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現世:新たなる旅立ち
47.レストラン・アイリーン
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アムステルダム国を本拠地としたアイリーンは、「こども食堂」をする。
平民の13歳未満の子供なら、タダで食べられるサービスにアムステルダムの王都で、ぎょっとするほどの宣伝効果をもたらしてしまった。
前々からぼんやりとした構想はあったものの他のお客様との兼ね合いや、貴族の子弟との分別が付かないとの理由でなかなか踏み切ることができなかったのだけど、シンイーが王位に就いたこともあり、そのお祝いを兼ねて、思い切ってやってみることにしたのだ。
実際には、食券売り場の判断なのだけど……、食券売り場が子供だと判断したら、15歳でも無料になる。だから、線が細い子、背の低い子は、すべて無料になってしまう。
採算を度外視したわけだけど、そのサービスは相乗効果を産み、労働者層、裕福な家の者たちが家族全員で来てくれるようになり、狙ったとおりの反響に嬉しい悲鳴を上げている。
ファミリーレストランは、アムステルダムでも見たこともない多国籍料理を提供する店として、成長をし続けている。
それに時折、シンイーが厨房に立つこともあり、シンイーは懐かしくて、手伝ってくれているのだけど、正直なところ有難迷惑で……、王というよりは、家電量販店の店員がお似合いといったところなのだ。
それでもシンイーは、毎日アイリを口説き落とすため、通い続けている。もうアイリーンは、あの夢を見た時から、シンイーのことが好きであるということに、シンイーは気づいてないみたい。でも、恥ずかしくて、まだ落ちていないフリをしているのだけど、どこまで通じているかわからない。
アイリーンは、いつまでも厨房に居座り続けるシンイーに手をこまねいているわけではない。店の表に求人の張り紙を出す。
「急募 ホールスタッフ・厨房・食券売り場 賄付き、社宅あり 給金:金貨20枚 完全週休2日制 永年勤続、リフレッシュ休暇あり 労働時間……(省略)」
前世ニッポン人の感覚からすれば、普通なのだが、この世界はお貴族様のお屋敷に奉公に行っても、こんな高給は到底もらえないというぐらい破格の好条件で、応募者が殺到する
だって、女神様が経営しているレストランが、ブラックレストランなんて、シャレにならないでしょ?
労基がここまで介入してくることはないと思うけど、一応ね。
その中には、明らかに貴族の令嬢だとわかる人も混ざっていて、なかなか狭き門になりそうである。
そらそうだよね。どこかの貴族のお屋敷に行儀見習いに行っても、ご主人のお手付きになり純潔を汚されることも十分ありうる。それに侍女同士のイジメも横行しているから、そんなところに腰掛とはいえ、いつまでもいていいというところとは、とても思えない。それに社宅まで完備しているところの方が安全といえば安全なのだ。レストランオーナーは、女性の名前だから若い女性から見れば、男性よりも信頼がおけるというのも魅力の一つなのだろう。
それでアイリーンが順番に面接を行っていくことにする。面白そうだからという理由で、アフロディーテまでが面接官に加わる。
本来は人間に対して行ってはいけないのだけど、だんだんめんどくさくなってきた二人の女神さまは、鑑定魔法でパッパッと済ませてしまう。
一応、簡単なテストといっても、小論文でテーマは、数多くあるレストランの中でなぜアイリーンを選んだのか?という小論文を書かせることにしたのだ。
小論文の中身など、最初から読むつもりもないので、どうでもいいのだけど、鑑定魔法の結果がすべてで、もう誰を採用するかは、ほぼ確定している。ただ、落とす名目が必要なだけで、応募者を納得させる理由が必要なだけでテストを実施しているというわけ。
選ばれた二人の令嬢を見て、アイリーンは、既視感を覚える。どこかであったような懐かしい感じがするけど、それがどこでだったかは、覚えていない。
まだ、女神だということは、思い出せてもすべてを思い出したわけではないのだからか、ぼんやりと考え事をしてしまう。
とりあえず、二人の令嬢には食券売り場を任せることにしてみた。
平民の13歳未満の子供なら、タダで食べられるサービスにアムステルダムの王都で、ぎょっとするほどの宣伝効果をもたらしてしまった。
前々からぼんやりとした構想はあったものの他のお客様との兼ね合いや、貴族の子弟との分別が付かないとの理由でなかなか踏み切ることができなかったのだけど、シンイーが王位に就いたこともあり、そのお祝いを兼ねて、思い切ってやってみることにしたのだ。
実際には、食券売り場の判断なのだけど……、食券売り場が子供だと判断したら、15歳でも無料になる。だから、線が細い子、背の低い子は、すべて無料になってしまう。
採算を度外視したわけだけど、そのサービスは相乗効果を産み、労働者層、裕福な家の者たちが家族全員で来てくれるようになり、狙ったとおりの反響に嬉しい悲鳴を上げている。
ファミリーレストランは、アムステルダムでも見たこともない多国籍料理を提供する店として、成長をし続けている。
それに時折、シンイーが厨房に立つこともあり、シンイーは懐かしくて、手伝ってくれているのだけど、正直なところ有難迷惑で……、王というよりは、家電量販店の店員がお似合いといったところなのだ。
それでもシンイーは、毎日アイリを口説き落とすため、通い続けている。もうアイリーンは、あの夢を見た時から、シンイーのことが好きであるということに、シンイーは気づいてないみたい。でも、恥ずかしくて、まだ落ちていないフリをしているのだけど、どこまで通じているかわからない。
アイリーンは、いつまでも厨房に居座り続けるシンイーに手をこまねいているわけではない。店の表に求人の張り紙を出す。
「急募 ホールスタッフ・厨房・食券売り場 賄付き、社宅あり 給金:金貨20枚 完全週休2日制 永年勤続、リフレッシュ休暇あり 労働時間……(省略)」
前世ニッポン人の感覚からすれば、普通なのだが、この世界はお貴族様のお屋敷に奉公に行っても、こんな高給は到底もらえないというぐらい破格の好条件で、応募者が殺到する
だって、女神様が経営しているレストランが、ブラックレストランなんて、シャレにならないでしょ?
労基がここまで介入してくることはないと思うけど、一応ね。
その中には、明らかに貴族の令嬢だとわかる人も混ざっていて、なかなか狭き門になりそうである。
そらそうだよね。どこかの貴族のお屋敷に行儀見習いに行っても、ご主人のお手付きになり純潔を汚されることも十分ありうる。それに侍女同士のイジメも横行しているから、そんなところに腰掛とはいえ、いつまでもいていいというところとは、とても思えない。それに社宅まで完備しているところの方が安全といえば安全なのだ。レストランオーナーは、女性の名前だから若い女性から見れば、男性よりも信頼がおけるというのも魅力の一つなのだろう。
それでアイリーンが順番に面接を行っていくことにする。面白そうだからという理由で、アフロディーテまでが面接官に加わる。
本来は人間に対して行ってはいけないのだけど、だんだんめんどくさくなってきた二人の女神さまは、鑑定魔法でパッパッと済ませてしまう。
一応、簡単なテストといっても、小論文でテーマは、数多くあるレストランの中でなぜアイリーンを選んだのか?という小論文を書かせることにしたのだ。
小論文の中身など、最初から読むつもりもないので、どうでもいいのだけど、鑑定魔法の結果がすべてで、もう誰を採用するかは、ほぼ確定している。ただ、落とす名目が必要なだけで、応募者を納得させる理由が必要なだけでテストを実施しているというわけ。
選ばれた二人の令嬢を見て、アイリーンは、既視感を覚える。どこかであったような懐かしい感じがするけど、それがどこでだったかは、覚えていない。
まだ、女神だということは、思い出せてもすべてを思い出したわけではないのだからか、ぼんやりと考え事をしてしまう。
とりあえず、二人の令嬢には食券売り場を任せることにしてみた。
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