ある日、人気俳優の弟になりました。2

雪 いつき

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余談

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 余談。

 映画の中でしか見た事のないスイートルーム。あまりにもドラマチックな夜景を前に、優斗ゆうとは身を怯ませた。

 ベッドルームのドアを開けると、広がったのはキラキラとした夜景で。その前に置かれた、キングサイズのベッド。

 ……が、とても自然に似合う直柾なおまさ
 ……と、同じく芸能人のようなオーラの隆晴りゅうせい

 自分だけ、世界が違い過ぎるのでは。
 いや、ずっと前から知っていた。
 知っていたけれど……。


「優くん。おいで?」
「っ……」
「優斗」
「っ……!」

 無理です!! と叫びたかった。
 覚悟は決めた。決めて、いた。
 豪華なバスルームでシャワーを浴びている間にも、しっかりと覚悟を決めて出てきた。だが。
 ますます格好良さと大人の色気が増した二人を前に、優斗は一歩後ずさる。

「大丈夫。怖くないよ」
「っ、ぇ、ぅ……ぁ……」
「可愛いな」
「っ……!!」

 ベッドから降り、優しく優斗の手を取る直柾と、逃がさないとばかりに腰を抱く隆晴。

 逃げられない。……いや、逃げる気はない。ないけれど……。


 あれよあれよと連れて行かれ、広いベッドの中央に寝かされる。

 バスローブを作った人は、もう少し胸元が見えない設計にして欲しかった。色気が大変な事になっている二人を見上げ、的外れな八つ当たりをした。
 ……二人のスタイルが良すぎるせい。うん。知っていた。


 右と左、あまりにも顔が良い二人に迫られ、優斗は慌てて体を起こした。そして正座をして、自分の膝を見据える。

「あの、俺っ、………………こういうの、初めてなので……お手柔らかにお願いします……」

 心臓への負荷の意味でも。
 心の中でお願いをして、ギュッと膝の上で拳を握った。

 返答のない二人を、おず……と上目遣いに伺う、と。


 ごめんね、優しく出来ないかも。直柾はそう言って、優斗の唇を塞いだ。
 隆晴は耳に噛み付き、馬鹿、煽るな……と熱い吐息と共に囁いて。


 お願いをした筈が、これは“煽る”と言うらしい。……と気付いたのを最後に、もう考え事など出来なくなってしまったのだった。







‐‐‐END‐‐‐







 お読みいただきありがとうございました!
 時間が掛かってしまいましたが、無事完結まで書く事が出来ました。
 少しでもお楽しみいただけていたら大変嬉しく思います。
 本当にありがとうございました!

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感想 3

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