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第二十八節「疑念の都 真実を求め空へ 崩日凋落」
~SIDE勇-06 明かされた真実~
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現在時刻 日本時間16:47......
北米、カリフォルニア州時間24:47......
「ミシェルさん、ご要望の服を持ってまいりました。 それと……その格好で外は冷えたでしょう、ホットミルクを仕立てましたのでどうぞ召し上がってください。 きっと体が温まりますよ」
緊張感のある会話の合間を縫って現れたのは店主。
折りたたんだ服と飲み物を乗せたプレートを片手づつに器用に携えて三人の前に現れた。
季節は夏前だが、緯度が日本よりも僅かに高いこの地の夜は冷える。
それを知っている現地人だからこその親切心なのだろう。
服をそっと茶奈の腰元の椅子の上へ、飲み物を机の上へと丁寧に置くと……店主は一礼し、再びカウンターの奥へと歩き戻っていく。
「あ、ありがとうございます!」
茶奈がハッとした面持ちで遅れて礼を返すと、店主はニコリとした笑顔を向けて応えていた。
置かれた服を手に取ると、無造作に広げて見せる。
彼女が着るには少し大きめのサイズのワイシャツとジーンズ。
そしてそれを見越していたのか、服の合間にはベルトが挟んでおり、店主の心遣いに思わず茶奈の笑顔が零れた。
「茶奈、店の奥を貸してもらって着替えてきな?」
勇が気遣いを向けるが……それに対して茶奈は首を横に振って応える。
「いえ、大事な話の最中ですから着替えながら聴きます。 時間もありませんし」
彼女はそう言いながらおもむろにボロボロの服を脱ぎだした。
目のやり場に困った勇が顔をミシェルの方へ向けると、そんな二人のやりとりに笑う彼女の笑顔が映り込む。
先程の緊張感はどこへ行ったのやら……。
だが、茶奈の気持ちを汲んだミシェルは再び笑顔を殺すと……話の続きを淡々と続けた。
「恐らく今、貴方達は日本が安全な国だと思っていますね? そう……【救世同盟】をテロリストとして認定し、否定し続けている唯一の国だと」
ミシェルの言う通り、日本では【東京事変】以降で【救世】及び【救世同盟】の目立った活動は起きていない。
小さな小競り合いなどで逮捕者が出る事はあったが、海外と比べれば断然マシだった。
海外では常にどこかで戦争の様な戦いが起きている……そうテレビなどで放送されていたから。
特にヨーロッパは酷いもので、近東に近い地域は元々の宗教的な観点での争いも交えての凄惨な戦いが日頃起きているという事が一般に知れ渡っている。
「実際に【救世同盟】絡みの大事件は起きていないでしょうし、テロリスト認定した国の中では治安が守られていると言っても過言ではないでしょうね……日本国内から見れば、でしょうが」
重なる意味深な発言を前に勇達は口を挟む事も出来ず、ただ声に耳を傾ける。
しかしそんな彼等の持つ常識を……彼女の連ねた言葉はいとも簡単に打ち砕く。
「……ですが事実は異なります。 日本は既に、【救世同盟】によって支配されている状態にあるのです」
その瞬間……勇達の体が止まり、目が見開いていった。
「そ、そんな馬鹿な……ッ!?」
信じられるはずも無かった。
この二年間の日常において、【救世同盟】の名などほとんど出ないに等しかったのだから。
驚愕を隠せない二人を前に、なおミシェルはにわかにも信じられない様な内容を更に連ねた。
「知らないのも無理はありません……何故ならその情報のほとんどは民間に出回らないよう、政府が巧みにコントロールしているから。 そう……政府の官僚の半数は今や【救世同盟】の息が掛かった者達で締められているのです」
情報操作。
インターネットが情報の主流である今、その操作を行うのは決して困難な事ではない。
日本だけでなく、閉鎖的な国はどこも似た様な操作を行っているのは周知の事実である。
日本もまた……隠していたのだ。
【救世同盟】に関する全ての情報を。
カモフラージュとなる小さな事案を残して。
「【東京事変】が何故起きてしまったのか……貴方達は考えた事がありますか? 本当にデュゼロー氏達だけが起こした事件なのか……と」
「それは……まさか……!!」
「そう……日本は最初から既に侵食されていたのです。 【救世同盟】の基礎体である【救世】によって、ね……」
すると、先程引いたUSBメモリが、ミシェルの手に引きずられながら再び勇の前へと運ばれていく。
USBメモリへ注目していた視線を再びミシェルへと戻すと……前のめりになって大きく見える彼女の姿が視界に映り込んだ。
互いの視線が合い、緊張が高まった時……とうとうミシェルが核心に触れる。
「現総理大臣 小嶋由子……彼女は【救世】、そして【救世同盟】の一員なのです」
北米、カリフォルニア州時間24:47......
「ミシェルさん、ご要望の服を持ってまいりました。 それと……その格好で外は冷えたでしょう、ホットミルクを仕立てましたのでどうぞ召し上がってください。 きっと体が温まりますよ」
緊張感のある会話の合間を縫って現れたのは店主。
折りたたんだ服と飲み物を乗せたプレートを片手づつに器用に携えて三人の前に現れた。
季節は夏前だが、緯度が日本よりも僅かに高いこの地の夜は冷える。
それを知っている現地人だからこその親切心なのだろう。
服をそっと茶奈の腰元の椅子の上へ、飲み物を机の上へと丁寧に置くと……店主は一礼し、再びカウンターの奥へと歩き戻っていく。
「あ、ありがとうございます!」
茶奈がハッとした面持ちで遅れて礼を返すと、店主はニコリとした笑顔を向けて応えていた。
置かれた服を手に取ると、無造作に広げて見せる。
彼女が着るには少し大きめのサイズのワイシャツとジーンズ。
そしてそれを見越していたのか、服の合間にはベルトが挟んでおり、店主の心遣いに思わず茶奈の笑顔が零れた。
「茶奈、店の奥を貸してもらって着替えてきな?」
勇が気遣いを向けるが……それに対して茶奈は首を横に振って応える。
「いえ、大事な話の最中ですから着替えながら聴きます。 時間もありませんし」
彼女はそう言いながらおもむろにボロボロの服を脱ぎだした。
目のやり場に困った勇が顔をミシェルの方へ向けると、そんな二人のやりとりに笑う彼女の笑顔が映り込む。
先程の緊張感はどこへ行ったのやら……。
だが、茶奈の気持ちを汲んだミシェルは再び笑顔を殺すと……話の続きを淡々と続けた。
「恐らく今、貴方達は日本が安全な国だと思っていますね? そう……【救世同盟】をテロリストとして認定し、否定し続けている唯一の国だと」
ミシェルの言う通り、日本では【東京事変】以降で【救世】及び【救世同盟】の目立った活動は起きていない。
小さな小競り合いなどで逮捕者が出る事はあったが、海外と比べれば断然マシだった。
海外では常にどこかで戦争の様な戦いが起きている……そうテレビなどで放送されていたから。
特にヨーロッパは酷いもので、近東に近い地域は元々の宗教的な観点での争いも交えての凄惨な戦いが日頃起きているという事が一般に知れ渡っている。
「実際に【救世同盟】絡みの大事件は起きていないでしょうし、テロリスト認定した国の中では治安が守られていると言っても過言ではないでしょうね……日本国内から見れば、でしょうが」
重なる意味深な発言を前に勇達は口を挟む事も出来ず、ただ声に耳を傾ける。
しかしそんな彼等の持つ常識を……彼女の連ねた言葉はいとも簡単に打ち砕く。
「……ですが事実は異なります。 日本は既に、【救世同盟】によって支配されている状態にあるのです」
その瞬間……勇達の体が止まり、目が見開いていった。
「そ、そんな馬鹿な……ッ!?」
信じられるはずも無かった。
この二年間の日常において、【救世同盟】の名などほとんど出ないに等しかったのだから。
驚愕を隠せない二人を前に、なおミシェルはにわかにも信じられない様な内容を更に連ねた。
「知らないのも無理はありません……何故ならその情報のほとんどは民間に出回らないよう、政府が巧みにコントロールしているから。 そう……政府の官僚の半数は今や【救世同盟】の息が掛かった者達で締められているのです」
情報操作。
インターネットが情報の主流である今、その操作を行うのは決して困難な事ではない。
日本だけでなく、閉鎖的な国はどこも似た様な操作を行っているのは周知の事実である。
日本もまた……隠していたのだ。
【救世同盟】に関する全ての情報を。
カモフラージュとなる小さな事案を残して。
「【東京事変】が何故起きてしまったのか……貴方達は考えた事がありますか? 本当にデュゼロー氏達だけが起こした事件なのか……と」
「それは……まさか……!!」
「そう……日本は最初から既に侵食されていたのです。 【救世同盟】の基礎体である【救世】によって、ね……」
すると、先程引いたUSBメモリが、ミシェルの手に引きずられながら再び勇の前へと運ばれていく。
USBメモリへ注目していた視線を再びミシェルへと戻すと……前のめりになって大きく見える彼女の姿が視界に映り込んだ。
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