【完結】恋人から試し行動され続けるけど僕の愛は揺らがない。

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恋人の言葉を信じる ※R18

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    外から僕たちの部屋に明かりがついているのを確認し、ウォーレンが先に帰っていることに安堵する。玄関を開けようとして手をかけたドアノブが、先に勢いよく開かれ、中から焦ったような顔のウォーレンが出てきた。

「ロナ…!」
「ただいま、ウォーレン」
「先に帰ってるはずの君がいなくて、焦って今から探しに行こうとしてたんだ。良かった……こんな時間までどこにいたの?」
「中に入ってから話そう」

    どうやら僕が帰ってくる数分前にウォーレンは着いたようだ。カーティス様の馬車に乗ってるところと鉢合わせなくて良かったなとやましいことはないはずなのに胸を撫で下ろした。
    コートを脱いで制服の上着を脱ぐ。まだ温まりはじめたばかりの室内はシャツ一枚だと少し肌寒いが、ウォーレンがココアを入れてくれてその甘さと熱さにホッと息が溢れた。

「ココア、ありがとう」
「いや…ロナ、勘違いだったら謝るけど、カーティス王子と一緒にいた?」
「すごい、よく分かったね」
「彼の匂いがロナからしたからね…でもこんな時間まで一緒にいたの?」
「道に迷ってたところを偶然カーティス様の馬車が通りかかって送ってもらったんだ」

    暗い表情で瞳の奥に嫉妬の炎を燃やしながら聞かれた問いに正直に答える。やはり、ウォーレンの態度は僕への愛をはっきりと感じられ、疑いようもなかった。

「道に迷った?すぐに帰ったんじゃないのかい?どこに行ってた?誰と会ってた?」
「落ち着いて、ウォーレン。いつも通り騎士団の敷地を出て寮に帰ろうとしたら、アーバント家のご令嬢にお茶に誘われたんだ」
「…セリーヌ嬢に?」
「うん。話があるから馬車に乗るよう言われて、アーバント家に連れていかれたんだけど…」
「何を聞いた?」

    ココアが入ったマグカップを持つ手とは反対の腕を掴まれ、思いの外強い力に彼からじりじりとした焦りを感じる。声には、緊張がのっていた。
    ここで隠すのもおかしな話だし、もしかしたら理由を話してくれるかもしれないと期待を込めて僕は聞いた話をありのまま話すことにした。

「ウォーレンとアーバント様が婚約したって聞いた。婚約証書も見せられたよ。僕の見間違えでなければしっかりウォーレンのサインも書かれてたね」
「ロナ…!違うんだ、それには訳が…」
「うん、分かってるよ。何か理由があるんでしょ?僕には話せない?」

    狼狽の色を隠せないウォーレンに向かって安心させるように微笑みながら期待の眼差しを向ける。しかし彼は、ぐ、と言葉を詰まらせ、瞬きを多く繰り返しながら視線を逸らした。

「すまない…理由は訳あって話せないんだ。でも誓って、俺はロナだけを愛しているしロナを裏切るようなことは何一つしていない!」
「…そっか、分かったよ。僕はその言葉を信じてすべて終わるまで待ってるよ。ただウォーレンが一人で抱え込んでいないかだけが不安なんだ」
「俺は大丈夫だ。ロナが信じて待ってくれているなら、それだけで頑張れる」
「危険なことはなるべくしないでね…?常に無事で帰ってきてほしい」
「もちろんだ」

    僕に話してしまうと、騎士団の上層部だけが知る機密情報に触れてしまうんだろうと予測をつけてすんなりと引き下がる。
    次期騎士団長と言われている彼と、ただの一員でしかない僕は、今後もこうして共有出来る話が減っていくのだろうなと寂しく思う気持ちは止められない。しかし僕は、言いたくても言えない彼の気持ちも汲み取れる、良い恋人でありたい。

「…カーティス王子とは、どんな話を?許可はもらった?何かされてないよね?」
「あ…聞いてなかった。でも他愛もない話だけだよ。本当に何もないから安心して」
「そう…ならいいんだ」

    険しい眉が少し解かれて安堵の表情を見せたウォーレン。結婚式、というワードには確かに胸がざわついたが、僕はカーティス様の言葉ではなくウォーレンの言葉を信じると決めた。
    だから例えカーティス様の言っていたことが現実になろうとも、僕は胸を張って堂々としていられるように自分をコントロールするだけだ。

「本当は先に僕が帰ってきて晩御飯の用意をするはずだったのに出来なくてごめんね。お腹空いたし、早く作って食べよう」
「…ロナ」
「ん?何が食べたい?」
「ロナ」

    お腹がかすかに、くぅーっと情けない音を発するのを誤魔化すためにソファから立ち上がろうとしたところで、ウォーレンに腕を引っ張られて簡単にソファの上に戻される。そしてそのまま押し倒され、早急なキスをされた。

「んっ…」
「ロナが食べたい」

    熱いキスの合間に腰に響くような声で囁かれ、空腹なのも忘れてずくんと下半身に熱がたまる。何度も角度を変えてキスをされながら、僕の身体をまさぐる手付きは何かに追われているようで、いつもより忙しなかった。

「あっ、ウォーレン…先にお風呂…」
「確かに君から王子の匂いがしてるのは許せないけど…早く俺の匂いで上書きしないとね」
「はぁ…アッ」

    首筋を吸われた後、シャツのボタンを手際よく外され乳首に唇を落とされる。乳輪を舌の先でくるくると嬲られ、もどかしい刺激に腰が揺れた。彼のものも既に固く主張しているのを太股で感じる。
    乳首の先をジュッと思いっきり吸われ、コリコリと歯で甘噛みされると全身が震える。その間にもズボンを脱がされ、下着の上から左手で竿を擦られた。

「あぁん…!ッ、は…ぁ」
「ロナ…君は僕のものだよ。それを絶対に忘れるな」
「うん…ッ、わかってるよ」
「あぁロナ…俺のロナ」

    何度求めても飢えが去らないとでも言いたげに、ウォーレンは執拗に僕の名前を呼びながら僕の身体を拓いていく。

「…や、ああぁ!」
「ロナ…君をずっとこうして犯していたい…ずっとこうしていたい…」

    熱が迸る大きくてかたいペニスで僕の中心を貫きながら、彼は切望するような小さな声で呟いた。僕はただ彼の背中にしがみつきながら押し寄せる快感に頭をくらくらさせていた。

「君を孕ませることが出来たらどんなに…」

    最後に呟かれた彼の声はあまりにも消える前の灯のようで、僕の耳には届かなかった。


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