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第二章

学校始まるよ!

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三学期が始まる前に衣装が一新された。
全部、私が好む寒色系の地味目の色で、形もフリルが少なくシンプルな形が多く ホッとした。

「大体、このカツラがイケナイと思うのよねぇ~」苦情を言うと
もう、マリアベルのイメージはその髪色で定着しているので今更変えられないと言われてしまった。
仕方ない、このカツラは視覚誤認の魔法が掛かっているし、、、
でも、なんで視覚誤認なんだろう?
聞いたところ、王家の血を引く女子は誘拐の危険があるので姿を誤認させる必要がある、とか•••
なんだか面倒ね!
でも、大人がそう言うのだから文句も言えまい。大人しく従っておきましょう。

久しぶりの学園、皆んなで喫茶室でお話していた。

なんだか見られているような気がする。
気のせいかしら?自意識過剰ね!

「マリアベル様、わたくしも同席してよいかしら?」
先日ご一緒したフランシス様だ。

「お姉様、マリアベル様とお知り合いでしたの?」ソフィアが驚いた顔で言った。

ソフィアとフランシスは、カーバンクル卿が外務大臣をしていた頃 王宮で一緒に遊んだ幼馴染であった

「ええ、編みすだれ講座に祖父と一緒に出席しましたのよ、楽しかったですわ!」
「そちらにいらっしゃるのは、ウッドフィールド伯爵令嬢アビゲール様ですわね。
初めまして。わたくしカーバンクル伯爵家のフランシスと申します。
アルフレッド様とはサークルでご一緒させていただいておりますの。
アビゲール様のお噂は予々伺っておりましたのよ!」

アビゲールはフランシスに礼をとって自己紹介をした。

「まあ、兄と同じサークルでしたの?では魔法の勉強を?」

「ええ、魔法と魔道具の研究をしております。
マリアベル様、お洋服も魔法陣が組み込まれておいでなのですね。
先日お目にかかった時より大分輝きが押さえ込まれていらっしゃるわ、素晴らしい出来ですわね。どなたが塗布されたのかしら?」

えっ、洋服に魔法陣?
キョトンとした顔をした私に、ソフィアが助け船を出してくれた。
「お姉様、ここは人目が御座いますので、詳しい事は後からわたくしがご説明いたしますわ。」
「あら、そう言う事だったのね!ごめんなさいね、わたくしったら気が利かないわね。
魔道具の話になると夢中になってしまって•••」

「そうね、貴方には魔道具が必要なようね、回りを見てご覧なさいな、」
何?何?なんの事?

ソフィアとアビゲールはそうなんですよ!
と頷いた。

「ほら、そこに隠れている男、出て来なさい」
フランシス様は1人の男を観葉植物の影から引きずり出した。
「ラヴィ様、用があるなら隠れてないで はっきりとおっしゃったらどう?全く貴方らしくも無いわ!」

「いやぁ、その、子猫ちゃん、た、たち!
別に用と言う訳ではないのだけどね、
そのおぉ、マリアベル様のお手を拝借したいと思って•••••」

シラッーーとした空気が漂った。

「貴方、馬鹿じゃないの?手なんて貸せられる訳無いじゃ無いの、
それとも、マリアベル様を遊び相手にするつもり?」
フランシスはバシッと指を刺してラヴィを牽制した。

「違うんだ、僕は、僕は••••」
「わたくし、この不心得者を排除してきますわ!また、改めてお話ししましょうね!」

フランシス様はラヴィの服を引っ張って外に連れ出した。

「フランシス様はとても頼りになる方ですのね!」
アビゲールは感心して言った
「マリアベル様、冬休みのうちに何か変わった事はございませんでしたか?」

「父も伯父もそう言うのですよ!
そうですね、クラレンスの年越しの儀式で女神の洞窟に行ったくらいでしょうか?」

私は女神の洞窟の儀式について説明した。

アビゲールは少し考えて話しを続けた。
「それやもしれませんね、
実は、マリアベル様にかかっていた白いモヤが無くなっている様なのです。」

えっ、そうなの?
アビゲール様が仰るのだからそうなのね。

「きっとご家族様方が魔道具を増やされたのはそんな理由だったのやもしれませんね!」

「実は、あの日から体が軽くなったのです。
おまじないもよく効くようになった気がするのです。」

「女神様の何かがマリアベル様に作用されたのかも?
加護とはとても不思議な物で、魔法とは違い、わたくし達の意図と関係なく与えられる物ですから、、、
兄も、魔法と魔術、加護などの研究をしておりますが、神々の意図とは計り知れないものですわ。」

「マリアベル様の加護は銀と金、
銀のは女神様ですのね、素敵ですわぁ
では金はどなたからなのでしょうかね?
ロマンチックですわね!」

そんな、大層なものじゃないですよ。
ただのキラキラですよ。
でも、このまま行くとキラキラ魔人になってしまう様な、気がする••••

************

ソフィアは考えていた。

白きモヤの中からい出し 至宝が割れ

マリアベル様の白いモヤが外れた。
アビゲール様はそのようにおっしゃった。
たからマリアベル様の魅力が倍増したのか?

マリアベル様の加護

銀と金
アビゲール様は銀のは女神様だと仰る。
では金は???

あの当日の宮廷を騒がせていた方、
太陽王の生まれ変わりと称されていた方がいた、
そしてかの方は姿を消した。

勘の良い方なら結び付けるのは簡単だ。

やはり、実の父はあの方なのか?
もしそうであったなら、、、
何という血統。
王家は過去に女神の血を残す為に近親婚を繰り返していた。
しかし生まれた子供に障害が出て来たために近親婚は禁止になっていたはず。
だが、敢えて近親婚を選んだとしたら•••
お父様達が隠している事とは?この事だったのか?
姪と伯父なら三親等、凝縮された血が女神様に近づいたのか?

それより、マリアベル様をどうにかしないと、
学園の男共がチラチラとマリアベル様を盗み見している。

それにラヴィ様の様子もおかしい。

どうしたら守り切れる?
せめて、もう少しマリアベル様に自覚があったら••••









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