52 / 79
現世:新たなる旅立ち
52.ナンパ男
しおりを挟む
アムステルダムの店で新たに雇い入れた食券売り場の二人の売り子は、前々世ナターシャとスーザンの魂を持つ娘で、その名前もそのまま受け継いでいる。
だからからか、何か既視感があるような気がしていた。
そして神界からも新たな従業員が来ている。その名は、ペガサスとイカロス、いまは人間の姿に変身しているが元は天馬である。
サファイアでも結婚できたのだからと、ここぞとばかりに求人応募してきたのだ。
たいていの神は、カラダから羽を生やし、どこでも行きたいところへそのまま飛んでいけることができるが、天馬は違う。人間に化身した姿以外の時は、羽が生えている状態が普通なのだ。
ペガサスとイカロスは、早速、ナターシャとスーザンに目を付け、アプローチするも相手にされない。
二人の令嬢がターゲットにしているのは、もちろんシンイー国王陛下だからしょうがない。
時々、お忍びでこのレストランに立ち寄るという情報を持っていて、だからレストランの求人に応募したのだ。
ひょっとすれば、目にとまるかも?と期待している。
でも、ペガサスとイカロスは、二人の令嬢がともに振られてしまう未来を知っている。シンイーの愛する女性は、ただひとりアイリーン女神さまだということは前世、前々世からの因縁で、もはやそれは運命というより宿命になっていることだから。
今世で、二人が結ばれれば、この因縁は切れる。また、切ってもらわないといけないとまで思っている。
その日の午後、ふらりとシンイー国王陛下がやってくる。二人の令嬢が色めき立つも、だが、すぐにナターシャは俯き加減になり出した。
シンイー陛下の側近、オスカル・イソフラボン公爵も同行していたからだ。ナターシャとオスカルは幼い頃より、政略結婚の相手として婚約している。
ナターシャは努力して、オスカルとの関係を築こうとしていたが、オスカルは、ご存知の通り、浮気者で有名。
毎日、違う女をとっかえひっかえ、それはほとんど病気といっていいほどのもので、平民から貴族の未亡人まで幅広い。商売女は皆無で、皆、素人娘かちゃんとしたところの貴族の未亡人ばかりなのである。
そのうちきっと、変な病気を貰うのでは?と心配している。
オスカルは、要するにケチなのだ。性欲処理に金を惜しむタイプ女性をあくまでも道具として思っていなく、きっとコトが済めば、その程度の扱い鹿していないのだろうと推察できる。
オスカルは、食券売り場などに目もくれなかったので、ナターシャがその席にいることなど気づかずに行ってしまった。正直、ホッとしたけど、また帰りにここの前を通るはずだから、早めの休憩を取ろうかどうしようか迷っている。
それで食券売り場から離れて、トイレへ行く。そこへオーナーのアイリーン様が来られる。
「どうしたの?ナターシャ」
「また、陛下がお見えなのですが、少し顔を合わせたくない人も同行されていて、それで先ほどは、気づかれずに済んだのですが……また、顔を合わすのがイヤだなぁと思っていて」
「ふーん。なんて人?」
「オスカル・イソフラボンという……わたくしの婚約者です」
げ!あの、ナンパ野郎が、ナターシャの婚約者とはね。
「わかったわ。今日はアフロディーテで勤務をなさい。こっちよ」
アイリーン様が手招きしてくださると、そこは厨房のような?違うような?食堂のような?違うような?景色が広がっている。でも、一瞬で、そこを通り抜けると、レストランの厨房らしきところに出た。忙しそうに、スタッフさんが注文の料理を作っている。
そして、食券売り場には、慣れない手つきのオバサン?が一人、てんてこ舞いしているかのように忙し気に働いていたのだ。
「ジェニファー!応援、連れてきたわよ」
「ああ、助かります」
少し、食券の色は違うけど、売り場の中に入り、手際よく客をさばいていく。
だからからか、何か既視感があるような気がしていた。
そして神界からも新たな従業員が来ている。その名は、ペガサスとイカロス、いまは人間の姿に変身しているが元は天馬である。
サファイアでも結婚できたのだからと、ここぞとばかりに求人応募してきたのだ。
たいていの神は、カラダから羽を生やし、どこでも行きたいところへそのまま飛んでいけることができるが、天馬は違う。人間に化身した姿以外の時は、羽が生えている状態が普通なのだ。
ペガサスとイカロスは、早速、ナターシャとスーザンに目を付け、アプローチするも相手にされない。
二人の令嬢がターゲットにしているのは、もちろんシンイー国王陛下だからしょうがない。
時々、お忍びでこのレストランに立ち寄るという情報を持っていて、だからレストランの求人に応募したのだ。
ひょっとすれば、目にとまるかも?と期待している。
でも、ペガサスとイカロスは、二人の令嬢がともに振られてしまう未来を知っている。シンイーの愛する女性は、ただひとりアイリーン女神さまだということは前世、前々世からの因縁で、もはやそれは運命というより宿命になっていることだから。
今世で、二人が結ばれれば、この因縁は切れる。また、切ってもらわないといけないとまで思っている。
その日の午後、ふらりとシンイー国王陛下がやってくる。二人の令嬢が色めき立つも、だが、すぐにナターシャは俯き加減になり出した。
シンイー陛下の側近、オスカル・イソフラボン公爵も同行していたからだ。ナターシャとオスカルは幼い頃より、政略結婚の相手として婚約している。
ナターシャは努力して、オスカルとの関係を築こうとしていたが、オスカルは、ご存知の通り、浮気者で有名。
毎日、違う女をとっかえひっかえ、それはほとんど病気といっていいほどのもので、平民から貴族の未亡人まで幅広い。商売女は皆無で、皆、素人娘かちゃんとしたところの貴族の未亡人ばかりなのである。
そのうちきっと、変な病気を貰うのでは?と心配している。
オスカルは、要するにケチなのだ。性欲処理に金を惜しむタイプ女性をあくまでも道具として思っていなく、きっとコトが済めば、その程度の扱い鹿していないのだろうと推察できる。
オスカルは、食券売り場などに目もくれなかったので、ナターシャがその席にいることなど気づかずに行ってしまった。正直、ホッとしたけど、また帰りにここの前を通るはずだから、早めの休憩を取ろうかどうしようか迷っている。
それで食券売り場から離れて、トイレへ行く。そこへオーナーのアイリーン様が来られる。
「どうしたの?ナターシャ」
「また、陛下がお見えなのですが、少し顔を合わせたくない人も同行されていて、それで先ほどは、気づかれずに済んだのですが……また、顔を合わすのがイヤだなぁと思っていて」
「ふーん。なんて人?」
「オスカル・イソフラボンという……わたくしの婚約者です」
げ!あの、ナンパ野郎が、ナターシャの婚約者とはね。
「わかったわ。今日はアフロディーテで勤務をなさい。こっちよ」
アイリーン様が手招きしてくださると、そこは厨房のような?違うような?食堂のような?違うような?景色が広がっている。でも、一瞬で、そこを通り抜けると、レストランの厨房らしきところに出た。忙しそうに、スタッフさんが注文の料理を作っている。
そして、食券売り場には、慣れない手つきのオバサン?が一人、てんてこ舞いしているかのように忙し気に働いていたのだ。
「ジェニファー!応援、連れてきたわよ」
「ああ、助かります」
少し、食券の色は違うけど、売り場の中に入り、手際よく客をさばいていく。
213
あなたにおすすめの小説
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。
わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います
あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。
化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。
所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。
親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。
そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。
実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。
おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。
そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる