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「おはよ、お婆ちゃん、ミー」
「拓ちゃんおはよう。昨日遅くなったの?大丈夫だった?」
「うん。そんなに遅くならなかった。また高輪が家の前まで送ってくれたよ」
「そう。一度ご挨拶とお礼がしたいわ」
「本当だね」
「高輪さん、どちらにお住まいなの?」
「あ。聞いてない。近いと思うんだけど」
「そうなの?」
同じ方向だよといつも言っていたが、具体的に聞いていなかった。言われても、都内に詳しくないからわからないかも知れない。
「今度、聞いてみる」
「お一人暮らし?」
「実家だと思うんだけど?」
「そう。それだと、うちにご飯食べにいらして、なんていうお誘いは出来ないわね」
「そうかも。何かお礼したいって、聞いてみるね」
「そうね。朝ご飯出来てるわよ。食べる?」
「ありがとう、食べる」
もう祖母は先に食べてしまったようだが、僕にお味噌汁とおかずを残してくれていた。ご飯をよそって、温めてくれたお味噌汁とおかずをいただく。
食後は、ミーと猫じゃらしで遊んで(ミーにすれば、僕が彼女に遊んで貰っていると思っている)、お婆ちゃんとお茶を飲みながらのほほんとテレビを見てだらけていた。
「拓ちゃん、会社に慣れて良かったわね」
「そうだね。いいひとばかり。会社の福利厚生も給料も良いし、お婆ちゃんのお陰で貯金できてるよ。ありがとう」
「良かったわね。拓ちゃん、結婚はしないの?」
あれ?昨日に続いて結婚の話題が多いな。そういうお年頃なんだろうか。
「僕には、そんなご縁はないんじゃない?」
「どうして?こんなに可愛くていいこなのに」
「男オメガだよ?中高なんて、避けられてたよ?」
「あら、みる目が無いか恥ずかしかったんじゃないかしら?」
「僕なんか普通の家庭で、オメガっぽい美形でもないし。ちゃんと働いて頑張って生きないと」
「そうかしら。見ていてくれる人はいると思うわよ?お婆ちゃん、お見合い頼んで来ましょうか?お知り合いの奥様がお見合いをまとめるのがご趣味なの」
「良いよ。気にしないでね。それより、そろそろ食材買い出しに行こう」
「ありがとう。荷物持ちしてくれるのね」
祖母と買い物をして、のんびりミーと遊んで、常備菜を作ったりスーツをクリーニングに出したり。暇が出来たらのんびり動画を見て過ごす。
毎日が平和に過ぎていく。僕には、波乱万丈や大恋愛なんてドラマは似合わないのだ。のほほんと生きて真面目に仕事をして、たまに高輪にドキドキして。
「品川君、ごめんなさい。契約書を間違えて持ってきてしまったの。多分デスクにあると思う。そちらのほうを届けに来てくれないかしら」
出先から、ベテランのアルファ女性営業社員の並木さんが電話を掛けて来た。その方の事務を主に行っている担当者はインフルエンザで休んでいる。いま動けるのは僕しかいない。
「はい、わかりました。社名の入った白い封筒で宜しいですか?」
「中身確認してくれる?C社との契約書?」
「はい。確かに」
「会社の前のタクシーで、C社までお願い。ビルの前で待ってるから。本当にごめんなさい」
「わかりました。直ぐに出発します」
課長に報告してから、その封筒と自分のコート、荷物を持って出た。運良くタクシーが直ぐに捕まった。
「お待たせしました」
「ありがとう!本当に助かったわ」
「良かったです。僕、帰社して良いですか?」
「もちろん、タクシー使ってくれて良いからね。後でお礼するわね」
C社のガラス張りの入り口から、それを見ていた人がいるとは気付いていなかった。
僕が帰社して仕事をしていると、しばらくして並木さんも帰って来た。僕を拝むみたいに手を合わせて言った。
「品川君。ごめんなさい。一度、C社の担当者さんと常務さんと食事をしようって話になったんだけど、同席して貰えないかしら。もちろん、バースの事があるから無理ならそう説明するわ」
「え?どうして僕なんですか?」
「さっき、書類届けに来て貰ったでしょう?アルファで独身の常務さん、御曹司なんだけど。品川君を見初めてしまったようなの」
「え?僕、お会いしてないですよね?僕はちょっと…。申し訳ありません。知らない方とお食事は…うまく対応出来なくて失礼になってしまうと困りますし」
「そうよね。当社の規定で、無理だって説明するわ。ごめんなさい」
「いえ...」
「並木さん」
「あ、高輪。おかえり」
「高輪君…」
高輪が、並木さんの耳元に近づき、話しかけた。
「今少し話が聞こえて来ました。宜しければ会議室でお話を伺えませんか?」
「ええ、わかったわ」
アルファ同士、女性だが大先輩の並木さんに対して高輪がとても冷たい顔で言った。失礼にならないか。並木さんが顔を青ざめてしまったでは無いか。
「ちょっと、高輪…」
「大丈夫だから。品川は仕事を続けて?」
高輪と並木さん、二人で小会議室に入ってしまう。大丈夫だろうか。なんだか高輪が怒っている様子だった。
常務さんとやらには会ったことも見たこともないし、食事なんて行きたくない。
並木さんも、断ってくれると言ったし、取引先から言われてしぶしぶ僕にも伝えたって感じだったから、ハラスメントとかではない。
ハラハラしながら、小会議室のドアを時折見つつ、キーボードを打つ。あっ、ミスタッチしちゃった。仕事にならないよ。
「高輪。並木さん」
「大丈夫だよ?」
「ええ。ごめんなさいね、二人とも。ちゃんとお断りしておきます」
「はい、わかりました。何だか?すみません?」
「いいえ。本当にごめんなさい。契約は取れたのよ。大丈夫よ」
「そうですか?」
並木さんが自分のデスクのほうに戻って行った。契約が取れたなら、何か仕事の指示がありそうな物なのに?と思うと、他の営業事務の人に頼んでいるみたいだった。
「高輪、何を話したの?後で教えて?」
「今夜、業務後に話そう」
「うん、わかった。定時目指して終わらすよ」
「ああ。俺も急ぐ」
二人でカタカタとキーボードを打つ。さっきよりだいぶ落ち着いて早く打てる。よし、もう少しだ。
「終わったよ?高輪は?」
「あと少し。待っててくれる?」
「うん」
「出来た。終わり。お待たせ」
「出ようか?」
二人で会社を出た。食事をしながら話そうかというと、多分長くなるから出来たら自分の家に来て欲しいという。
「高輪の家?そうだ。聞いてなかったよ、どこに住んでるの?実家?一人?妹さんがオメガだって言ってたよね?」
「俺は今は一人暮らしだ。妹はオメガで短大生。大学の直ぐそばにあるオメガ専用学生マンションに住んでる」
「実家は都内じゃないの?」
「都内だよ。妹は婚約していて、もうすぐ結婚するんだ。一人暮らしを経験しておきたいって、学生マンションに住んでいる」
「へえ。そうなんだ」
「俺の部屋で良い?」
「うん。良いよ」
デパ地下で食品を見繕って、タクシーに乗った。
「近い?」
「ああ」
都内の地図は頭に入っていないのだが、それでも直ぐだと思った。会社の近くの大きなタワーマンション。
「すごい」
「まあ、親の持ち物だ」
惣菜を手にコンシェルジュさんの居るエントランスを通り抜ける。お帰りなさいませ、とか言われていた。ペコリと頭を下げてみたが、不審者と思われないだろうか?
エレベーターで高層階に昇る。降りると、ドアが一つだけ。
「もしかして、ワンフロア全部、部屋?」
「ああ。そう」
中は玄関だけで、家のリビングかと思うほど広い。シューズクロークがあって、靴が出しっぱなしということもない。
広いリビングからは、大きな窓越しに東京が広がっている。地方出身者には、ドラマに出てくる景色みたいでびっくりだった。
「拓ちゃんおはよう。昨日遅くなったの?大丈夫だった?」
「うん。そんなに遅くならなかった。また高輪が家の前まで送ってくれたよ」
「そう。一度ご挨拶とお礼がしたいわ」
「本当だね」
「高輪さん、どちらにお住まいなの?」
「あ。聞いてない。近いと思うんだけど」
「そうなの?」
同じ方向だよといつも言っていたが、具体的に聞いていなかった。言われても、都内に詳しくないからわからないかも知れない。
「今度、聞いてみる」
「お一人暮らし?」
「実家だと思うんだけど?」
「そう。それだと、うちにご飯食べにいらして、なんていうお誘いは出来ないわね」
「そうかも。何かお礼したいって、聞いてみるね」
「そうね。朝ご飯出来てるわよ。食べる?」
「ありがとう、食べる」
もう祖母は先に食べてしまったようだが、僕にお味噌汁とおかずを残してくれていた。ご飯をよそって、温めてくれたお味噌汁とおかずをいただく。
食後は、ミーと猫じゃらしで遊んで(ミーにすれば、僕が彼女に遊んで貰っていると思っている)、お婆ちゃんとお茶を飲みながらのほほんとテレビを見てだらけていた。
「拓ちゃん、会社に慣れて良かったわね」
「そうだね。いいひとばかり。会社の福利厚生も給料も良いし、お婆ちゃんのお陰で貯金できてるよ。ありがとう」
「良かったわね。拓ちゃん、結婚はしないの?」
あれ?昨日に続いて結婚の話題が多いな。そういうお年頃なんだろうか。
「僕には、そんなご縁はないんじゃない?」
「どうして?こんなに可愛くていいこなのに」
「男オメガだよ?中高なんて、避けられてたよ?」
「あら、みる目が無いか恥ずかしかったんじゃないかしら?」
「僕なんか普通の家庭で、オメガっぽい美形でもないし。ちゃんと働いて頑張って生きないと」
「そうかしら。見ていてくれる人はいると思うわよ?お婆ちゃん、お見合い頼んで来ましょうか?お知り合いの奥様がお見合いをまとめるのがご趣味なの」
「良いよ。気にしないでね。それより、そろそろ食材買い出しに行こう」
「ありがとう。荷物持ちしてくれるのね」
祖母と買い物をして、のんびりミーと遊んで、常備菜を作ったりスーツをクリーニングに出したり。暇が出来たらのんびり動画を見て過ごす。
毎日が平和に過ぎていく。僕には、波乱万丈や大恋愛なんてドラマは似合わないのだ。のほほんと生きて真面目に仕事をして、たまに高輪にドキドキして。
「品川君、ごめんなさい。契約書を間違えて持ってきてしまったの。多分デスクにあると思う。そちらのほうを届けに来てくれないかしら」
出先から、ベテランのアルファ女性営業社員の並木さんが電話を掛けて来た。その方の事務を主に行っている担当者はインフルエンザで休んでいる。いま動けるのは僕しかいない。
「はい、わかりました。社名の入った白い封筒で宜しいですか?」
「中身確認してくれる?C社との契約書?」
「はい。確かに」
「会社の前のタクシーで、C社までお願い。ビルの前で待ってるから。本当にごめんなさい」
「わかりました。直ぐに出発します」
課長に報告してから、その封筒と自分のコート、荷物を持って出た。運良くタクシーが直ぐに捕まった。
「お待たせしました」
「ありがとう!本当に助かったわ」
「良かったです。僕、帰社して良いですか?」
「もちろん、タクシー使ってくれて良いからね。後でお礼するわね」
C社のガラス張りの入り口から、それを見ていた人がいるとは気付いていなかった。
僕が帰社して仕事をしていると、しばらくして並木さんも帰って来た。僕を拝むみたいに手を合わせて言った。
「品川君。ごめんなさい。一度、C社の担当者さんと常務さんと食事をしようって話になったんだけど、同席して貰えないかしら。もちろん、バースの事があるから無理ならそう説明するわ」
「え?どうして僕なんですか?」
「さっき、書類届けに来て貰ったでしょう?アルファで独身の常務さん、御曹司なんだけど。品川君を見初めてしまったようなの」
「え?僕、お会いしてないですよね?僕はちょっと…。申し訳ありません。知らない方とお食事は…うまく対応出来なくて失礼になってしまうと困りますし」
「そうよね。当社の規定で、無理だって説明するわ。ごめんなさい」
「いえ...」
「並木さん」
「あ、高輪。おかえり」
「高輪君…」
高輪が、並木さんの耳元に近づき、話しかけた。
「今少し話が聞こえて来ました。宜しければ会議室でお話を伺えませんか?」
「ええ、わかったわ」
アルファ同士、女性だが大先輩の並木さんに対して高輪がとても冷たい顔で言った。失礼にならないか。並木さんが顔を青ざめてしまったでは無いか。
「ちょっと、高輪…」
「大丈夫だから。品川は仕事を続けて?」
高輪と並木さん、二人で小会議室に入ってしまう。大丈夫だろうか。なんだか高輪が怒っている様子だった。
常務さんとやらには会ったことも見たこともないし、食事なんて行きたくない。
並木さんも、断ってくれると言ったし、取引先から言われてしぶしぶ僕にも伝えたって感じだったから、ハラスメントとかではない。
ハラハラしながら、小会議室のドアを時折見つつ、キーボードを打つ。あっ、ミスタッチしちゃった。仕事にならないよ。
「高輪。並木さん」
「大丈夫だよ?」
「ええ。ごめんなさいね、二人とも。ちゃんとお断りしておきます」
「はい、わかりました。何だか?すみません?」
「いいえ。本当にごめんなさい。契約は取れたのよ。大丈夫よ」
「そうですか?」
並木さんが自分のデスクのほうに戻って行った。契約が取れたなら、何か仕事の指示がありそうな物なのに?と思うと、他の営業事務の人に頼んでいるみたいだった。
「高輪、何を話したの?後で教えて?」
「今夜、業務後に話そう」
「うん、わかった。定時目指して終わらすよ」
「ああ。俺も急ぐ」
二人でカタカタとキーボードを打つ。さっきよりだいぶ落ち着いて早く打てる。よし、もう少しだ。
「終わったよ?高輪は?」
「あと少し。待っててくれる?」
「うん」
「出来た。終わり。お待たせ」
「出ようか?」
二人で会社を出た。食事をしながら話そうかというと、多分長くなるから出来たら自分の家に来て欲しいという。
「高輪の家?そうだ。聞いてなかったよ、どこに住んでるの?実家?一人?妹さんがオメガだって言ってたよね?」
「俺は今は一人暮らしだ。妹はオメガで短大生。大学の直ぐそばにあるオメガ専用学生マンションに住んでる」
「実家は都内じゃないの?」
「都内だよ。妹は婚約していて、もうすぐ結婚するんだ。一人暮らしを経験しておきたいって、学生マンションに住んでいる」
「へえ。そうなんだ」
「俺の部屋で良い?」
「うん。良いよ」
デパ地下で食品を見繕って、タクシーに乗った。
「近い?」
「ああ」
都内の地図は頭に入っていないのだが、それでも直ぐだと思った。会社の近くの大きなタワーマンション。
「すごい」
「まあ、親の持ち物だ」
惣菜を手にコンシェルジュさんの居るエントランスを通り抜ける。お帰りなさいませ、とか言われていた。ペコリと頭を下げてみたが、不審者と思われないだろうか?
エレベーターで高層階に昇る。降りると、ドアが一つだけ。
「もしかして、ワンフロア全部、部屋?」
「ああ。そう」
中は玄関だけで、家のリビングかと思うほど広い。シューズクロークがあって、靴が出しっぱなしということもない。
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