時き継幻想フララジカ

日奈 うさぎ

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第十六節「銀乙女強襲 世界の真実 長き道に惚けて」

~世界の始まりと終わり、フララジカ~

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大昔 人と魔者と天士……三つの種族が 仲睦まじく時を過ごしていました


分け隔てなく お互いを尊重し合う様に、と 天士は願い 彼等を見守りました


しかし 多くの時が流れ 次第にその形は少しづつ変わっていきました


人間が 魔者を 虐げ始めたのです


魔者は 一時的なものだろうと 耐えました


ですがそれは 更に酷さを増していったのです


魔者は とうとう 天士達に訴えました


人間の暴挙を止めてくれ 必死に訴えました


しかし天士は 自分達がその争いに 巻き込まれる事を恐れ 手を差し伸べる事はありませんでした


人間が その凄惨さを肥大化させ 魔者を 奴隷の様に扱い始めました


とうとう魔者は 誰一人として 同じ存在として扱われる事は なくなったのです


その姿を見た 一人の天士が 嘆き 悲しみました


そして……魔者に 力を与えたのです


命力でなければ 傷つける事の出来ない 加護の力です


それにより 魔者は 人間から傷つけられる事が なくなりました


しかし 魔者は更に訴えました


自分達を虐げた 人間が許せない 復讐する力が欲しい


天士は その訴えを受けて 彼等に力を与えました


30本の 光り輝くその剣は 彼等に強い力を与えたのです


魔者は その強い力で 人間に逆らいました


人間も その力を奪い 抗いました


そして 血で血を洗う惨劇が 行われる事になったのです


天士は嘆き 悲しみました


巻き込まれてしまった 苦しんでしまった そんな世界に嫌気がさしたのです


天士は 世界から去る事を 望みました


それを汲んだ 魔者に力を与えた天士は 創世の鍵を作りました


創世の鍵を振りかざし 天士は 世界を二つに割りました


こうして 天士達は 人間と魔者の世界から離れ 果てに消えました


残ったのは 人間と魔者が 争う世界 だけでした


こうして世界を二つに分けた天士は 創世の女神と 呼ばれる事となったのです


人間に疎まれ 魔者に崇められ 彼女は 世界の中心に消えたのでした……


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「これが、私達の世界に伝わる伝説よ」

 その場に居た者達は静かに彼女の話を聞き入れ、感傷深くその物語を心に受け入れる。
 だが、それを聞いていたカプロがいぶかしげな表情でおもむろに口を挟んだ。

「その伝説、間違ってねぇッスか? 創世の女神様は喜んで力を与えて下さり、ボクらを後押ししてくれた筈ッス」
「何を言っているのカプロ……私達人間を滅ぼそうと恐ろしい魔者に力を与えたのが創世の女神じゃない」

 カプロとレンネィの意見が相違し、「ヌヌウ」とお互いの視線がぶつかり合うが……それを割る様にラクアンツェが言葉を連ねた。

「あながちどっちも間違いでは無いわ、何せ伝説ですもの」
「あ……」

 伝説とは曲解して伝わるもの……それは彼等の世界とて道理なのである。

「何分、殆ど資料なんて残っていないし……何が真実かなんてわからないもの」
「まぁそうでしょうねぇ……ですがラクアンツェさん、貴女は今……自信あり気にその話を致しましたよねぇ」

 福留が釘を刺す様に口を挟むと、ラクアンツェは「フフッ」と微笑みを漏らしながらそっと俯く。
 まるでその言葉を待ち望んでいたかの様に。

「これは、私達が遥か昔に見つけた伝説時代から伝わる古文書から見つけた文なの」
「ほう……?」

 その顔を僅かに上げた時……その瞳が怪しく輝いた。

「その古文書が私達の始まり……そして世界の『おわり』と『はじまり』を予言する書物……私達はそれを 『おわりトはじまりノ書』 と呼んだわ」
「 『おわりトはじまりノ書』 ……」
「そう、そして……そこに書かれていた伝説はそれだけでは終わらない」

 その一言を聞いた途端、そこにいる『あちら側』の者達が目を見開き唾を飲む。

「あの伝説の……続きがあるだと……!?」

 アージが唸り声を荒げて放つ。
 彼だけではない……他の者達もまた、同様にその言葉を喉元まで出かかっていたかの様に口だけを震わせていた。

 彼等のそんな反応を前に、ラクアンツェはゆっくり頷き続きを語る。

「そう、誰が綴ったのか……伝説はこう続く……」





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残された 世界で 嘆こう


別れた 世界を 呪おう


彼女が 悲しみ 現れるまで


狂った 世界で 愉しもう


壊れた 世界で 分かち合おう


百億の 時の先で 世界が見えたなら


我は願おう 世界と世界の フララジカ


我 ハ 願 オウ おわり ト はじまり ヲ


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「……その書には、そう書かれ……後には白紙が続いていたわ」
「世界の……始まりと終わり……【フララジカ】……」

 前述の神秘さと異なり、不気味さを醸し出す追文……。
 それは勇達の心に言い得ない引っ掛かりを残すものだった。


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