼の頬は紅潮し、緊張と興奮が入り混じった笑みが浮かんでいる。
「こんなの、二度と経験できないかもな」
カイリがぽつりとこぼした。オレは深く息を吸い、首を横に振る。
「いいや。これよりもっと、でかい景色を見るために、がんばるんだろ。まだ、夢の途中だよ」
「はは!言うな、ツバサ!」
巨大スクリーンにTOMARIGIのロゴが映し出され、爆発のように会場のボルテージが跳ね上がった。ペンライトの光が波のように揺れ、夕闇へと飲み込まれていく。
始まったのは、TOMARIGIの代表曲。疾走感のあるメロディに合わせ、オレとカイリはステージへと踏み出す。
彼らの完璧なパフォーマンスに、思わず息を呑む。どんなに激しく踊っても、その声は一切ぶれない。大空を羽ばたく鳥のように自由で、観客を魅了する。
負けていられない。
ステージの光がオレを射抜く。音楽に合わせて、オレとカイリは息の合ったダンスを披露する。練習で何度も繰り返した、キレのあるステップ、そして全身を使った力強いムーブ。
最高潮の中、突然聞こえた声ーーーー
『ツバサ、ぶちかませ!』
イヤモニから、蒼真先輩の声が飛び込んできた。
瞬間、体の奥から熱が爆発する。
オレは広いステージを駆け抜け、思いきり宙へと身を投げた。
バク転は完璧に決まる。そのときだけは、スポットライトがオレを照らし出した。轟音のような歓声が耳を突き抜けた。
恐怖も、不安も、消えた。
何千もの声が重なり、会場そのものがひとつの生き物になったかのようだ。オレもそのリズムに飲み込まれ、気づけば声を張り上げていた。
ステージ上にいるのに、観客と同じ熱狂を共有している。そんな錯覚さえする。
夕焼けはいつの間にか群青色へと変わり、夜の帳が空を覆う。
何万ものペンライトの光が、満天の星のように輝きく。
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