時き継幻想フララジカ

日奈 うさぎ

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第十一節「心拠りし所 平の願い その光の道標」

~マ、マジか……~

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 ここまでに多くの出し物が招待客達を賑わせた。
 いずれもが予想もしていなかった事ばかりなだけに、料理を口に運ぶ暇すら無い。
 食べる事に集中していたのは精々ちゃなくらいなものだ。

 お陰で時が流れるのも早かった。
 気付けば大体の予定が終わり、あと残すは最後のイベントのみ。

 そう、誰しも待っていたものが遂にやってきたのだ。
 クリスマスプレゼント争奪、大ビンゴ大会の開始である。

 すると突如として、一人の男がステージ幕前に颯爽と現れる。

 全身白づくめのタキシードにマント、おまけにシルクハットとお洒落な格好。
 それでいて金の煌びやかなアイマスクを被り、正体は誰にもわからない。

 そんな謎のマスクマンがマイクを片手に振り上げて。
 早速とその声で会場を盛り上げる。

「皆様こんばんは。わたくし、ビンゴの為だけに徴収された謎のォ~マスクマンッ!! 司会を仰せつかりました。どうかよろしくお願いいたします」

 本気で誰だかわからない。
 勇どころか福留でさえも。
 本部に通う男性職員に「司会を探して欲しい」と頼んだら来た人物なもので。

 ちょっとその職員そのものに似ている気もするけれども。
 でもその職員さんは普段大人しい人なので、きっと別人なのだろう。

 ちなみにマイクはただのパフォーマンスだ。
 基本は地声をフロア一杯に響かせている。

「さて、今回の為に用意されましたのはこちら!! 豪華賞品の山々。これらは全て皆様の誰かへと渡る仕組みとなっております」

 そんなマスクマンが翼の如く両腕を拡げると。
 途端に背後の幕が開き、ステージ上に様々な商品がお目通りする事に。

 65V型液晶テレビ――4K対応の最新モデル。
 高級快眠マットレス――海外最高ブランド品で寝心地は最強。
 ドラム式洗濯乾燥機――最大容量でしかも自動洗剤投与式。
 Aパッド・プロリズムIII――最高峰のタブレット機、専用ペンも付属。
 高級肉シャトーブリアン――希少部位を使った至高の逸品。
 家族で行く温泉旅行券――あの秘湯で有名な温泉旅館の宿泊券。
 etc...などなど

 もちろんこれだけではない。
 その片隅に並ぶ商品達もまた喉から手が出る程に欲しい物ばかり。
 それも今の人数より多いのでは、と思える程にズラリと。
 まさに逸品目白押しだ。

 これには例え福留の知り合いであろうと声を唸らせてならない。
 ちょっとやそっとじゃ買えない物ばかりだから、誰しもがもう目を輝かせていて。
 特に大人はとても正直だ。

 高額商品ばかりに目が行って、始まる前からもう笑いが止まらない。

「もちろんハズレ無し! ここに居る皆様に必ず何かが当たるでしょう! そして早く当たったからといって、良い物が当たるとも限りませんッ!!」

「マ、マジか……」

「マジです!! 主催者は皆に等しくチャンスを与えてくださいました!! もちろんこのわたくしにもねッ」

 そんな時マスクマンが取り出したのは一枚のビンゴシートとビンゴマシン。
 何の変哲も無い、コンビニでも売ってるレベルのとても素朴な物だ。

 なお用意したのは勇自身。
 余りのしょぼさで、思わず赤面を覆う姿が会場後ろに。

 そのしょぼいビンゴシートがすぐさま全員へと配られる。
 アルライの子供達はそんな事関係無く喜んでいるけれども。
 彼等の様な遊び方を知らない人も教えて貰えるからきっと大丈夫だろう。

「ルールは簡単。これからこのビンゴマッスィーンで一つづつ番号をランダムに出します。そして同じ番号がシートにあったら穴を開けていくだけ。そして列が揃ったらビンゴォ!! 賞品獲得チャンス到来です。えぇ、とても一般的なビンゴルールですね。でも当たったらちゃんと叫んでください!」

 もちろんマスクマンからの簡単な説明も忘れない。
 何も知らない人がいるからこその配慮である。

「なお、出た番号は背後のスクリーンに都度表示されますのでお見逃しなく。あ、でも嘘で穴を開けちゃあだめだぞ?」

「「「はーい!!」」」

 どちらかと言えば、このゲームの主賓はアルライの子供達だ。
 このパーティは文化交流の一環でもあるので。
 賞品は別としても、彼等みたいな子達に遊んで欲しいというのが主な目的だから。

「なお、見事ビンゴを引き当てた当選者は、このボックスから一つボールを取り出してもらいます。そのボールに書かれた記号が賞品番号。該当する品物が貴方の手にィ!!」

 すると今度は一つの箱がスタッフより渡されて。
 マスクマンがふと手を入れ、小さな球が一つ取り出される。
 指で摘まめるくらいの小ささだ。

「これじゃあビンゴの意味が無い? いいえ、ここで運を発揮出来る者こそ大当たりの奇跡を引き当てるのです!! さすれば高額商品、あるいは目当ての物が手に入るかも!?」 

 その球を再び戻し、箱の中でジャラジャラとかき回す。
 公平に公平を重ねたダブルくじゲーム、その最後の下準備に。



「説明は以上。それでは誰に神が微笑むのか。クリスマスプレゼント争奪、大ビンゴ大会、開始しまぁす!!」

 
 
 果たして、高額商品を当てるのは誰なのか。
 どれだけの者が目当ての品を手に入れられるのか。
 子供達に明るい未来は待っているのか。

 こうして今、豪華賞品を賭けた大争奪戦が始まりを告げるのだった。


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