538 / 600
第二十五章 里帰り編
第521話 待ち合わせ
しおりを挟む
西暦2025年10月30日、御前8時。
フランス、パリにある総合病院にて。
受付開始時間前である今、病棟内は医師と入院患者ぐらいしかいない。
そんな人の少ない時間帯の病棟の廊下を歩く金髪金眼の医師、ルチルに、少年少女が大きく手を振って挨拶をする。
「ルチル先生、おはよー!」
「はい、おはようございます」
患者服に身を包んだ入院患者ながら、元気のいい彼らに、穏やかな笑みを浮かべ挨拶を返すルチル。
少年少女と別れた彼はそのまま廊下を進み、事務室へと入った。そして自身のデスクのパソコンに業務報告と引き継ぎ内容を打ち込めば、勤務終了である。
「当直、お疲れ様でした。ルチル先生」
打ち込みを終え帰り支度をするルチルへ、今度は女性の看護師が声をかけてくる。それも、どこか落ち着きのない様子で。
「この後、お時間ありますか? 私も夜勤で、もうすぐあがりなんです。よかったら、お食事でも……」
「あぁ、すみません。先約がありまして」
だがルチルは朗らかな笑みを浮かべたまま、一も二もなく看護師の誘いを断った。
「えっ!? ど、どなたとですか……っ」
「それはプライバシーですので、お答えはできませんが。ワタクシと同じお医者さまですよ、お医者さま」
そう言うと、ルチルは足早に事務室を立ち去ったのだった。
◇
荘厳な風格を漂わせ、数多の彫像とレリーフに飾られ、二股に分かれた塔を青空へ伸ばす、薔薇窓が特徴的な教会。
ノートルダム大聖堂。
その眼前に広がる広場の端では、身体の線を隠すコートを羽織り、フードを目深く被った男が一人立っていた。誰が見ても怪しい風貌をしている。しかしここは観光客から地元の住人、大道芸人に乞食と、多様な人々が行き交っている為に、フードを目深く被っている程度で悪目立ちする事はない。
そのフードの男の元へ、黒のジャケットに白のワイシャツ、黒のパンツと、インフォーマルの服装をしたルチルが真っ直ぐ歩み寄る。白衣を羽織っていないだけで通勤着なのだが、病院(仕事場)から直接来たのだから当然と言えば当然であった。
「お待たせしました、モーズ先生」
ルチルは柔らかな笑みを浮かべて、フードの男ことモーズへ声をかけた。
ルチルの姿を確認したモーズはフードを取ろうとして、慌てて戻す。礼儀として取りたかったのだろうが、パラス国で起きた『ガレージ上の英雄事件』や前回学会の災害鎮圧、そして先月まで各メディアにて取り沙汰されていたモーズの成りすまし(※なおモーズ本人は成りすましの存在は一切知らない)とで、何かと顔が広まってしまっている。この格好は精一杯、目立たないようにと彼なりに考えての事なのだろう。
ちなみにフェイスマスクのデザインも広まってしまっているからか、今日は蛇のマスクではなく不織布マスクを付け、右目は張る眼帯で覆っていた。
「直前の連絡となってしまい、すまない。ルチル医師」
「いえいえ。気にしていませんよ。都合をつけて頂き、嬉しい限りです。学会前でお忙しいでしょうに」
「あ、あぁ。今日はええと、前泊というものだ」
顔を逸らして言うモーズ。今日は10月30日。学会は11月1日。前泊というのには些か早い。
態度といい言い訳といい、何かを誤魔化そうとしているのがありありと伝わる。
「……学会以外の用事があるような物言いですね?」
「うっ」
ルチルが軽く追及すれば、モーズは肩を跳ねさせわかりやすく狼狽えた。
「話せない事でしたら、追及は致しませんが……」
「そ、そうではないのだが、その、以前、ルチル医師は私の故郷に立ち寄りたい。と願っていただろう? それを叶えられないかと、フランスへ来たのだが……」
「おや。覚えていてくださったのですね」
「あぁ。しかしどうも、その時間を作れなさそうだ」
「モーズ先生は墓参りをする為に帰省を考えていたのですよね? それをする時間さえない、という事ですか。お疲れ様です」
モーズ含むクスシは今、世界が注目している、ステージ4治療確立の為に奔走しているのだろうから、時間が取れないのは仕方のない事だろう。
寧ろそんな中、ルチルの為に時間を割いてくれた事が奇跡というべきか――
「本当にすまない、ルチル医師。パラス国での食事代の支払い、それから前回学会で介抱してくれた礼を、何かしらの形で返したいと考えていたのだがな」
「律儀ですねぇ」
どこまでも誠実なのだ、モーズという男は。
学会会場がドイツという隣国だったからこそ、足を運べる距離と判断し来てくれたのだろう。今まで特に開催国を気にした事などなかったルチルだが、今回ばかりはドイツのベルリンへ指名してきたクスシと国連の上層部へ感謝をした。
「お礼がしたいというのなら、是非一緒に美術館に行きましょう。モーズ先生」
「美術館? そんな事でいいのか?」
「そんな事ではありませんよ。私にとっては、とても大事なひと時です」
そもそもモーズの故郷を案内して欲しい、というのは案の一つであって、必ず叶えたい願いではない。
芸術の国、フランス。その首都パリでの美術館巡りも、充実なひと時を味わえる。
それもモーズと巡れるとなれば、至高の時間となる事だろう。
ルチルにとっては、彼とただの友人のように過ごす時間以上に、優先するものはない。
美術館へ行く事が定まった辺りで、ルチルはモーズの周囲を見回した。セレンかフリーデンか、その辺りが来ているのでは、と予想していたのたが、それらしい人影がない事に疑問を抱く。
「それにしてもモーズ先生、お一人に見えますが……。同行者はいらっしゃらないのですか? ワタクシとは複数人でお会いする、というお話だったと思いますが」
「その通りだ。同行者はいる、のだが、その、ううむ……」
歯切れ悪く喋るモーズ。なぜ言いづらそうなのか、とルチルが首を傾げたその時、
「モーズ先生~!」
広場の喧騒を吹き飛ばす程に元気のよい声が、モーズに向かって投げられた。
びくりと肩を大袈裟に揺らすモーズ。ルチルもまた、僅かに瞠目しながら後ろを振り返る。
声の主は人混みを掻き分け、直進をしていた。
肩を越える長さのダークブロンドを後ろに束ね、マリンブルーの瞳を輝かせた、活発そうな“少年”。
「お荷物、ホテルのフロントに預け終えました~っ」
齢16か17に見える彼は、そう言って親指を立てたのだった。
フランス、パリにある総合病院にて。
受付開始時間前である今、病棟内は医師と入院患者ぐらいしかいない。
そんな人の少ない時間帯の病棟の廊下を歩く金髪金眼の医師、ルチルに、少年少女が大きく手を振って挨拶をする。
「ルチル先生、おはよー!」
「はい、おはようございます」
患者服に身を包んだ入院患者ながら、元気のいい彼らに、穏やかな笑みを浮かべ挨拶を返すルチル。
少年少女と別れた彼はそのまま廊下を進み、事務室へと入った。そして自身のデスクのパソコンに業務報告と引き継ぎ内容を打ち込めば、勤務終了である。
「当直、お疲れ様でした。ルチル先生」
打ち込みを終え帰り支度をするルチルへ、今度は女性の看護師が声をかけてくる。それも、どこか落ち着きのない様子で。
「この後、お時間ありますか? 私も夜勤で、もうすぐあがりなんです。よかったら、お食事でも……」
「あぁ、すみません。先約がありまして」
だがルチルは朗らかな笑みを浮かべたまま、一も二もなく看護師の誘いを断った。
「えっ!? ど、どなたとですか……っ」
「それはプライバシーですので、お答えはできませんが。ワタクシと同じお医者さまですよ、お医者さま」
そう言うと、ルチルは足早に事務室を立ち去ったのだった。
◇
荘厳な風格を漂わせ、数多の彫像とレリーフに飾られ、二股に分かれた塔を青空へ伸ばす、薔薇窓が特徴的な教会。
ノートルダム大聖堂。
その眼前に広がる広場の端では、身体の線を隠すコートを羽織り、フードを目深く被った男が一人立っていた。誰が見ても怪しい風貌をしている。しかしここは観光客から地元の住人、大道芸人に乞食と、多様な人々が行き交っている為に、フードを目深く被っている程度で悪目立ちする事はない。
そのフードの男の元へ、黒のジャケットに白のワイシャツ、黒のパンツと、インフォーマルの服装をしたルチルが真っ直ぐ歩み寄る。白衣を羽織っていないだけで通勤着なのだが、病院(仕事場)から直接来たのだから当然と言えば当然であった。
「お待たせしました、モーズ先生」
ルチルは柔らかな笑みを浮かべて、フードの男ことモーズへ声をかけた。
ルチルの姿を確認したモーズはフードを取ろうとして、慌てて戻す。礼儀として取りたかったのだろうが、パラス国で起きた『ガレージ上の英雄事件』や前回学会の災害鎮圧、そして先月まで各メディアにて取り沙汰されていたモーズの成りすまし(※なおモーズ本人は成りすましの存在は一切知らない)とで、何かと顔が広まってしまっている。この格好は精一杯、目立たないようにと彼なりに考えての事なのだろう。
ちなみにフェイスマスクのデザインも広まってしまっているからか、今日は蛇のマスクではなく不織布マスクを付け、右目は張る眼帯で覆っていた。
「直前の連絡となってしまい、すまない。ルチル医師」
「いえいえ。気にしていませんよ。都合をつけて頂き、嬉しい限りです。学会前でお忙しいでしょうに」
「あ、あぁ。今日はええと、前泊というものだ」
顔を逸らして言うモーズ。今日は10月30日。学会は11月1日。前泊というのには些か早い。
態度といい言い訳といい、何かを誤魔化そうとしているのがありありと伝わる。
「……学会以外の用事があるような物言いですね?」
「うっ」
ルチルが軽く追及すれば、モーズは肩を跳ねさせわかりやすく狼狽えた。
「話せない事でしたら、追及は致しませんが……」
「そ、そうではないのだが、その、以前、ルチル医師は私の故郷に立ち寄りたい。と願っていただろう? それを叶えられないかと、フランスへ来たのだが……」
「おや。覚えていてくださったのですね」
「あぁ。しかしどうも、その時間を作れなさそうだ」
「モーズ先生は墓参りをする為に帰省を考えていたのですよね? それをする時間さえない、という事ですか。お疲れ様です」
モーズ含むクスシは今、世界が注目している、ステージ4治療確立の為に奔走しているのだろうから、時間が取れないのは仕方のない事だろう。
寧ろそんな中、ルチルの為に時間を割いてくれた事が奇跡というべきか――
「本当にすまない、ルチル医師。パラス国での食事代の支払い、それから前回学会で介抱してくれた礼を、何かしらの形で返したいと考えていたのだがな」
「律儀ですねぇ」
どこまでも誠実なのだ、モーズという男は。
学会会場がドイツという隣国だったからこそ、足を運べる距離と判断し来てくれたのだろう。今まで特に開催国を気にした事などなかったルチルだが、今回ばかりはドイツのベルリンへ指名してきたクスシと国連の上層部へ感謝をした。
「お礼がしたいというのなら、是非一緒に美術館に行きましょう。モーズ先生」
「美術館? そんな事でいいのか?」
「そんな事ではありませんよ。私にとっては、とても大事なひと時です」
そもそもモーズの故郷を案内して欲しい、というのは案の一つであって、必ず叶えたい願いではない。
芸術の国、フランス。その首都パリでの美術館巡りも、充実なひと時を味わえる。
それもモーズと巡れるとなれば、至高の時間となる事だろう。
ルチルにとっては、彼とただの友人のように過ごす時間以上に、優先するものはない。
美術館へ行く事が定まった辺りで、ルチルはモーズの周囲を見回した。セレンかフリーデンか、その辺りが来ているのでは、と予想していたのたが、それらしい人影がない事に疑問を抱く。
「それにしてもモーズ先生、お一人に見えますが……。同行者はいらっしゃらないのですか? ワタクシとは複数人でお会いする、というお話だったと思いますが」
「その通りだ。同行者はいる、のだが、その、ううむ……」
歯切れ悪く喋るモーズ。なぜ言いづらそうなのか、とルチルが首を傾げたその時、
「モーズ先生~!」
広場の喧騒を吹き飛ばす程に元気のよい声が、モーズに向かって投げられた。
びくりと肩を大袈裟に揺らすモーズ。ルチルもまた、僅かに瞠目しながら後ろを振り返る。
声の主は人混みを掻き分け、直進をしていた。
肩を越える長さのダークブロンドを後ろに束ね、マリンブルーの瞳を輝かせた、活発そうな“少年”。
「お荷物、ホテルのフロントに預け終えました~っ」
齢16か17に見える彼は、そう言って親指を立てたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ネクスト・ステージ~チートなニートが迷宮探索。スキル【ドロップ★5】は、武器防具が装備不可!?
武蔵野純平
ファンタジー
現代ファンタジー(ローファンタジー)です。ニート主人公のスキルは【ドロップ★5】――ドロップ確率が大幅上昇し、ドロップアイテムの品質も大幅上昇するチートスキルだった。だが、剣や盾などの装備品が装備出来ない欠陥があり、攻撃力、防御力に問題を残す。
ダンジョン探索をする為に冒険者となりパーティーメンバーを募集するが、なぜか【ワケあり】女性ばかり集まってくる。
初恋♡リベンジャーズ
遊馬友仁
青春
【第五部開始】
高校一年生の春休み直前、クラスメートの紅野アザミに告白し、華々しい玉砕を遂げた黒田竜司は、憂鬱な気持ちのまま、新学期を迎えていた。そんな竜司のクラスに、SNSなどでカリスマ的人気を誇る白草四葉が転入してきた。
眉目秀麗、容姿端麗、美の化身を具現化したような四葉は、性格も明るく、休み時間のたびに、竜司と親友の壮馬に気さくに話しかけてくるのだが――――――。
転入早々、竜司に絡みだす、彼女の真の目的とは!?
◯ンスタグラム、ユ◯チューブ、◯イッターなどを駆使して繰り広げられる、SNS世代の新感覚復讐系ラブコメディ、ここに開幕!
第二部からは、さらに登場人物たちも増え、コメディ要素が多めとなります(予定)
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
プライベート・スペクタル
点一
ファンタジー
【星】(スターズ)。それは山河を変えるほどの膂力、千里を駆ける脚力、そして異形の術や能力を有する超人・怪人達。
この物語はそんな連中のひどく…ひどく個人的な物語群。
その中の一部、『龍王』と呼ばれた一人の男に焦点を当てたお話。
(※基本 隔週土曜日に更新予定)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
やっちん先生
壺の蓋政五郎
大衆娯楽
昔は小使いさんて呼ばれていました。今は技能員です。学校ではやっちん先生と呼ばれています。
鎌倉八幡高校で技能員をしている徳田安男29歳。生徒からはやっちん先生と慕われている。夏休み前に屋上の防水工事が始まる。業者の案内に屋上に上がる。二か所ある屋上出口は常時施錠している。鍵を開けて屋上に出る。フェンスの破れた所がある。それは悲しい事件の傷口である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる