【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha

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“お兄ちゃん”からそんな酷いことを言われ、私は“お兄ちゃん”の胸に顔をくっつけて泣く。
“お兄ちゃん”を少しだけ抱き締めながら・・・。



「りーちゃん、知らなくてごめんね・・・。
僕はりーちゃんのことなら結構知ってるつもりでいたけど、知らなかった・・・。
りーちゃんがどんなに強い気持ちで僕のことを“お兄ちゃん”って呼んでくれているのか、知らなかった・・・。」



お兄ちゃんがそんなことを言ってきて・・・
私は何のことかよく分からずにお兄ちゃんを見上げた。



そんな私を、お兄ちゃんは嬉しそうな顔で見下ろす。



「僕はりーちゃんの彼氏になんてなりたくないと思ったよ・・・。
りーちゃんのお母さんからの話を聞いて、僕はりーちゃんの“お兄ちゃん”がいいと思ったよ・・・。」



「お母さんの話・・・?」



「うん、りーちゃんのお母さんの話・・・。
“かぞく”が1番だもんね・・・。
りーちゃんの“かぞく”になれるなんて、凄いことだもんね・・・。
りーちゃんの“お兄ちゃん”になれるなんて、凄いことだもんね・・・。
昔りーちゃんから言われた言葉の意味を、本当の意味で理解したよ・・・。」



お兄ちゃんが当たり前のことを言ってくるので、私はそれに頷く。



「りーちゃんのお母さんは分かってたよ・・・。
りーちゃんのお母さんだけは、分かってたよ・・・。
りーちゃんの気持ちを、分かってたよ・・・。」



「お母さんが?」



「うん・・・。
りーちゃんのお母さんにはいないでしょ・・・?
りーちゃんよりも、本当の“かぞく”がいないでしょ・・・?
1人も、いないでしょ・・・?
だからりーちゃんのお母さんにとっても、“かぞく”は特別なんだ・・・。
だから、りーちゃんのお母さんは分かってたよ・・・。
僕に教えてくれた・・・。
りーちゃんにとっての血の繋がらない“お兄ちゃん”が、どれだけ特別か・・・。」
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