103 / 241
7
7-10
しおりを挟む
オバサン達はその小さな紙を見下ろしながら不思議そうな顔をしている。
そんなオバサン達に、真理姉のお父さんが口を開いた。
「代表取締役に就任しておりますのは鮫島喜一・・・この、鮫島理子の祖父にあたる者です。」
そんな当たり前のことを真理姉のお父さんが言うと、オバサン達は驚いた顔になった。
そんなオバサン達に真理姉のお父さんは続ける。
「本日は社長の鮫島より、理子や桃子のことを攻撃してくる者なら、再起不能になるまで攻撃するよう申し付けられて参りました。
ですので、再起不能にする必要が私にはあるのですが・・・再起不能に、色々と、色々と・・・ね。」
真理姉のお父さんが爽やかに笑いながらそう言って、オバサン達を見下ろしている。
なのに、オバサン達はみんなで下を向いていて・・・。
しばらくクラスの中が静かになった時、真理姉のお父さんがまた口を開いた。
「ですが、理子の言葉に私は胸を打たれましたので・・・。
獰猛な理子に胸を攻撃されてしまったので、本日はもう私からの攻撃は出来そうにありません。」
真理姉のお父さんが爽やかに笑い続けながらそう言うと、オバサン達は少しだけ顔を上げた。
そんなオバサン達に真理姉のお父さんは爽やかな笑顔で笑い続け、お母さんの背中に手を触れた。
「この子、まだ高校生ですから。
中学生の時にこの子も親を亡くしています。
誰もいませんから、この子には血の繋がった家族が。
そんな高校生の女の子が、自分自身の人生ではなくて理子ともう1人の子どものお母さんになることを選んだんです。」
真理姉のお父さんは、泣き続けるお母さんの背中をポンポンッと優しく叩き・・・
「そんなこの子が決死の覚悟でお母さんになろうとしていますので、まだまだ至らないことばかりのはずです。
なので・・・」
真理姉のお父さんが言葉を切った後、また小さな紙を取り出した。
「何か気になることがありましたら、私にご連絡ください。
どんなに小さなことでも構いませんので。
私がお話を伺いますから、何時間でも。」
そう言って、小さな紙をクラス中のお母さんやお父さんに両手で渡して・・・先生にも。
それに・・・クラスの子ども達にも・・・。
全員に渡していた・・・。
そして・・・
「お騒がせしてしまい、大変申し訳ありませんでした。」
そう言って、深くお辞儀をして・・・
「桃子、帰るぞ。」
と・・・。
お母さんの腕を引っ張った・・・。
それから、理子の方を向いて・・・
理子の頭に大きな手をのせてきた。
「理子も帰るぞ、荷物まとめてこい。」
そんなことを言い出して、理子はビックリするしかなくて。
そんな理子に真理姉のお父さんはニッと笑った。
爽やかな笑顔ではなくて、ニッと。
理子はこっちの顔しか見たことがなかったから、さっきの真理姉のお父さんの顔にはビックリしていて・・・。
固まっている理子に真理姉のお父さんは口を開いた。
「獰猛な鮫だからな、お前。
甘いもんでも食いにいくか、たまには幼稚園サボって。
その大きな口に甘いもん入れて少しは落ち着け。
俺が奢ってやるから、行くぞ。」
そう言って笑う真理姉のお父さんは、優しい顔付きだけど・・・めちゃくちゃ格好良かった・・・。
そんなオバサン達に、真理姉のお父さんが口を開いた。
「代表取締役に就任しておりますのは鮫島喜一・・・この、鮫島理子の祖父にあたる者です。」
そんな当たり前のことを真理姉のお父さんが言うと、オバサン達は驚いた顔になった。
そんなオバサン達に真理姉のお父さんは続ける。
「本日は社長の鮫島より、理子や桃子のことを攻撃してくる者なら、再起不能になるまで攻撃するよう申し付けられて参りました。
ですので、再起不能にする必要が私にはあるのですが・・・再起不能に、色々と、色々と・・・ね。」
真理姉のお父さんが爽やかに笑いながらそう言って、オバサン達を見下ろしている。
なのに、オバサン達はみんなで下を向いていて・・・。
しばらくクラスの中が静かになった時、真理姉のお父さんがまた口を開いた。
「ですが、理子の言葉に私は胸を打たれましたので・・・。
獰猛な理子に胸を攻撃されてしまったので、本日はもう私からの攻撃は出来そうにありません。」
真理姉のお父さんが爽やかに笑い続けながらそう言うと、オバサン達は少しだけ顔を上げた。
そんなオバサン達に真理姉のお父さんは爽やかな笑顔で笑い続け、お母さんの背中に手を触れた。
「この子、まだ高校生ですから。
中学生の時にこの子も親を亡くしています。
誰もいませんから、この子には血の繋がった家族が。
そんな高校生の女の子が、自分自身の人生ではなくて理子ともう1人の子どものお母さんになることを選んだんです。」
真理姉のお父さんは、泣き続けるお母さんの背中をポンポンッと優しく叩き・・・
「そんなこの子が決死の覚悟でお母さんになろうとしていますので、まだまだ至らないことばかりのはずです。
なので・・・」
真理姉のお父さんが言葉を切った後、また小さな紙を取り出した。
「何か気になることがありましたら、私にご連絡ください。
どんなに小さなことでも構いませんので。
私がお話を伺いますから、何時間でも。」
そう言って、小さな紙をクラス中のお母さんやお父さんに両手で渡して・・・先生にも。
それに・・・クラスの子ども達にも・・・。
全員に渡していた・・・。
そして・・・
「お騒がせしてしまい、大変申し訳ありませんでした。」
そう言って、深くお辞儀をして・・・
「桃子、帰るぞ。」
と・・・。
お母さんの腕を引っ張った・・・。
それから、理子の方を向いて・・・
理子の頭に大きな手をのせてきた。
「理子も帰るぞ、荷物まとめてこい。」
そんなことを言い出して、理子はビックリするしかなくて。
そんな理子に真理姉のお父さんはニッと笑った。
爽やかな笑顔ではなくて、ニッと。
理子はこっちの顔しか見たことがなかったから、さっきの真理姉のお父さんの顔にはビックリしていて・・・。
固まっている理子に真理姉のお父さんは口を開いた。
「獰猛な鮫だからな、お前。
甘いもんでも食いにいくか、たまには幼稚園サボって。
その大きな口に甘いもん入れて少しは落ち着け。
俺が奢ってやるから、行くぞ。」
そう言って笑う真理姉のお父さんは、優しい顔付きだけど・・・めちゃくちゃ格好良かった・・・。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
無表情いとこの隠れた欲望
春密まつり
恋愛
大学生で21歳の梓は、6歳年上のいとこの雪哉と一緒に暮らすことになった。
小さい頃よく遊んでくれたお兄さんは社会人になりかっこよく成長していて戸惑いがち。
緊張しながらも仲良く暮らせそうだと思った矢先、転んだ拍子にキスをしてしまう。
それから雪哉の態度が変わり――。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる