456 / 600
第二十一章 ハロウィンの翌日
第441話 万聖節
しおりを挟む
10月31日に当たるハロウィンの翌日、11月1日 。
この日は万聖節と呼ばれ、全ての聖人を記念し、カトリック圏の国の多くは祝日となっている。
同時に故人を偲ぶ日ともされ、墓参りに当てられる事が多い。
その11月1日を、オフィウクス・ラボはドイツで開催される第36回特殊学会当日に定めた。
ドイツの首都、ベルリン中心部。
ドイツ最大、ヨーロッパ屈指の規模を誇る大学附属の総合病院兼感染病棟。その敷地内にある講演ホール。
正門周辺の路地から内側の庭園には老若男女問わず人がごったに集まり、露店や屋台やキャンピングカーまで出店している。それも軽食から装飾品など、学会とは関係のない品揃えをした店が。
「日本で言うお彼岸なんに、お祭り騒ぎばい」
正門を跨ぎながらそう言ったのは、白虎がデザインされたフェイスマスクを被り、白衣を纏った日本感染病棟院長の柴三郎だ。
世間話や笑い声が飛び交う目の前の光景は縁日にしか見えず、前日に行われていた、ハロウィンの延長のようになっている。
緊張感のカケラもない群衆に、柴三郎は腰に手を当てふっと息を吐いた。
「柴三郎、もう来たのかい? 早いねぇ」
どこで開場まで時間を潰していようか、と柴三郎が庭園を歩いていた所、ベンチに座っていたふくよかな体型の人物に声をかけられ、足を止める。
「ロベルト院長」
梟のフェイスマスクを付け白衣を纏った、パラス感染病棟院長ロベルト。大学生時代にドイツ留学をした柴三郎の恩師であり、医療業界の重鎮。
柴三郎は弾んだ声で「お久しぶりです」と挨拶を交わした。
「そらもう。うちゃ特別、距離があるけん。早めに行動せんば。ハロウィンもあったし、今回ん学会が注目度高すぎて、ホテル取るん大変やったばい。飛行機だけじゃなくて金も飛ぶとか……」
がっくり肩を落としながら話す柴三郎。
日本在住の彼は学会の開場時間に確実に間に合わせる為、アメリカやヨーロッパの学会に参加する際は前泊するよう努めている。
今回の学会は観光シーズンと重なっていたので飛行機代とホテル代の値が上げられていて、予約を取るのにも苦労をしたが懐も寒くなってしまった。
「そういえば、潔と佐八郎の姿がないけれど……」
「2人は前回に引き続き日本で留守番させとります」
「それは残念だね。予算がなかったからかな? それとも都合が悪かった?」
「有り体に言えば、リスク分散やなあ」
ロベルトの疑問に、柴三郎は顎に手を当てて答えた。
ぐっと、膝の上に置いていたロベルトの手が強張る。
「……トラブルが起きると、読んでいるのかい?」
「前回ん学会も災難やったやろう? そりゃ警戒するばい。まぁでもあん人がおるんなら、多少は安心できるとね」
柴三郎は群衆を一瞥して、
「来とるんやろう? 『ミシェル会長』」
フランスWHO会長の名前を、口にした。
世界で初めて珊瑚症に特化した感染病棟を創立し、多くの対策を実施し、どの国よりも早く災害を収束させた、『預言者』と謳われる医師であり賢者。
長らくフランス感染病棟の院長の座をついていた彼だが、会長となってからは病棟にも学会にもなかなか姿を現していなかった。
その彼が、今回の特殊学会へ参加する。
これは現フランス感染病棟院長たるルイからの情報だ。
卓越した先見の明であらゆる危機を回避してきたミシェルがこの場にいるのならば、前回のように、会場そのものが菌床に飲まれるような惨事が再び起こるとはない。と、信じたい。
「そうだと聞くね。まだ会えていないのだけれど」
「まだ着いとらんのかも。ばってん参加する気なら、後で必ず会ゆるばい。そん時に挨拶しましょう。やけん今はミシェル会長より『エミール』やなあ」
「その『エミール』ともまだ会えていないんだ」
「はぁ?」
エミール。
ドイツ最大、ヨーロッパ屈指の規模を誇る大学附属の総合病院かつ感染病棟の院長であり、特殊学会が開催される講演ホールを提供してくれた人物。
柴三郎の同門。つまりロベルトの弟子の一人。
だというのに、挨拶をすませていない。柴三郎は信じられないと怒りを露わにした。
「ロベルト院長が来とるんに出迎えもしとらんのか、あいつ!」
「まぁまぁ。忙しくて此方に手が回らないのかもしれないよ」
「かーっ! 呆れた! せめて電話ん一つよこさんか! ただでさえ前回おらんかったんに!」
ドイツとパラス国は日本に比べ遥かに距離が近い。だが前回の特殊学会時、エミールは参加しなかった。開催の知らせが急だったので都合が合わなかっただろう、でまだ済ませられたが、今回の開催国はドイツ。しかも彼の管轄下である感染病棟の敷地内。誰よりも早く現場に来ている筈だ。
なのに顔を出さない意味がわからず、柴三郎は「開場までに見付けてやる!」と息巻いて人混みを割って進み始めた。エミールを見付けたら殴りかかりそうな勢いの彼の後ろ姿を見て、ロベルトはベンチから立ち上がると小走りで追いかけたのだった。
その人混みの端っこ。
講演ホールの出入り口付近に立ち並ぶ円柱の陰。
「人が多い……!」
そこでは、老若男女問わず多くの人々でごった返した庭園に慄いている人物がいた。
薔薇がデザインされたフェイスマスクを身に付け、白衣を纏った医師……イギリス感染病棟院長エドワードである。
彼は柱に背を預けずりずりと座り込み、白衣の裾を抱えるように腹部を押さえ、声を絞り出す。
「うっ、もうお腹が痛くなってきた……」
「何を緊張しているのですか。特殊学会への参加は初めてではないでしょう?」
そう言ったのは、エドワードの目の前で背筋を伸ばして立つイギリス感染病棟看護師長フローレンスである。
彼女は氷の結晶がデザインされたフェイスマスクを付け、シワ一つないビジネススーツを着こなしている。
「いえ初めてですよ!? ジョン先生の付き添いで会場に来る事はありましたが、実際に特殊学会が行われている部屋の入室はできませんでしたからね!」
「そうなのですか。では、なおのこと背筋を伸ばしなさい。他院の方々に醜態を晒すおつもりで?」
「ごめんなさい」
鋭い指摘に秒で謝罪をするエドワード。
「研究を発表する側でもないのです。イギリス感染病棟の顔として自覚をお持ちください」
「ハイ、頑張りマス……」
白衣の裾を握りしめ、どこか情けなく答える。
その様子を一瞥し、フローレンスは仕方ないというように手を差し伸べた。
この日は万聖節と呼ばれ、全ての聖人を記念し、カトリック圏の国の多くは祝日となっている。
同時に故人を偲ぶ日ともされ、墓参りに当てられる事が多い。
その11月1日を、オフィウクス・ラボはドイツで開催される第36回特殊学会当日に定めた。
ドイツの首都、ベルリン中心部。
ドイツ最大、ヨーロッパ屈指の規模を誇る大学附属の総合病院兼感染病棟。その敷地内にある講演ホール。
正門周辺の路地から内側の庭園には老若男女問わず人がごったに集まり、露店や屋台やキャンピングカーまで出店している。それも軽食から装飾品など、学会とは関係のない品揃えをした店が。
「日本で言うお彼岸なんに、お祭り騒ぎばい」
正門を跨ぎながらそう言ったのは、白虎がデザインされたフェイスマスクを被り、白衣を纏った日本感染病棟院長の柴三郎だ。
世間話や笑い声が飛び交う目の前の光景は縁日にしか見えず、前日に行われていた、ハロウィンの延長のようになっている。
緊張感のカケラもない群衆に、柴三郎は腰に手を当てふっと息を吐いた。
「柴三郎、もう来たのかい? 早いねぇ」
どこで開場まで時間を潰していようか、と柴三郎が庭園を歩いていた所、ベンチに座っていたふくよかな体型の人物に声をかけられ、足を止める。
「ロベルト院長」
梟のフェイスマスクを付け白衣を纏った、パラス感染病棟院長ロベルト。大学生時代にドイツ留学をした柴三郎の恩師であり、医療業界の重鎮。
柴三郎は弾んだ声で「お久しぶりです」と挨拶を交わした。
「そらもう。うちゃ特別、距離があるけん。早めに行動せんば。ハロウィンもあったし、今回ん学会が注目度高すぎて、ホテル取るん大変やったばい。飛行機だけじゃなくて金も飛ぶとか……」
がっくり肩を落としながら話す柴三郎。
日本在住の彼は学会の開場時間に確実に間に合わせる為、アメリカやヨーロッパの学会に参加する際は前泊するよう努めている。
今回の学会は観光シーズンと重なっていたので飛行機代とホテル代の値が上げられていて、予約を取るのにも苦労をしたが懐も寒くなってしまった。
「そういえば、潔と佐八郎の姿がないけれど……」
「2人は前回に引き続き日本で留守番させとります」
「それは残念だね。予算がなかったからかな? それとも都合が悪かった?」
「有り体に言えば、リスク分散やなあ」
ロベルトの疑問に、柴三郎は顎に手を当てて答えた。
ぐっと、膝の上に置いていたロベルトの手が強張る。
「……トラブルが起きると、読んでいるのかい?」
「前回ん学会も災難やったやろう? そりゃ警戒するばい。まぁでもあん人がおるんなら、多少は安心できるとね」
柴三郎は群衆を一瞥して、
「来とるんやろう? 『ミシェル会長』」
フランスWHO会長の名前を、口にした。
世界で初めて珊瑚症に特化した感染病棟を創立し、多くの対策を実施し、どの国よりも早く災害を収束させた、『預言者』と謳われる医師であり賢者。
長らくフランス感染病棟の院長の座をついていた彼だが、会長となってからは病棟にも学会にもなかなか姿を現していなかった。
その彼が、今回の特殊学会へ参加する。
これは現フランス感染病棟院長たるルイからの情報だ。
卓越した先見の明であらゆる危機を回避してきたミシェルがこの場にいるのならば、前回のように、会場そのものが菌床に飲まれるような惨事が再び起こるとはない。と、信じたい。
「そうだと聞くね。まだ会えていないのだけれど」
「まだ着いとらんのかも。ばってん参加する気なら、後で必ず会ゆるばい。そん時に挨拶しましょう。やけん今はミシェル会長より『エミール』やなあ」
「その『エミール』ともまだ会えていないんだ」
「はぁ?」
エミール。
ドイツ最大、ヨーロッパ屈指の規模を誇る大学附属の総合病院かつ感染病棟の院長であり、特殊学会が開催される講演ホールを提供してくれた人物。
柴三郎の同門。つまりロベルトの弟子の一人。
だというのに、挨拶をすませていない。柴三郎は信じられないと怒りを露わにした。
「ロベルト院長が来とるんに出迎えもしとらんのか、あいつ!」
「まぁまぁ。忙しくて此方に手が回らないのかもしれないよ」
「かーっ! 呆れた! せめて電話ん一つよこさんか! ただでさえ前回おらんかったんに!」
ドイツとパラス国は日本に比べ遥かに距離が近い。だが前回の特殊学会時、エミールは参加しなかった。開催の知らせが急だったので都合が合わなかっただろう、でまだ済ませられたが、今回の開催国はドイツ。しかも彼の管轄下である感染病棟の敷地内。誰よりも早く現場に来ている筈だ。
なのに顔を出さない意味がわからず、柴三郎は「開場までに見付けてやる!」と息巻いて人混みを割って進み始めた。エミールを見付けたら殴りかかりそうな勢いの彼の後ろ姿を見て、ロベルトはベンチから立ち上がると小走りで追いかけたのだった。
その人混みの端っこ。
講演ホールの出入り口付近に立ち並ぶ円柱の陰。
「人が多い……!」
そこでは、老若男女問わず多くの人々でごった返した庭園に慄いている人物がいた。
薔薇がデザインされたフェイスマスクを身に付け、白衣を纏った医師……イギリス感染病棟院長エドワードである。
彼は柱に背を預けずりずりと座り込み、白衣の裾を抱えるように腹部を押さえ、声を絞り出す。
「うっ、もうお腹が痛くなってきた……」
「何を緊張しているのですか。特殊学会への参加は初めてではないでしょう?」
そう言ったのは、エドワードの目の前で背筋を伸ばして立つイギリス感染病棟看護師長フローレンスである。
彼女は氷の結晶がデザインされたフェイスマスクを付け、シワ一つないビジネススーツを着こなしている。
「いえ初めてですよ!? ジョン先生の付き添いで会場に来る事はありましたが、実際に特殊学会が行われている部屋の入室はできませんでしたからね!」
「そうなのですか。では、なおのこと背筋を伸ばしなさい。他院の方々に醜態を晒すおつもりで?」
「ごめんなさい」
鋭い指摘に秒で謝罪をするエドワード。
「研究を発表する側でもないのです。イギリス感染病棟の顔として自覚をお持ちください」
「ハイ、頑張りマス……」
白衣の裾を握りしめ、どこか情けなく答える。
その様子を一瞥し、フローレンスは仕方ないというように手を差し伸べた。
10
あなたにおすすめの小説
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ネクスト・ステージ~チートなニートが迷宮探索。スキル【ドロップ★5】は、武器防具が装備不可!?
武蔵野純平
ファンタジー
現代ファンタジー(ローファンタジー)です。ニート主人公のスキルは【ドロップ★5】――ドロップ確率が大幅上昇し、ドロップアイテムの品質も大幅上昇するチートスキルだった。だが、剣や盾などの装備品が装備出来ない欠陥があり、攻撃力、防御力に問題を残す。
ダンジョン探索をする為に冒険者となりパーティーメンバーを募集するが、なぜか【ワケあり】女性ばかり集まってくる。
初恋♡リベンジャーズ
遊馬友仁
青春
【第五部開始】
高校一年生の春休み直前、クラスメートの紅野アザミに告白し、華々しい玉砕を遂げた黒田竜司は、憂鬱な気持ちのまま、新学期を迎えていた。そんな竜司のクラスに、SNSなどでカリスマ的人気を誇る白草四葉が転入してきた。
眉目秀麗、容姿端麗、美の化身を具現化したような四葉は、性格も明るく、休み時間のたびに、竜司と親友の壮馬に気さくに話しかけてくるのだが――――――。
転入早々、竜司に絡みだす、彼女の真の目的とは!?
◯ンスタグラム、ユ◯チューブ、◯イッターなどを駆使して繰り広げられる、SNS世代の新感覚復讐系ラブコメディ、ここに開幕!
第二部からは、さらに登場人物たちも増え、コメディ要素が多めとなります(予定)
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
プライベート・スペクタル
点一
ファンタジー
【星】(スターズ)。それは山河を変えるほどの膂力、千里を駆ける脚力、そして異形の術や能力を有する超人・怪人達。
この物語はそんな連中のひどく…ひどく個人的な物語群。
その中の一部、『龍王』と呼ばれた一人の男に焦点を当てたお話。
(※基本 隔週土曜日に更新予定)
やっちん先生
壺の蓋政五郎
大衆娯楽
昔は小使いさんて呼ばれていました。今は技能員です。学校ではやっちん先生と呼ばれています。
鎌倉八幡高校で技能員をしている徳田安男29歳。生徒からはやっちん先生と慕われている。夏休み前に屋上の防水工事が始まる。業者の案内に屋上に上がる。二か所ある屋上出口は常時施錠している。鍵を開けて屋上に出る。フェンスの破れた所がある。それは悲しい事件の傷口である。
暁天一縷 To keep calling your name.
真道 乃ベイ
ファンタジー
命日の夏に、私たちは出会った。
妖魔・怨霊の大災害「災禍」を引き起す日本国。
政府は霊力を生業とする者を集め陰陽寮を設立するが、事態は混沌を極め大戦の時代を迎える。
災禍に傷付き、息絶える者は止まない絶望の最中。
ひとりの陰陽師が、永きに渡る大戦を終結させた。
名を、斉天大聖。
非業の死を成し遂げた聖人として扱われ、日本国は復興の兆しを歩んでいく。
それから、12年の歳月が過ぎ。
人々の平和と妖魔たちの非日常。
互いの世界が干渉しないよう、境界に線を入れる青年がいた。
職業、結界整備師。
名は、桜下。
過去の聖人に関心を持てず、今日も仕事をこなす多忙な日々を送る。
そんな、とある猛暑の日。
斉天大聖の命日である斉天祭で、彼らは巡り会う。
青い目の検非違使と、緋色の髪の舞師。
そして黒瑪瑙の陰陽師。
彼らの運命が交差し、明けない夜空に一縷の光を灯す。
※毎月16日更新中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる