触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?

雪 いつき

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*番外編

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 青い空。眩しい太陽。さわさわと揺れる枝葉の音。
 木漏れ日の射し込む森の中で、ハンモック……じゃなく、スライム型になった水棲ピキュの上で揺られていた。
 背中がひんやり柔らかで、ぷよぷよ。
 これは……あれだ。最高級のウォーターベッド。


「あー……さいこ~……」

 陽射しが目に入らないように、蔦型のキキュが触手で影を作ってくれている。
 肉型のギキュがトロピカルジュースの注がれたグラスを器用に掴み、ストローを俺の口にそっと差し込んでくれた。

「最高のバカンスじゃん……」

 あの革命から一ヶ月。
 俺は聖者として週に二度、王都の病院を回って患者の体力回復に務めている。
 俺の神聖力では、病気は治せない。でも自己治癒力を高めることは出来るから、せめて手助けが出来ればと思った。

 この国の人たちはみんな、神聖力には属性があり、万能じゃないことを教わっているらしい。どの病院でも、どうして治せないのかと怒られることはなかった。


 そんなこんなで、晴れて週休五日になった俺は、今日は何をするでもなくただのんびりしている。最高に贅沢だ。

「トロピカルジュース、うま~~。ありがとな、ギキュ」

『ギュイ、ギュイ~』

 嬉しそうに鳴くギキュを撫でると、タコみたいな吸盤が頬にペタペタと当てられる。めちゃくちゃキスしてくるの可愛いなぁ。

『ピィ~……ピッ!?』

 突然俺の体から神聖力が流れ出し、ピキュがびくっと震える。

「大丈夫だよ、ピキュ。いつものだから」

 街で大怪我をしただろう人を治していくのが分かる。間に合ったみたいだ、良かった……。

 パキュたちのおかげで神聖力は潤沢。色々考えて、革命時の術を改良して、王都で重傷を負った人に神聖力が流れて行くようにして貰った。
 シオン様からとんでもない額の慰謝料を貰ったし、社会貢献というか……俺としても街の人たちを助けられるのは嬉しい。人があったかい街なんだよな。王都って。

「よし。バカンスの続きだ」

『キィ~~』

 キキュを撫でながら……ふと、あまりにも今更なことに気付いてしまった。


「……俺ってさ、丸一日休みって……ある?」

『ピ……ィ』

『キ、キィ……』

 ピキュとキキュが憐れむように鳴いた。
 バカンスだけど、わりと毎日神聖力が流れ出している。今は平和な王都でも、それだけの頻度で大怪我をする人がいるということだ。

「まあでも、俺から言い出したことだもんな。パキュたちも付き合わせてごめん。……でも、俺たちの力が役に立つのは、嬉しいよな」

『ピィ!』

『キュイ!』

『ギギィ!』

 パキュたちは触手を揺らして頷いた。

「あ。補給ありがとな……ん、うぅッ」

 ただ体液を飲ませてくれるだけかと思ったら、キキュの触手が服の中に滑り込んだ。

「ぷはっ……キキュ、突然~って、こら、ピキュ」

『ピィピィ~』

 可愛く鳴きながら、がっちりと俺を拘束する。そのままずるん、とスライムの中に取り込まれた。


『キィ!』

『ギィギィ!』

 キキュとギキュが文句を言うように鳴く。ペチペチと触手がスライム状の表面を叩いた。

「こらこら、喧嘩は……って、ピキュ擦り抜けるんだった~~っ」

 スライム状に見えて、実は触手が集まってるだけ。その隙間から難なく二種類の触手が滑り込んだ。

「ひッ……」

 ギキュ、俺の胸好き過ぎ……!
 吸盤みたいな触手が乳首に吸い付いて、捏ねながら吸い上げる。

「んンッ、は……ぁ、あ」

 気持ちよさに身を捩っていると、ちゅぽん、と音がして吸盤が外れる。ほっと息を吐いてすぐ、今度はゴムブラシみたいなヒダで上下左右に擦られた。

「うあッ、あ、あぁッ」

 不規則に激しく動く触手。まだ胸だけなのに、立ち上がった粒を余すところなく叩かれて、あっさりと達してしまった。


「ぁ……ひッ!」

 今日のパキュたち、わりと容赦ない。キキュが達したばかりのモノに絡みついて、ぬめる蔦の触手で搾り取るように上下する。
 ふとそっちを見ると……触手の先が、ガパァッと口を開けた。

「待っ……まだイったばっかだからぁぁぁッ!!」

 キュゥン、と可愛く鳴いて誤魔化したキキュが、俺のモノにしゃぶりつく。それはもう、大好物を前にした犬のように。

「ひッ……ィッ――!!」

 イく、と思った時には、射精とは違うものがキキュの中に吐き出された。何度体験しても、怖いほどの快感。
 目の前に星が散り……ああ、もう、大宇宙のよう……。そんなことを考えたところで、ふっと意識が落ちた。



「……神聖力、回復した」

 目が覚めてすぐに感じたのは、満タンの神聖力。そして、尻の違和感。
 胸とかアレだけじゃなくて、しっかり後ろにも挿れられてたわ……。多分、時短で全種類の細めのパキュが一気に入ってた……。

「さすがに種類違うし、一個体じゃないんだよなぁ……。って、もしかして、バカンス楽しめるように時短にしてくれたのか?」

『ピィッ』

「そっか。ありがとな」

 突然喘がされたし、お礼を言うのも違うかなと思ったけど、嬉しそうに擦り寄ってくるパキュたちが可愛いからまあいいか。


 ベタベタになった俺を、ピキュが水をかけて丁寧に洗ってくれる。
 いつも森に入ったらすぐに下は海パンだし、上のシャツはもう脱いで、寝そべった上からバスタオルを掛けた。

「はー……やっぱバカンスさいこ~」

 改めてバカンススタイルになり、背伸びをする。

「一ヶ月かぁ……」
 
 そろそろシオン様も、三十分くらいは時間を貰えるようになっただろうか。
 ジンのことを思うと早く解決してやりたいけど……引き継ぎなしで国王になるって大変だろうし、ジンが護衛騎士の勉強してるうちは、まだ様子見かな……。



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