チートが無いのに聖女様~なぜだか囲まれてます~

深郷由希菜

文字の大きさ
14 / 23

次の日

しおりを挟む
次の日。

・・・バーニャの姿のバリンデル君と、私の距離が開いた。物理的に。

「ねぇ、ヴィックス・・・?」

「聖女ちゃんに近づかないように俺が守るからね!本当に何もない?気を失っちゃったのはだって言ってたけど、本当かどうかわかんないし」

不安そうに聞きながら、それでも近い、というより側で放たれる声に苦笑する。

今、私は朝食を食べながらも片腕で肩を抱いているヴィックス(同じく食事中)に強制的に離されている。

うぅ、ドキドキしちゃう!

恋人にするみたいにこう抱きしめられるのなんて両親以外だとほぼないに等しいんだから!

「それにしても、器用ねヴィックス?」

「ん?あぁ、利き手が使えないときのために特訓いろいろしてるからね。左手でご飯も戦いもできるよ? あ、聖女ちゃん俺に気が向いてきた?」

笑顔でそんなことを言ってくるけれど、それを断る。

名前を呼ぶたびに嬉しそうな顔するんだから。もう。

そして、離されたバーニャは私たち勇者パーティの座っている最高10人掛けられる(4人用テーブルをわざわざくっつけてくれたみたい)テーブルの隣の他よりも隙間が空いているテーブルで一人、ご飯を食べていた。

その表情は、少し寂しそうでありながらもその位置が当然だと思っているかのような感じだった。

「で、これからどうするの??」

勇者はそれに答えるように顔を上げるけれど、結局口を開くのはファルゴットさんだった。

「本来ならば本日も連携の特訓をしたいところではあるのですが、次の街へ行ってそこでまたダンジョンさがしですかな」

「へー。ま、歩いてる最中にモンスターに出くわさないとも限らないし?ヘンなことも起きないと限らないし?どんなことがあっても今度はちゃんと俺が守るからねー、聖女ちゃん!」

「あの、ヴィックス、近い。見えないでしょ、ご飯が」

もう食べ終わっているからって、顔を私の前に持ってきて強調しなくていいのに。

「うーん、聖女ちゃんつめたーい。でもそういうところもいいんだけどね?」

はいはい、いつもの軽口ね。もう慣れてきたわよ。

ナンパな人に声かけられるのも前世含めて初めてなんだから、最初はドキドキしてたけどね?

「あ、じゃあ俺があーんしてあげようか?」

「却下です。そういうのは恋人にするものです」

「じゃあ恋人になろうよ?」

「漫才している場合じゃないの。ご飯の時間は大事なんだから、それ以外にして」

「それ以外ならいいんだね?」

あーもう、ご飯が食べられなくなっちゃうじゃない。心配はいいけど、ご飯が最優先です!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!

ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。 ※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。

図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました

鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。 素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。 とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。 「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

処理中です...