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ステージ 1 〈高校編〉
12. サプライズ発表
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音楽が止まり、暗転したステージにはわずかなスポットライトが灯っていた。
「暑さ以上にみなの熱気がすごいね!応援ありがとう!」
片倉さんが、満面の笑みでマイクを握った。
「みんなの声、ちゃんと届いてるぜ!」
伊勢さんがファンに呼びかけると、会場からはさらに大きな声援が沸き起こる。
TOMARIGIのメンバーは、軽快なトークで会場を楽しませている。
俺たち候補生は、ステージの端で息を整えながら、先輩たちのMCを見ていた。そのときだーーーー。
「さて、ここで、みんなに特別な発表があります」
蒼真先輩が、少し真剣な顔でそう告げると、会場のざわめきが静かになる。俺たち候補生も、思わず顔を見合わせた。何を言うつもりなんだろう。
「俺たちTOMARIGIは、来年の春、新しい仲間を迎え入れます」
会場がどよめきに包まれる。ステージ袖にいた俺たち候補生は、その言葉に驚きを隠せない。
「メンバー選考は、今日このステージにいる、30名の候補生の中から選ばれる」
蒼真先輩が、ステージ袖の俺たちに視線を向けた。
「全員、ステージへ!」
スタッフの声に促され、俺たちは緊張しながらステージに並ぶ。何万人もの観客の視線が、一斉に俺たちに注がれている。その視線は、必ずしも好意的なものではない。突き刺さるような視線だ。
伊勢さんがマイクを握り、落ち着いた声で説明を始めた。
「皆さん、今回のメンバー選考は、ただの増員ではありません。TOMARIGIの未来を創っていく、大切な仲間探しです。これまで支えてくださった皆さんのご理解と、温かい応援をお願いします」
続いて、片倉さんが、ファンに深く頭を下げた。
「急な発表で驚かせてごめんな。前々から、メンバーで話し合ったことなんだ。もっとTOMARIGIが羽ばたいていくように、一緒に見守ってほしい」
会場の空気が、少しずつ和らいでいく。ファンは、彼らの真剣な言葉に耳を傾けていた。
そして、蒼真先輩がマイクを握る。
彼の声が響き、観客は期待に満ちた表情で彼を見つめる。
「俺たちの『止まり木』は、ファンの皆だ。皆がいるから、俺たちはこうして飛んでいられる。でも、時々、風向きが変わって、うまく飛べなくなることがある。そんな時、俺は、隣で必死に羽ばたいている、まだ小さな翼を見つけた」
蒼真先輩はそう言うと、ふっと視線をオレに向けた。
「その翼は、どんなに不安でも、ただ真っ直ぐに、前へと進もうとしていた。その姿に、俺はもう一度、空を飛ぶ勇気をもらったんだ。君たちの隣にいる大切な人も、いつか君にとっての『翼』になるかもしれない。どうか、その『翼』を大切にしてほしい」
会場は静まり返り、誰もが彼の言葉に耳を澄ませている。
「みんなに、安らぎと勇気を与えたいと願っていた。でも、いつの間にか、俺がみんなに支えられていたんだ」
その言葉に、オレの胸は熱くなった。
「来年の春には、新しいTOMARIGIが誕生します。どうか、楽しみに待っていてほしい」
蒼真先輩が、再びマイクをファンに向けて笑顔を見せる。会場の歓声が、再び沸き起こる。
だが、オレの耳には、蒼真先輩の最後の言葉だけが、鮮明に残っていた。
「暑さ以上にみなの熱気がすごいね!応援ありがとう!」
片倉さんが、満面の笑みでマイクを握った。
「みんなの声、ちゃんと届いてるぜ!」
伊勢さんがファンに呼びかけると、会場からはさらに大きな声援が沸き起こる。
TOMARIGIのメンバーは、軽快なトークで会場を楽しませている。
俺たち候補生は、ステージの端で息を整えながら、先輩たちのMCを見ていた。そのときだーーーー。
「さて、ここで、みんなに特別な発表があります」
蒼真先輩が、少し真剣な顔でそう告げると、会場のざわめきが静かになる。俺たち候補生も、思わず顔を見合わせた。何を言うつもりなんだろう。
「俺たちTOMARIGIは、来年の春、新しい仲間を迎え入れます」
会場がどよめきに包まれる。ステージ袖にいた俺たち候補生は、その言葉に驚きを隠せない。
「メンバー選考は、今日このステージにいる、30名の候補生の中から選ばれる」
蒼真先輩が、ステージ袖の俺たちに視線を向けた。
「全員、ステージへ!」
スタッフの声に促され、俺たちは緊張しながらステージに並ぶ。何万人もの観客の視線が、一斉に俺たちに注がれている。その視線は、必ずしも好意的なものではない。突き刺さるような視線だ。
伊勢さんがマイクを握り、落ち着いた声で説明を始めた。
「皆さん、今回のメンバー選考は、ただの増員ではありません。TOMARIGIの未来を創っていく、大切な仲間探しです。これまで支えてくださった皆さんのご理解と、温かい応援をお願いします」
続いて、片倉さんが、ファンに深く頭を下げた。
「急な発表で驚かせてごめんな。前々から、メンバーで話し合ったことなんだ。もっとTOMARIGIが羽ばたいていくように、一緒に見守ってほしい」
会場の空気が、少しずつ和らいでいく。ファンは、彼らの真剣な言葉に耳を傾けていた。
そして、蒼真先輩がマイクを握る。
彼の声が響き、観客は期待に満ちた表情で彼を見つめる。
「俺たちの『止まり木』は、ファンの皆だ。皆がいるから、俺たちはこうして飛んでいられる。でも、時々、風向きが変わって、うまく飛べなくなることがある。そんな時、俺は、隣で必死に羽ばたいている、まだ小さな翼を見つけた」
蒼真先輩はそう言うと、ふっと視線をオレに向けた。
「その翼は、どんなに不安でも、ただ真っ直ぐに、前へと進もうとしていた。その姿に、俺はもう一度、空を飛ぶ勇気をもらったんだ。君たちの隣にいる大切な人も、いつか君にとっての『翼』になるかもしれない。どうか、その『翼』を大切にしてほしい」
会場は静まり返り、誰もが彼の言葉に耳を澄ませている。
「みんなに、安らぎと勇気を与えたいと願っていた。でも、いつの間にか、俺がみんなに支えられていたんだ」
その言葉に、オレの胸は熱くなった。
「来年の春には、新しいTOMARIGIが誕生します。どうか、楽しみに待っていてほしい」
蒼真先輩が、再びマイクをファンに向けて笑顔を見せる。会場の歓声が、再び沸き起こる。
だが、オレの耳には、蒼真先輩の最後の言葉だけが、鮮明に残っていた。
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