恋愛短編まとめ(現)

よしゆき

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息子の友達

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 息子の友達に告白されてエロい事をされる話。
 男子高校生×シングルマザー。




──────────────────






「ただいまー」という声が玄関から聞こえ、絢佳あやかはリビングからそちらへと向かう。

「おかえりなさい」

 玄関には、息子の瑛太えいたとその友達の成良せいらがいた。

「成良くん、いらっしゃい」
「お邪魔します、絢佳さん」 

 にこりと爽やかに微笑む彼の容姿は見惚れるほどに整っている。背も高くモデルのようにスタイルもいい。
 彼は瑛太の中学からの友達だ。その頃からよくうちに遊びに来ていた。高校生になった今も、同じ学校に通い、こうして変わらずつるんでいる。
 二人は瑛太の部屋へと入っていく。絢佳はキッチンへ移動し、グラスにジュースを注いだ。
 いつものように手作りのお菓子をお皿に並べようとして、ふと手を止める。
 絢佳はお菓子作りが好きで、作ったお菓子を成良が遊びに来た時に毎回振る舞っていた。
 しかし、あれくらいの年齢の男の子はスナック菓子の方が好きなのではないかと今更ながらに思い至る。いつも残さず食べてくれて、必ず美味しいと言ってくれるけれど。それはこちらに気を遣ってくれていただけかもしれない。
 そう考え、絢佳は棚からスナック菓子の袋を取り出した。
 そこで、成良がやってくる。
 最初の頃は用意したお菓子とジュースは絢佳が瑛太の部屋まで運んでいたのだが、いつからか成良がわざわざ取りに来てくれるようになった。

「あ、待ってね、成良くん」

 スナック菓子の袋を開けようとする絢佳を見て、成良はショックを受けたような顔をする。

「えっ……今日は、絢佳さんの手作りのお菓子じゃないんですか……?」
「ああ、うん。高校生の男の子は、こういうのの方が好きでしょう。ごめんね、今まで気づかなくて」
「そんな……俺、絢佳さんの作ったお菓子が好きです。絢佳さんの作ったものなら毎日食べたいくらいなのに……っ」

 身を乗り出し言ってくる成良に、絢佳は照れた。お世辞だとわかっていても、こんな風に言ってもらえると嬉しくなってしまう。

「ふふ……ありがとう。じゃあ、私のクッキーと両方用意するわね」
「絢佳さんの手作りだけでいいのに……」

 こちらを気遣ってくれる成良に笑顔を返し、絢佳はスナック菓子と今日焼いたクッキーを皿に盛った。
 ジュースとお菓子を持って、成良は瑛太の部屋に戻っていった。
 それを見送り、絢佳は洗濯物を取り込みにベランダへ出る。
 絢佳はシングルマザーだ。瑛太の父親とは、瑛太が産まれてすぐに離婚した。もともと彼とは恋人だったわけではなく、二十歳の時の高校の同窓会でお酒の勢いで体を重ね、子供ができたから結婚した。互いに恋愛感情もなかったのでうまくいかず、離婚へと至った。
 幸いだったのは、元旦那が裕福な家の子供だった事だ。お金の援助は惜しみなくしてくれた。そのお陰で、金銭面では苦労する事なく瑛太を育てられた。
 瑛太が一人立ちするまであと数年。息子が家を出ていけば、絢佳は一人きりになる。息子の成長は嬉しいが、やはり寂しいという気持ちは拭えなかった。






 ある日の事。パートが終わり、その帰りに絢佳はスーパーで買い物を済ませた。店を出ようとしたところで、雨が降っている事に気づく。大降りの雨だ。
 家を出る前に見た天気予報では確かに雨だったので、絢佳は折り畳み傘を持って家を出た。鞄からそれを取り出し、傘をさして家に帰る。
 帰り道、途中に大きな公園がある。中を通り抜けた方が近いので、絢佳はいつも公園の中を通って帰る。今日も同じように公園へと足を踏み入れた。
 強い雨に足元が濡れる。急ぎ足で公園を通り過ぎようとして、ベンチに座る人影が目に入る。
 こんな大雨の中、傘もささずにいたのでついじっと見てしまう。そして気づいた。その人影が息子の友達の成良である事に。

「成良くん……!?」

 絢佳は慌てて彼に近づく。既にびしょ濡れの彼を傘の中に入れた。
 成良は絢佳を見上げ、微笑む。

「絢佳さん……」
「どうしたの、こんなところで……。傘もささないで……こんなに濡れて……」

 雨宿りもせず、濡れたままベンチに座り続けるなんて普通ではない。もしかして彼に何かあったのだろうか。
 制服ではないという事は、一度家に帰ったのだ。それで家族と何かあったのか。家に帰れない事情ができたのか。
 とにかく、こんな状態の彼を放ってはおけない。

「うちに来て、成良くん。いくら夏でも、こんな雨が降ってるのに外にいるなんてダメよ」

 彼の腕を取り、立ち上がらせる。

「でも……」
「瑛太はバイトでいないけど……。ね、お願い、うちに行きましょう?」

 手を握り歩き出せば、彼は抵抗せずについてきてくれた。その事に、絢佳はホッと胸を撫で下ろす。
 一体何があったのだろう。心配だけれど、絢佳が干渉するべきではないのかもしれない。少なくとも、何か尋ねるなら家についてから。もっと落ち着いた状態でするべきだろう。
 そう考えて、絢佳は何も訊かずに彼を連れて家まで帰った。
 玄関に入り、「上がって」と促すけれど成良はそこから動かない。

「すみません……やっぱり俺、帰ります……」
「えっ……」
「こんな濡れた体で……迷惑になりますから……」

 そう言って身を翻そうとする彼の腕を掴んで引き止める。

「だ、ダメよ、そんな状態で……濡れたままじゃ風邪ひいちゃうわ」
「大丈夫ですから……」

 何かはわからないが、何かあったのだろう彼を一人にしてはいけない。そんな思いに駆られ、絢佳は必死に言葉を重ねる。

「お願いだから、お風呂に入っていって。その間に服を洗って乾かしておくから。ね、だから帰らないで」
「…………」

 絢佳はただただ彼が心配だった。息子の友達だというだけでなく、成良という人間に純粋に好意を抱いていたから。

「成良くん、ほら、上がって……っ!?」

 いきなり強く抱き締められ、絢佳は驚き目を見開いた。
 雨に濡れた彼の体が重なり、絢佳の衣服もじんわりと濡れていく。

「せ、成良くん……? あの、どうしたの……?」
「絢佳さんが悪いんですよ」
「え……?」
「俺なんかにそんな優しくするから……我慢できなくなっちゃうじゃないですか」
「え、なに……んんっ!?」

 言われた言葉の意味を尋ねようとしたところで、唇を塞がれた。
 目の前に成良の顔があり、キスをされているのだと自覚して混乱する。

「んっ……んん……っ」

 彼の胸を押して離れようとするけれど、背中に回された腕の力が強くて離れられない。

「せ、らく、やめっ……ぅんっんんんっ」

 口を開けば舌を差し込まれ、口づけは更に深くなる。口の中を蹂躙するように舐め回された。
 口腔内をねぶられる感覚に、絢佳はぞくぞくっと体を震わせた。上顎を舌先で擦られると、下腹部がじんじんと熱くなる。
 戸惑い、混乱しながら、体は熱を帯びていく。快感を得ている自分を絢佳は恥じた。

「んっ、はっ、ぁん……や、やめて、成良く……」

 どうにか顔を離せば、彼と自分の唇の間に唾液の糸が引く。その光景に、絢佳は堪らなく羞恥を感じた。

「はっ……絢佳さんの顔、真っ赤で可愛い……」

 熱っぽく吐き出された彼の言葉に、絢佳の顔は更に赤く染まる。

「や……どうして、こんな……」
「好きだから。絢佳さんの事、好きだから、ですよ」

 成良はまっすぐに絢佳を見つめ、言ってくる。

「か、からかわないで……っ」

 彼の瞳は真剣でからかいなど感じられなかったが、到底信じる事などできなかった。
 成良は瑛太の友達なのだ。息子ほど歳が離れた相手なのだ。容姿は完璧に整っていて、学校ではきっと人気者だろう。
 そんな彼が、親ほど歳の離れた相手に惚れるなんてあり得ない。絢佳は華やかさもなく、彼とは違って地味な容姿をしている。
 彼のような若くて美しい少年が、本気で絢佳を好きになるなんて。

「からかってなんかないですよ」
「う、嘘よ……。も、お願いだから、離して……。こんな事、私になんてしちゃダメよ……」
「俺は、絢佳さんだからしたいんです」
「んんっ……」

 再び唇を重ねられる。絢佳に思いをぶつけるように、激しく唇を貪られた。
 ぢゅるぢゅると卑猥な音を立てて舌を吸い上げられ、気持ちよさに体から力が抜けていく。やめさせなくてはならないのに、体に力が入らない。

「っは……んっ……っめぇ、成良、く、ぅんっ」

 流されてはいけないと思うのに、頭がくらくらして思考が霞む。

「……はぁっ……絢佳さんの顔、とろとろになってますよ……。可愛い……」

 どろりと情欲の滲む双眸に見つめられ、反射的に顔を背ける。

「っや……からかわないでって……っ」
「からかってないです。照れて真っ赤になってるの、ホント可愛い……」

 うっとりとした声音で囁き、赤く染まる絢佳の首筋を舐め上げる。
 ぬるーっと舌を這わされ、ぞくんっと肌が粟立つ。嫌悪や恐怖ではなく快感によるもので、自分のはしたなさに絢佳は泣きたくなる。

「おねが、あっ、だめっ、舐めちゃ……んんっ」
「んっ……絢佳さんの肌、おいし……」
「やんんっ」

 ぴちゃぴちゃと肌をねぶりながら、成良の手が絢佳の胸に触れた。柔らかな膨らみを衣服の上から揉み込まれる。

「だ、めぇっ……やめ、あっんっ、成良く、あっ、やめて……っ」
「はあっ……絢佳さんのおっぱい……ずーっとこうやって揉みたいって思ってたんですよ?」
「んゃっ、うそ、あっあっんんんっ」

 成良は首筋にちゅうっ強く吸い付き、絢佳の肌に痕を残していく。
 その感覚に首を竦めれば、彼はクスクスと艶っぽく笑う。

「感じやすくて可愛いです、絢佳さん」
「違っ……感じて、ない……」
「ホント? さっきから体びくびくってしてるのに?」
「あんっ……擽ったぃ、だけ……っ」
「擽ったいだけで、そんなエッチな声出ちゃうんですね」

 彼はうっそりと微笑みながら、絢佳の衣服のボタンを外していく。

「あっ、んっ、だめっ……」

 弱々しい抵抗など意味を成さず、簡単に衣服を乱される。
 ブラジャーに包まれた乳房を見つめ、成良は熱い吐息を漏らした。

「はあっ……絢佳さんの、おっぱい……」
「やっ、だめ、だめぇっ……」

 制止の声は無視され、ブラジャーをずらされた。ぶるっと揺れながら大きな膨らみが露になる。

「あはっ……ああ……はあっ、はあっ……絢佳さんの、乳首……」
「やあぁ……っ」

 情欲にまみれた瞳で凝視され、絢佳は強い羞恥に身を震わせる。

「見ちゃや……見ないで……」
「そんな酷い事言わないでください……。俺がどれだけ絢佳さんのおっぱい見たかったと思ってるんです?」
「や……し、知らな……」
「いっぱい見るし、いっぱい触って舐めてしゃぶって味わい尽くしますよ」
「ひゃっ、あっ、だめぇっ」

 成良は絢佳の胸に顔を近づけ、はむりとしゃぶりついた。
 音を立てて吸い付かれ、もう片方は掌で優しく揉みしだかれる。

「あっあっ、やめ、んんっ、だめっ、あぁっ、成良く、んぁあっ」
「はっ、んっ……絢佳さんのおっぱい、美味しい……はあっ……んっんっ」

 成良は瞳をとろんとさせ、本当に美味しそうに絢佳の胸をねぶり、甘噛みして吸い上げる。乳首を舌で舐め回し、指で挟んでくりくりと転がす。
 蕩けるような快楽に、絢佳は甘い声を上げ身悶えた。

「やめっ、あぁんっ、んっ、吸っちゃ、だめ、あぁっあっあっ」
「可愛い顔……。乳首、気持ちいいんですね」
「ちが、あっ、そんな……っ」
「違わないでしょう? そんな気持ちよさそうな顔で、さっきから腰をもじもじして……」

 指摘されて、カッと頬に血が上る。
 感じてしまうなんてあってはならないのに、絢佳の体は彼の与える刺激に悦ぶように反応し、下腹部に熱を蓄積させていく。脚の間から蜜が漏れ、下着はすっかり濡れてしまっていた。

「やっ……ごめ、なさ……っ」
「どうして謝るんです? いっぱい感じてくれて嬉しいですよ。もっともっと気持ちよくなってくださいね」

 艶然と微笑み、彼はその場に膝をつく。

「せ、成良く……っ」

 慌てて彼の行動を止めようとするけれど、間に合わずスカートを捲られる。パンスト越しにショーツを見られ、身を捩ろうとするけれどがっちりと押さえられて逃げられない。

「はあ……絢佳さん……」

 成良は恍惚とした顔で感嘆の溜め息を零す。絢佳の脚の間を凝視し、そのまま股間に顔を埋めた。

「ひっ、やっ、やだ、やめて……っ」

 狼狽え暴れる絢佳の腰に腕を回して押さえつけ、成良のその場で深く息を吸う。
 絢佳はあまりの恥ずかしさに卒倒しそうだった。

「やぁっ、成良くんっ……お願……やめてぇっ」
「はあっはあっ……絢佳さんのおまんこの匂い……っ」

 成良は興奮した様子でぐりぐりと顔を押し付けてくる。
 彼の鼻が布越しに秘所を刺激し、それは快感となって絢佳を苛んだ。

「やめっ、あっ、やあぁっ、成良く、んっ、顔、離してぇっ」
「嫌です。もっと堪能させてください。俺がどれだけ我慢してきたと思ってるんですか」
「あっあっ、やだぁっ、顔、押し付けないで……っ」
「ふふ……絢佳さんのおまんこから、くちゅくちゅってエッチな音聞こえてきますよ?」
「ぃやあっ、も、許して、んぁっ、こんな……恥ずかしいの……やめてぇ」

 やめてと言いながら、その声音はあまりにも甘く意味をなしていなかった。

「布越しでも濡れてるのがわかりますよ……。ん……おまんこの濃い匂いも……」
「んゃああっ、だめ、だめなのっ、お願いぃ、もうやめ、あっ、あっ」
「うん。俺も我慢できないんで、次は直接おまんこ弄らせてくださいね」
「やっ、だめぇ……っ」

 懸命に太股を閉じるけれど、あっさりとパンストと下着をずらされてしまう。

「おまんこから糸が引いて……あー、めっちゃエロい……」
「やっ、見ないで、見ないでぇっ」
「絢佳さんのぬるぬるのおまんこ……はあっ……すげー美味そう……」

 彼の熱い息が直接花弁にかかり、その刺激に新たな蜜が漏れてしまう。

「はーっ……見てるだけなのにどんどんぬるぬるになって……絢佳さんがこんなにエロかったなんて……ホント堪んないです」
「違っ……そんな……」
「何回も何回も何回も何回も想像してきたけど、やっぱり本物には敵いませんね」

 彼は艶を帯びた笑みを浮かべ舌舐めずりする。

「絢佳さんのぬるっぬるおまんこ、味わわせてくださいね」
「ひっ、や、だめ……!」

 顔を近づけられて身を引こうとすると、背中に壁が当たってそれ以上後ろに下がれなかった。

「ああぁ……っ」

 ぬめった感触が花弁を這い、絢佳は甲高い声を上げる。

「やっ、あっあっ、やめっ……汚い、からぁっ……あぁっんっ、だめ、成良くぅんっ」
「んっ……ふ……ああ、すごく美味しいです……絢佳さんの、おまんこ……はあっ、もっと……」
「ひあっあっ、あぁっ」

 ぺろぺろと好物を味わうように陰部を舐め回される。
 羞恥と快楽に絢佳は涙を流し身悶えた。

「すごい……どんどん濡れて……俺におまんこ舐められて気持ちいいですか?」
「んやぁっ、あっ、そんな、あっあっ、だめ、舐めないでぇ……っ」
「あは……俺におまんこ舐められて気持ちよくなってる絢佳さん、可愛い……っ」
「んああぁっ」

 成良は秘所に顔面を埋め、ぢゅるぢゅると卑猥な音を立てて蜜を啜る。
 彼を止めたいのに、体に力が入らない。絢佳の意思とは裏腹に膣穴からは止めどなく蜜が溢れ、強い快感に体が言うことを聞かない。

「んひっあっああっ、だめっ、お願い、んっあっあっ、もう、やめてぇっ」

 絢佳の訴えなど耳に入っていないかのように、彼は夢中で舌を動かし続ける。溢れる蜜を舐めて啜り、それだけでは足りないというように中にまで舌を伸ばしてくる。

「あぁっ、舌、入れちゃ、あっあっあっ、んんっ、中、舐めちゃやっ、あっんんんぅっ」

 蠢く襞をねぶり、味わい尽くそうとする成良の愛撫に絢佳の体は否応なく高められていく。

「おまんこヒクヒクして……イきそうなんですか、絢佳さん」
「んあっあっ、だめ、だめぇっ、もう舐めないでぇ……っ」
「ダメって言いながら、腰へこへこ動かしちゃって……ホントにエロくて可愛いです、絢佳さん」
「ひっあっあっ、やっ、も、やめてぇっ」
「ほら、イッていいですよ、イッてください、俺におまんこ舐められて絢佳さんがイくとこ見せて」
「ひあぁっ」

 激しく秘所を舐め回され、快感に内腿がビクビクと痙攣する。迫りくる絶頂から逃げる事はできず、絢佳はそこへと追い上げられていった。

「あっあっあっ、だめっ、あっ、いっちゃ、あぁっ、いく、いっちゃうぅっ、んはぁっあっあっ、だめ、あっあっあ~~~~~~っ」

 ガクガクと腰を震わせ、絢佳は絶頂を迎えた。目が眩むような強烈な快感に頭が真っ白になる。
 はあっはあっと荒い息を吐き絶頂の余韻に浸る絢佳を、成良は舐めるように凝視していた。

「あっはぁ……エッロいイき方……。顔も声もやらしくて、見てるだけでチンコ痛い」
「あっ……やっ……ごめ、なさ……」

 わけもわからず絢佳は謝罪の言葉を口にする。

「はー、可愛い……。ね、絢佳さん、もっとイッて。イくとこ俺にいっぱい見せてください」
「ひっ、やぁっ、もう、むり、やっあっあっ、やめっ」
「絢佳さんのクリ、触ってないのに膨らんで……ここもうまそ……いただきます」
「ひあっ、ああぁんっ」

 クリトリスをねっとりと舐め上げられ、達したばかりの体は過敏に反応を示す。  

「あっあっんんっ、あっ、だめぇっ、そこ、舐めな、でぇっ、あっひああっ」
「コリコリして、美味しい……んっ、絢佳さんはどこも美味しいですね」
「んぁ~~っ、あっ、~~~~っ」

 ぢゅるぅっと吸い上げられ、敏感になった体は簡単に絶頂を迎える。
 達したのに彼は口を離してくれず、クリトリスをしゃぶり続ける。小さな肉粒に余すところなく舌を這わされ、強すぎる刺激に甲高い嬌声が止められない。

「んあぁっあっ、やっ、もうだめぇっ、あぁっ、いった、いったの、あっあっあっ、いってるからぁっ、も、はなしっ、んあっ、あーっ」

 口の中に含まれたままクリトリスを舐め回され、絢佳は絶頂の波にとらわれる。溢れる蜜が内腿を伝い流れていく。

「~~~~っ、はっあっ、だめっ、もう……っ」

 何度目かの絶頂を迎えた時、ガクリと膝が崩れた。成良に支えられ、力の入らない体はそのまま廊下に横たわる。

「いっぱいイッてくれて嬉しいです、絢佳さん」
「んんっ……」

 だらしなく開いた唇に成良の舌が差し込まれる。強すぎる快感から解放され、甘いキスの感覚にとろりと思考が蕩けた。口腔内をねぶられる快楽に身を委ねてしまう。
 キスに酔いしれていると、彼の指が花弁に触れた。絢佳はビクッと反応する。

「んぁっ……」
「はあっ……絢佳さんのおまんこ、とろっとろ……」
「ひっ、あっ、うそ、指、入れちゃ……っ」

 ぬぷぬぷぬぷ……っと彼の指がゆっくりと胎内に侵入してくる。

「ぐちゅぐちゅに濡れてんのに、指一本でもきっつい……。よかった、誰ともセックスしてないんですね」
「っや……あっあっあぁっ」
「オナニーもしないんですか? 自分で指入れて、おまんこで気持ちよくなったりしてないんですか?」
「んあっ、そんな、しない……あっ、やめて、動かさないで、あっんんんっ」
「しないの? 絢佳さんの体、こんなにエッチなのに?」
「ああっあっ、そこ、擦っちゃ……んっあっあっ、だめぇっ」
「ここ、気持ちいいんですか? 擦るたびに中がきゅうきゅうって締め付けてきますよ」
「ひっ、んっあっ、やっ、だ、め……~~あっ」

 耳元で囁きながら、彼は絢佳の胎内を指で刺激する。
 敏感な箇所を何度も擦られ、中は蜜を漏らし収縮を繰り返す。

「きも、ちぃっ、あっあっ、だめぇっ」
「気持ちいいんですね……。可愛い……。腰が動いて、おまんこ指で擦られてこんなにぬるぬるにして……」
「ひぁっ、~~~~っ、んゃっ、いっちゃ……あぁっ、いく、あっあっ、んん~~~~っ」

 きつく中を締め付けながら、絢佳は呆気なく達してしまう。
 ヒクヒクと蠢動する膣内で、成良は指を動かし続ける。

「んぅぅっ、やっ、あっ、やめっ、あんっ、あっあっ、ゆび、やめてぇっ、ひぅっ、んぁっあっ、いくの、とまらなくなる、んんぁっ」
「おまんこ、柔らかくなってきましたね……。もう一本入れますよ」
「ひあぁっ……」

 二本目の指を挿入されても痛みはなく、寧ろ膣壁は喜ぶように蠢いた。

「おまんこ、ずっときゅんきゅんしてますね。俺の指に美味しそうにしゃぶりついて……チンコ入れたら気持ちよさそ」
「んっひっ、あぁっ」

 興奮したように熱い息を吐きながら、成良は絢佳の耳を舐め上げる。

「ひゃうぅっ、んぁっあっ、だめっ、だめぇっ」

 駄目だと口にしながら、絢佳の体は彼の与える快楽に溺れ、はしたなく乱れる。

「あー、ホント可愛いです、絢佳さん」
「っ、んっ、ん~~~~っ」
「あれ、可愛いって言われてイッたんですか? もー、可愛いすぎますよ」
「やっ、あっ、かわいく、ないぃっ、やぁっあっ、ひぅんんっ」

 ぴちゃぴちゃと耳朶をねぶり、成良は蜜口に入れた指を出し入れする。花弁は滴るほどに蜜を漏らし、指の動きに合わせてくちゅくちゅと水音を立てる。
 彼の言葉も彼のする事も全てが絢佳の羞恥心を煽り、同時にどうしようもなく興奮してしまう。
 自分がこんなにも快感に弱いのだと、絢佳は知らなかった。息子の友達である歳の離れた少年に、ろくな抵抗もできずこうも簡単にいいようにされてしまうなんて。
 恥ずかしくて情けなくて、のし掛かる罪悪感に泣きじゃくりたくなる。

「ひぁっあっ、やあぁっ、もう、やめて、あっ、こんなのだめぇっ」
「指だけで感じまくって、可愛い……。もう一本、入れましょうね」
「ひっ、~~~~っ」

 解された蜜口は、三本目の指も喜んで飲み込む。奥へと誘うように蠕動し、肉襞が指に絡み付いた。

「んやぁあっ、なか、ひろがっちゃ、あっあっ、ひあぁっ」
「はい。チンコ入るように拡げましょうね。絢佳さんが痛くないようにしっかりと」

 優しく微笑みながら、成良は容赦なく膣内を掻き回し快楽で絢佳を攻め立てる。
 体がビクビクと跳ね、剥き出しの乳房が揺れた。ぷるぷる動く膨らみに誘われるように成良はそこへ顔を近づけ、再び乳首にしゃぶりつく。

「ひっあっ、んっ、だめっ、なめちゃ、あっあっ、吸っちゃだめぇっ」

 背中を仰け反らせ快感に悶える。
 成良は乳首をねぶりながら、蜜にまみれた膣内を指で擦り拡げていく。
 断続的に快感を与えられ、絢佳の口からひっきりなしに喘ぎ声が漏れた。止める事もできずはしたない声を上げ続ける。

「やっ、あっ、──~~~~っ、ひっ、もうっ、やめっ、あぁっ、あ──っ」
「ん……絢佳さんのおまんこ、すっかり蕩けてきましたね。ずっとイきっぱなしだし、そろそろ大丈夫そうですね」
「んひぁあっ」

 指がゆっくりと抜かれていく、その刺激にも絢佳は身をくねらせる。

「絢佳さんのおまんこ、抜かないでって締め付けてくるのエロくて可愛いです」
「違っ、んんっ、~~~~っ、ひあっ」
「大丈夫ですよ。すぐにまた、指より太いの入れてあげますからね」

 ちゅぽっと卑猥な音を立てて抜かれた成良の指は、糸を引くほどに蜜でべっとりと濡れていた。それを視界に映した絢佳は羞恥に身を縮める。
 ぎゅっと目を瞑り顔を真っ赤にする絢佳を見下ろし、成良は恍惚とした表情で笑った。

「あっはぁ……可愛い絢佳さん、絢佳さんっ」
「あっ、やっ……だめっ」

 成良は急いた手付きで絢佳の下着とパンストを脱がせる。
 スカートは捲り上がり、覆い被さる彼に両脚を開かれた。
 絢佳の目の前で彼はズボンの前を寛げる。ずらした下着の中からぶるりと弾けるように飛び出したそれは、固く張り詰め腹につくほどに反り返っていた。

「ひっ……」

 長大なそれを目に映し、絢佳は思わず悲鳴を上げる。蜜で濡れそぼった膣穴に太い亀頭を押し付けられ、逃げるように腰を引く。

「やっ、だめ、だめっ、やめてっ」

 怯える絢佳を、成良はうっとりとした瞳で見つめる。

「絢佳さんのおまんこは、俺のチンコ欲しがってますよ。ほら……押し付けたらちゅうちゅうって吸い付いて飲み込もうとしてる」
「そんな、違う……あっ、だめ、入っちゃう……っ」
「ああ……絢佳さんのおまんこが俺のチンコの形に広がって……」
「だめぇっ、やめて……あっ、やっ、ああぁっ」

 ぬかるんだ隘路を押し拡げ、陰茎がぬぷぬぷと埋め込まれていく。
 内壁を圧迫され、擦り上げられる感覚は絢佳に強い快感をもたらした。ごりっと敏感な箇所を雁の部分で押し潰されれば、嬌声を上げ腰を浮かせる。

「ひっ、っ、あっ、~~~~っ」
「絢佳さん、大丈夫? 痛くない?」
「んぅっ、~~~~っ、あっひっ、~~~~っ、んんんっ」
「大丈夫そうですね。まだ半分しか入れてないのに、もう何回もイッて……。俺のチンコで気持ちよくなってる絢佳さん……めちゃくちゃエロくて可愛いです」
「まっ、待って……んひっ、いって、いってぅ、からぁっ、動かないで……あひぃっ、だめっ」
「俺も、絢佳さんのおまんこめちゃくちゃ気持ちいいです……。気持ちよくて、我慢できません」
「──~~~~ああぁっ」

 ずんっと腰を打ち付けられ、陰茎が奥へと捩じ込まれた。強烈な快感に襲われ、絢佳は背中を仰け反らせ絶頂を迎える。

「イッてる絢佳さんのおまんこ、ぎゅうって締まってスゲー気持ちいい……っ」
「ひんっんっ、ひぃあっ、いってる、とき、うごいちゃ、ああぁっ」
「イきっぱなしになっちゃいますか? ははっ……顔蕩けて気持ちよさそう」
「あひっひあぁっ、あっ、なか、こすれてっ、あぁっあっあ~~っ」

 ごりゅごりゅと太い楔に内壁を擦り上げられ、快楽の悲鳴を上げる。

「絢佳さん、ああ、夢みたいです、絢佳さんとセックスしてるなんて……っ」
「はんっ、んっ、んぁっ……ぅんんっ」

 開きっぱなしの絢佳の唇に、彼は貪るようなキスをしてくる。膣穴と同じように舌で口の中をぐちゃぐちゃに掻き回され、溢れた唾液が顎を伝って流れていく。
 激しくキスをしながら、成良は休む事なく胎内を突き上げる。
 まるで強く求められているような、そんなセックスははじめてで、体だけでなく心までぐずぐずに溶けてしまいそうだ。

「んぁっ、んっ、はぁっ……成良、くぅ……んっんっ」
「絢佳さん、可愛い、好き、大好きです、絢佳さん、絢佳さんっ」

 嘘でもそんな風に言われたら、どうしようもなく満たされていくのを感じる。嬉しくて堪らなくなってしまう。

「成良く、んっ、んっあっあっ」
「おまんこきゅんきゅんって動いて……俺のチンコにしゃぶりついてくるの、可愛い……っ」
「ひっあっあっん~~っ、あっんうぅっ」

 絢佳は成良にしがみつき、おかしくなりそうなほどの快感に耐える。
 ぎゅうぎゅうと締め付ける内襞を擦り上げながら、彼は何度も抽送を繰り返した。とちゅっとちゅっと最奥を突き上げられ、ぐりぐりと擦られる。
 絢佳は内腿を痙攣させ、もがくように足をかきながら何度も絶頂を迎えた。

「んひぃっあっ、きもちぃ、んあぁっ、~~~~っ、だめぇっ、あっ、~~~~っ」
「絢佳さん、好き、好き、絢佳さん、絢佳さん」
「ひっぃああっ、はげしっ、んっうっ、はっああぁっ」

 成良はきつく絢佳を抱き締め、ひたすらに内奥を穿つ。

「っ、はっ……出る……っ」
「あっ、~~~~っ、~~~~っ」

 一際強く奥を突かれ、深い絶頂に絢佳は目を見開く。
 搾り上げるようにうねる膣内へと、彼も精を吐き出した。
 互いの荒い息遣いだけが聞こえている状態が続き、やがて成良が上体を起こした。
 彼の頬は上気し、瞳は潤んでいる。見惚れるほどの色気を孕み、まっすぐに絢佳を見つめていた。
 不意に、彼の髪から雫がポタリと落ちる。
 そういえば、彼は雨に濡れていたのだということを思い出した。

「成良くん……お風呂、入って……そんなに、濡れたままじゃ……風邪引いちゃうわ……」

 絢佳の言葉に、成良は小さく笑みを零した。

「こんな状況でも、俺の心配してくれるんですね」
「それは……だって……」

 心配するのは絢佳にとって当たり前の事だ。

「じゃあ一緒に入りましょうね」
「えっ……わ、私はいいから、成良くん一人で……」
「絢佳さんも俺のせいで濡れちゃってますから、入らないとダメですよ」

 びしょ濡れの成良と抱き合った絢佳も、確かに濡れてしまっていた。
 体を離した成良は、まともに動けない絢佳を連れて浴室へと移動する。絢佳は断るけれど有無を言わせず裸に剥かれ、彼と一緒に風呂に入る事になってしまった。

「絢佳さんとお風呂とか……あー、めちゃくちゃ嬉しい」
「きゃっ、あっ、だ、だめ……っ」

 抱きついてくる成良から逃げようと、絢佳は身を捩る。結果、背後から抱き締められる事になってしまった。

「絢佳さんの体、すべすべで柔らかくてスゲー気持ちいい……はーっ、ずっと触ってたい」
「やっ、んっ、だめって、言って……」
「声、甘くなってますよ?」
「んんぁっ」

 ぬるーっとうなじに舌を這わされ、ぞくぞくっと背筋が震える。そのままちゅっちゅっと肌に吸い付かれ、蕩けるような快楽に飲まれていく。

「可愛い、絢佳さん」
「んゃっ……あっ」

 臀部に、固く熱いものが触れる。それが成良の勃起した性器だと気付き、腹の奥がきゅんと疼いた。膣穴からとろりと蜜が溢れる。
 心が追い付かないまま、体は彼の熱を求めてしまう。

「あぁんっ」

 にゅるっと花弁を剛直に擦られ、胎内がそれを欲しがり収縮を繰り返す。

「あ、すげ、絢佳さんのおまんこぬるっぬるで……」
「ひぁっ、だめっ……あぁっ、入って……っ」
「だって、絢佳さんが動くから……。チンコ欲しがるみたいに腰突き出して……入れてって言ってるようなもんですよ」
「ふあっあっ、あ──っ」

 挿入された陰茎を媚肉は悦んで受け入れ、更に奥へと誘い込む。

「絢佳さんのおまんこ、俺のチンコ好き好きって吸い付いてきて……めちゃくちゃ気持ちいい。柔らかいのにきつくて、とろとろで……ずっと入れてたいくらい」
「んぁああっ、あっ、成良、くぅっ、んんんっ、あっ、んうぅんっ」

 ぬぽっぬぽっと緩やかに膣内を擦られて、絢佳は快楽に酔いしれる。

「あうぅっんっ、~~~~っ、あっ、きもちい、あっあっ、だめぇっ」
「ダメダメって言いながら俺のチンコぎゅうぎゅうって締め付けて……可愛い」
「ひあぁっ」

 甘い声で囁きながら、成良は絢佳の耳をしゃぶる。
 体に回された彼の手が乳房を、クリトリスを弄りはじめ、絢佳は快楽の波に翻弄された。

「あっんんんっ、だ、めぇっ、そんな、しちゃ、ああっんっ、きもちぃっ、あっあ~~っ、きもちいいぃっ、あっひっ、成良くぅんっ」
「うん、俺も気持ちいいです……絢佳さんの中、すっごく気持ちいい……っ」

 抽挿が徐々に速くなっていく。ぱちゅっぱちゅっと音を立てて最奥を突き上げられ、絢佳は更に激しい快感に揉みくちゃにされる。

「ひあっあっ、ふかいっ、あっあっ、おくぅっ、あたって、ああぁっ」
「っ、奥、気持ちいい? ここ、ずんずんってするとおまんこ、すご……痙攣して……気持ちいい」
「~~~~っ、あっ、そんなに、されたら、あぁっあっ、おかしく、なっちゃ、んあぁっ」
「可愛い、可愛いです、絢佳さんっ、おかしくなっていいですよ、おかしくなった絢佳さん見たい」
「あっひぅんっ、だめ、だめぇっ、~~~~っ、あぁっ、せい、らくんんっ、ああぁっ」

 容赦なく奥を穿たれ、何度も絶頂へと追い上げられる。体を支える足は震え、縋りつくように壁に手をつく。
 今にもくずおれそうな身を後ろから抱き締め、成良は激しく絢佳を求めた。

「あっ、あ~~~~っ、つよいぃっ、んあっあっ、こわれちゃ、んぅっ、ひっ、~~~~っ」
「っ、出る、絢佳さんの中……っ」
「っ、────っ」

 蠢動する胎内に、熱い体液を注がれる。一滴残らず搾り取ろうとするかのように、肉壁が陰茎をきつく締め付けた。
 強く抱き締められ、腹の奥に精液を吐き出され、絢佳は確かに喜びを感じてしまっていた。





 風呂から上がった絢佳は成良とリビングに移動した。彼をソファに座らせ、絢佳はテーブルを挟んだ正面の床に座る。

「絢佳さん、床じゃなくてこっちに座ってくださいよ」

 成良は自分の隣をポンポンと叩く。しかし絢佳は断った。不用意に近づくのは危険だ。
 彼の様子を窺えば、見てわかるほどに上機嫌だった。ニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべ、幸せの絶頂という空気を醸し出している。
 ふと疑問に思う。彼は何か思い悩んでいたのではなかったのか。だから大雨の中、傘もささずに外にいたのではないのか。
 しかし今の彼を見ると、悩みなど微塵もなさそうだ。

「あの、成良くん……訊いてもいい……?」
「何ですか、絢佳さん?」

 彼は無駄に色気を振り撒き微笑みかけてくる。色気に当てられないよう絢佳は気を引き締める。

「言いたくなかったら、言わなくてもいいんだけど……。どうして外にいたの? あんなに雨が降ってたのに……」
「ああ……」

 訊かれた成良は照れたように頬を染めた。絢佳が思っていたような深刻な雰囲気ではない。

「ほら、好きな人に無性に会いたくなる時ってあるじゃないですか」
「……はあ」
「俺、どうしても絢佳さんに会いたくなっちゃって」
「え……?」
「でも瑛太はバイトで、家にお邪魔する理由がなくて……だから、絢佳さんを待ち伏せしようと思って。パートの帰り、あの公園を通るでしょう? 偶然を装って絢佳さんに声をかけようとしてたんですよ」
「…………」
「待ってる途中で雨が降ってきて……傘を取りに帰ってる間に絢佳さんが行っちゃって会えなくなったら嫌だから仕方なくそのまま待ってたんです」
「…………えっ、それだけなの? それであんな大雨の中、傘もささずに外にいたの……?」
「それだけって……俺にとっては大事な事ですから。雨に濡れるよりも、絢佳さんに会う事の方がよっぽど」

 てっきり何か、酷く落ち込むような事でもあったのだろうと思っていたのに。全くの勘違いだったらしい。彼は何も言っていないし、絢佳が勝手に何かあったのだと思い込んでしまっただけだったのだ。

「ただ少し顔を合わせたかっただけで、家に上がるつもりはなかったんですよ。でも絢佳さんが心配してくれるのが嬉しくて……ついつい付いていっちゃって……でも絢佳さんと家に二人きりになんてなったら自分を抑えられる自信がなくて……だからやっぱり帰ろうとしたのに、絢佳さんが必死に引き止めてくれて……」
「それは……」

 彼が何か深刻な悩みを抱えてるのだと思ったからだ。放っておけなかったのだ。違うとわかっていても、あんなびしょ濡れの状態で帰すのは気が引けただろうが。

「俺の事本気で心配してくれる絢佳さんが可愛くて、我慢できなくなっちゃいました」

 成良はてへっと笑うが、「我慢できなくなっちゃいました」で済む話ではない。
 今更ながら、なんて事をしてしまったのだろう。
 深い自責の念にとらわれていると、いつの間にか隣に来ていた成良に抱き締められる。

「せ、成良くんっ、だめって言ってるのに……っ」

 離れようとするが、その前に強く彼の腕に閉じ込められる。

「俺、本気で絢佳さんの事が好きなんです」
「そん、な……こと……」

 あるはずがない、と否定しようとするのを遮られた。

「めちゃくちゃ好きです。どうしようもなく会いたくなっちゃうくらい絢佳さんの事が好きです」
「私、なんか……成良くんよりもずっと年上で……」
「うん。でも好きです。そんな事どうでもいいくらい」
「っ、…………」

 否定の言葉を口にしようとするけれど、きつく抱き締められて咄嗟に声が出なかった。

「信じてもらえないの、悲しいです……。こんなに絢佳さんの事、好きなのに……」
「成良くん……」

 何を言うべきかわからず戸惑っていると、玄関のドアが開く音が聞こえた。絢佳はビクッと肩を竦め、慌てて成良から離れようともがくが彼の腕から抜け出せない。
 じたばたしている間に「ただいま」という声と共にリビングのドアが開いた。
 友人に抱き締められている母。母を抱き締めている友人。二人の姿を見て、瑛太は一瞬動きを止めた。

「えっ、瑛太、違うの、これは……っ」

 慌てふためく絢佳だが、息子の反応は思っていたのと違った。

「何、成良、やっと告白したのか?」
「うん。遂に俺、絢佳さんと結ばれたんだ」
「えっ!? 違っ、結ばれてなんて……っ。というか瑛太、この状況を見てどうしてそんなに落ち着いて……」
「だって俺、前から知ってたし。てか毎日聞かされてるし。成良がどんだけ母さんの事が好きなのか」
「ええ!?」
「寝顔の写真欲しいだの、ご飯食べてる写真欲しいだの、料理作ってる後ろ姿の写真欲しいだの、母さんの一日の動向を動画で撮って送れだの、洗濯前のパンツ盗んでこいだの、毎日マジでウゼーしキメーからとっととくっついてほしいんだけど」
「そんな言い方酷くない? 俺の純粋な恋心をウザイだのキモいだの」
「どこが純粋なんだよ」

 心底呆れたように言い、それから瑛太は呆然と言葉を失っている母に視線を向ける。

「そういうわけだから、俺は別に反対とかしないから。母さんの好きにしたらいいよ。付き合うなり結婚するなり」
「なっ……何言って……成良くんとそんな事、できるわけ……」
「何で?」
「な、何でって……」
「まあ、ソイツ相当キモいから、そこは覚悟しといた方がいいと思うけど」
「キモくないから! 絢佳さん、瑛太の言うこと信じないでくださいね! 俺全然キモくないですから! たまに落ちてた絢佳さんの髪の毛持って帰ったり、こっそり絢佳さんとの会話録音したり、絢佳さんの残り香を堪能したり、絢佳さんの触れたお皿やコップを舐め回したりしますけど」
「キッショ……」
「キショくない! 絢佳さん、俺は純粋に絢佳さんの事が好きなだけですからね!」
「…………」
「引かないで、絢佳さん……!!」
「引くだろ、普通。ドン引きされて出禁レベルのキモさだぞ」
「やだやだやだ! 嫌わないで絢佳さん! 絢佳さんに会えなくなったら俺死んじゃうぅー!!」

 わあっと泣きついてくる成良をちょっと可愛い、と思ってしまう自分も相当重症かもしれない……と絢佳は思った。




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 読んで下さってありがとうございます。



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