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第二章
マリアベル 流行を作る
しおりを挟むマリアベルは女子に囲まれていた。
決してイジメではない。
ミサンガの作り方を教えて欲しいとお願いされていたのだ。
うーん、タダで教えてもいいのかなぁ?
取り敢えずガブリエルからお祖父様に連絡を取ってもらおう。
お祖父様の指示で、
糸の色の注文をこちらで取る事。
糸をお渡しする時に糸代としてお金をもらう事。
そして、集団で編み方を教える事。
教えるのは一番簡単な編み方にする事
この四つの指示を受けた。
5人のお嬢様がら是非ミサンガを作ってみたいとお願いされた。
[マリアベル様がランディ様にミサンガを贈られた。]
という事から、好きな方にミサンガを贈りたい、という御令嬢が出て来たのだった。
ガブリエルが糸の注文を取ってくれた。
そして放課後に喫茶室でミサンガ教室を行う事になった。
皆様、糸の色は思う相手の髪や目の色を選んでいるようだ。
初心者なので所要時間は3,4時間を目安にしたので、教えるのは二週に分けた。
最初の一週目の目標は本体を編む事
皆んな黙々と編んでいく。
編むのに慣れて来た頃、皆の口が軽くなって来た。
「わたくし、思い切ってお願いしてみてよかったですわ!」
「マリアベル様は近寄り難い雰囲気がございましたが、学園祭の舞台を拝見して、もしやわたくし達にもお近づきの機会があるかもと思っていました。」
あぁ、南京玉すだれの催しの事ね!
「あのぉ~、マリアベル様はランディ様と恋仲なのですか?」
きゃっ、ダメよ、そんな事聞いたら、
失礼よ、そんな声が聞こえる。
「違うのよ、ランディ様は 我が家と建国からの付き合いなので 兄の様に思っておりますの。
武のお家柄なので 怪我などしない様にとお祈りしながら編んでプレゼントしたのですよ!」
「まあ、そうでしたの。」
皆んな残念そうな声を出した。
「では、ラヴィ様は?ラヴィ様にはプレゼントされましたの?
最近のマリアベル様を見つめるラヴィ様の目がとても情熱的で熱く愛を語っている様ですわ!、キャッ!」
(ないない、それは 死んでも無い!)
皆様、お喋りはそれくらいにしましょうね!
送る相手に思いを込めて、編んでいきましょう。
一時間で半分くらい編む事が出来たようだ。
残りは、1人で相手を想って編むようにと 宿題にした。
片付けを終え、側でまっていてくれたガブリエルと一緒に喫茶室を出る。
「なんだか最近、皆さんが友好的ですね!」
「そうね、前は、結構冷たかったものね。」
私はそう答えた
「風向きが変わって来たのでしょうか?」
「風向き?」
「良いふうに回りが変化して来ている感じがします。」
そんな感じがするとガブリエルは言う
正直、学園祭の時は辛かった。
一緒の組になった相手が悪かったのか、それとも、あの時はそんな流れだったのか、、
そうね、みんなと仲良く出来たらいいわね!
私はそう思った。
二週目のミサンガ教室では、長さをチェックして糸の終わり方を教えた。
そして、取れない結び方を指導する。
アンクレットにする人、ブレスレットにする人、お相手のカの 手首足首回りに合わせ 長さの調整をしてあげた。
皆、楽しそうだ。
キャッキャッ、ウフフ
地球で言うと中二、中三女子
カレシとかアイドルに夢中になる年頃だもんね!
1人、短いサイズのミサンガを編んだ子がいた
「この長さは男性には短いかもしれませんよ?」私は親切心から声を掛けてみた。
「はい、私、祖母にプレゼントしようと思って•••
祖母は病気療養しているので、元気つけようと思って編みました。喜んでくれるでしょうか?」
まあ、なんて優しい子なの!
「そうだったのですね、きっと喜んでくれますよ!」
私は、彼女のミサンガを握る手の上に 私の手を乗せ うなづいた。
彼女は ビックリとした顔をしたが、うるうるとした瞳で、私を見返してニッコリと笑った。
そして、無事ミサンガ教室は終わりを迎える事が出来た。
帰り際に、
「マリアベル様、今回はわたくし達に時間を割いて下さりありがとうございました。」
女の子達は揃って礼を取った。
そんな、大袈裟ですよ。私も楽しかったですよ、そう言い、
「私も、皆様と楽しく時間を過ごせました、ありがとうございます。」と礼を返した
守備よくいったら、ご報告しますねーー
女の子達と手を振って別れた。
私は、渡すシーンを妄想してワクワクとした気持ちになった。
*******
「マリアベル様、さっき、ちょろっとキラキラ出てましたよ!」
ガブリエルに注意された。
だって、お婆様にプレゼントだよ!!!
感動したんだもん、、、、
そんな事位でキラキラ出るのね••••
ちょっと、大変
若い子言葉だと[ヤバい]って言うのかしら
**********
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