転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀

文字の大きさ
51 / 79
現世:新たなる旅立ち

51.披露宴

しおりを挟む
 結婚式の後は、披露宴だが第1会場はレストラン・アフロディーテ、第2会場はレストラン・アイリーンと2会場を設けた。

 2会場とも、2階フロアまで開け放つぐらい盛況で、本来ならホールスタッフがいるところをビュッフェ形式にして、好きなだけ皿に取り、自分のテーブルまで箱音でそこで頂くという形式にする。

 もちろん座らなくても、飲み物片手で立ち話しているグループもある。その中心にいるのは、サファイアで他の神様から質問攻めにあっている。

「どうしたら、こんな可愛い女性と結婚できるのだ?」

「人間の女性は、そんなにいいのか?」

「最高だぜ」

「アイリーン様がしょっちゅう行かれることに納得が行くか?」

「もちろんだな。エレモアが出産したら、神の一員だから神界で暮らすことになると思う。そうしたら、俺と入れ替わりに人間界に行けばいいのでは?」

「教えてくれて、ありがとう」

 もう何人かの神様は行く気満々でいるみたい。慢性的に神界も嫁不足が深刻だから、でも……若い女神など一人もいないので、しょうがない。

 エレモアはエレモアで、エストロゲン家で働いていた同輩たちに囲まれている。

「ねえ、あのオーナーの方、アイリーン様といわれたかしら?あの方、ステファニーお嬢様とそっくりだけど、ご親戚か何かなのかしら?」

「どこでどうやって、神様と知り合えることができたの?」

「この店は、ステファニーお嬢様のお店なのですよ。ステファニー様のミドルネームがアイリーン様で女神様なのです」

「まあ!では、異能が女神さまだったということでしょうか?」

「ステキね!」

「この店の名は、女神さまのお友達の名前からとられたのだけど、エストロゲン家ゆかりの……元から女神さまの眷属だった神様と共に、それに今では侍女長だったジェニファー様もご一緒に働いていらっしゃいますわ」

「ということは、わたくし達にも、働ける可能性があるということなのかしら?そうすれば、眷属の神様と知り合えて、神様と親戚になれるかもしれないということですわね」

「あの一件で、婚約破棄はされるし、勘当や座敷牢には入れられるし……さんざんな目に遭ったけど、こうしてエレモア様が神様と結婚されることになり、面目躍如でございますわ」

「ありがとうございます。でも、すべてはアイリーン様ことステファニーお嬢様のお計らいなのでございますわ。ステファニーお嬢様がわたくしを赦し受け入れてくださったからこそ、旦那様とも巡り合うことができましたの」

「狙い目は、やはりステファニーお嬢様だったということですわね?ありがとうございます。頼んでみますわ」

「ユリア様も、ご結婚までの間、こちらで働いていらっしゃったのです」

「まあ!ユリア様とも御同輩で、いらしたの?」

「ええ。先輩として、いろいろ丁寧にご指導いただきましたわ」

「わたくしも雇っていただけないかしら?」

「今は、アフロディーテ様といわれる女神さまがステファニーお嬢様から引き継がれていますが、ステファニーお嬢様は隣国アムステルダムで、2号店を出され、近々開店予定であらせられるので、そちらなら、ご応募できるかと存じますわ」

 今まで行きたいと言っていた令嬢たちは、アムステルダムと聞いて急に怖気づく。

 厨房の奥から行けることなど知らない。でも、神々は、エレモアの夫も含めて、先ほどからこちらと隣国の店を行ったり来たりしているものだから、ついエレモアも軽い調子で言ってしまったのだ。

「もし、よろしければ、今からでもアムステルダムのお店に行ってみましょうか?」

「えっ!?」

「このお店とアムステルダムのお店は繋がっておりますのよ」

「えーーーっ!?」

 その言葉で、令嬢たちは、厨房を抜け、アムステルダムに次々と行く。

「本当ですわ!ここは……アムステルダム国だなんて……!」

「さすが、神様はやることが違いますわね!」

「わたくし、アムステルダムで働きたいですわ!」





 2度目の披露宴はフランドル家が主催しても、こちらも神界から神々がたくさん列席されることになったのだが、お目当ては人間の令嬢。

 人間の令嬢とお近づきになりたい神々がこぞって集まる。

 エレモア父も、鼻が高い。新婚両人だけを呼ぶつもりであったが、勝手に神界からワラワラと集まってきてくれたので、見た目からして、明らかに人間とは思えない衣装、容姿、背中に羽根を生やしている姿は圧巻である。

 そうなると黙っていられないのがアフロディーテとアイリーン。だから二人の女神さまも媒酌人として?介添え人として?参加している。

 二人の女神さまが参加するとなれば、眷属であるデイジーやオパールなどの半馬神も必然的にくっついてくるというわけ。

 フランドル家のタウンハウスの庭も屋敷もすべて開放して、おもてなしに必死なのだが、表面上は笑顔。

「エレモアの婿殿は神様なのだから、儂も鼻が高い」

「よくまあ、神様とのご縁がありましたなぁ」

 エレモアと婚約破棄した伯爵家は悔しそうにしている。それを見て、フランドルとエレモアは留飲を下げている。

「儂は、エレモアならきっと、素晴らしい婿殿を連れ帰ってくれると信じておったわ」

 うそばっかり。エレモアは俯いているがサファイアはそんなエレモアのことが愛おしくてたまらない。

 どうぞ、末永くお幸せに……。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜

みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。 魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。 目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた? 国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜

光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。 それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。 自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。 隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。 それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。 私のことは私で何とかします。 ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。 魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。 もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ? これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。 表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』

miigumi
ファンタジー
前世では病弱で、病室の窓から空を見上げることしかできなかった私。 そんな私が転生したのは、魔法と剣があるファンタジーの世界。 ……とはいえ、勇者でも聖女でもなく、物語に出てこない“モブキャラ”でした。 貴族の家に生まれるも馴染めず、破門されて放り出された私は、街の片隅―― 「しろくま通り」で、小さなお菓子屋さんを開くことにしました。 相棒は、拾ったまんまるのペンギンの魔物“ピノ”。 季節の果物を使って、前世の記憶を頼りに焼いたお菓子は、 気づけばちょっぴり評判に。 できれば平和に暮らしたいのに、 なぜか最近よく現れるやさしげな騎士さん―― ……って、もしかして勇者パーティーの人なんじゃ?! 静かに暮らしたい元病弱転生モブと、 彼女の焼き菓子に癒される人々の、ちょっと甘くて、ほんのり騒がしい日々の物語。

巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。  〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜

トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!? 婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。 気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。 美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。 けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。 食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉! 「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」 港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。 気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。 ――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談) *AIと一緒に書いています*

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

処理中です...