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第十六節「銀乙女強襲 世界の真実 長き道に惚けて」
~少年と少女のカタリゴト~
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それは2年くらい前、オイラ達はとある街で彷徨っていました。
元々孤児だったオイラ達は……行く場所も泊まる場所も無く……その日を過ごす事に毎日必死でした。
そんな時……アタイ達は師匠と出会ったんです。
「オゥ坊主共、どうしたってんだ、そんなとこで真昼間から寝やがってェ」
食べる物も無く、生きる事に疲れていたオイラ達にそう声を掛けてきたのは、白髪で顔がシワだらけの茶こけた爺さんだったんだ。
でもその風貌に似合わず体はそれなりにしっかりしていて……力強い手でアタイ達を引き上げると……鞄に入れていたパンの様な食べ物を千切って分けてくれたんだぁ。
それは自分が食べる筈だった最後の食事だったってぼやいてた。
でもそれを分けてくれた時、本気で嬉しかったよ。
そして……おいしかったんだ。
それからオイラ達は、師匠と一緒にいろんな場所を歩いた。
一緒に狩りをして、一緒に食べて、一緒に寝たよ。
そしてアタイ達に魔剣の使い方を教えてくれたの。
「オゥお前等なかなか筋がいいな、これなら直ぐにでも俺を超えられらぁ」
剣を振るたびにそうやって褒めてくれて、オイラ達はそんな師匠の言葉を聞く事が何よりも嬉しかったんだ。
師匠はしきりにオイラ達に言ってた。
「力ってのは、誰かを救う為に使わなきゃなんねェ……でなきゃ力を創った奴が浮かばれねぇってもんさ。 『俺ァそんなことの為に魔剣を作ったんじゃあねェ!!』ってなァ」
夕飯を食べた後は魔剣を片手にクルクルと回して口癖のように何度も同じ事を聞いたよ。
師匠は困った人を見掛けたらすぐに手を差し伸べてた。
時には危ない事もあった。
銃を持った奴らと戦う師匠は強くて格好良くて……それを見るたびに何かがオイラの脳裏を駆け巡ったよ、ビリビリーって。
バンバン、タタタン、そんな音の中、目にも止まらぬ速さで斬り付けて相手を動けなくさせていくんだぁ。
師匠は本当に……凄い人だったんだ。
オイラ達はある時、失敗した。
来るなって言われてたのに、ビリビリを感じたくて付いて行っちゃったんだ。
そしてオイラは捕まった。
「コイツを死なせたく無きゃ……その武器を捨てろッ!!」
「止せ……その子は関係ない」
「うるせぇ!! は、早く降ろさねぇと……!!」
相手が一人ならなんとでもなったかもしれない。
でも、周りには銃を持った敵が一杯いたの。
「師匠!! 俺の事なんてほっといてコイツらをとっちめてよぉー!!」
「わ、分かった……言う通りにする……だから彼等は見逃してくれ……」
「し、師匠……」
その声は弱々しく、観念した様な顔付で……師匠は魔剣を地面に落とした。
その途端、沢山の銃の発砲音が鳴り響いたんだ。
叫び声を上げる事も無く、師匠は……沢山の銃弾を受けて……その場に倒れた。
「あぁ清々したぜ……よしお前等帰るぞ!!」
「ガキ共は?」
「ほっとけ、弾の無駄だ」
その時、自分で何をしようかなんて思った訳でもなかった。
ただ、オイラ達は……どうにかしてしまいたかったんだ。
だからアタイ達は師匠の魔剣を手に取った。
その後すぐの事はあんまり覚えてない。
ただ、あいつらの手足が跳んで、泣き叫んで苦しむ姿をかろうじて覚えてる。
思い出すたびに、「ざまぁみろ」って思うよ。
でも、そこから続く光景が今でも忘れられないんだぁ……。
「……お前らァ……強ぅなったなァ……」
「し、ししょ……ウゥ……」
「いいかァ……よゥ聞け」
「ウゥーーーー!!」
「……生きる為にはなァ……力も必要さァ……その魔剣はお前達が……使いなさい……真っ直ぐ……生きて行く……為に……」
それが師匠が遺した最後の言葉だった。
―――それが《オイラ/アタイ》達の想い出―――
元々孤児だったオイラ達は……行く場所も泊まる場所も無く……その日を過ごす事に毎日必死でした。
そんな時……アタイ達は師匠と出会ったんです。
「オゥ坊主共、どうしたってんだ、そんなとこで真昼間から寝やがってェ」
食べる物も無く、生きる事に疲れていたオイラ達にそう声を掛けてきたのは、白髪で顔がシワだらけの茶こけた爺さんだったんだ。
でもその風貌に似合わず体はそれなりにしっかりしていて……力強い手でアタイ達を引き上げると……鞄に入れていたパンの様な食べ物を千切って分けてくれたんだぁ。
それは自分が食べる筈だった最後の食事だったってぼやいてた。
でもそれを分けてくれた時、本気で嬉しかったよ。
そして……おいしかったんだ。
それからオイラ達は、師匠と一緒にいろんな場所を歩いた。
一緒に狩りをして、一緒に食べて、一緒に寝たよ。
そしてアタイ達に魔剣の使い方を教えてくれたの。
「オゥお前等なかなか筋がいいな、これなら直ぐにでも俺を超えられらぁ」
剣を振るたびにそうやって褒めてくれて、オイラ達はそんな師匠の言葉を聞く事が何よりも嬉しかったんだ。
師匠はしきりにオイラ達に言ってた。
「力ってのは、誰かを救う為に使わなきゃなんねェ……でなきゃ力を創った奴が浮かばれねぇってもんさ。 『俺ァそんなことの為に魔剣を作ったんじゃあねェ!!』ってなァ」
夕飯を食べた後は魔剣を片手にクルクルと回して口癖のように何度も同じ事を聞いたよ。
師匠は困った人を見掛けたらすぐに手を差し伸べてた。
時には危ない事もあった。
銃を持った奴らと戦う師匠は強くて格好良くて……それを見るたびに何かがオイラの脳裏を駆け巡ったよ、ビリビリーって。
バンバン、タタタン、そんな音の中、目にも止まらぬ速さで斬り付けて相手を動けなくさせていくんだぁ。
師匠は本当に……凄い人だったんだ。
オイラ達はある時、失敗した。
来るなって言われてたのに、ビリビリを感じたくて付いて行っちゃったんだ。
そしてオイラは捕まった。
「コイツを死なせたく無きゃ……その武器を捨てろッ!!」
「止せ……その子は関係ない」
「うるせぇ!! は、早く降ろさねぇと……!!」
相手が一人ならなんとでもなったかもしれない。
でも、周りには銃を持った敵が一杯いたの。
「師匠!! 俺の事なんてほっといてコイツらをとっちめてよぉー!!」
「わ、分かった……言う通りにする……だから彼等は見逃してくれ……」
「し、師匠……」
その声は弱々しく、観念した様な顔付で……師匠は魔剣を地面に落とした。
その途端、沢山の銃の発砲音が鳴り響いたんだ。
叫び声を上げる事も無く、師匠は……沢山の銃弾を受けて……その場に倒れた。
「あぁ清々したぜ……よしお前等帰るぞ!!」
「ガキ共は?」
「ほっとけ、弾の無駄だ」
その時、自分で何をしようかなんて思った訳でもなかった。
ただ、オイラ達は……どうにかしてしまいたかったんだ。
だからアタイ達は師匠の魔剣を手に取った。
その後すぐの事はあんまり覚えてない。
ただ、あいつらの手足が跳んで、泣き叫んで苦しむ姿をかろうじて覚えてる。
思い出すたびに、「ざまぁみろ」って思うよ。
でも、そこから続く光景が今でも忘れられないんだぁ……。
「……お前らァ……強ぅなったなァ……」
「し、ししょ……ウゥ……」
「いいかァ……よゥ聞け」
「ウゥーーーー!!」
「……生きる為にはなァ……力も必要さァ……その魔剣はお前達が……使いなさい……真っ直ぐ……生きて行く……為に……」
それが師匠が遺した最後の言葉だった。
―――それが《オイラ/アタイ》達の想い出―――
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